No.572863

真・恋姫†無双 真公孫伝 ~雲と蓮と御遣いと~ 1-40


二週間以上の間隔を空けてしまい申し訳ございません。

作者なりに頑張ってはいるのですが、時間とかインスピレーションとかそれを文にする能力とかが足りないもので……orz

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2013-05-04 16:33:45 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:8829   閲覧ユーザー数:6521

 

 

 

 

ひとつの部屋に、男三人と女が一人。

こういうふうな表現にすると、背徳的というか少し危ない感じがするのは気のせいだろうか。

 

いや、おそらく気のせいではないだろう。

 

しかし、今はそんな方向に考えを持っていくわけにはいかない――というか持っていけない。

 

物理的にも、精神的にも。何故か?理由は簡単。

 

部屋の空気が、妙に殺伐としているからだ。それこそ今まさに、敵意と敵意がぶつかっている最中である。

 

 

「……星」

「左慈」

 

 

一刀と于吉はお互いの相方を諌める声を出す。

 

それでもしばらくの間、互いを睨んでいた星と左慈だったが、不意にどちらともなく、その視線を外す。

 

張り詰めていた部屋の空気が少し軽くなったのを感じたのか、于吉は満足げに頷いた。

 

 

「さて、多少空気が元に戻ったところで話を進めましょう。……ふむ、どこまで話しましたか」

 

「お前たちが俺と星、他の仲間達にとって敵だったこと。左慈の記憶が戻ったこと。俺と星の記憶が戻った原因までだよ」

 

「ああ、そうでしたね。……ふふ」

 

 

一刀の言葉に、何故か笑う于吉。

 

それを見た星のこめかみが、ピクンと動いた。同時にその手が傍らに置かれた龍牙に伸び、それを掴む。

 

 

「星。気持ちは分かるけど、今は」

 

「……仕方ありませぬな」

 

 

一刀の制止に、星は渋々といった様子で、龍牙から手を離す。しかしその眼は冷たく、于吉を見据えていた。

 

それを受けてもなお、于吉は笑っている。

しかしその笑いは嘲りではなく、ただ純粋に可笑しくて笑っている、という類いの笑みだった。

 

 

「いえ、失敬。あなたちを怒らせるつもりは毛頭無いのですが。如何せん、趙雲殿の話は突拍子が無さ過ぎるもので」

 

「キスで記憶が戻るなど、どこのお伽噺だ、馬鹿馬鹿しい」

 

「くくっ」

 

 

左慈の吐き捨てるような、しかし的を射た発言を受けて再び于吉が笑いを漏らす。

 

 

「なぜ笑う。口付けたことで記憶が戻る――これこそ浪漫というやつだろう」

 

 

少しだけ語気を荒げた星の眼が更に細くなる。

殺気とはいかないまでも、それは明らかな敵意だった。

 

自分が口にした憶測が憶測なだけに、それを笑われるのは我慢ならないのだろう。

 

多少なりとも運命的なものを感じる『口付けで愛する者の記憶が戻る』なんて浪漫があれば、尚更に。

 

ついでに言うなら、少し普通とは違う、星の美的価値観にも何かクるものがあったのだろう。

 

 

「浪漫、ですか。中々に良いものだと思いはしますがね、それも。しかしもう一度言いますが、あまりにも突拍子が無さ過ぎる。……いやまあ実際、否定はしませんよ。あなたたち二人――つまり当事者がそう言うならそうなのでしょう」

 

 

さらに細くなる星の眼を見て、少し慌てたように于吉は言葉を濁す。

 

それを聞いた左慈が、訝しげな視線を于吉に向けた。

 

 

「正気か?于吉」

 

「左慈。人と人の絆は、時に予想以上の力を発揮する。それが元で世界にイレギュラーが起こることもある。我々にはそういう経験がある筈ですよ?それが愛する者との絆なら、より一層、ね」

 

「『絆』だの『愛』だの……馬鹿馬鹿しいにもほどがある。……俺は認めんぞ」

 

 

左慈は眉間に皺を寄せ、あからさまに不機嫌な表情をつくる。

自分自身が口に出した言葉に不快感を感じているかのようだった。

 

それを見て一瞬戸惑ったものの、一刀は自分の考えを口にする。

 

 

「いや、でもそれぐらいしか考えられないんだよ。他に原因も思い当たらないし。ええと……その、キスしたすぐ後に、星が寝ちゃったのも変だろ?」

 

「まあ、そうですが」

 

「ああ、私には主と口付けをした後の記憶がない。寝落ちたと思ったが、あれは寝入るというより気絶に近かった気がするな。ふむ……しかし主よ。なぜそのことを言いにくそうに話すのか」

 

「え?あ、いや、なんか改めて口にするとなると、少し恥ずかしいし」

 

「何を今更。少なくとも日に一度は誰かと肌を重ねていた方が言うことではありますまい」

 

