第4話~『外史の望む外史の始まり Ⅲ』
?)「…ほぇ?」
聖)「あっ、やっと起きた。」
今まで眠っていた少女が目を覚ました事でその場にいる全員がその子に注目する。そんな中で一刀が真っ先に声をかける。
一)「おはよう。あのさ、早速で悪いんだけど、君の名前を教えてくれないかな?」
?)「ほほぅ、名も知らぬ相手に膝枕をしておいでだったか。」
白服の女性の茶々も入るなか、目覚めた少女は数回瞬きをして、
?)「…御鏡…暦?」
(一同)「・・・」
何故か疑問型で自己紹介をされた。
聖)「じゃあ、とりあえず暦ちゃんでいいね。」
?)「本当に、お主達、何者なのだ?」
白服の女性の再びの問いに暦が答える。
暦)「そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ、『趙雲』さん。」
?)「なっ!!」
暦を除く全員が固まる。特に白服の女性は驚愕の表情すら浮かべていた。
?)「私はまだ名乗った覚えは無いのですが?しかも、今まで眠っていたにもかかわらず何故?」
暦)「私にも分かんない。でも、何となくそんな気がしたの。」
亜)「普通、何となくで出てくる名前じゃないぞ!」
聖)「じゃあ、貴方趙雲って事なんですか!?あの趙子龍!?」
趙)「字までご存知か?…まさか妖術使いか?」
趙雲らしい女性が警戒する中金髪の少女が一刀の前まで来る。その顔は何か閃いた様に何かを試す様に近づく。
?)「今更ですが、お兄さん達のお名前はなんでしょうか?」
ゴタゴタしていてまだ誰一人名乗っていない事を思い出す。
一)「北郷一刀、姓が北郷で名が一刀。字っていうのはないよ。」
聖)「竜胆聖愛、私も字はないよ。」
亜)「神野亜久斗、同じく。」
?)「ふむ、では真名は?」
聞き慣れない言葉、不思議に感じながらも一刀が答える。
一)「真名っていうのがなんなのか分かんないけど、俺たち全員そういうのは無いかな。」
一刀の答えに趙雲と眼鏡の女性がまたも驚き一刀達は小首をかしげる。
?)「風、これは一体…」
?)「…ぐぅー。」
?)「寝るな!」
?)「おおう、驚きでつい眠気が。」
一瞬アホらしい空気が流れるが、少女は構わず続ける。
?)「風が思うにですが、もしかしたらこの方達は天の御遣いではないでしょうか?」
?)「あの占いのですか?しかし四人もいるとは言っていませんよ。」
?)「一人とも言っていませんよ。それに風はあくまで可能性として言っています。」
趙)「ふむ。しかし、風の言うとおりもし天の御遣いであれば私の名を知っている事、字や真名の無い事、いろいろ合点がいきますな。」
三人が話を進めるのを一刀達は黙って見ているしかない。正確には話に付いていけない訳だが。
そうこうしている内に三人がこちらに向き直る。
亜)「話し合いは終わったのか?」
?)「はい、とりあえず、こちらも自己紹介を、星さん…趙雲さんはいいですね~。風は、姓は程、名は昱、字は、仲徳です。」
?)「姓は郭、名は嘉、字は奉孝です。」
趙)「知っているらしいが、姓は趙、名は雲、字は子龍です。」
趙雲、程昱、郭嘉。名前を聞いて一刀は目眩がしそうだった。もし、本当なら自分達はタイムスリップした事になる。亜久斗も何か思案している。反応が違うのは聖愛ぐらいで、一人目をキラキラさせている。
聖)「あっ。」
一)「どうした?」
聖)「何かたくさん人が来る。馬もいるかな。」
程)「このあたりだと陳留の太守さんでしょうか?」
聖)「分かんないけど、後、別の方からもたくさん人の足音外聴こえる。」
趙)「我々には何も聴こえませぬが。」
亜)「あんま気にしないでいいよ。で、どうする?」
聖)「一応、準備しておいた方がいいかも。」
亜)「了解。じゃ、一刀、これ預かってくれ。」
そう言って、亜久斗は上着を脱いで一刀に投げてよこす。ただそれだけだが、趙雲、程昱、郭嘉はギョッとして亜久斗の腕を見る。
郭)「亜久斗殿、それは…」
亜)「あ~、やっぱ引くよなぁ。」
少しバツの悪そうな顔をする。亜久斗の腕は肘から先が金属に覆われていた。
亜)「俺は両手と両足が途中から自前じゃ無いんだ。」
趙)「義手ですか?それにしては当たり前の様に動かしている様に思えますが?」
亜)「まぁ、俺たちの世界の技術って事で。」
聖)「それより、最初聴こえた音多分あれだよ。」
聖愛の指差す方には旗を掲げる軍団が見えていた。
あとがき
とりあえず、ここまでこないとキャラ紹介しづらかった。
次はやっとキャラ紹介になります。( ̄▽ ̄;)
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キャラ紹介はこのあとします。正直段取り悪いなぁ。( ̄▽ ̄;)
注意:この作品は真・恋姫無双ほかTRPG DX3rdの内容を含みます。オリキャラ出ます。