なんやこれ!人多すぎやろ!!全く進まれへんやん!
くっくっくっく。こうなったらやったるわ。意地でもこの人込みを抜けたるでぇ。
秘儀、すり抜け・通り抜けの術!!
とりゃーーーーーー!!!
スイスイススーーイ。
ま、秘儀でも何でもなく、ただの特技やな。
ただ人込みの隙間を通り抜けるだけや。
見極めを誤ると逆に流されたり、通れへんくなるだけや。
この特技、大阪のユニバとか、三宮の某電飾PTとか、東京の某テーマパークとかやと重宝するで。
その分、親とかと離れて迷子になりやすいけどな。
お!そんなこと言ってるまぁに目的地がみえてきたわぁ。
なんやろあれ?龍?蛇?
なんや蛇の絵か…。今年の干支やん。頑張って損したかも。戻ろ戻ろ。
ドン!!
え?
『あ、すみません』
ミスった。人にぶつかってしまったわ。今度から前みとかなな。
さて、戻ろ戻ろ。
「おい、待てコラァ!」
『え?』
僕ぅ?
なんやねん。あやまったやんって、えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
ヤーさんけぇ!!!顔こっわ!!!
つか、さっきぶつかったんこん人けぇ!僕やばくね!?
「てめぇのせいで柏餅の餡が飛び出て服についちまったじゃねぇか!?どうしてくれんだよおい!?」
ああ!!ホンマや!!
ヤーさんが持っとるここの神社名物の柏餅がつぶれとって餡が飛び出してもとう!!
僕、マジでヤバくね!?
金ないで!?僕も実家も金ないで!?有り金は賽銭と行きの柏餅に使ってしもたわ!!どうしょ!?
弁償できひん!!かといって見逃がしてくれそうにあらへん!!ホンマどないしょ!!
いや、冷静になれ××。こんな時こそ冷静にならなどうすんねん!!
とりあえず、「三十六計逃げるに如かず」や!
幸い、ここは人込み。も一回謝って逃げたるで。障害物有りの逃走は得意やねん!
ぜっったい撒いたる!!元いじめられっこのジモティー舐めんなよ!!
つーわけで、高速脳内対策会議終わり!!
「おい!!きいてんのか!?ああ゛!?」
「す、すいませんでしたーーー!!!」
ダッシュ!!!
すたこらサッサーー!!スイスイススーーイッシュッシュッシュシュッ!!
「オイコラ!!どこ行くんじゃワレェ!!まてやゴラァ!!…くっそすすめねぇ!」
待てと言われて待つ奴が居ったら、そいつはよほどの馬鹿か、お人よしか、そいつが相手に好意を持っとる場合じゃボケェ!!!
<
はぁ、はぁ、はぁ…。
なんとか、撒けたかな…、はぁ、はぁ…。
しんどーー。
「マテやコラァ!!!」
Σ!?
嘘ぉぉ!!!?
はよ逃げな!!
プー!!プーー!!
『え?』
ドン!!!!
「きゃーーーーーーーーーーーーーー!!!」
え?……マジで?……車に、弾かれて僕、死ぬん?
めっさ痛い。
熱い。
…さむ、い。
ごめ、ん、な。かぁさん、みんな…。
…パタッ。
pf><
・・・・・・・。
・・・・・?
・・・暖かい?
・・・僕、死んだんちゃうの?・・・生きとるの?
・・・うっ!押し流される!!いやや!!もう少し僕はここにいたいんやぁぁぁぁぁ!!!
ズボォッ!!
「・・・ふぅ、ようやっと産まれよったか。」
Σ!?
誰!?この超絶美人さん誰!?つか狐耳ぃぃ!?
「おや、もう目が開けられるのかえ?我らが子は将来有望じゃぞ。又旅や。」
「はぁ~…。いささか気が早いんじゃないのか?森羅よ。まだ産まれてすぐに目を開けただけだ。」
え?僕生まれたの?……転生?…つか(もう一つ声したが)誰だ?
声から察するに男か?
うぅむむむぅぅ…見えない(泣)。
「そうかえ?……む?又旅や、ちと近う寄れ。子がそなたを見たがっておるようじゃぞ?」
「お、おう」
戸惑いを含んだ返答とともに誰かが近寄ってくる。
Σ!?
うっわぁ~~~~!男前~~~~!ってこっちは猫耳けぇっ!!いや、カッコいいけどさぁ!