「……や、そうは言われてもな」

 

 

星の言葉に、一刀は頬を紅く染めながら曖昧な返事で頬を掻く。

 

照れによって染まった頬はともかくとして、星に対し、なぜ于吉のことを攻撃するのか、と聞いた時と同じような表情だった。

 

 

「趙雲殿。北郷殿は言ったはずですが?『貴女との記憶以外は戻っていない』――と」

 

 

見かねた于吉が助け船を出す。それを聞いて、星は複雑な表情になった。

 

 

「そう……だったな。すみませぬ、主」

 

 

少しだけ沈痛な面持ちとなり、一刀に向かって頭を下げる星。

それを見て、一刀は優しい表情になる。そして頭を上げた星に対し、静かに首を振った。

 

 

「いや、星が気にすることじゃないよ」

 

「は……しかし、反応に困る状況ですな。私と過ごした日々を主が思い出したことを喜ぶべきか。それとも――私と過ごした日々(しか)思い出していないことを悲しむべきか」

 

 

複雑な表情のまま思案を始める星や、黙ったままの于吉、左慈を見て、一刀は思う。

 

于吉や左慈、星の説明を受けただけでは実感が沸かない。

 

なにせ、星と過ごした記憶は戻ったものの、その記憶――映像の多くは部分的に黒く塗りつぶされているからだ。

 

 

 

星と初めて会った時

――そこにいたはずの仲間を思い出せない。

 

 

星が俺を主と定め、仕えてくれることになった

――やはり、その場にいるはずの、星以外の仲間を思い出せない。

 

 

 

他にも数々の記憶が、部分的に黒く染まっている。

まるで漫画に黒いインクを溢してしまったかのように。俺の記憶は不完全だった。

 

その気持ち悪さを内に押し殺し、一刀は現状を把握するための話に加わり続ける。

 

星が言うには、『敵』だったはずの二人を交えて。

 

記憶が無いせいなのか、それともこの二人と仲間として過ごした、短くも濃かった日常の記憶がそうさせているのか定かではないが、今の一刀にこの二人を敵と認識することは出来なかった。

 

 

「ふむ……この状況から推察するに、どうやら北郷殿と『なんらか』の関わりを持てば記憶が戻るのかもしれませんね」

 

「うん?主と口付けをすれば、の間違いではないのか?」

 

「馬鹿か貴様は。それともなにか?このアホに、記憶の戻っていない関羽や張飛へと無理矢理キスをさせるつもりか?」

 

「それでも記憶が戻るのだから問題はなかろう。なに、主と我らは口付けぐらいでどうこう言う段階はとうに過ぎた」

 

「……付き合ってられるか」

 

 

頭痛がする、とでもいうように、左慈は額に手を当て、頭を振った。

それは一刀も同じで、さすがに頭痛がする、とまではいかなかったものの

 

 

(それはちょっと……)

 

 

と思っていた。

 

 

「まあ、あまり得策ではないでしょうね。北郷殿の与える愛は、相手もそうでないといけない――つまり、女性の気持ち次第ですから。『相手の気持ちを無視しても、キスすれば記憶が戻るのだから問題ない』、とはいかないでしょう。違いますか?」

 

「いや、よく分かんないけどさ。男女の関係なんて、そう簡単にはいかないだろ?それに、いくら愛紗や鈴々が『前の外史』で俺と相思相愛の関係にあったんだとしても、記憶が無い今は違うんだ。少なくとも俺は、彼女達は、それを思い出してない。キスをすることで記憶が戻るってのが確実でない以上、俺には無理だ」

 

「だ、そうですが?趙雲殿」

 

 

状況を愉しんでいる様な笑みを湛え、星を見る于吉。

それを見て不快そうに鼻を鳴らした後に、星は真面目な表情になった。

 

 

「主がそう言う以上、無理強いをさせる理由は無いさ。……それに、ああは言ったが私とて、女人にキスを迫る主を、頻繁に見たいわけではない。我が主は、気が多くこそあれ、節操無しではないからな」

 

「ふ……惚気ていますね。それでは、記憶が戻る法則については、私達の方でも少し調査しましょう。と言っても現状では、記憶が戻る人間待ちしか出来ませんが」

 

 

于吉が肩を竦めたのを皮切りに、取り敢えずこの話題は収束を見た。

 

分かったこと、変わったこと、いくつかの状況を整理しよう。

 

 

・于吉と左慈は、かつて敵だった。外史の管理者という役割に着いていたらしい。

いたらしい、という言葉から察することが出来ると思うが、今はもう違うとは本人たちの言。

外史というのは『特定の誰かや不特定多数の誰かに望まれた結果、誕生する世界』だそうだ。正直、よく分からない。于吉や左慈の説明上、取り敢えずはパラレルワールドみたいなもの、という認識でいいらしい。

