No.572434

なんか神の不手際で転生するらしい

さん

第七十ニ話:慢心は強者の性・・・・つまり慢心せずして何が(ry

2013-05-03 15:43:02 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:10591   閲覧ユーザー数:9345

「なあ・・・こんなこと言うのもなんだが・・・・伸に勝ち目ない気がするのだが・・・・刃」

 

「ん?・・・まあそうかもね。普通ならそう思うよ・・・・何も知らなかったら俺もそう思うね。でも・・・・君たちは彼の本当の恐ろしさと怖さを知らない・・・・少なくとも俺はアイツほど破綻して狂っている奴は見たことないよ。ホント、アイツ倫理や道徳守っている分、なまじそこら辺にいる犯罪者よりヤバいからマジで・・・・まあ見ていなって・・・それよりも俺は結界張っておかなきゃいけないんだ。(それにアイツ等・・・特に小学生組の反応が楽しみだし)」

 

 

 

 

『ゼロ』

 

 

 

 

カウントがゼロになるが最初は誰も動かなかったことに伸は感嘆した

 

 

 

 

(ほう・・・てっきり始まりと同時に突っ込んでくるかと思ったがまんざら馬鹿でもないか・・・おそらくはシャマルかリーゼ・・・アリアのどちらかが吹き込んだな。だがこのまま睨み合っていても仕方あるまい・・・・まあ、我慢比べも嫌いではないがそれだと本来の趣旨から外れるしそれに・・・・それじゃあ愉しくないし面白くない。それに我慢比べなら座禅だな)

 

 

 

因みに伸の座禅最長記録は一週間です

そう思いつつ伸がアクションを起こした。一瞬でアリシアに肉薄する

 

 

 

「!?」

 

 

 

魔力強化をしていない状態でいきなりありえないスピードで迫ったからかアリシアは対処しきれなかった。

 

 

 

「姉さん(アリシアちゃん)!」

 

 

 

 

 

ブン!!

 

 

 

 

 

「・・・・・・流石にそう簡単に落とさせてはくれないか」

 

「使い魔だと思ってなめるんじゃないよ!」

 

 

 

アリシアに拳が入る寸前にアルフが逸早くアリシアを抱えて紙一重で躱したのだ。

 

 

 

「野生の本能という奴か・・・・ならまずは・・・・」

 

「相手は一人じゃないよ!」

 

「!!」

 

 

 

そう言って今度は背後からロッテが殴りかかってくる。そしてそれを受ける伸だが

 

 

 

「・・・・」

 

「ッ!!!?」

 

 

 

伸はふきとばず表情も変えていない。やせ我慢しているようなそんな素振りもない。対象にロッテのほうが苦悶の表情をしている

 

 

 

「あ、アンタ一体どんな体しているのよ!?」

 

「普通の人間の身体だ」

 

「嘘つけ!普通の人間の体が下手したらオリハルコン並なんてわけないでしょ!」

 

「・・・・・」

 

 

 

そう言っているロッテに向かって今度は高く跳躍して

 

 

 

「!?」

 

「・・・痛天脚」

 

 

 

強烈な踵落としを食らわせようとした。

 

 

 

ドゴォォォォン!!

 

 

 

『!!?』

 

 

 

皆が驚いたのも無理はない。なんせ勢い付けただけのかかと落としが地割れを起こしたのだ。

 

 

 

「よく避けた・・・まあ・・・今のを受け止めようとしたら確実に終わっていただろうがな」

 

「え!?ちょ」

 

「な、なんだアレ!?反則だろ!!」

 

「ただの魔力強化で・・・・」

 

「違うわ、なのはちゃん。アレは魔力強化していないわ」

 

「いや・・・流石にそれはありえない。それを受け入れたら本気で人間の定義を改めねばならん」

 

「何かタネがあるとみて間違いないな。シャマルお前はサポートしつつ奴を観察しろ。主達は作戦通りに」

 

 

 

そう言って再び体術主体のアルフ、ロッテの二人で攻める

 

 

 

(妙だな・・・・高町達天才組が攻めないのは分かる。だが何故接近戦主体のシグナムや遠距離型の一撃必殺技を持たないヴィータが攻めてこない?ヴィータの技は良くも悪くもハンマー技だ。仮にその手の連携を取ろうとしても砲撃系統の高町達とは主旨が合わない・・・・何を企んでいる?援護射撃か?まあヴィータはそれでいいかもしれないが・・・シグナムはそれこそデバイスを弓にしていなければ・・・・)

 

 

 

「よそ見とは随分余裕だね!」

 

 

 

そう言ってアルフが顔を殴ろうとするが

 

 

 

「いい加減飽きた。」

 

 

 

ドゴォ!

