No.565238

魔法妖怪は転生者

第九話

2013-04-11 23:19:40 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:3658   閲覧ユーザー数:3315

 

 

 

 

時間は飛んで7月下旬

 

 

 

 

 

 

 

 

学生にとって最大の山場、夏休みが近づいていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日の授業は時間割的にはいつも通りだが、先生が大きな段ボールを担いで教室に入ってきて

 

 

何人かの生徒が『その箱何ですか?』と聞き

 

 

それに先生が…

 

麻耶「あ、これですかぁ?これは君達へのプレゼントですぅ」

 

 

先生のこの言葉に

 

 

生徒1「みんなプレゼントだってよ」

 

生徒2「おぉ~先生さっすが~」

 

生徒3「やったー…っで何なんだろ?」

 

生徒4「さぁ?まぁ貰えるものは貰っとこうぜ」

 

 

一部の生徒は喜んでいて

 

 

生徒5「あ~…あれか……」

 

生徒6「あぁ…あれだな……」

 

生徒7「俺凄く要らないんだが……」

 

生徒8「はは……当然僕も要らないよ……」

 

 

一部の生徒は小学3年生なら3度目の夏休みとなり。去年・一昨年と夏休みの数日前に先生から渡された物を思い出して暗い雰囲気になっていて

 

 

そして先生が弾ボールから一冊の本を取り出して

 

 

麻耶「よーし楽しみにしている子もいるからさっそく配るぞー」

 

 

そう言って本の表紙を全員に見えるように掲げた

 

 

それは『夏休みの宿敵』と言うタイトルが書かれた分厚い問題集だった

 

 

 

『夏休みの宿敵』

 

 

5教科(国語・算数・英語・社会・理科)の問題を詰め合わせていて

 

 

A4サイズで各100ページほどあり、計500ページ超と言う大容量の問題集である

 

 

 

生徒9「先生~知らない人に物を貰うなと親から言われているので、それを受け取るのは拒否させて貰っても構いませんか?」

 

生徒10「僕の家は先祖からの遺言で『人から物を貰うような人間になるな』と言われているので

残念ながらそれを受け取る事は出来ません」

 

生徒11「先生、冗談ですよね?」

 

生徒12「あ~冗談か。まさかあんな分厚いのが『宿題』かと思ったぜ」

 

生徒13「ばかっ!?その単語を口にするんじゃ……」

 

 

生徒の一人が『宿題』という単語を口にしたら

 

 

麻耶「はい~○○君の言う通りこれが今年の『宿題』の一部ですぅ~」

 

 

先生がこれが夏休みの宿題だと断定した

 

 

生徒14「先生バカですか?去年の倍以上あるんですけど?」

 

生徒15「先生俺ん家の近くに良い病院有るんで紹介しますよ?」

 

生徒16「先生…まだ若いと思ったのにもうボケてきたんですね……」

 

麻耶「も~文句ばっかり言わないでください~。今年は何故か校長先生が張り切って例年の倍ぐらいになっているんですぅ~。私は悪くないですよ?言いたい事があったら校長先生に言ってください~」

 

 

みんなが口々に文句を言うけれど

 

 

“全て校長先生の仕業ですぅ~”と言って麻耶先生は目を逸らした

 

 

そして

 

 

麻耶「と、とりあえず配ります~」

 

 

一番前の席の人達の机の上に『ドスッ』と置いて

 

 

後ろに配るように言った

 

 

手元に来た人から順に中を『パラパラ』と捲って溜息を吐いていた

 

 

麻耶「今日の1,2時間目の授業は自習だから夏休みの間、楽をしたいなら少しでも進めて置いて下さいね~」

 

 

先生はそう言って教室から出て行った。生徒たちは『自習だぁ~』と言って友達と話す人。『夏休みの宿敵』を黙々と取り組んでいる人。読書する人。寝る人と様々だった

 

 

取敢えず僕達は(おもむろ)に筆箱からシャーペン(又は鉛筆)を取り出した

 

 

周りは“何をするんだ?”と言いたげな顔を向けて来た

 

 

そして

 

 

『サッサと終わらせるかな』

 

 

その呟きと共に、僕達は宿題を始めた

 

 

 

 

アリサ・すずか・なのはの3人は茫然としている

 

 

 

理由は簡単

 

 

 

 

 

シュバババババババババババババババババババババババババババ!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

『……………………………』

 

キラ『……………………………』

 

カルラ『……………………………』

 

飛鳥『……………………………』

 

迷彩『……………………………』

 