 

 

・俺こと、北郷一刀は前の外史(便宜上そう呼称することにした)の記憶が殆ど無い。今あるのは、前の外史で星と過ごした記憶と、今の外史で白蓮や皆と過ごした記憶だけだ。

 

 

・そして、今この外史にいるのはおそらく、前の外史にいた人間と同一人物。記憶が蘇った星だけが今のところ、その生き証人となっているが、如何せんまだ一人だけしか確認が取れていないので、『おそらく』という曖昧な言い回しを使う他無い。

 

 

星から聞いたことを整理すると、北郷一刀という人間は三国志で言う劉備の立ち位置だったらしい。関羽、張飛、趙雲、諸葛亮、馬超、黄忠などを筆頭に、以下多数の仲間がいたとか。そして、その悉くと相思相愛だった、と。まさに、『これなんてエロゲ?』だ。

 

だが、記憶が無い今それを聞いても、よく分からないモヤモヤとした感情が、心の中に渦巻くだけだった。

 

唯一の救いは、こちらも『おそらく』だが、俺の記憶と仲間の記憶が連動しているということ。

つまり、どちらか片方が記憶を取り戻しても、もう片方の記憶が戻らない――なんていう、悲しいことは起こらないということだ。……何度も言うがあくまで、おそらく今のところは。

 

 

曖昧な根拠だったけど、今はそれがひとつの救いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「話はここまでだ。俺はもう戻るぞ」

 

 

徐に壁から背を離した左慈が、部屋の扉に手を掛けた。その後に、于吉も続く。

 

向けている背からは、確実に拒絶の意思が伝わってきていた。

 

しかし、まだ聞きたいことは残っている。それも、だいぶ多く。

 

なら最低限、これだけは聞いておこう。答えによっては他の質問は後回しでも構わない。

 

 

「なあ、左慈」

 

「……なんだ」

 

 

扉に手を掛けたままの体勢で、左慈が止まる。その口から出たのは、あからさまに不機嫌な声だった。

 

この外史で共に過ごした左慈とのギャップがあるせいか、その対応に少し悲しくなり、なんだか凹む。

 

それでも、聞くべきことは聞かなければいけない。

 

 

「お前、ここに残ってくれるか?」

 

「……」

 

 

沈黙。于吉は左慈の答えを待つかのように、その場に立ち続ける。

そして、何も言わないまま左慈の手が扉を開けた。その脚が部屋の外へと出て行く……その刹那。

 

 

 

「――借りは返す」

 

 

 

それだけを口にして、左慈は完全に部屋を出て行った。

于吉は一度会釈をし、静かに左慈の後を追って、同じように部屋を出て行く。

 

パタン、と閉じる部屋の扉。部屋に落ちる静寂。一刀の深い溜息が漏れた。

 

 

「はあ……良かった」

 

 

そう、安堵の溜息が。

 

もちろん、仲間としての彼ら二人にはいて欲しい。去らないで欲しい。共に白蓮を支えて欲しい。それは当たり前だ。だけど現状、彼ら二人が戦力として機能しているのも事実。

 

于吉は癖があるものの、優秀な文官として。

左慈は……今の性格はともかくとして、新たに作られる情報部隊の隊長として。

 

前者、特に後者だが。今後は二人の力が、存在が、絶対に必要になる。

なぜなら、この外史が歴史通りに進んでいるなら、次に起きる事件、戦はおそらく――

 

 

「主!」

 

「うわっとお!?」

 

 

突然耳元で叫ばれた大音量に、思考が途中で掻き乱された。というか霧散した。

鼓膜にダメージを受けたのか、キーンという音が耳の奥で。耳の辺りに手をやりながら、大音量の主――星に顔を向けた。

 

 

「せ、星……耳が」

 

「何度呼んでも主が返事をなさらないからです。記憶が戻ってしばらくしてから倒れた、私の様な例もある。……心配になるではないですか」

 

「あ、うん。悪かった」

 

「分かって下さればいいのです。それで、何を考えていたのですか?とても難しい顔をして唸っていましたが」

 

「……なあ、星。今の俺は前の外史の記憶が、星と過ごしたものだけしかない。愛紗や鈴々、朱里や翠達と過ごした記憶どころか、前の外史で俺が何をやっていたのかも分からない。でも、だからこそ教えて欲しい」

 

 

真剣な表情で改めて自分に向き直る一刀に釣られて、自然と星の表情も引き締まる。

 

そこには、前の外史で見ることは無かった物。何かの芯が通った者にこそある『強さ』があった。

 

そして、一瞬躊躇したものの一刀は口を開く。その口から出た言葉は、質問は、疑問は。

 

 

 

 

「――前の外史で公孫賛……いや、白蓮はどうなった?」

 

 

 

 

星――趙雲にとっては鬼門だった。

 