「ふふふふっ。先ほどからこの子は目を真ん丸にして、何に驚いとるんじゃのぅ?そのような姿も愛らしい。」
「……産まれてすぐに親ばかとかやめてくれよな。…我らが子が可愛らしくて愛らしいのは否定せんが。」
「ふふっ。ヒトのことは言えんじゃろう?それともなんじゃ?我が子に嫉妬か?お主もかわゆいのぅ。」
「ち、違う!!」
「ほほほ、顔を赤くして否定しても説得力がないぞ?…心配せずとも妾はそなた一筋じゃ。なんなら今からでもそなたをたっぷり可愛がってやるぞ?この子の手がかからなくなったら閨でもじゃ。」
あらま。今生の父上(?)、綺麗なお顔を真っ赤にして黙っちゃった。カッコいいのに可愛いって………
うん、ごちそう様です。とっても美味しいです。
「///そ、それよりもこの子の名前はどうする?」
あ、そういえば名前…あれ?前世の名前が思い出せないぃ。愛称とかは思い出せるんだけど・・・。ま、いっか。今生の名前はなにかなぁ…。
「そうじゃのぅ…どうするか。妾としてはこの子には妖生をおもいっきり楽しく生きてくれたら文句はないのぅ。じゃが、よい名前が思いつかん。…又旅、お主が決めい。」
「いいのか?」
「はよう決めい。妾はわらわの願いを込めた名にしてくれればよい。」
「…わかった。…俺は自分の子にも自由気ままに生きてほしい。だから名前は…そうだなぁ、……『遊楽』、『遊楽』なんてどうだ?」
「おお!良い名じゃ!!それに決めたぞ!!この子の名は遊楽じゃ。九尾の善狐である妾「森羅」と旅好きな猫妖怪であるお主「又旅」の子、『遊楽』じゃ!!」
うん。わかった。遊楽だね?理解したよ。僕の新しい名は遊楽だ。……つか、なんとなくわかってたけど、僕も妖怪なのね。それも理解したよ。やっぱり僕、一度死んだのね。
「それ、言う意味あるのか?ぶっちゃけないだろう?」
「何をいう!?この子が理解しやすいようにじゃ!!このこは将来大物になるぞぉ!!」
え?そうなの?
「はぁ~、確かにそうかもしれんな。(遊楽は俺たちの会話を理解しているのか、瞳に知性を感じる。妖力も産まれたばかりにしては大きい方だろう。…何より、俺と又旅の子だ。大物にならないわけがない)」
「ほほほ、わかっておるではないか。そうじゃ、そのとおりじゃ。」
「…心を読むな。…それよりも気になるんだが、その子は何故なかない?」
あ、忘れてた。
「そういえばそうじゃのぅ。…何故じゃ?ほれ遊楽や、ちと泣いてみぃ?」
「いや、言葉わからんだろう?」
うん。頑張ってみる。←何故か言葉はわかってる。
「み、みぃ…。こ、コォーン。み、みゃー。みゃー。」
あれ?鳴き声が二親の種族どちらも混ざってる?というか人語じゃねぇ!何気にちょっとショックだ…。
「あ、鳴いた。泣くんじゃなくて鳴いた。」
「そうじゃのぅ。頑張って鳴いておるのぅ。おーよしよし。」
あ、気持ちいい…。ほわぁってなる…。
「なんか、和むなぁ。」
「うむ。可愛らしいのぅ。」
あ、だんだん眠くなってきた。
「うむ。眠たかったら寝ておれ。」
うん。わかった。母、上・・・ぐぅー。
ー*-おまけ-*-
「寝たな。」
「寝たのぅ。…さて又旅、もう少し近う寄れ。」
「?…わかった。」
「(よしよし。腕がなるのぅ)」
「う、うわっ!!ちょっ//やめ、…っあ、…っああ!!…ちょっ、どこ触って…っあ、そこはだめ!!…ぁ、っぁあ、っぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーー!!!!・・・・・・・・・・・。」
ー*-数十分後-*-
「ふむ。相変わらず耳と尻尾が弱いのぅ。さわりがいがあるわ。」
「////………。」
ー*-*-*-
森羅が又旅に何したかというというと、ただ単純にもふっただけ。
森羅はテクニシャン。それで又旅は腰砕け。
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つづき。
(書き方がよくわからん・・・。)