考えは甘いが大志を抱く劉備とその志に共感し共に歩もうとする関羽と張飛。
そして劉備が心配という理由だけでついて行く一刀の4人が旅を始めた矢先問題が起こった。
それは村を出てから二つ目の村の食処で起きた。
「ところで俺たちはどこに向かってるんだ?」
「え?私は一刀さんに付いて行ってただけなんだけど・・・」
「私は桃香様に・・・」
「鈴々もお姉ちゃんについて行ってたのだー」
「どこに向かってるとかそういうのがなかったのか。つまり俺たちは無いものを目指して彷徨ってたのか?」
「そうなりますね」
「はぁ・・・取り合えず賊の被害にあっている村の情報を集めよう。そこへ行って賊を討伐、そういったことをしていってそのうち義勇軍を作ろう。そこでようやくスタートラインに立つことになるからな」
「一刀さん、すたあとらいんって何?」
「ああ、始まりって意味だ」
「へー」
「では私と鈴々で情報収集いたしますのでお二人は明日からの旅に必要なものをで買い揃えておいてください」
「はーい」
「ではまた夜に宿で会いましょう」
財布は全員の分をまとめて俺が持っている。
最初は旗頭である桃香に持たせるはずがそれが危険すぎるということから俺が持つハメに。
関羽でも良かったんだが桃香が俺を指名してきやがったからな。
二人はすぐさま行動に移ったので、俺たちも買い出しのため店を出て必要なものを話し合いながら歩いていた。
「・・・・・・・・・ん?」
「どうしたの?」
「・・・・いや、なんでもない」
何か違和感を感じたけど気のせいか・・・。
買い物を済ませ時間が余ったので久しぶりに二人でまったりした時間を過ごした。
約束通り夜に宿で合流すると、西の村で被害を受けていることが関羽たちの調べで判明した。
劉備はそれを聞いて助けよう!と意気込んでいた、相手がどんなのかも知らずに・・・。
こうして俺たちの最初の目的地はその村に決まり賊から村を救うという目的もできた。
さらにその村への道中に桃園があるらしい、イベント発生ですねわかります。
「うわー!綺麗だねー」
「これは素晴らしい!」
「これはすごいな・・・!」
一面に広がる桃の花。
それはまるで俺たちを祝福するかのように咲き乱れてる。
まさに感無量な景色だ。
「花もすごいけど鈴々はお腹がすいたのだ!」
コイツはまさに花より団子のお手本となるような存在だな・・・。
頭の虎も元気がなさげだ、どういった仕組みなのかわからんが。
「鈴々、お前はもう少しな・・・」
「まあまあ、感性は人それぞれだから気にしない」
「そうだよ、愛紗ちゃん。それに私も実は少しお腹がすいてきてて・・・」
「桃香様まで?・・・それでは一度休憩しましょうか」
そのあと俺たちは村で買った団子を食べながらたわいもない話をしていた。
菓子が切れかかったとき突然桃香が立ち上がった。
「私は約束するよ、たくさんの人を笑顔にしてみせると!」
「桃香様・・・!」
「お姉ちゃん!」
「愛紗ちゃん、鈴々ちゃん。付いて来てくれるかな?」
「もちろんです!この関羽雲長、桃香様の夢のために武を振るいた。そう思ってお声をかけさせていただきました。その思いは今も変わりません!」
「鈴々も難しいことはよくわからないけど頑張るのだー!」
「ありがとう、二人とも!」
・・・良いなこういうの。
なんていうか初々しいね、雰囲気が。
三人の顔には確かな決意が見て取れる、真剣すぎて茶化す隙間もないぜ・・・・。
それになんだかぼーっとしてk・・・・。
「私の名前は劉備玄徳、真名は桃香!」
「我が名は関羽、字は雲長。真名は愛紗!」
「鈴々は張翼徳、真名は鈴々なのだ!」
「「「我ら三人、生まれし日、時は違えども兄弟の契りを結びしからは、心を同じくして助け合い、困窮する者たちを救わん。
上は国家に報い、下は民を安んずることを誓う。
同年、同月、同日に生まれることを得ずとも、同年、同月、同日に死せん事を願わん!!!」」」
桃園の誓い、義兄弟となって生死を共にすることを宣言するもの。
この場合は義姉妹だけどもな。
桃園の誓いは三国志演義で付けられたものだったはず・・・。
性別があやふやな世界だから多少違ってて当たり前なのかもしれない。
ん?俺は何をしてたのかって?