おそらく、記憶が戻っていれば、一刀にも同様に。

 

 

 

それは星が一刀に対し、前の外史での出来事を説明する際、無意識に避けていた話題。呉や魏が敵だった。しかし、最終的には協力し、敵であった于吉、左慈との決戦に至る。けれどそこには、公孫賛という名が欠けていた。それは、つまり――

 

 

 

 

 

 

 

 

「やはり変わりましたね、左慈」

 

 

星の部屋から退出し、少し歩いたところで唐突に于吉が呟く。

その愉しげな声を耳にした左慈の歩みが止まった。そして振り向く。眉間に皺を寄せて。

 

 

「……拾われた借りを返すだけだ。慣れ合うつもりはない」

 

「素直じゃないですねえ。まあ、そういうところが可愛いと思うのですが」

 

「殺すぞ、貴様」

 

「これは失礼。既に日中に一度半殺しの目にあっている身ですから、これ以上はご勘弁を」

 

「それも元はと言えば貴様が原因だろうが。あの時は有耶無耶にしたが、今度はそうはいかんぞ。何故、俺の記憶を封じていた」

 

「おっと、藪蛇でしたか」

 

 

左慈の鋭い視線を受けてもなお、于吉は穏やかな笑みを崩さない。

それは何かを隠しているようにも取れ、ただ純粋に笑んでいるようにも見て取れた。

 

少しだけ考え、于吉は口を開く。

 

 

「左慈、この世界は楽しいですか?」

 

 

答えでは無く、質問に質問を重ねて。

 

 

「なに?……どういう意味だ」

 

 

自分の求める答えでは無かったことに苛立ち、しかし于吉が問うた言葉の意味を量り兼ね、怪訝な様子で左慈は疑問を口にした。

 

 

「意味などありませんよ。ただ私は聞いているだけです。『この世界は、暮らしは、生きて、考えて、笑っている事は、楽しいか』とね」

 

「お前は相変わらずだな、于吉。どこまでが真面目で、どこまでがおふざけなのかが、まったくと言っていいほど分からん」

 

「私は常に真面目ですよ。そう、全ての事に対して、ね」

 

「どうだかな。少なくとも、周りに伝わっているかどうかは甚だ疑問だ」

 

「ふふっ」

 

「……なにがおかしい」

 

 

急に小さな笑い声を漏らした于吉。左慈の視線に戸惑いの色が混じる。眉間に寄った皺も増えたが。

 

 

「いえ、なんでも。時に左慈、貴方は今なんと言いましたか?」

 

「……『周りに伝わっているかどうかは甚だ疑問だ』と言った気がしたが?」

 

 

それを聞いた于吉の笑みが濃くなる。手の甲で口元を覆い隠すも、微かに忍び笑いが漏れていた。

 

比例して、左慈の眉間の皺も増えて行く。それを見てさすがにマズいと思ったのか、于吉は笑うのを止めた。

 

笑い顔ではなくなったものの、未だに口角は上がったまま。やはり何かを愉しむ様な様子は変わらなかった。

 

 

「今までのあなたには考えられないことですね」

 

「だから、お前はなにが言いたいんだ。人をからかうのもいい加減にしておけよ、俺も堪忍袋の緒が切れるぞ」

 

「からかってなどいませんよ。ただ、今までのあなたなら――『周囲』なんてことは死んでも口にしなかったでしょうね」

 

 

上がる于吉の口角。それに苛立ちをぶつける余裕が無いほど、左慈はその言葉に、心の中で狼狽していた。

それを自分が口にしていたというなら尚更だ。

 

しばらくの間、驚愕に眼を見開き、停止していた左慈だったが、やがて

 

「ちっ!記憶が無い間に余計な価値観を植え付けられやがって」

 

 

我に返ると、苦々しげに舌を打ち、毒を吐いた。

于吉に、ではない。記憶が無かった間に周囲と深く関わっていた自分自身にだ。

 

記憶が戻ったとはいえ、それ以前の記憶が消えたわけではない。

 

北郷一刀に保護された記憶。拾われた時に感じた感情。公孫賛や周囲の人間に受け入れられた時、心に灯った火。

 

その全てが残っていた。口では『余計な物』と言ったものの、心ではそれを糾弾する、違う自分がいる。

 

今までの自分には無かった感情、価値観、経験だった。

 

 

「憎々しげに毒を吐いているところ失礼ですが、左慈?」

 

「なんだ!元はと言えば貴様が俺の記憶を――!」

 

「あなた、口角が上がっていますよ?」

 

「なっ……!」

 

 

絶句した。恐る恐る自分の口角に手を持って行く。于吉の言う通り、確かに口角は上がっていた。口にした言葉とは裏腹に。

 

怒りや戸惑いがごちゃまぜになり、どうにもならなくなる左慈の様子を于吉は、やはり微笑んで見ていた。そこに

 