 

 

 

「が・・・」

 

 

 

炎を纏った高速の拳を放った。

 

 

 

「アイツ魔力変換持っていたのか?」

 

「いや違うよ。クロノありゃただの速すぎる拳だ。そもそもアイツは自分一人(・・)で魔力に属性変換くわえられるほど器用じゃない。アレはただ単に空気との摩擦熱だけで拳を発火させただけだ。」

 

「な!?」

 

「彼・・・もう魔法要らないのでは?」

 

「私もそう思ってきたわ・・・リニス」

 

 

 

クロノ達が驚くのも無理はない。というより驚きっぱなしだ。人間離れした肉体と体術・・・・どれをとっても小学生が行っていいものじゃない。

 

 

 

「言っておくがアイツはまだアイツ等に対して魔法は使っていない。このままじゃ下手をしたらこのまま終わるかもね。それにしてもさクロノ・・・お前はどうなのか知らないけどさ・・・」

 

「な、なんだ?」

 

「アイツ等本気で高町を直す気あるの?」

 

「何?」

 

 

 

クロノが疑問を持つのも当然だ。なぜならそのための戦いを今行っているのだから

 

 

 

「刃君・・・それはどういう意味かしら?」

 

「いや、何・・・ただ単にそう思っただけ。それにこの疑問は後でアイツの口から言うさ」

 

 

 

刃の言葉にクロノ達が疑問符を浮かべるも戦いは激しさを増していった。ヴィータが鉄球を、高町がアクセルシューターを放ち当たっても伸に大したダメージは加えられない。そして伸の拳がロッテの鳩尾を抉った。

 

 

 

「か・・・・」

 

 

 

そしてそのまま高速で拳を叩きつけた。

明らかに致命傷だ。しかもすべてが的確に人体の致命傷部分を捕らえている。

 

 

 

(悪くはないが・・・・それだけだな。技撃軌道戦すら読めないとは・・・いや、コレが使い魔の体術における限界か?)

 

 

 

伸の攻撃が当たらないのも単に伸が心を静めて観の眼で見ていたからに過ぎない。ロッテの攻撃が全て読まれていた。それに気付かずにその上で挑まれれば負けるのは明白だ。

だが、高町達が驚いていたのは其処ではない

 

 

 

「ロッテ!」

 

「ク!・・・シャマル!!」

 

「分かっているわ!(人間離れした怪力と耐久力・・・いやありえない!そんなの魔力強化していない限り・・・・魔力強化?・・・・もしかして・・・いやでも・・・そんなことして無事で済むはず・・・でももし・・・それならつじつまが合う・・・でもどうやって?)」

 

「そんな!?なんで・・・」

 

 

 

そう、伸が放った攻撃は死にかねない一撃だった。現にロッテは今呼吸困難になっている。シャマル、ユーノが慌てて回復魔法を行ったため一命は止めているが

 

 

 

「伸!これは模擬戦なんだよ!」

 

 

 

それに対して伸は事もなげに言った

 

 

 

「ふーん・・・で?」

 

「え?」

 

「だから何って聞いているんだ?」

 

「だ、だって・・・」

 

「?・・・・・・あー、そうか・・・お前等にとって模擬戦とは非殺傷の魔法だけのものだったのかね?ならその疑問も最もだな。なら教えてやるが俺は攻撃系統の魔法は使っていない。今使っているのは飛行魔法だけだ。理解できたか?」

 

「いや、それでなんでロッテがこんな・・・」

 

「分からないのかアリシア?では聞くが・・・体術に非殺傷設定なんて都合のいいものがあると本気で思っているのか?」

 

 

 

