No.575497 覇王少女アインハルトStrikerS(続)rineさん 2013-05-12 11:46:27 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1860 閲覧ユーザー数:1818 |
――【アインハルト】o-(・∀´・)ヨロスィク――
――何かを救う、というのは正邪善悪を問わず、行動の結果……只、それだけだよ。
これは『彼』の記憶であり、『私』の夢だ。
夢であるのに都合の良い話など無く、夢であるのにひたすら現実的だ。
眼前にあるのは枯れ果てた荒野とそれを埋め尽く死者の群れ。
せめて
そして曇天の空には争乱の終焉を司る忌々しき
そんな見たくも思い出したくもない場所で語る2人の存在。
片方は『
――死が救いにもなり、生すら苦しみと化す……うん、今の君に相応しいねソレ。
まるで『
その内容が見当違いで無いことに憎悪すら感じる。
そう、合っているからこそ自分自身に嫌悪する。
――納得はしなくていい。でも理解はして。これが一番『効率的な未来』、一つの結果だと。
王として、民を、国を率いる者として、この結果はあの時点での最善であった。
争乱の終焉を早期に導くということ。王道、邪道、正義に悪逆、そんな過程を無視した結果だけを求めれば、だ。
だが、1人の存在である『
――失敗したならやり直せばいい、とは良く言ったものだよね……人生における失敗なんて大抵はやり直せないのにさ。
ならば一体『
『彼女』を止められなかったこと? 『
――敢えて言うなら生まれ落ちた時代だね。ただ生きていて欲しかったのなら、手段を選ばずに閉じ込めておけば良かったんだよ。
それは出来ない。在り得ない。断じて否定すべき回答だ。
なぜならば『
――そう、ならば精々頑張りなさい。後悔するくらいなら行動しなさい。どうか『
曇天の空は相変わらず、そして最後の言葉は風に流され『
そして『
――b(⌒o⌒)d おっ \(*^▽^*)/ はぁー!!――
(……後悔するくらいなら行動しなさい、ですか)
蒼空の下で朝を向かえることが出来る素晴らしさを実感しながら、
今日の夢は今まで視たことのない
(そういえば彼女は一体誰だったのでしょうか……?)
だが、夢の中ではあの場面を明確に思い出すことが出来、識ることができた。
(彼女が誰でもいい、というわけではありませんが今は……)
いつも視てきた
そして1つの事象にはそれなりの要因が存在する。火の無いところに煙は出ない、というやつだ。
つまりは変化が、
昨日は半信半疑だったが、今日の変化でアレが確信へとかなり近づいた。
――ヤッテラレンワ…ヽ(○´3`)ノ フッ――
その確信を得たいが故、今日は両親に嘘を吐き、学院を仮病で休んでまで聖王医療院に確認しにきた。
コレが悪いこと、いけないことだとは理解している。だが後悔はしていない……否、後悔をしたくないからこそ行動した。
そう、思い切って行動はしたのだが……。
(そもそも名前も病室もわかりませんでした……)
聖王医療院の中庭、そこのベンチに座り蒼天を見上げながら溜息を吐く。
思いつきの行動の結果、速攻で行き詰ってしまったのだ。
ご利用は計画的に、という広告すら思い出した。
(それに搬送先が
もしかしたら別の病院に搬送されているのかもしれない。
そもそも
ナースステーションで確認するのは……目的が微妙に不純であるため、少々後ろめたい。
それで断られたら……否、昨日の出来事を考えると断られる可能性があるからこそ尋ねることが出来ない。
(……それに普通は赤の他人のお見舞いには来ませんよね)
そんなことを考えながら昨日のことを思い出す。
サードアベニュー路地裏で幼女を見つけたこと。
その幼子がなんとなく『彼女』に似ていたこと。
クセのあるモミアゲ部分をいつか真っ直ぐにしてやりたいという
それでついつい壁を殴ってしまい拳を傷めたこと……これはどうでもいい。
こっそり『瞳』を確認しようとしたら、通りすがりの休暇中管理局達が来て確認まで至らなかったこと。
幼子が『レリック』と呼ばれる『あの核』に良く似た魔力結晶を持っていたこと。
自分と年の差が無さそうな少女がそれを一目見てロストロギアと認識し、高度な封印処理まで行ったこと。
封印処理と通信連絡の流れから、まるでこの件の専門部隊だと言わんばかりの対応をしていたこと。
搬送先が聖王医療院だと通信で話しており、最新型のヘリで搬送されて行ったこと。
それらをただ見送り、何も出来ずに帰らされたこと。
その晩のニュースで廃都市区画でテロがあったこと。
サードアベニューの現場と聖王医療院の最短空路が廃都市区域であったこと。
そして……あの幼子が『彼女』と関わりある存在だとしたら……とんでもない事件かもしれないと気付いた自分がいたこと。
……まぁ、昨日の自分は何も出来なかったのだが。
(大抵の人間は突発的な事態では反応が遅れるもの、ですか……)
昨日と今日、自分の行動を思い出し、あまりの情けなさに自己嫌悪する。
そしてソレは……認めたくは無いのだが、昨日の彼の言い分が無駄に正しかったことを示す。
(あぁ、そういえば彼も今日は……)
と、昨日の別れ際での彼との
「――おはようございますアインハルトさん。まさか本当に朝から
……目の前にとても良い笑顔をしたクラスメイトがいやがった。
その笑顔に、かつての放浪癖がある友人に抱いていた
きっと今ならば、未完成である断空拳もその頂きに至れる……そんな気がした。
――(>_<。)HelpMe!!☆^(o≧▽゚)oNoWay!!――