 

「あれ?于吉に左慈。こんなところでなにやってるんだ?」

 

 

第三者の声が掛けられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左慈の後ろの廊下から近付いてくる影。

 

二人へと接近してくるにつれ、月明かりでその姿が徐々に露わになる。なんのことは無い。この城の主、白蓮であった。

 

 

「これは公孫賛様」

 

 

于吉は軽く会釈をする。第三者の登場で多少だが我に返った左慈も、肩越しにちらりと白蓮を見て、軽く頭を下げた。

 

本来なら左慈の、肩越しに見て頭を下げるという不敬な行動は咎められるべきなのだが、そこは白蓮クオリティ。

 

 

「いやー仕事が長引いちゃってさ。子龍のは終わってたから良かったんだけど、一刀の分もってなるとなー、うん」

 

 

まったく気にしない。そんな彼女に苦笑しながら、于吉はただの一介の文官として振舞う。

 

 

「北郷殿の仕事の量も今やそれなりに多いですからね。まあ私としては、それと自分の仕事、さらに緊急の案件や各部署からの要望を捌いている公孫賛様の働きぶりの方が異常とも見て取れますが」

 

「なに言ってんだって。そういう仕事が早く終わるのも于吉や左慈、他の文官達が書類や竹簡をいつも整理したり纏めてくれてるお陰だろ?それに曹操とかはもっと仕事が早いよ、多分。とにかく、いつも助かってるよ。ありがとな、二人とも」

 

「……なんと言うか、悪意の塊みたいな私でも、さすがに良い人過ぎて心配になりますね」

 

「え?」

 

「いえ、なんでも。ご期待に添えるようこれからも精進しますと言っただけです」

 

「そっか。まあ、無理しない程度に頑張ってくれよ?」

 

 

口から出まかせ。嘘八百の言葉でも素直に信じる白蓮。それを見て、より心配になる于吉だった。

 

 

「あっ!」

 

 

ふと、何かを思いついたように白蓮が声を上げた。

 

 

「無理しない程度に、って言って思い出した!」

 

「もしかすると、趙雲殿のことですか?」

 

「そうそう!もしかして于吉と左慈も見舞いに行ってたのか?」

 

「はい。もう既に眼を覚ましていました。まだ本調子ではなさそうでしたが、北郷殿と談笑するくらいには回復していたかと」

 

「ん~……そ、そっか。うん。教えてくれてありがとな。……なあ、私が行っても邪魔になったりしないかな?」

 

 

于吉の言葉を聞き、急にテンションの下がった白蓮。

少し沈んだ表情で、誰ともなく尋ねる。何かしらのフォローを口にしようと于吉が口を開き掛け――

 

 

「意味が分からん」

 

 

――それは左慈の言葉に遮られた。

 

えっ?という表情になる白蓮と于吉に構わず、左慈は続ける。

 

 

「公孫賛……様は趙雲……殿の主であり、無二の友……でしょう。ならば何を遠慮することがあるんですか。邪魔になるかならないかなんて、意味の無い疑問です。友の容体が気になるなら、行くべきです」

 

 

白蓮に向けられる左慈の真摯な瞳。

 

しばらくの間、告げられた言葉を噛み締めるように、動きを止めていた白蓮だったが、その眼に火が灯ったかと思うと、力強く頷いた。

 

そして于吉の背後の廊下――つまり、星の部屋に続く廊下を見据える。

 

 

「左慈、ありがとな」

 

「いいから早く行け」

 

「分かってる。……前に一刀にも同じこと言われたのに、私ってば学習しないなあ」

 

 

それじゃ、と手を上げて白蓮は早足で歩いて行った。

 

 

 

 

 

「なにが可笑しい」

 

「いえ、気を使うことに必死で、敬語に慣れない左慈が酷く可愛くも可笑し――おっと、左慈?その脚に宿っている道術の力はなんですか?その力の量だとさすがに洒落にならないのですが。今や私達は、管理者としての恩恵を得られない身。ただでさえ術や気の類を無駄遣い出来ないと言うのに――」

 

「いっぺん死ね……!!」

 

 

 

 

 

 

 

何かが何かに当たる音。衝撃と轟音がした後方を恐る恐る見た白蓮だったが、そこは既にただの暗がり。

 

早足で歩いて行った彼女は、于吉と左慈がいた場所から今やそれなりに離れていた。

一瞬、踵を返そうかと思ったものの、白蓮はそのまま星の部屋に向かって歩いて行く。

 

お人好しの白蓮にとって、于吉と左慈という仲良しな二人(あくまで白蓮視点)から、そういう音が発生する事件を想像できなかったのだ。

 

こうして、人知れず起こっていた傷害事件は暗い夜の闇に葬り去られて行く。

 

 

 

 

 

 

