「・・・・・・え、えっと・・・・」
「おっと。突然のことだから困惑するよね。」
「いやその前にどうしてここにいるんですか?」
「え?・・・・ああ!そういえばここはIS学園だったね。これは失礼した。僕は憐の友達の吉良沢優。」
「えっ!憐さんの!」
一夏は吉良沢の言うことに驚く。
「ああ。彼から君の事はたくさん聞いているよ。君が今の状態で戦えば間違いなく死ぬ。」
「・・・・・」
「わかっているんだね、そのことを。」
「・・・・はい。」
「それでも戦うのかい?」
「・・・・はい。」
「・・・・・・君は彼と同じだ。」
「・・・・・・・え?」
「彼は君と同じような状況に立たされた。それでも彼は戦ったよ。」
「憐さんが・・・・・・」
「だが今度君が戦うビーストはおそらく『イズマエル』だ。」
「『イズマエル』?」
「君が戦ったビーストの総集合体の名だ。ISで立ち向かおうとすれば確実に命を落としかねない。君はどうするつもりだい?」
「・・・・・・俺は・・・・・・・・皆を助けたいです。少し頼みを聞いてもらってもいいですか?」
「なんだい?」
「実は・・・・」
一夏の言葉に吉良沢は驚く。
「まさか君からそんな言葉が出るなんてね。それは可能だよ。でも篠ノ之博士がいるのを忘れてないかい?」
「それついては対策は考えています。パスワードを○○○○○にするんです。」
「なるほど。篠ノ之博士には無縁そうな言葉だね。明日までには完成させるよ。おそらく奴も今明日には攻撃を仕掛けてくるだろうし。」
「お願いします。」
一夏は吉良沢に頭を下げる。
「その代わり条件がある。これに君の唾液を付けてくれ。」
そういって吉良沢は円柱状のケースの中に入っている綿棒を差し出す。
「あの・・・・これは?」
「君のために必要なことだ。協力してくれ。」
「わかりました。」
一夏は言われるがままに口の中の唾液を綿棒に擦り付ける。それを円柱状のケースに入れ、それを吉良沢に渡す。
「いざとなったらこれが必要になる。協力に感謝するよ。」
そう言って吉良沢は消えた。
夕方の食堂。一夏は箒達と一緒に夕食を共にしていた。
「結構無茶な戦術で攻められてきたけど勝ったな、一夏。」
「あ、ああ・・・」
「どうしましたの?」
「もしかしてあの時空に現れたビーストのこと考えてんじゃないの?」
「ん!まあ・・・・な・・・・・」
『おそらく奴も明日には攻撃を仕掛けてくるだろうし。』
吉良沢の言葉が脳裏に蘇える。
(あの言葉がもし本当なら・・・・・・実行は深夜に・・・・)
「――――ちか、一夏。」
「ん!なんだ!?」
「なんだではないぞ。」
「一夏は少し考えすぎだよ。」
「そうそう。私達仲間なんだから協力して倒そうって話してたんじゃない。」
「す、すいません。でも・・・」
「なに?どうかしたの?」
「も、もしかして死ぬといけないからって理由でさ、参戦しないで欲しいって話?」
「あ、ああ・・・・よくわかったな。」
「何を言っているバカモノ!」
「そうですわ!」
「あんた一人抱え込んでんじゃないわよ!」
「僕たちもう決めたんだから!」
「そうだ!」
「今更退けないわ!」
「そ、それにその体だと危険ぽいっし。」
それぞれの言葉を聞いて胸に痛みが走る。
「そ、そうだな。ゴメン。」
(・・・・・・・・わかっている。皆が俺のことを聞いたことは。・・・・・・・でも・・・皆に死んで欲しくない。そのためには・・・・)
その後、一夏は手紙を書いた。
そして奴が現れる。
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突如一夏の前に表れたのはTLTをサポートしてきたあの人であった。