No.569222

真・金姫†無双 #33

一郎太さん

そんなこんなでキングクリムゾン。

一気に進むよ!

どぞ。

2013-04-23 22:06:18 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:7978   閲覧ユーザー数:5836

 

 

 

#33

 

 

そんな訳で、俺はいま虎牢関の扉の前に立っている。

え、雪蓮ちゃんや華琳ちゃん達にバレないのかって? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな顔だから大丈夫だ。

というか、なんで汜水関すっ飛ばして虎牢関なのかって?

 

「1行目で『あれ、間違ってね?』とか思った奴、残念だったな!」

「なに言ってるんですか、社長?」

「気にするな」

「はぁ…?」

 

隣に立つ女副社長(同じくヒゲヅラ眼鏡)が問い掛けてきたが、流す。

 

「でも、本当に大丈夫なんですか? ものっそい怖いんですけど……」

「だいじょぶだいじょぶ、だって恋たんもいるし。な?」

「ん…頑張る……」

 

隣に立つおにゃのこが、ゆっくり頷く。庇護欲をそそる感じが、またいいね。

 

「ほんごーの言葉は…たまに難しい……」

「そうか?」

「そう…」

 

そんな事はないと思うんだけど。

 

「それより、お前は相変わらずビってんな」

「だってあの呂布っすよ!? 黄巾党の時なんて、呂布1人に3万がやられたんですよ!?」

「んな昔のこと気にしてんじゃねーよ。これだから女って奴ぁ」

「なんで女はダメなんすか」

「飲み会でちょっと別の女と仲良くなったくらいで、3年も前の浮気疑惑(しかも浮気してない)を引っ張り出してきたりするんだぜ? やってらんねーよ」

「社長、浮気したんすか? 天和ちゃんたちを裏切ったんですか?」

「んな訳ねーだろ。俺は妹達一筋に決まってんだよ」

「『達』の時点で一筋じゃないっすよ」

「だらっしゃぁぁぁああああぁぁあああっ! うっせぇぇぇえええええ!」

「ぶべらっ!?」

 

とりあえず、テンプレっぽく波才を殴り飛ばしておいた。

 

 

 

 

 

 

***

 

汜水関の戦いも、開始して数日で終わってしまった。汜水関には董卓軍の華雄と張遼が居たらしいのだが、関羽ちゃんや張飛ちゃん、それに加えて雪蓮ちゃんの挑発に、兵力差も考えずに華雄が飛び出してきたのだ。

まぁ、雪蓮ちゃんの母親と因縁があったらしいし、仕方がないのかも。

 

「あー、はっちゃんだー」

「おかえり、才ねぇ」

「おかえりなさい」

 

そして汜水関を越えて、しばらくの日が過ぎた頃だ。俺の命令で席を外していた波才が帰還した。

 

「おー、お疲れ。どうだった?」

「社長の予想通りになりましたよ。条件付きでしたけど」

「そうかそうか。よくやった。しばらく休んでていいから」

「うす…」

 

俺の許可を得るや否や、波才は輜重隊の荷車に寝転び、瞬く間に寝息を立て始めた。

 

「はっちゃん寝ちゃったぁ」

「落書きでもする?」

「ダメよ、ちぃ姉さん。何をしてたか知らないけれど、相当疲れてるみたいだし」

「でも、お兄ちゃんがもう書いてるよ?」

「兄さん?」

 

振り返る人和の視線の先には、筆を振るう俺。

 

「やっぱ額に『肉』だけはつまんないよな」

「瞼に眼を描こうよ」

「ほっぺはやっぱり朱墨よね」

「姉さん達……」

 

人和たんの声が震えてる。怒らせ過ぎちゃったかも。と、思えば。

 

「眼鏡を忘れないで」

「さっすがは人和ちゃん!」

「わかってるじゃない!」

「うむ、やはり俺の妹だな。撫でてやろう」

「えへっ…」

 

照れながら笑う人和ちゃんが、とても可愛かったです。

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで、到着しました虎牢関。華雄は雪蓮ちゃんが捕らえたので、汜水関から退いた張遼と、呂布がここには居るとの事だ。