「そもそも公孫賛が口にした言葉の意味を履き違えている左慈も左慈ですが、それ以上に公孫賛も大概単純ですねえ」

 

「ほう……まだ息があったか」

 

「いえ、ですから左慈。さすがにこれ以上は――」

 

「聞く耳は持たん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんとなく予想はしてたけど……キツいな。前の外史ではほぼ歴史通りだったのか。『公孫賛』の人生は」

 

 

星から聞きだした、前の外史の話。公孫賛という少女が歩んだ人生。

 

その末路を聞いて、一刀は沈痛な面持ちで溜息を吐いた。それを語った星も、同じ表情で俯いている。

 

 

「……皆の手前、口にはしませんでしたが」

 

 

遠い記憶に思いを馳せ、星はポツリポツリと呟き始める。

 

 

「伯圭殿が袁紹に討たれた。そう聞いてからというもの、少なくも大きな後悔が残りました。なぜ、あの時私は伯圭殿の元を去ってしまったのか。もしかすると、私が伯圭殿の元にいたなら、最悪の事態だけは防げたのではないのか、と」

 

 

どこか懺悔にも聞こえる星の独白。普段の星は飄々としていて、滅多に弱音など吐かない。

 

自分が行く道に絶対の自信を持っているようにさえ見える。だが、真実は違う。ただそれを、表に出さないだけだ。

 

それが、周囲に気を使っているが故のスタンスなのか、自分を守るための殻なのか、彼女自身の性分なのかは分からない。

 

どちらにしても、分かることはひとつだけ。

 

 

「――しかし、この世界で伯圭殿が生きているのなら、私は今度こそ彼女の生を側で見届けたい」

 

 

その弱さを、強さで上塗りする――どこか自傷めいた在り方だけだ。

 

誰にも悟らせない、悲しさすら覚える在り方。それは強さであり、また弱さだ。

 

治りきっていない傷を推して戦場に立つ者のように、外身は頑健に見えても、中身は脆弱とさえ言える一人の少女。

 

その、強がりが過ぎる少女に対して自分に出来ることはなんだろうか。

 

 

「あ……」

 

 

気付けば、一刀は星を抱き締めていた。その手が、星の頭をポンポン、と叩く。

 

 

「あんまり、ひとりで無理するな。ひとりで抱え込むな。俺も一緒にいるんだ。少し頼りないかもしれないけど、ちょっとは寄り掛かれ」

 

 

暖かい言葉、体温。人知れず冷たくなっていた星の心に、身体に、その全てが染み渡っていく。

 

 

――ああ、抱き締められていてよかった

 

 

星はそう思った。愛する人とはいえ、愛する人だからこそ、見せたくない顔もある。

 

泣き笑いのような表情で、温もりに身体を預ける星。そして

 

 

バタン!!

 

 

部屋の扉が唐突に、勢いよく開いた。

 

 

 

 

 

 

 

「おわっ!」

 

 

扉が開く音に反応はしたものの、振り向く暇もなく、星に突き飛ばされた一刀は、もんどりうって転んでしまった。

 

突き飛ばされたと言っても、そこまで派手にではなかったので大事には至らず、打ち身らしい打ち身にもならなかった。

 

 

(申し訳ありませぬ、主よ)

 

 

星は心の中で一刀に謝罪し、後でちゃんとした謝罪をしなければ、と思いながら、自室の扉を見据えた。

 

正確に言うなら、その扉を勢いよく開けた人物――白蓮を、だが。

 

 

「ぱ、白蓮殿?」

 

 

何故か自分を見たまま、わなわなと身体を震わせているという、白蓮の行動が理解できず、つい尋ねる声が裏返る。

 

まさか主に抱きしめられていたのを見られてしまったか、という考えが一瞬頭をよぎる。

 

自分以外の事なら、とてつもなく聡い趙子龍という少女。

 

既に友が、主に懸想をしているのではないか、という予想には至っている為、心の中で少しだけ焦った。

 

星にとって、主も友も同じく大切なのは言わずもがな。

 

既に若干の悟りに至っている彼女は、白蓮が一刀と“そういう仲”になっても別段問題は無いと思っていた。

 

一刀との仲を見せ付けるなんていうことをワザとするほど、悪趣味でも無い。

 

そして戸惑いにより、一瞬固まっていた結果として

 

 

「なっ――」

 

 

言葉を一言も発さずいきなり飛び掛かってきた白蓮により、抵抗らしい抵抗も出来ないまま寝床に押し倒された。

 

状況に着いて行けない一刀を置いて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポカンとした顔で、事態を見守ることしか出来ない一刀だったが、とりあえず現状を整理しようと試みる。

 

なんというか、うん。かなりレアな光景だ。色んな意味で。

 

まず第一に、趙雲の名を冠する少女が公孫賛の名を冠する少女に押し倒されたまま、ジタバタともがいている。

 