「えぇ、おはようございますフューネさん。昨日の今日で再び無様を晒しているアインハルトです。昨日の帰りにサードアベニュー路地裏で幼子を見つけて、戸惑って警防署に連絡も入れられず途方に暮れていたところを通りすがりの少し年上の管理局員達に助けられ、あれやこれやと何も出来ずに見送った情けないアインハルトです」
根掘り葉掘り問われるのが嫌なので、一息にいい加減にまとめ昨日のことを語る。
普通の人なら『えっ?』と引かれそうな気がするが、何故か彼ならば通じる気がしたから問題ない。
本当に嫌な信頼関係だが……。
「いえ、流石に誰もそこまで聞いてませんよ? それに駄目ですよ、自分を一息でそこまで卑下する発言は」
では他人を陥れるのはOKなのですか、と普段から私をからかう
「昨日のことは漠然と理解しましたよ……それで? 今日はどうしたのですか?」
どうして学院をサボタージュしてまで
流石に私服で来ている以上、登校する意思を感じられない、そう判断したのだろう。
そもそも彼も私服である以上、途中から登校する意思が無いのだから、人のことをどうこう言って欲しくない。
……今回の自分はサボりなので強く言い返せないが。
そもそも、そんな下らないことを問答するつもりはない。
なぜならば、そんなことより重要な、知りたいことがあるからだ。
「……聞きたいことがあります」
そう、今は藁にも縋ってでも得たい情報があった。
それは今日の目的、
「まぁ、答えられる範囲であれば……なんでしょうか?」
質問を質問で返す失礼な私だったが、彼としては別段気にしなかったようだ。
普段から彼の方が色々と失礼なので、彼にも思う所が……あるわけないだろう。
さておき、普段から病弱を謳って
だから……。
「――先ほどの話、昨日見つけたその幼子について……その娘の病室に心当たり、もしくは見当がつきませんか?」
回りくどいことはせずストレートに尋ねることにした。
――(>_<。)HelpMe!!☆^(o≧▽゚)oOK!!――
「……ここですか」
とある病棟。
そこでネームプレートも無い病室の前に立つ。
扉には面会謝絶の掛札がされている。
「えぇ、おそらくここで間違いないでしょう。その娘は外傷も特に無かったのでしょう? 極度の疲労か何かで倒れていただけなら……まぁ、部屋くらいは予想つきますよ」
彼はあの質問に少しだけ思案した後、いつも通りのイラッとする態度で可能性がある
だが、こちらの
道中の態度は普段の彼と変わりなかったが、ほんの少しだけ違和感を覚えた。
そう、彼がまるで私の目的を初めから知っていたかのように……とは考え過ぎだろうか?
「では、これから診断があるので。ここから先は貴女の判断におまかせします。あぁ、礼なんて言わないで下さいね。コレは決して良いことをしたわけではありませんので」
そう言って、彼は私に質問させる隙も与えず去っていった。
あれでも一応は病弱らしく定期診断を受けているようだ。
なんだかイマイチ信用ならないが。
(まぁ、彼の意図が何処にあるにしろ……)
ともかく、自分が求めた成果は得られた。
これであの娘に会うことが出来る。そして確信に至ることが出来る……かもしれない。
(……よし、誰もいませんね)
入室する前に周囲を確認する。人影や気配は感じられないし、中からは特に物音もしない。
まるで泥棒のように……いや、悪いことを、間違っていることをしているという認識はある。
だが、確かめるまでは帰れないのだ、と必死に自分へ言い聞かせながら静かに病室のドアを開けた。
――。・゚゚ '゜(*/□\*) '゜゚゚・。 ウワァーン!!――
名も知らない医療機器が置かれたベッドが目に入る。
窓際に置かれた花瓶の花からだろうか、ふんわりと優しい花の香りが鼻腔をくすぐる。
静かで呼吸の乱れもなく、規則正しい小さな寝息が耳に届く。
何故か緊張のあまりゴクリと喉を鳴らし、唾を飲み込む。
そして……ベッドまで近づき、眠っている『彼女』の柔らかそうな頬に手を触れる。
(暖かい……あぁ、この娘は『生きて』いるんだ)
「うぅん……まぁま……」
小さく『彼女』の寝言が聞こえる。
どうやらだいぶ眠りも浅く、覚醒の時が近くなってきているようだ。
自分の心臓がやたらと高鳴っているのを手を当てずとも感じることができる。
そして大きく深呼吸をしてから『彼女』に声をかける。
「……起きて下さい『ヴィヴィ』」
特に意識したわけではないのに、自然とその名を口にしていた。
それは、かつて呼ぶことが出来なかった『彼女』の愛称。
「うぅん……」
小さく声が上がる。
そしてゆっくりと身体を起こし……『彼女』がその瞳を開けた。
「――あぁ……ッ!」
目の奥がチリチリと痛みを訴え、喉がカラカラで声が擦れ、寒くもないのに手が震えている。
そして……病室の中なのに、今日はかつての曇天ではないのに……ただ、静かに暖かい『雨』が降っている。
今の私は……きっと情けなく、そして酷い顔をしているだろう。
そんな私を……。
――鮮やかな
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なんだかんだで続きを書いてしまった。
この話って実は始発駅(プロローグ)と終着駅(クライマックス)しか考えていなかったネタなんだよね。
つまりその間の線路(プロット)が無いんだわさ。
まぁ、この続きを書きながら色々妄想したから、書けないことは無さそうなので前向きに頑張ります。
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