 

「うっわ、すっげー」

 

遠く、輜重隊の位置からでもよく見える。虎牢関の扉の前で、人の華が咲いていた。弾き飛ばされるのは袁紹軍。金色の鎧が陽光に煌めいていた。

 

「すごいねー」

「兄貴とどっちが強い?」

「さぁ? 状況によるんじゃね?」

「状況ってなぁに?」

「ほら、お前ら妹が関わってくるかどうかだよ。お前らがいれば、俺、無敵。お前ら、惚れ直す」

「はいはい、片言ネタはいいから」

 

つれない人和たん。

 

「それで、兄さんはいつ動くの? 波才さんに聞いたわよ」

「なんだ、喋っちまったのか、アイツ」

 

今度減給だな。

 

「そんな事しちゃダメだよ、お兄ちゃん。はっちゃんだって頑張ったんだから」

「へーぃ」

 

天和が頬を膨らませた。なんだよ、ちょっとジェラシー。

 

「大丈夫だよ、お兄ちゃん。1番好きなのはお兄ちゃんと地和ちゃんたちだから」

「可愛いなぁ、もぅ」

「いやーん」

 

天和ちゃんが抱き着いてくれるのでした。

 

「それはいいから兄さん、さっきの質問に答えて」

「質問?」

 

ヤキモチを妬いた人和たんが袖を引いてくる。可愛いなぁ、もぅ。

 

「いつ動くの?」

「あぁ、それね。夜になったら適当に部隊から選抜して連れてくさ」

「そう。気をつけてね」

 

口調は素っ気ないが、両手で俺の右手を握って来るあたりに、人和の愛を感じた。

 

さて、どーやって時間を潰そうかにゃー。

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで深夜。

 

「――――じゃ、順繰りに移動するぞ。月も出ていないから、壁沿いに進めば見つかりようもない。安心しろ。だが、油断はするな」

「「「「「……」」」」」

 

部下たちが、頷く。

 

「(声出してんじゃねぇええっ!!)」

「(ぶばぁっ!?)」

 

波才を殴り飛ばす。

 

「(声出してないのに……(´・ω・`) )」

「(ノリだ(`・ω・´) )」

「(…………(´;ω;`)ヒドイ)」

 

テンプレ通りに波才にツッコミを入れ、俺たちは動き出す。

 

「俺の班は左翼外、波才の班は右翼外からだ。扉に着くまで喋らないように」

「「「「「……」」」」」

 

部下達が頷く。

 

「(声出してんじゃ……アレ、波才?)」

「(ふっ…何度も同じ手を喰らうアタイじゃないっす(`・ω・´)ドヤァ)」

 

間合いの外に、波才が居た。

 

「(……お前も成長したようだな、波才(`・ω・´)ウム )」

「(……(`・ω・´)ヘヘッ)」

「(褒めてやろう。こっちに来い)

「( (*´ω`) )」

「(おらぁっ!(`・ω・´) )」

「(ぶべらっ!?)」

 

さて、行くか。

 

 

 

 

 

 

数分おきに1人ずつ出発し、壁沿いに歩いていく俺たちは、それぞれ黒い布を纏っている。前述の通り月はなく、また星も見えない。これならバレる心配もない。崖に手をつきながら歩いて、手のひらに伝わる感触が変わった事で、そこが扉前だという事を理解する。

そして、眼の前には気配。

 

「……社長ですか?」

「貴様っ、誰だ!」

「え? えっ!?」

「冗談だ」

 

驚き叫ばれてもメンドイので、すぐにネタバラシ。

 

「なんだぁ…脅かさないでくださいよ……」

「だから冗談だと言っているだろう。っと、次の奴らも来たようだな」

「そっすね」

 

俺の背後、波才の背後からひとつずつ気配。だいぶ慣れてきた暗闇に眼を凝らせば、黒い布を羽織った男が2人。うちの社員たちだ。

 

「さて、揃うまで待つか」

「暇っすね」

「寝ててもいいぞ」

「いいんすか?」

「その代わり、寝てる間にまた悪戯するから」

「やめてくださいよ!こないだも部下に笑われまくったんすから!(小声)」

「冗談だ」

「もう慣れましたけどね……」

「じゃぁ、やっぱ落書きしていいか?」

「ダメっすよ!(小声)」

 

