「一刀。 あなたは、一人じゃないから。 わたしがいるから。」
そんな言葉をきいたとき、いろんな感情があふれ出てやまなかった。
この戦場に、一人で立ち立ち向かっていったのは自分の意志だった。
みんなを守りたい、そんな想いで俺はいっぱいだった。
けれど、俺だって一人の人間だ。こんなところで、死にたくなかった。
死にたくなかったんだ。
生きたかった。 どんなにかっこ悪くみえても、俺は生きたかったんだ。
「ありがとう。 貂蝉。」
俺は、俺の目の前に、堂々と立つその女性の名を呼んだ。
俺にとって、彼女はとても輝く見えた。それは、きっとうれしさあまっての自分の涙のせいなのであろう。そんな中、彼女が、気を俺に移してくれたおかげで、俺は自分の中の毒を押さえ、何とか動けるまでに回復していた。
「一刀が約束してくれたから。 また会えるって。
でも、私、気づきました。 私が何かをしなければいけないって。
自分から、動かなきゃってそう思いました。
だから、私は頼みました、卑弥呼に。 正直、あそこでの私の力はもうなかったですから。
最初は断られました。 管理者としての力ない私がこっちに来るということはもう、
戻れないということですから。
それに、卑弥呼の力も私を送ることになると、ほとんどなくなってしまいます。
でも、卑弥呼は、あなたの覚悟をみて、私を送ってくれるといってくれました。」
そうか・・・あの夢が・・
そんな貂蝉の言葉に、俺はここに来る前に見たあの夢のことを思い出していた。
華琳やみんながそこにはいた平和な夢、俺はきっとそこにとどまることもできたのであろう。
けれど、俺には、現実の彼女たちから目を背けることなんてできなかった。
その先にどんなにつらいことがあったとしても、俺は、自分の大切な人たちのいる世界を捨てたりなんてできなかった。
「そうか・・卑弥呼が。」
「ええ、だいぶ無理をいってしまいましたが」
「それで、貂蝉はよかったのか?もう・・・もどれないんだろう?」
「なにをいっているのですか・・・もう。 私は一刀がいるところならどこでもいいんです。
ただ、私の望みは、一刀。あなたという光とともに、歩いていくことです。
これから、先。ずっと一緒に。」
「これから、先・・・ずっと一緒に・・」
俺は、そんな夢のような言葉を繰り返す。
確かに、貂蝉は強い。 けれど・・・目の前に、俺らの目の前に立ちふさがる敵はまだ15万から20万ちかくいる。 いくら貂蝉でも・・・
「俺を、ここにおいて逃げてくれ、なんていわないでくださいね」
「えっ?」
俺はいままさに言おうとしていた言葉を言われ、戸惑う。
「はぁ・・・あなたって言う人は。 何のために私がここにきたと思っているのですか。
もうすこし・・・自分の願いを他人に押し付けてもいいんじゃありませんか?」
「でも・・・」
それでも、俺は戸惑ってしまう。 死ぬのはいやだ。けれど、俺の前で大切な人が傷つく姿をただ見ているのなんてもっといやだ。
「一刀、まさかあなた。 私がここを一人で抑えようとしている馬鹿に見えますか?」
「貂蝉・・・?」
「私だって、私の実力くらいわかりますよ。 一人ならば、時間稼ぎが精一杯でしょうね。
けれど、私は死ぬためにここにきたんじゃない。
一刀、あなたとこれからのときを過ごすためです。」
「どういうこと・・・だ」
一人で抑えようとしているんじゃないのか・・・
だって今、援軍なんかどこにいる・・
「最初に、あなたに言った言葉、少しだけ訂正しますね。
一刀、 あなたは一人じゃありません。 私たちがついてますよ。 これから、ずっと。
あなたが何を言おうとも。それに、卑弥呼が認めたのはあなただけではありません。
あなたの周りの将たちもですよ。」
