「何だろうね、急に楯無先輩からの呼び出しって?」
「さあな。また唐突な思い付きではないのか?」
「でもそんなことならこんなところに呼び出す?」
「では何なのでしょう?」
「それをこれから聞きに行くんだ。」
箒達は楯無のしていたポイントに集まろうとしていた。その時千冬と山田先生と出くわした。
「なんだ、お前たちもか?」
「そういう織斑先生と山田先生も呼ばれたんですか?」
「ああ。」
「なにか重要な話があると聞いたのでここに来たんですけど・・・・・肝心の本人がいませんね。」
皆があたりを見渡すが楯無の姿が見当たらない。そこへ一夏が来た。
『一夏(さん)!』
「大丈夫なのか、織斑?」
「ええ、大丈夫です。」
「無理をしないで下さいね。また急に倒れたらこっちが身体を壊しそうです。」
そんな話をしていると楯無が真剣な顔でやって来た。
「皆集まってくれましたね。ごめんね、急にこんなところに呼び出して。」
「ど、どうしたの、お姉ちゃん?急に改まって。」
「今日集まってもらったのは一夏君、あなたに訊きたい事があるからよ。」
楯無が呼び出した理由に箒達と千冬と山田先生は納得ができず、疑問符を浮かべた。
「こういう状況は私としてはあまりしたくなかったんだけど、二人っきりで聞いてもきっと逃げてしますからこういう状況を会えて作ったの。」
「それで、一夏に訊きたいことは何ですか?」
「これよ。」
楯無は厚いノートを取り出す。
「・・・・それを、どうして!?」
「ごめんね、一夏君。あなたが保健室に倒れたときに何か暇つぶしになるものを渡そうと思って部屋に入ったときに見つけたの。単なる男の子の怪獣図鑑と思って内容を見たわ。でも・・・・・」
「ど、どうかしたんですか?」
シャルロットが尋ねる。
「どうして痛みまで書かれているの?」
『!?』
楯無の言葉に驚く一同。楯無は両手でノートを開く。箒達と千冬と山田先生はそのノートを覗く。確かに楯無の言うとおりビーストの攻撃を受けた際の痛みが鮮明に書かれていた。
「どういうことだ一夏!」
「答えてください!」
「答えなさいよ一夏!!」
「一夏、答えて!!」
「い、一夏くん!」
「答えろ!!」
「どうなんだ、織斑!」
「織斑君!!」
全員一夏に迫って真意を聞こうとする。一夏は少しためらいがちに口を開く。
「それは・・・その・・・・」
その時であった。何処からかキィ―――――――――――ンと、どこからかこちらに向かって来る音がする。
「この音って・・・・」
「・・・・・まさか!」
刹那、ズド―――――――――ンと空からにんじんが降りてきた。ニンジンが割れ、中から出てきたのはISの生みの親でご存知の篠ノ之束であった。
「やっほ~~~~~~~!!ほーきちゃーん、いっくーん、ちーちゃーん。」
「た、束さん・・・」
「姉さん・・・・・」
「・・・・・・」
一夏と箒はあきれた顔をし、千冬は頭を抱えていた。
「どうしてここに来たんですか、束さん。」
「へへー。実は箒ちゃんの『紅椿』がどんな感じか気になってね。箒ちゃん、見せてもらっていいかな?」
「・・・・・・はい。」
「も~、そんな釣れない顔をしないでよ。実の姉妹なんだから。」
束は箒のISを診る。
「へ~、新しくオーバーレイバニッシャーができたんだ。うんうん、お姉さん嬉しいよ。」
そんな束に一夏が話し掛ける。
「束さん、訊いていいですか?」
「何かな、いっくん?」
「あのISを、無人機型のISを作ったおは束さんなんですか?」
『!?』
一夏の言葉に束以外の全員は驚く。
「どうしてそう思うの、いっくん。」
「第四世代まで作れる束さんです。無人機型まで作れないはずがないと思ったんです。」
「いっくん、正解だよ。」
「どうしてだ、束!」
「私は箒ちゃんが強さを求めたからそうしたんだよ。」
「姉さん、だからと言って誰かが死んでいいんですか!姉さんはそれでいいんですか!」
「え?だって私は箒ちゃんといっくんとちーちゃん以外大切なものは無いんだよ。」
束の言葉に箒は物も言えなかった。
「っ、束!!」
千冬は血相を変えて束に近づこうとする。だが千冬の前に一夏が立ち、束に近づきそして・・・・・
パァァァン
乾いた音が空気を伝わり響き渡る。その音は一夏が束の右頬を平手で叩いた音であった。
「いっ・・・・・くん?」
束は叩かれた頬を片手で押さえる。
「どうして・・・・・ですか・・・」
「・・・・え?」
「どうしてそんなことが出来るんですか!なんでそんなに人の命を軽いものと思うんですか!!人の命を何だと思ってるんですか!!!!俺には、束さんの考えていることがわかりませんよ!!!!!」
一夏は息を荒くする。
「はぁ・・・はぁ・・・・はぁ・・・ぐっ!」
一夏は口を手で押さえる。
「ごほ、ぐほ、ごばぁ!」
手の隙間から吐血をする一夏。一同その光景に驚く。
「一夏!」
「一夏さん!」
「一夏!」
「一夏!」
「一夏!」
「一夏君!」
「一夏君!」
「一夏!」
「織斑君!」
「いっくん!」
一夏は片膝を突く。
「こんな・・・・・ときに・・・・・」
「一夏を急いで保健室に!」
千冬がそう言った瞬間であった。突如虹色の光がIS学園を、島全体を突如覆った。
「なんだ、これは!」
刹那、メガフラシが姿を現した。
「チュィィィィィ」
「お前たち、生徒の避難をしろ。」
『了解。』
箒達は千冬の指示で動く。その瞬間、メガフラシが虹色の光で生徒を吸い上げる。
「きゃぁぁぁぁ!!」「だ、誰か―――――!!」「助けて――――――!!」
「危ない!」
箒達は急いでISを展開しようとした。その時、一夏が立ち上がった。
「織斑君、危険です。そのまま座っててください。」
「織斑、無茶をするな。」
「もう・・・・・誰かが死ぬのは・・・・・・見たくない!!」
一夏は懐からエボルトラスターを取り出した。
「それって!!」
楯無は驚いた。
一夏は箒達の前に走り出る。一夏は鞘からエボルトラスターを抜いた。
迷う暇は無かった 。ただ一夏は、またあのときの悲劇を繰り返したくないと思い、無我夢中で掛け走り、変身する覚悟を決めた。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
エボルトラスターから光が溢れる。全員、目を細める。光が徐々に薄れ、一夏が立っていた位置にはネクサスの姿があった。
「そんな・・・・・」
「嘘でしょ・・・・」
「どうしてなのよ・・・・」
「一夏・・・・」
「お前なのか・・・・・・」
「一夏君が・・・・・・」
「まさか・・・・・」
「いっ・・・・・・くん・・・・」
「どうして織斑君が・・・・・」
「・・・・う、ウルトラマンなんだ!!」
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楯無に呼び出され、集まる箒達。そこで楯無は一夏に真実を聞こうとするが・・・・