そう、伸は今まで良くも悪くも体術しか使っていない。体術は身体だけで行うもの・・・故に手加減したところで死ぬ可能性だってあるのだ。喧嘩で殴ったら打ち所が悪くて死んだ、イラついて相手を押し倒したら角に頭を打って死んだ。なんてこともある。撲殺とはそう言うものだ。殺すつもりが無くても死んでしまう(・・・・・・・・・・・・・・・・)危険をはらんでおりある意味最も身近にある危険でもある。

そして伸は体術においてデバイスは一切使用していない。故にデバイスの非殺傷の恩恵を受けられないのだ。それ故に『彼にそのつもりが無くても死んでしまう』可能性が出てしまっているのだ。

 

 

 

「「「「!?」」」」

 

「そういうことだ・・・・うっかり(・・・・)間違えて殺しちゃったらごめんな。なんせ体術にそんなご都合主義は無いものでね。」

 

「お前!」

 

 

 

叫びながらアルフが突進するが受け止められる。

 

 

 

「危ないな~うっかり俺が死んじゃったらどうするんだ?」

 

「!!?」

 

 

 

その言葉にアルフが動揺した

 

 

 

「騙されるな!アルフ!!」

 

「!?」

 

「遅いな」

 

 

 

ザフィーラが叫んだがアルフが正気を取り戻す前に肘鉄を加え、よろけるアルフに対してとどめの一撃を加えようとした

 

 

 

「させるか!アイゼン!!」

 

 

 

咄嗟にヴィータがシュワルベフリーゲンで鉄球を放った。

 

 

 

「!!」

 

 

 

それを紙一重で伸は避けた。

 

 

 

「クソ!」

 

「いや、見事だ。ヴィータ」

 

「そうよ。」

 

「そうだよ!アルフさんを助けることができたし」

 

「最も、アルフもリタイヤね・・・・あの肘鉄・・・どうやら内臓にも攻撃していたみたいだから。助けたら気絶したわ。」

 

「だが、そのおかげで何とかなりそうだ」

 

「ふぇえ!?シグナムさんそれって・・・」

 

「伸君の突破口分かったんか!?」

 

「はい。主」

 

「なのはちゃんたちさっきの見て妙な点なかった?」

 

「え?妙な点ですか?」

 

「別にどこにもないように見えたけど・・・」

 

「私も・・・」

 

「今まで奴は一度も私たちの攻撃を避けなかった。アルフ、ロッテの時は攻撃を受け止め、ヴィータや高町の援護射撃もまるでそよ風が吹いたかのように意に介さなかった。なのに、ヴィータのあの攻撃はよけた。つまりあの時は確かに奴に攻撃が通るとみていい。そこに勝機がある。」

 

「だからフェイトちゃん」

 

 

 

ひとしきり作戦を伝えた後シグナムが伸の前に立った

 

 

 

「作戦タイムは終わりか?」

 

「ああ・・・お前ごとき、私一人で十二分に相手になる」

 

「挑発か?まあどちらでもいい。今まで通り俺の実力と手の内を観察するのも悪くはない戦法だからな。」

 

(・・・・気づかれていたか。まああれだけ露骨なら分かるか・・・・)

 

 

 

そう言ってシグナムがレヴァンティンを構えそこから拳と剣による激闘が始まった。

 

 

 

「どうした?あの剣は使わないのか?」

 

「使うに値しないな。せめて一撃くらい俺に入れて見せろ」

 

「なら今すぐに入れてやろう・・・・ハァ!!」

 

 

 

掛け声とともに、伸の一撃を避け剣の腹で伸ばした腕を上に払った。

 

 

 

「今だ!」

 

「!!?」

 

 

 

その声と共にユーノが残された片腕にバインドをかけ、シャマルがシグナムとフェイトを入れ替えた(・・・・・)

 

 

 

「これで・・・・」

 

(・・・・フフフ)

 

「終わり!」

 

 

 

フェイトがザンバーフォームのバルディッシュバルディッシュを振りかぶり伸の身体を肩から斜め一直線に斬りつけ、大量の血が舞った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして彼女たちは知る由もない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっきまでが彼の致命的な隙であり最初で最後の倒せるチャンスだったことを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時の彼女たちは知る由もなかった。

 


 
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