「「「「「一刀ーーーーーーー!!!!!」」」」
なぜだろうか・・・俺は、その叫びを聞いた途端、涙があふれてとまらなかった。
声のするほうへ顔を向けなくても、俺はそれが誰なのかわかっていた。
だって、その声は、俺の愛した彼女たちの声だったから。
その声は、俺がもう聞くことはできないだろうと思っていた声だったから。
「華琳・・・春蘭、流琉、桂花、季衣、風、 みんな・・」
俺は彼女たちの名前をつぶやきながら、ただうれしくて、ただ言葉にできないほどにうれしさがこみ上げてきて、俺は何も言えずに涙を流していた。
#####時は少し、遡る。
(華琳視点) 一刀が敵に突撃していってから数刻後
私は、何を、しているのだろうか・・・・
私は洛陽を目指して今、撤退をしているところだ。
口では、各部隊に命令を出してはいるが、心は空っぽだった。
なにをしたらいいのかわからなかった。
でも、それでも、わかっていることがただひとつあった。 このまま撤退して、たとえ勝ちを手に入れたとしても、そこに一刀はいない。
そして、私はこの判断を一生後悔することになるだろう。
そんなのは私が許さないということだった。
「行軍停止!!!行軍停止!!」
私はいきなり、撤退している軍に告げる。
その突然の命令に何かあったのかと思った武将たちが私のもとにかけてきた。
「華琳様! どうかされましたでしょうか?」
「春蘭、私は・・・」
第一に駆けつけてきた彼女への返答に私は口を閉じてしまう。
私は王なのだ、そんな王としての責任感が私の言葉をとどめる。
事の成り行きをまったく知らない、風、季衣、流琉たちはなにがあったのかと不思議そうに
首をかしげている。
「華琳様、こらえてください・・・」
桂花は私の言いたいことを見通したとか、そう下を向きながら言う。
春蘭のほうを向いても、桂花の一言で事情を察したのか、下を向いている。
私は・・・・
「君は、大陸の王。 いや違うな・・・君は華琳だ。」
そんなときだった。 彼がそういってくれた言葉が頭に流れてくる。
一刀・・・・そう、よね。 私は華琳。 だから、わたしは・・
「皆に、話したいことがある。」
「「華琳様っ!」」
「桂花と春蘭は黙っていなさい。 これは、命令よ。 みなには聞く権利がある。」
風、季衣、流琉はなんのことだかわからないと言った様子だったが、
私のそんな真剣な表情に押し黙る。
「私たちがこうして撤退できている理由は、空城の計でもなんでもない。
それは、今、一人の男が、私たちのために、たった一人で戦っているからなのよ」
「どういうことなのでしょうか? そんな話は聞いていませんが」
作戦に疑問を抱いていた風が鋭い目つきでこちらを見てくる。
「ええ。正直、申し訳ないと思っているわ。 だからこそ、私は皆に秘密にしていることは
できない。 」
静寂と緊張の雰囲気に包まれる。 皆が私の言おうとしていることに耳を傾けているのであろう。
「その男とは、一刀よ。」
「「「っ!!」」」
そんな私の言葉にその3人は驚きの色を隠せないでいた。
「いま、お兄さんっていいましたか・・・」
「うそっ・・・兄様・・・・?」
「え・・兄ちゃん・・・」
「ええ。そうよ。 彼は、私たちの元を去った後、天で鍛錬を繰り返し、私たち以上に強くなって見せてた。その鍛錬は想像を絶するものでしょう。けれど彼は耐えて見せた。
私たちとともに歩むために。
そして、彼は今・・・私たちの元へ帰ってきた。そして彼は、私たちを生かすためにたった一人で敵に向かっていった。その命を懸けて。」
皆が、みな言いたいことがあったであろう。でも、私が言葉を続けようとしているのを
見て、その気持ちを抑えていた。
「風・・・私が、あなたとこの戦いの前に話したことを覚えているかしら?」