物理的に言っても、立場が逆だ。

 

かなりキツく抱き付かれており、ちょうど白蓮の胸部分が星の顔に押し付けられている状態だ。

 

その状態で寝床に押し倒されているが故に、呻きながらジタバタと必死に白蓮の腕の中から逃れようとしている星。

 

つまり、息が詰まっている。

 

 

「お、おーい。ぱ、白蓮?」

 

 

一刀は、状況に戸惑いながらも白蓮に声を掛ける。しかし

 

 

「星!大丈夫か!?どっかまだ調子悪いか!?なんか食べたいものとかあるか!?」

 

 

滅茶苦茶心配そうに星を案ずる白蓮自身の声に掻き消される。

大丈夫じゃありません。あなたのせいで、星は大変なことになってます。

 

とりあえず止めよう。これ以上は星の命が危ない。

 

 

「ちょ、白蓮」

 

「うん?あれ、一刀」

 

 

肩を叩かれ、振り返る白蓮。それを見て、一刀は苦笑する。

 

 

「今気付いたみたいなリアクションをどうもありがとう。とりあえず星を離してあげてくれないか?」

 

 

白蓮の関心が一刀に向いたことで、星を抱き締めていた腕による拘束は多少緩んでいた。

 

 

微妙に拘束が緩んだのを星は見逃さない。腕を突っ張り、微妙に白蓮を押し退けた。

 

しかし、未だに押し倒されたままなのは変わらない。

 

自分の腕の中にいる星が動くのを感じ、白蓮は腕の中の星に向き直った。

 

沈黙――二人の少女は見つめ合う。

 

 

「白蓮殿」

 

「あー……えーと……」

 

 

さすがに自分がやったことを自覚し始めたのか、白蓮はアウアウと口を開いたり閉じたりする。

 

そこにすかさず、星が告げた。

 

 

 

「取り敢えず、どけ」

 

「……はい、すいませんでした」

 

 

 

ものすごい笑顔で言われた命令(?)を受け、白蓮はすごすごと星から離れ、寝床から降りた。

 

そしてなぜか床へと、そのまま土下座にシフトチェンジする。

 

 

「はあ……白蓮殿、怒ってはいませぬゆえ、顔を上げて頂きたい」

 

 

しばらくの間、何故か平伏する白蓮をじっと見つめていた星だったが、ひとつ溜息を吐き、やんわりとそれを窘めた。

 

 

「ほ、本当に怒ってない……のか?」

 

「嘘です」

 

「わああああ!!ごめんなさいごめんなさい目立ちたいとか言ってごめんなさい!!」

 

 

ニコリとした星に告げられたからかいの言葉を本気に取ってしまった白蓮は再び平伏し、謝罪の言葉を口にし続ける。

 

不憫にも現状に関係無い言葉すらも口走っていた。

 

 

「さすがにそれは言って無いけど。とりあえず星、冗談もほどほどにな」

 

「むう……もうしばらくの間、可愛らしい白蓮殿を愛でていたかったのですが、仕方ありませんな」

 

「歪んでる、歪んでるよ、その愛で方」

 

 

苦笑と言うか、引き攣り笑いと言うか。ともかく星の発言に異を唱えた一刀。

星はその台詞にクツクツという忍び笑いで答えながら、白蓮を優しげな瞳で見つめていた。

 

 

「白蓮殿」

 

「うう……なんだよ」

 

「少し、大切な話があります」

 

「そんなこと言って、また私を騙す気じゃ――」

 

「私の、真の主についての話です」

 

 

白蓮の台詞を遮った星の言葉。一瞬の間があり、白蓮はスッと顔を上げた。

 

その表情は真面目そのもの。何かを悟っているかのような表情ですらあった。

 

 

「その話をするってことは、見つかったのか?」

 

「はい」

 

「それは誰なんだ――」

 

 

 

言って、白蓮は自分の台詞に苦笑する。そのまま流し眼で一刀をチラリと見た。

 

 

 

「――って聞くまでも無いか」

 

「察しが良いですな。そう、北郷一刀殿。この方が私の、真の主です」

 

「そっか、うん。なんかあれだ、一刀だったら素直に頷ける気がするよ」

 

 

さすがに、袁紹とか曹操だったら異を唱えたかもしれないけどな、と苦笑したままで白蓮は言った。どことなく、その瞳に寂しさの様な物を湛えて。

 

そんな白蓮を、フォローをする為、一刀が何かを口にしようとする。それを、星の手が遮った。どこか、不敵にも見える笑顔を見せて。

 

そして彼女、趙子龍は誰もが予想だにしなかった言葉を告げる。

 

 

「そして白蓮殿。あなたも、私の真の主足り得る」

 

 

主が二人、などという型破りも型破り、常識外れにも程があることを、何の気も無しに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……な、なんだって?」

 

 