そんな会話をしつつ、社員たちを待つ。ホントに暇になっちまった。よって、現在も回想シーンだが、さらなる回想シーンに入ろうと思う。

 

 

 

 

 

 

*****

 

「――――ら、洛陽っすか!?ぶべらっ!」

「声がデケェよ。お前は相変わらず反応(リアクション)がデカいな」

「すいやせん……」

 

社長に言われた事に素直な驚きを見せれば、いつものように殴られやした。痛いっす。まぁ、アタイは特殊な訓練を受けてるから、たいして効いちゃいねぇんすけど。

 

「で、なんでまた洛陽に? 流石に、アタイ1人で董卓を捕まえてくるとか出来ませんて」

「確かに董卓を捕まえりゃ褒賞はたんまり貰えるが……今回はそうじゃない」

「そうじゃないって?」

 

相変わらず、社長の話はよくわからないなぁ。

 

「話は変わるが、金儲けの為に必要なものは何かわかるか?」

「アタイでもそのくらいは分かりますよ。いつも社長が言ってるじゃないですか。『何よりもまず、情報だ』って」

「覚えていたか。偉いぞ」

「ひゃっ!?」

 

頭を撫でられ、素っ頓狂な声を上げてしまった。こうして偶に優しいから困るっす……。

 

「あうぅ……その、それで、今回は何の情報を集めるんで?」

「俺はお前に、『洛陽に行け』と言った。つまり?」

「董卓の情報、っすか」

「その通り」

「でも、洛陽ですぜ? どこまで情報が手に入るかわかりませんよ」

「そりゃそうだ」

 

わかってんのに、やらせるんですかぃ?

 

「というか、隠密行動は時間が掛かり過ぎる。お前が情報を得て戻ってくるよりも早く、もしかしたら連合が洛陽にまで進んでしまうかもしれないしな。そしたら情報も意味がない」

「つまり?」

 

なーんとなく嫌な予感がするなぁ。

 

「ま、お前にやって貰う事は、もっと手っ取り早い事なんだけど――――」

 

その言葉に、アタイはとうとう絶句しちまった。

 

 

 

 

 

 

そうして、孫権様から馬を1頭借り受けたアタイは、闇夜に乗じて馬を駆けらせたっす。社長と旅をしていた時に、副社長という立場もあって馬に乗った経験はある。けど、最初に出会った時は徒歩だったすよ。なのに、アタイらを雇い、商団を結成してからは色々と荒稼ぎし、社長自身と、アタイを含めた幹部勢には馬をあてがってくれたんす。

色々と出来る事が増えるのは嬉しいね。生きる為の手段が増えるって事だから。

 

でも、こうして無茶ぶりされる割合が増えるのはキツイっすけど。

 

そんなこんなで数日間馬で走り、洛陽に到着。街に入ってみれば、凄い光景。天和ちゃん達からも連合が組まれた理由は聞いてたけど、嘘にも程がある。建物はまとも……というか、丁寧に修繕された跡があり、市場だって開かれてる。そこにあるのは、粗悪品などではなく、何処の街でも売れそうな品物の数々。

人々は連合が洛陽に向かっている事についての不安を口にしながらも、それはどこか噂話を楽しんでいる節が見え、街の人たちの情況がうかがえやした。

 

「社長の言った通り……まったく、凄いお人す」

 

ひとり呟きながら、通りを歩く。社長に言われた通りただただ大きな道を進めば、おそらくこの街1番の建物。

 

これがお城すか。

 

さて、こっからが大変そっすね。

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

作題『禁断症状』

 

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あとがき

 

 

という訳で、#33。

 

 

こっからどうやて流れを持ってくかに凄い時間がかかった。

 

 

でも読んでくれてる人たちからすれば、1日ごとの投稿。

 

 

切ないねぇ。

 

 

まぁ、いいや。

 

 

ではまた次回。

 

 

バイバイ。

 

 

 

 


 
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