私は一息おいて、あのときの風との会話を思い出す。
風もあたりまえだ、というように首を縦にふっていた。
「はい、覚えていますよー。 風が華琳様にお兄さんを殺せるかどうかきいたときの
ことでしたよねー。」
「そう、 あなたはこう聞いたわね。 もし、今私たちに剣を向けている敵が本当に一刀で、
戦いを交えることになったら、殺せるかどうかを。」
「はいー」
そんなことは聞いたことはないと、下を向いていた桂花と春蘭を含む皆がこちらを真剣な表情で見る。
「私はね。 こう、答えたわ。」
「もし、一刀が剣を私たちの目の前で構えるとしたら、それは、私たちに、向けてではな く、敵に向けてのもの。 だったら、私は、戦うわ。 彼とともに。
もう、一刀一人には戦わせないわ。今まで、彼は歴史と戦ってきたのだもの。
私は戦いたい。もう、彼から、私のこの想いからは逃げたくはない。
だって、今まで一緒に戦ってきたじゃないの。お互いの背中を預けながら。
ともに道を歩いてきたじゃないの。
だから、私は、彼とともに戦って見せるわ。」
そう、そうだった。やっと、いえた。私の本当の気持ちを。
やっとみんなに伝えられた。 華琳としての本当の気持ちを。
「それが、私の答え。王としても、私としても。 ここで彼を見捨てるのであれば、
それは、戦略的撤退じゃない。ただの犠牲にしかすぎない。 もし、私が生き残ったとしても、
私は、彼を見捨て、勝利した世界で王などをやれるはずがない。
いえ、天の御使いを犠牲に勝利した曹操に皆はついてはこないでしょうね。
私の考えは勝手で、わがままでしょう。
けれど、私が私であるために、私は、私の道を堂々と歩きたい。」
皆がみな、まだ話についていけてないという表情をしている。
けれど、その表情からは確実に、一刀への思いと、私がいったことに対する同意
が読み取れた。
「それでこそ、華琳様です。」
春蘭は私の前にひざまずき、そう私に言った。
「いいのかしら、一刀と約束をしたのでしょう?」
「ええ。しました。その約束は破りません。決して。
それでも、一刀も私にはあきらめ切れません。
だったら、私はあなたを守りながら、一刀の元へいきたいんです。」
「春蘭、あなた・・」
春蘭がそういうと、皆も、私もといいながら、私の前に臣下の礼をとった。
「じゃあ、いくわよ。 皆。 いざ、一刀の元へ」
そうして、私たちは歩み始めた。 本当の私たちの道を。
######
(一刀視点)
ほんとうに、みんな馬鹿だよ・・・
俺がこんな必死になって、逃げる時間を稼いだのに、また戻ってきて。
意味が、ないじゃないか・・・
そう俺は思いながらも、俺はただそのあふれでる涙を抑えることができなかった。
「一刀。あなたは一人じゃないんです。 その苦しみも、その悲しさも、
一刀はひとりじゃないんだから、私たちに分けてください。」
「ああ・・・・ありがとう」
俺は、馬鹿でどうしようもないやつだ。
ただ、俺は君たちが生きてくれさえすれば、いいと勝手に思っていた。
だけど、俺は、残されたものの気持ちを考えたことがなかった。
今、やっと、俺はそんなことに気づいたよ。
俺は、死ねない。 俺がみんなを必要としているのと同じくらい、
みんなも俺を必要としてくれているから。
だから・・・
俺は、そう思いながら、地面に手をつき、その身を半身おこし、後ろを振り向く。
「一刀ーーーー!!!」
俺が振り向いた途端、華琳や皆が俺の元にかけてきて、俺もそんな彼女たちを受け止めた。
「一刀!!!」
「華琳!春蘭!桂花!、風、季衣、流琉!!」
だから叫ばずにいられなかった。 彼女たちの名前を。
「本当に・・・無事でよかった。一刀。それと、もう勝手に私の許可なくどこにもいかないこと!」