はっきりと聞こえていたにも関わらず、白蓮は聞き直す。

自分と一刀、二人を主として仕えるという型破りに驚いたわけではない。

 

ただ単に星が、自分の事を『真の主足り得る』と評したことに、白蓮は驚愕していた。

 

 

「もう一度だけ、口にしましょうか。白蓮殿、あなたも私の主足り得る、と言ったのです」

 

 

星は不敵な笑みを浮かべたまま、もう一度口にした。数秒止まる白蓮。俯き、顔を片手で覆った。

 

 

「……それって、本気にしていいのか?」

 

 

やっとのことで絞り出す言葉。それは少しだけ震えていた。

 

 

「このような大切な事を、冗談では口にするほど酔狂ではありませぬ。私とて信や忠を重んじる武将。締めるべきところは心得ていますからな。冗談でもなんでもなく、ただ真実ですよ、白蓮殿」

 

 

震え声の白蓮を安心させるかのように、優しく語り掛ける星。その言葉は真摯で、とても暖かみのある物だった。

 

そして優しげだった表情が一転して真面目なものへと変わる。

寝台を降り、一刀と白蓮の前へ。そのまま星は、片膝を付き頭を垂れた。

 

 

 

「この趙子龍。北郷一刀殿、並びに公孫賛殿を主として仕える所存。二君に仕えるという行為はその眼に、不心得者と映るかもしれませぬが、どうか許していただきたい。その代わり私は、お二人の道が交わり続ける限り、身命を賭して仕えましょう」

 

 

 

静寂が場を支配し、頭を垂れた星は待つ。

これから改めて忠義を誓う主と、これから正式に主になる友の答えを。

 

 

 

「趙子龍。そして星、これからもよろしく頼む。……無理はしない程度に、な」

 

「はっ!」

 

 

顔を上げる星。優しげな表情で口にされた一刀からの答えと、労わりの言葉。

それは肯定であり、側にいてもいいと言う答え。彼女にとって、その答えは最も求めていたものだった。

 

 

星の視線が白蓮に向く。既に土下座はしていないが、立っている一刀とは違い、床に座っている様な状態だった。

 

そして未だに顔を手で覆い、俯いたまま。

 

 

身を案じた一刀が声を掛けようとする――しかし。

それと殆んど変わらないタイミングで徐に、白蓮が顔を上げた。

 

今までにない真面目な表情。それでいて、眼に涙を溜めたまま、しっかりと星を見据えた。

 

 

「趙子龍、将として私を支えて欲しい。そして星、友として私と一緒に笑ってて欲しい。将として、友として側にいて欲しい。これが、私の答えだ」

 

 

ぐっ、と口を真一文字に結び、涙が零れるのを堪えながら、白蓮は言った。

趙雲という武将の。星という少女の。朱に近い色の眼を見てはっきりと。自信の意思で、本音で。

 

 

それを聞いて星は笑う。とても幸せそうに。そして静かに、再び頭を垂れた。

 

 

 

「――心得た。この趙子龍、友として、将として、白蓮殿の側にいると誓いましょう」

 

 

 

その答えを聞き、白蓮の眼から涙が零れた。その涙は喜び。

自分という普通でしか無い、特筆すべき取り柄も無い人間を将として、友として認めてくれた人がいるという嬉しさから来る涙。それは留まるところを知らない。

 

 

 

 

 

 

こうして今この時より、星は客将ではなく正式な将として、改めて公孫賛軍の列に名を連ねることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【 あとがき 】

 

 

 

少し中途半端な感じになってしまった気もしますが、取り敢えずこれで第一章は終わりです。

 

 

星が客将から、正式な将へ。

左慈の記憶が戻ったものの、于吉の狙いは分からぬまま。

一刀が取り戻した記憶は前の外史、言わば『恋姫†夢想』での、星との記憶だけ。

おそらく、この世界にいる人間(恋姫達?)は『恋姫†夢想』にいた存在と同一人物。(←まあ、ここを聞いた時点で疑問符を浮かべる方はいるかもしれませんが、それは後々ということで)

 

 

状況が変わったことがそれなりにありますが、まだまだこの話は続きます。

作者の体力が続くかは分かりません。意識を失っても手だけが動いている可能性は無きにしもあらず、ですが。

 

 

とはいえこちらも一区切りがついたということで、しばらくしたらまた登場人物物紹介を更新しようと思います。そちらもお楽しみに。

 

 

 

 

 

※完全に納得のいく作品を書くのは難しいものです。語彙が足りないが故に伝えられないことがあったりとか、時間が無かったりとか、波に乗れなかったりとか、とにかく理由は様々です。もしかしたら、しばらくして所々書き直すかもしれません。あくまで『もしかしたら』ですが。その時はお知らせしますので、ご了承のほどをよろしくお願い致します。

 

 

 

 

 


 
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