No.571110

【めだかボックス】黒神めだかと球川禊の決戦

アッキさん

めだかボックス、完結記念。黒神めだかと球磨川禊の2人が久しぶりに再会して、闘いあう話。

2013-04-29 14:47:55 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3694   閲覧ユーザー数:3649

 混沌よりも這いよるマイナス、球磨川禊と黒神財閥会長、黒神めだかが再び顔を合わせたのは人吉善吉が仕掛けた黒神めだかを卒業させないために行われたイベント以来、実に13年ぶりの再会である。この時、黒神めだか28歳、玖磨川禊31歳の2人であったが、

 

 

「『久しぶりだね』『めだかちゃん』」

 

 

「あぁ、そうだな。球磨川」

 

 

 まるで年月を、歳月を、そして月日を感じさせないような喋り方であった。

 

 

「『しかし』『この僕を』『探し当てるだなんて』『良く出来たね』『めだかちゃん』

 『これでも』『見つからない事に関してだけは』『結構自身があったんだけど』」

 

 

「いや、かなり見つけづらかったさ。なにせ貴様には気配がないのだから」

 

 

 それは球磨川のスキルの1つ、『大嘘憑き(オールフィクション)』のせいである。今では安心院なじみがくれた『実力勝負』のおかげで3分経てば元通りの『安心大嘘憑き(エイプリルフィクション)』となっているが、その前の『大嘘憑き』で『なかった』事にしたものは永遠に『なかった』事のままである。

 彼は生徒会とマイナス13組との交戦のさいに、自らの気配を『なかった』事にした。以来、彼は誰にも気配を気付いて貰えない、日之影空洞のような存在になってしまった。もっとも、そんな日之影空洞は今やスキルを失ってもなお、警官として、自警団である雲仙冥利率いる組織と連携して、日々人々の平和を守っているらしいが。

 

 

「舐めるなよ、球磨川。黒神財閥の力を持ってさえすれば、お前個人を見つけ出すことなど容易い」

 

 

「『知ってるかい、めだかちゃん?』『そう言うのを』『職権乱用って言うんだぜ』」

 

 

「知ってるさ。けれども驚いたぞ。まさかお前が中東で人々を救っているなんてな。何があったんだ」

 

 

 そう。球磨川禊が高校を卒業して何をしてたかと言うと、中東へ密入国して紛争地帯でのらりくらりと生きていたのだ。勿論、人をおちょくった態度で人々との戦闘を止めているだけだが、それも確かな人命救助には違いない。

 『停戦敗北者』、彼は今ではそう言った名前で呼ばれているらしい。

 

 

「『別に』『ただ全ての面接に落ちたから』『こっちで1人でやろうと』『しただけだよ』

 『もっとも依真ちゃんにすぐに見つかって』『今じゃあ尻にしかれてるけどね』

『人間には気配で感知されない僕だけど』『まさか希望が丘水晶と言う』『高性能機器には』『勝てはしないさ』

 『まぁ』『のらりくらりとやってるさ』『時々だけど』『赤さんも来るからね』『彼女の医療技術には』『活用してもらっているよ』」

 

 

「相変わらずお前らしいな。今じゃあ依真と結婚して子供も居るらしいじゃないか。確か女、だったか」

 

 

「『雪(そそぎ)って言う名前に』『しようとしたんだけどね』『雪って言う名前は』『依真ちゃんや他の仲間に』『止められたから』『結局、真琴(まこと)と言う』『名前を付けさせてもらったよ』

 『苗字は僕』『そして名前は依真ちゃんの真から』『感動的な話だろう?』

 『そう言えば』『君にも子供がいるんじゃなかったけ?』『確か2人ほど』」

 

 

「うむ! 善吉との結婚の初夜でいきなりしたら出来てしまったのだ! 安全日だったはずなんだがな……」

 

 

「『そこら辺は』『相変わらずの『完成(ジ・エンド)』って言う』『所かな?』

 『で、』『名前はどうしたんだい?』」

 

 

「双子だったからな。私たちのような関係になってほしいと思い、女の子には『いるか』、男の子には『吉野』と言う名前を付けておいたぞ」

 

 

「『そりゃあ』『将来が楽しみな』『名前だね』

 『是非とも』『2人の将来に』『混沌のマイナスの僕の子供がいってほしい物だよ』」

 

 

「お前の子供がそうなるとは限らないだろう」

 

 

 「『そりゃあそうだね』『こりゃあ1本取られたよ』」と笑う球磨川。そりゃあもう、昔のように。

 

 

「『で、因縁の間柄である』『僕達の舞台はここ』『黒神財閥製の月』『と言う事かい?』」

 

 

 と、球磨川は大地を確認する。そこは黒神財閥の総力をあげて作られた月だった。球磨川は黒神財閥の力、もとい月下氷人会の兎洞武器子の所有するロケットに乗せられて連れてこられたのだ。

 

 

「『確か子供が生まれて』『すぐに完成したと』『赤さんから聞いたよ』」

 

 

「あぁ。私の子供に月を見せられないのは忍びないからな。親のせいで月が消えたなんて、ばれたら恥ずかしくて死んじゃいそうだ。

 まぁ、くじ姉の理論上、月と同じ材質で比重を持つ物質は完成はしていたが、結婚してから善吉と作りたくてな。流石の私も急いで作らせたぞ。だから空気があるなど、本物の月には遠く及ばない」

 

 

「『完璧主義すぎるよ』『めだかちゃん』『色も材質も』『遠目だとここまで』『完璧な』『月は無いよ』

『まぁ、戦うなら』『これがちょうど』『良いけどさ』」

 

 

「そうだな。今の私は全盛期と違って、『完成』も覚えたほとんどのスキルも使えなくなってしまっている。けれどもお前に負けるつもりはないぞ、球磨川」

 

 

 そう言って、黒神めだかは球磨川禊めがけて拳を構える。

 

 

「『――――――僕もだよ』『めだかちゃん』

 『中東の戦争地域にて』『身に付けた』『戦闘回避の極意』『それから『安心大嘘憑き』や『却本作り(ブックメーカー)』が』『ありますよ』『故にめだかちゃんを』『葬る事も』『容易に出来ますよ』」

 

 

 そう言って、球磨川禊の方も愛用の螺子を構える。

 

 

 そして黒神財閥製の月にて、13年ぶりの黒神めだかと球磨川禊の戦いが始まろうとしていた。

 

 

「―――――――娘のためにカッコつけずに君を倒し、君を裸にして依真ちゃんを驚かせてあげるよ」

 

 

「じゃあ、私は善吉と2人の子のために、『カッコつけて』『貴様を』『倒そう』」


 
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