「ごめんな・・・いや、ありがとう。 華琳」
「お前との約束はしっかり守るつもりだ。けれど・・その、なんだ。 約束は守っても、
約束をした相手がいなくなってはもともこもないだろう?」
「ああ、そうだな。春蘭」
「まったく、私たちをこんな動かして。あんた何様のつもり・・・でも・・・あり、がと、ね」
「いろいろ迷惑かけたな。 こちらこそありがと、桂花」
「お兄さん!!!!馬鹿馬鹿馬鹿ーーー! もうつっこみをしてくれる人がいなくてさみしかったんですよー。」
「風! って、そこかよ! 俺もつっこみできなくて寂しかったよ。」
「兄ちゃんーーー。本当に兄ちゃんだよね!もうどこにもいかないよねっ!」
「ああ、季衣。 俺だよ。 もう、一人でなんかいかないさ」
「兄様、 私、がんばったんですから。泣かないようにって。親衛隊だから。 がんばったんですから」
「ああ、よく、がんばったな流琉。」
ずるいよな・・・俺はそう思う。
だって、あんな苦しい思いをしても、こんな彼女たちの笑顔を見るだけで、その苦しみが
あってよかったとも思えるのだから。
「コホンッ、あなたたち、どういう状況か、わかっているのかしら。」
俺たちがそんな風に再会の喜びに浸っていると、貂蝉がそんな風に声をかける。
「一刀、このものは?」
「私の名前は貂蝉といいます。 いろいろ曹操殿とは話したいこともありますが、
まずは、目の前の敵に集中しましょう。」
「ええ、そうね。」
そうだった。まだ、喜びには浸っていられない。
華琳の軍といっても、前の戦いでほとんどその数を失っている。
この、20万の敵には相手にもならないであろう。
「華琳・・・貂蝉、」
華琳たちが来てくれたことは、素直にうれしかった。けれど・・・・
俺がそんなふうに、心配そうに彼女たちの名を呼ぶと、
彼女たちは剣を構えながら、ただ、堂々としていた。
「はぁ・・・一刀、あなたという方は・・」
「一刀、あなた、どこまでその種馬根性を広げれば気が済むのかしら・・・?」
そういう、彼女たちはなぜか、大軍の敵を前に笑っていた。
「それって・・・どういう・・・」
俺が、彼女たちのいった言葉の意味がまだわからないでいると、
何人もの伝令が俺たちのもとへ駆けつけてくる。
「伝令伝令!!! 南方より、魏軍を確認! 旗は青に張の一文字。
張遼様です!!!」
「霞・・」
「伝令です!! その後方、同じ方角より、大軍を確認。
旗は、孫。 孫策様率いる呉の援軍です!!!」
「雪蓮、冥琳・・・」
「伝令ーーーーー!! 南西よりこちらも部隊を確認。
旗は関と呂。 関羽様と呂蒙様です!!」
「愛紗、それに亞莎も・・」
「伝令です!! 西方より魏と蜀の大部隊が見えます。
魏の先頭の旗は、夏侯!! 蜀の先頭の旗は劉!!
夏侯淵様、 劉備様の軍隊です!!」
「秋蘭、桃香・・・」
俺は、次々にかきつけてくる伝令の報告を聞きながら、まるで夢を見ているかのような
そんな感覚に襲われていた。
みんな・・・そんな気持ちがこみ上げる。
なにかが、ひとつになっていくような・・・
いままでの悲しみ、苦しみがいっきに報われるような、そんな思い。
「我々の仲間なのだけれど、これまた壮観ね。」
後方を見渡す華琳がそうつぶやく。
俺たちの後方に並んだ、各軍は総勢70万はいるのではないだろうか・・・
確かに、これほどの光景を見るのははじめてであった。
「一刀ーーー!!! ほんまひさしゅうな!! なんかたくましくなっとるし。
ほま、あんたは私がほれた男や!!」
「ただいま、霞」
「まったく、一刀! あの大号令をどうしてくれるのよ!!かっこよく決まったと思ったのに、
また仕事をつづけなくちゃいけないじゃない!
