No.572934

バカとテストと召喚獣 五つの鎧を持つもの 第十一話

ザルバさん

ツイニシリョウサイトウジツダナ。ケッコウサマニナッテルナ鋼牙。
「一回戦」
カルクタオシテヤレ、鋼牙。

2013-05-04 20:05:47 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1962   閲覧ユーザー数:1906

 清涼祭初日、Fクラス中華喫茶には本格的と言ってもいいほどの机と椅子が置かれていた。

「しっかしお前の家って何なんだよ。こういうの普通持ってんのか?」

「母の仕事先の人や父の昔の知人から送られたものだ。蔵の中で眠っていたものばかりだがゴンザはいい物だと言っていた。」

「そのゴンザって誰だ?」

「家の執事だ。昔から家を世話してもらっている。」

「お前の家って金持ちか?」

「そこはわからん。」

「自分の家なのにか?」

「ああ。母は家にあまりいなかったからな。仕事柄家を空けていることが多かった。」

「・・・・・二人とも。」

 土屋が二人に話しかけてくる。

「なんだムッツリーニ?」

「・・・・そろそろ開店する時間だ。」

「おっと、もうそんな時間か。」

「土屋。」

「・・・・何だ鋼牙?」

「お前生中継をする機材を持っているか?」

「・・・・・持っているがどうしてだ?」

「ここは端っこの方だからあまり客を引き寄せられない。なら一般公開の試召戦争をここで中継すれば客が引き寄せられると思ってな。」

「確かにそうだな。ムッツリーニ、どのくらいで出来る?」

「・・・・・二回戦までには可能だ。」

「では頼む。俺は着替えてくる。」

 数分後

 鋼牙は白い長袖のチャイナ服を着ていた。

「結構様になってるな。」

「こういう服は着たことが無いからわからないがそうなのか?」

「ああ。だが腰の辺りがなんか細くないか?コルセットでもつけているのか?」

「・・・・・・いや、本人の身体に合わせて作った。」

 土屋の言葉に姫路と美波は驚く。

「あんなに腰が細いなんて・・・・・」OTL

「負けたわ・・・・・」OTL

「鋼牙、それはマジか?」

「嘘を言っても得をしないだろ。」

「そ、そうか・・・(こいつ細すぎだろ。)」

 

「いらっしゃいませ。」

 鋼牙が二人の女子生徒に接客をする。

「二名様でよろしいでしょうか?」

「は、はい。」

「ではこちらへどうぞ。」

「は、はい。」

 二人の女子生徒は顔を赤くする。

「こちらがメニューになります。ご注文がお決まりましたら声をおかけください。」

 鋼牙は一礼して他の客の接客に移る。

「ねえ、あの人どう思う?」

「結構かっこいいよ。しかもイケメンだし。」

「だよねだよね。なんかあの人のスマイルを頼みたいよ。」

「わかるわかる!頼みたいよね!」

 女子生徒二人は鋼牙の話で盛り上がっていた。

「おい鋼牙、そろそろ試合開始時間だ。」

「わかった。秀吉、土屋、店を頼むぞ。」

「・・・・了解。」

「わかったのじゃ。頑張ってくるんじゃぞ。」

 

 校庭に作られた特設ステージで召還戦争が催されていた。

「二回戦までは一般公開はされないから各自緊張せず行うように。」

 立会人を務める西村先生。科目は今回は数学である。対戦相手は姫路にやられた二人だな。

「頑張ろうね、律子。」

「うん。」

 仲がいいのは微笑ましいな。

「それでは両者、召還獣を召還しろ。」

『試獣召還』

 Bクラス 岩田律子 & Bクラス 菊入真由美

 数学   179点 &      163点

 二人の召還獣は岩田が大きなハンマー、菊入が槍とい特徴が似ている。一方鋼牙と有事は

 

 Fクラス 冴島鋼牙 & Fクラス 坂本雄二

 数学   500点 &      179点

「おい鋼牙。その点数は何だ!」

「ああ、学園長にあまり点を取り過ぎるなと言われてな。これでも抑えた方だ。」

「あんな点数で抑えた方だなんて・・・・・」

「だ、大丈夫!点数はあっても召還獣の扱いがダメだったら意味ないって。」

 鋼牙の召還獣は赤味の鞘の双剣を左手に持っていた。

「おい鋼牙、今回はよろいは召還しないのか?」

「ああ。久々に召還せずに勝とうと思ってな。お前は下がっていろ。」

「わーたよ。」

「それでは両者、試合開始!」

「いくよ律子。」

「うん!」

 二人の召還獣が鋼牙の召還獣を左右から挟むように攻撃してくる。鋼牙は鞘から剣を抜き右を柄で、左を鞘で防ぐ。

「うそ!」

「マジ!」

 鋼牙の召還獣は二人の召還獣を押し戻し左の甲で剣の地肌をなでる。鋼牙は岩田の召還獣に急接近し剣を突き刺す。

「律子!」

 菊入の召還獣が後から突いてくる。鋼牙は召還獣を右に逸らせる。菊入の攻撃を岩田の召還獣に喰らわせる。

「真由美!」

「ゴメン!」

 鋼牙は剣を右から左に振る。二人の召還獣は消滅した。

「そこまで!勝者、Fクラス坂本雄二、冴島鋼牙。」

 鋼牙の召還獣は縦に剣を鞘に収める。

「そこの二人。」

「なに?」

「なんか用?」

「先ほどの連携はよかった。だが互いの武器の特性と弱点を把握していなかったのが敗因だ。次戦うときはそこを把握すればいいと思うぞ。」

 鋼牙は微笑みながら言った。その表情に二人は心を射抜かれる。

「「//////////」」

「お前、無自覚にも程があるだろ。」

「?」

「いや、なんでもない。」

「あ!あとFクラスの中華喫茶も後で時間があったら寄ってくれ。」

 鋼牙と雄二はその場を去っていった。

「ねえ律子、あの人どう思う?」

「う、うん・・・・結構カッコイイね。それに強いし優しいし。」

「それにチャイナ服も似合ってたしね。」

 二人はしばらく顔が熱くなっていた。

 


 
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