 

 

無言で片手にシャーペン(又は鉛筆)を4本ずつ、両手で8本のシャーペンor鉛筆を持ち、途轍もない速さで『夏休みの宿敵』のページを捲って行く僕達を見ているからだ

 

 

アリサ「…………………ねぇ、安心院。何してるの?」

 

『宿題』

 

 

唐突に質問をされたので簡潔に返しておく

 

 

なのは「………手の動きが見えないの」

 

すずか「…………すごいね」

 

アリサ「後どれ位で終わる?」

 

『後100ページ』

 

 

残り100ページに差し掛かったので『100ページ』と答えておいた

 

 

それを聞いた3人は

 

アリサ・すずか・なのは「「「…………」」」

 

 

驚いたような顔で見ていた……

 

 

僕達にしては遅いから驚いているのか

 

 

それとも

 

 

普通に考えて早すぎるから驚いているのかはわからないから

 

 

固まっている3人に

 

 

『遅すぎる……?』

 

 

そう聞いてみると

 

 

アリサ「早すぎよ!!」

 

すずか「30分で出来る量じゃないよ!?」

 

なのは「5人ともおかしいの」

 

 

そんな会話をしながらも僕達の手は動き続け、1時間目の終了のチャイムが鳴る前に

 

 

鴛鴦・キラ・カルラ・飛鳥・迷彩『『『『『終わり』』』』』

 

 

5人揃って『夏休みの宿敵』を完膚なきまでに叩きのめした

 

 

そして先生が教室に戻って来て

 

 

麻耶「どうですか?みんな宿題は進んでいますか?2時間目の自習でも出来るだけ進めといて下さいね」

 

 

それだけ言って教室から出て行こうとしていた

 

 

僕達は『夏休みの宿敵』も終わったしどうしようかと思っていたら

 

 

生徒17「せんせー!安心院達5人宿題終わったらしいよー」

 

 

生徒の一人が先生にそう言った

 

 

すると先生とクラスメイト達は驚きの表情を浮かべながら此方を見て

 

 

麻耶「安心院さん達…本当に終わったのですか?」

 

 

先生の言葉に僕達は頷き、『夏休みの宿敵』を持って先生の所へ行き、渡した

 

 

受け取った先生はパラパラと『この量を40分程で……』とか呟きながらページを捲って行き、最後までザッと見た後

 

 

麻耶「何人かの生徒が『写させて』とか言いそうだから預かって置いてもいいですか?」

 

 

そう聞いてきたので

 

 

鴛鴦・キラ・カルラ・飛鳥・迷彩『『『『『大丈夫です』』』』』

 

 

僕達はそう答えて席へと戻った。この時、残念そうな顔をしていた生徒が数人居たような

 

 

そして2時間目

 

 

僕達はカバンから原稿用紙を取り出して書き始めた

 

 

すると『夏休みの宿敵』をやっていた高町が

 

 

なのは「安心院さん達、何してるの?」

 

 

僕達が何をしているかを聞いてきたので

 

 

『読書感想文』

 

なのは「えっ……本は?」

 

キラ『今まで何冊も読んだ』

 

なのは「覚えてるの?」

 

迷彩『一字一句完全に』

 

なのは「………」

 

高町が黙ったので僕達はペンを走らせ読書感想文を書いて行った。普通に10分で終わったが

 

 

その後の授業は通常の授業が普通に行われて行った

 

 

次の日からの授業でも自習時間が数時間あったので、僕達は夏休みの宿題を次々に終わらせて行った

 

 

現時点で終わっている物

・『夏休みの宿敵』

・『読書感想文』…………罪と罰(キラは人間失格・カルラは亡国の徒に問う・飛鳥は知恵と慈悲・迷彩は戦争論)

・『ポスター』…………火災予防(キラは盗難防止・カルラは交通事故防止・飛鳥は薬物防止・迷彩は自然保護)

・『習字』…………希望(キラは友情・カルラは仲間・飛鳥は努力・迷彩は勝利)

・『自由研究』…………爪楊枝で東京タワー(キラは牛乳パックで家・カルラはアイスの棒で城・飛鳥は綿棒で机・迷彩は鉛筆でお寺)を作成

 

 

残っている物

・『絵日記』…………夏休み最終日に纏めて書く

・『観察日記』…………同上

・『ラジオ体操カードの提出』…………面倒だが、一応出ておく

 

 

 

 

後書き

 

 

夏休みって休めないと思うんだ。宿題の量が多すぎて

 

 

 


 
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