でも・・・ありがとう一刀。 本当にありがとう」
「それは悪かったな、雪蓮。 でも、君が無事でほんとうによかった。」
「一刀・・・私はなにをいっていいのか・・・」
「冥琳、反乱を収めた後、ここまで来るのは大変だっただろう。
ほんとうに、ありがとうな。」
「よっ!一刀。 お前が無事でよかったよ。 こんど一緒に旅にでようぜ!」
「華陀ーー! って、お前とのフラグはないよ?」
「一刀殿、私の心はあなたのそばに」
「愛紗。 君をあの時助けられて、本当によかった。」
「一刀様、 わたしはっ、わたしはっ・・・!!」
「なかないでくれ、亞莎。 君のその雪蓮を思う強い気持ちが俺に力をくれたんだ。」
「一刀。 よく帰ってきてくれた。 ずっとまっていたんだぞ。」
「秋蘭。 ああ、ただいま。」
「隊長ーーーー!! 私は隊長がいなくてさびしかったんですよ。私はっ・・私はっ。」
「ああーー、凪ちゃんだけづるいのーー。」
「あらら。隊長。 帰ってきた途端もてもてやないの。ひゅーひゅーや。」
「凪、沙和、真桜、 まだ、隊長って呼んでくれるんだな。 ありがとう。」
「一刀殿が三国の将に・・・・・ぶはっ!!」
「いや、稟! 怪我人に鼻血かけんなよ!!」
「刃さんって一刀さんだったんですかっ!! 本当に驚きです!!」
「なんか、だますようなことをしてごめんな、桃香」
「一刀殿、あなたの秘密を私だけが所持できないというのはどこかさびしい気もしますが、
いつでも、私にたよってくだされ。そのときはメンマを忘れずに」
「ああ、ありがとう。星。って、 メンマ必要なんかよ!」
「にぃにぃ・・・恋がんばった。」
「ああ、よくがんばった恋。 さすが俺の妹だ。」
そういって俺は次々と再会の挨拶を交わしていく。
この夢とも思える現実に俺はただ笑顔を隠せないでいた。
「一刀、いつまでもそう喜びには浸っていられないわよ!さあ私たちの力
思い知らせてやるわ!いくわよ一刀!命令を!」
「華琳? 俺なんかがそんなことを・・・」
「あら、この状況で、よくそんなふぬけたことがいえるわね。 というかあなた、動けないんだから、そ れぐらいしなさいよね。
ほら、みんながあなたの声を待っているわ。」
そう華琳にいわれて周りを見渡すと、将のみなが俺の前に立ち、
俺の命を待っているようであった。
「わかったよ。華琳。 みんな」
俺はそうつぶやくと目を閉じる。
この世界でおこったたくさんのことが思い起こされる。
そのすべてがあったこそ、俺は今ここにたっていられている。
みんなが歩いてきた道があるからこそ、俺は君たちとともに今を生きていける。
だから・・・・
「みんな!!戦おう!俺たちの愛するものを守るために!」
「「「「「「御意!!」」」」」
「勇者たちよ!!剣をとれ!!」 そんな勇ましい愛紗の言葉が戦場をかける。
「その心に勇気を燃やせ!!!」 雪蓮の一件もあり、彼女、 蓮華からはたくましさが感じられる。
「友を思い、親を思い」 春蘭はやはり戦場にたつと、その威厳が感じられた。
そういう将たちの言葉が次々に戦場をかけていく。
「いとしき人を守るため、」 「 敵を倒せ!!」 「ボクたちの力を」 「私たちの力を!!」
「振り絞れば私たちは無敵!!」
「さあ、声をあげましょう!」
「今こそ、反撃のとき!」 「・・・戦え、勇者たちよ。」
「敵は強大。だが我らのちからは無限大!」 「団結すれば勇気100倍!」
「気高き誇りを胸に秘め」 「その手に勝利をつかむため!」
「ただひたすらに敵を倒し」 「祖国の平和を守るのだ!」
「雄たけびを上げろ!」 「胸にひめた切なる思い!」 「その思いを剣にのせて!」
「粉砕せよ! つわもの共よ!」
「この国を! この国に住む人々を!」
「この国を形成する文化を!守ることこそわれら力あるものの義務!」
「国を愛する兵たちよ!その力を剣に宿して!私たちの国を守るために!」
「みんなの命・・・みんなの想いを・・・すべて力に変えて!!」
「さあ、反撃の始まりだ!!」
「「「「「「応っ!!!」」」」」」」
「春蘭、愛紗!!」
「「応っ!!」」
「鈴々、焔耶、明命たちとともに、西方の敵に当たってくれ!」
「「御意!!」」
「恋!星!」
「「応っ!」」
「真桜、沙和、思春とともに、北方の敵にあたってくれ!」
「「御意!」」
「秋蘭!!」
「とうとう一刀に命がだされる日が来たか。」
「紫苑、桔梗、亞莎、祭とともに北西の敵を!」
「了解した!」
「霞!」
「いいでー、さすが一刀や!」
「翠、たんぽぽ、白蓮、凪、麗羽、猪々子、斗詩をひきいて、機動部隊を形成!