うん、寝てたwww
桃香が名前言い出したタイミングで寝たから桃園の誓いは見てない。
アルコール弱いんだよねー、俺www
「突然ですが私たちは桃香様を主として仰ぐので北郷様をこれからご主人様とお呼びいたします」
「どうしてこうなった・・・。まて、意味がわからんからな。一度冷静になろうか」
「桃香様のお兄様だからです」
「わけがわからないよ・・・」
「私もそう呼んだほうがいい?」
「兄妹で主従プレイは興奮するがダメだ。理性がもたん」
「よくわからないけどいつもどおりにするね」
「鈴々はおにいちゃんって呼ぶのだー」
「あ、ズルい・・・」
ま、まあキャラ的には許せるかな。
桃香が何か言ってるような気がしたけども聞こえなかった。
「私のことはどうか愛紗と真名でお呼びください」
「鈴々も真名で呼んで欲しいのだー!」
「ありがとう、俺の真名は一刀だから」
教えても呼んでくれるのは相変わらず桃香だけか・・・。
愛紗が手に入れた情報の村はもう目と鼻の先のところまで来ていた。
「ここがそうなのか・・・」
村についたのはいいが活気が見当たらない。
道行く人にこの村の長なる人の場所を教えてもらい話を聞きに行くことにした。
「この村は賊に定期襲われています。ある程度物資を奪うと帰っていき、私たちに貯蓄が貯まるとまた襲ってくるんです・・・」
「なんて酷い・・・」
「外道な!」
「そんなやつら鈴々達がやっつけてあげるのだ!」
「危険です!奴らは50人以上いるのですよ!?」
「任せてください!この関羽、そこらへんの賊に敗れるほど弱くありませんから」
「鈴々も絶対負けないのだー」
確かに関羽と張飛という三国志の歴史で彼女らほどの聞きしに勝る猛将はそういない。
だからといって油断できそうにない。
彼女らは外道といったが俺はそうは思わない。
このわざと村人を活かす戦い方、日本猿の中にチンパンジーがいるような構図だな・・・・。
「とりあえず賊の潜伏場所とこのあたりの地形も教えてください」
「わかりました。でも本当に気をつけてくださいよ」
俺たちは村長からもらった情報をまとめるために宿を借りて作戦を練ることに。
「森の中のアジトか・・・いい場所だ。少しは頭が切れる奴がいるのかもな」
「ご主人様、あじと・・・とは何でしょうか?」
「ああ、ごめん。根城って意味だよ」
「そうですか。見つかりにくい場所に潜伏するのは誰でも分かることですよ。賊を馬鹿にしすぎでは?」
「単に偶然かもしれないが水源も確保してるし小さな洞穴がある。それに地形も向こうの方が少し高くなってるから見通しが良い・・・」
「ご主人様って軍師なのですか?」
「違うよ、俺は桃香の先生だよ」
「えっ、嘘!?そんなこと初めて知ったよ」
「母さんから出発の日に頼まれたからな。話を戻すが俺はただの知識人にすぎない、軍師には勝てないよ」
「そうですか・・・ではご主人様はどのような作戦をお考えで?」
「そうだな・・・二人なら囲まれても大丈夫だとは思うが万が一があるからな。愛紗が農具で武装した村人を連れて正面から敵の注意を引く。偃月の陣でまずひと当てしてすぐに撤退。その隙をついて鈴々が後ろから奇襲。賊が混乱してる所に愛紗が反転して挟み撃ち。この戦いで村人に被害は出さないでくれよ?」
「承知しました、この間教えていただいた陣形が早速役に立ちましたね」
桃香と母さんのところでいた一年の間にいろいろやったからな・・・。
嫌々勉強したんだから役に立ってもらわないと困る。
偃月の陣とは、中軍が前にでて両翼を下げた「Λ」の形に配置する。
大将が先頭となって敵に切り込むため士気も上がりやすい。
という陣形でだ。欠点は出鼻をくじかれたら全滅の可能性もあるってところかな。
「ねえ一刀さん、私は?」
「俺と一緒に村で吉報を待ってような」
「うん・・・」
討伐完了
いや、作戦どうりに無事終わったから別に詳しく言わなくてもいいだろ?
無意味なことは極力避けようか、このあとも大変だから。
そのあと俺たちは村人にとっても感謝され、村に来た時の静けさとは真逆の騒がしさで宴が催された。
「ありがとうございます、本当になんと言ったらいいか・・・」
「いえ、私たちは困ってる人を助けたいと思ったからしただけです」
「お礼に何かさせてください、私たちにできることなら是非!」
「そんな、お礼だなんて・・・「それでは俺たちは今から義勇軍を立ち上げたいと思っております。この劉備玄徳の話を聞いてあげてください。それだけでほかは望みませんから」・・・一刀さん!」
こうして俺たちは足早に義勇軍を結成し、少ない人数ながら人の命を預かった。
まあ人の命の重さなんてみんな同じなんだけどな。
――――――ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
「この音は騎馬ですね。それも大量の」
「まさか敵の増援?!」
「そんな・・・」
討伐し終わった瞬間大量の馬の蹄の音が俺たちに迫り来る。
安息の時間も束の間、周囲の空気は瞬時に張り詰め重くなった。
いやーたいへん長らくお待たせしましたねー。
待ってねーよって人も、思わず存在を忘れてた人も優しくしてください><
これには瀬戸内海よりも深い事情があるんです。
実は・・・・・・就職しました!!!
正社員の面接にもかかわらず、面接したその場で内定をもらうということになってまして・・・。
毎日が勉強の日々で大変ですわ・・・・。
更新は隙を見て出来たらいいなーっと思ったり。
んーっと・・・
では・・・
ァディオ───(`・ω・´)ノ───ス
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第6話になります。はい、そうですね。大変ご迷惑をかけ申し訳ありませんでした・・・・・・・・。