各方面の補佐を!!」
「任せな!!」
「桂花!」
「なによっ!」
「各軍の軍師と大本営を形成。情報を逐一分析して、状況判断をたのむ!」
「わかってるわよ!!」
「華陀!!」
「応っ!」
「後方に、救難所を仮に設置。 怪我人の手当てを頼む。」
「任せろ!!」
「貂蝉!」
「なに一刀?」
「俺の体が、ある程度動けるようになるまで、ここで、回復と、補佐をしてほしい。」
「おやすい御用よ!」
「華琳! 雪蓮! 桃香!!」
「応っ!」
「君たちには、大本営で、各軍の総指揮を頼む。」
「了解!」
「いくぞ、俺たちの国を守るために!」
俺の号令のもと、仲間たちがいっせいに動く。その動きはおおきなうねりとなり、
司馬懿率いる軍勢をまきこんでいった。
愛紗「一刀殿のもとみながまとまれるとは。 さすが、一刀殿です。」
春蘭「本当だ。 夢にも見ていなかったぞ。 でも、悪くない、悪くはないぞ!一刀!」
星 「真桜、沙和、お前たちは後ろに下がって、私たちの補佐を頼む。・・・思春!」
思春「ああ、お前と私で前にでよう。 恋!」
恋 「ん。恋が道を切り開く。星たちはその道をひろげてくれればいい。」
星 「うむ。 おぬしの武、しかと見届けよう。」
秋蘭 「いざ、参る!」
祭 「くくっ、腕が鳴るのぉ。 やはり喧嘩は大きいに限るな」
桔梗 「応さ」
麗羽 「おーほっほっほ。文醜さん、顔良さん、やーっておしまい。」
猪々子、斗詩 「「あらほらさっさー」
翠 「ちょっ、私たちオチかよ。」
白蓮 「麗羽たちと一緒になったのがで、運のつきだな。」
たんぽぽ 凪 「「はぁ・・・」」
風 「敵の部隊にもう、援軍の様子はないようなのですよー」
冥琳 「ならば、この戦いに勝利すれば、北方の反抗勢力は激減するな」
雛里 「はい。三国が力を合わせた今、私たちの前に敵はいません」
桂花 「でも、情報は確実に手に入れないと」
稟 「当然だな。全方位に斥候を放とう。」
朱里 「そうですね。 みんなで力をあわせて、みんなの国を守りましょう」
華琳 「さあ、いよいよ本隊との戦いよ。」
雪蓮 「徹底的にやってやるわ。二度と逆らえなくなるようにね。」
桃香 「行こう。 私たちの国を守るために」
「この戦いを最後の戦いにするために、みんな、がんばってくれ。」
数刻後、圧倒的な数をもった俺たちの軍の勝利は、確実に決まっていた。
敵は、逃げるか、降参かをし始めている。
俺は空を見上げる。いままで、輝くものを求め、俺はこの空の先へと走ってきた。
けれど、それは違う。
俺の輝くものは今ここにあるのだから。俺のそばに確かにあるのだから。
俺はそう思いながら、ところどころで、支えあいながら戦っている、または
作戦をだしている武将たちを見渡す。彼女たちが、俺の輝くものだ。
俺の大切な人たち。俺が、生きる理由。
だから、俺はこれから先も、必死に生きていこう。この世界で。
彼女たちとともに、彼女たちに負けないように。
これから先、きっといろいろなことがあるであろう。
つらいこと、悲しいこともあるだろう。
けれど、俺には彼女たちがいるんだ。 一緒にその試練をのりこえてくれる彼女たちがいる。
だから、俺は胸をはって、堂々と、道を歩いていこう、彼女たちとともに。
これからもずっと、一緒に。
「みんなーーー。俺はみんなのことが大好きだーーーー!!!!」
俺のそんな叫びは、俺たちの勝利が決まった戦場に、いつまでも、響いていた。
~貴方の笑顔のために~ The End
最終話、いかがでしたでしょうか?
最後まで、読んでくださった、皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
一刀君の、恋姫の世界に終わりはありません。
これからもきっと彼は彼の世界で夢想を続けることでしょう。
とりあえず、ここは、ひとつの物語が終わったということで・・・・
再見!!???
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最終話です。 最後まで、読んでくださった、みなさん。ありがとうございました。