No.564435 リリカルなのはSFIAたかBさん 2013-04-09 01:34:09 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:6083 閲覧ユーザー数:5427 |
第九話 リイン暴走中
リイン視点。
「はやてちゃん。プレシアさんは管理局本部に召集ですか?」
「ええ、なんでも『やりすぎた件についての言い訳をしにいく』みたいですよ」
私は機動六課のロビーでマリーにはやてちゃんとプレシアさんが施設内にいないことについて質問をしていた。
だって、チビレオンさんに新製品のリペアキット(デバイス用)を一緒に試したかったのに急なスクランブルでいなくなっちゃたんですもん。
ちなみに私達守護騎士の皆は機動六課で待機。
全戦力を出して本部をやられたら目も当てらないから。と、プレシアさんの忠告です。
「すずかさん。リニスさんの二人は、プレシアさんとはやてさんの護衛をするために一緒に同行しています」
「大丈夫なんでしょうか?ゼクシスは機動六課以上に嫌われているのに・・・」
機動六課の設立は対ロストロギア。レリックを集めている次元犯罪者ジェイル・スカリエッティに対抗するための組織。そして、ゼクシスはお姉様やリニスさんと同じスフィアリアクターの保護。
『スフィア』はロストロギアに指定される。はやてちゃんのもつ『夜天の書』から派生した『蒼天の書』以上の代物だと聞きますけど、お姉様の総魔力を見てみるとそうはおもえないんですけどね・・・。
それだけ弱体化したということでしょうけど・・・。
「大丈夫でしょ。プレシアさんは交渉上手だし、はやてさんも口が上手いし、なによりすずかさん。リニスさんの秘書と護衛つきです。だいじょうぶですよ」
まあ、確かにあの四人で行う交渉はほぼ九割で勝ってきますからね。
「あ、帰って来たみたいですよ」
マリーの声を聴くと機動六課に近付いてくるヘリコプターの音。そして、同時にシャマルが看護師数名を連れて屋上へと続く廊下を走っていく。
「シャマル!何かあったんですか?」
「ええ、フェイトさんが任務中に負傷したらしくてね。体力浪費が酷いから早くもっていかないと・・・」
「フェイトさんが!?リインもいくです!」
「リインちゃんは来ない方がいいわ。酷いものを見ることになるから」
「フェイトさんはそんなにも酷い状態だというのですか!?」
「オーバードライブ状態のバルディッシュで戦ってアサキムに負けてダメージを負わされたらしいわ」
「無事なんですか!?」
「…ええ、大丈夫よ。外傷もあったけど命に別状はないから」
そう言いながら私達はヘリが止まる屋上へと行くとそこには担架に運び出されているフェイトさん。その担架を囲うかのようにアリシアさんとなのはさんがついて行く。
そして・・・。
「あ、あれって…」
アリサにフレイム・アイズを首筋に当てられながら下りてくるガンレオンの姿。
まるで人質と強盗のような光景にリインは驚いた
「あー!見つけたんですね!タカs」
「チビさんに何するですかぁあああああ!?アリサさぁあああん!そんなにべったりいちゃいちゃくっついてぇえええ!」
この状況でいちゃついているように見えているリインの目は節穴だ。今度フルメンテしよう。
マリーはそう思った。
「安心しなさいリイン。これはチビじゃないわよ」
「ぎー」
アリサがそう言うと、その通り。と、頷くかのようにチビレオンがガンレオンを着込んだ高志の陰から出てくる。
「・・・え?ええ?」
自分の目の前に大きなチビレオン。そのすぐ傍にチビレオン。この二つから導き出されるリインの答え。それは…
「くたばるですぅううう!!」
カカカカカッ。
二十本ほどの魔法で出来た氷のダガーがガンレオンを襲う。
これは自然発生した物ではなく、氷の魔法を扱う事の出来るリインの魔法によるものである。
「「「「「「なんで?!」」」」」」
フォワード陣とアリサ。ついでに高志の方からもツッコミが入る。
「チビさんの真似をして人気にあやかろうなど私が許しません!このパチレオン!」
「いやいや、リイン曹長!高志さん。いや、ガンレオンが本家ですから!」
小さい頃から何度か高志と話したことのあるティアナはチビレオンとガンレオンの事を知っていたので慌てて訂正を入れる。
「…え?じゃあ、目の前にあるのは」
「チビレオンのオリジナルよ」
アリサも突然の暴挙に驚きながらもフレイム・アイズの剣先をガンレオンから離していない。すぐ傍にいたアリサに一発も当てなかったリインのコントロールを褒めるべきか、それともガンレオンの装甲を褒めるべきか悩むところである。
「じゃ、じゃあ、デカレオンですか?!」
「確かにおっきいですよね」
「普通のレオンさんは何ていうんでしょうか?」
まあ、チビに比べればデカだが・・・。
そういう問題ではないとフォワードのちびっこ二人も何やら的外れなことを言っている。
「じゃあ、あの『傷だけの獅子』ですか?!」
「満身創痍過ぎるわよ、スバル。何その可哀相な獅子?」
傷がついていない所が無い。だから『傷だけ』。言い得て妙だ。スフィアが関係する戦いで高志がボロボロにならなかった戦いは『揺れる天秤』以外ない。
「こ、これはこれは申し訳ございませんでしたお父様ぁあああ!!」
「ぎー」
お父様?と、チビレオンは首を捻る動作をする。
「わ、私はチビさんと同じく、み、皆さんのサポートをする為に、ま、マイスターはやての為に作られたリインフォース・アインスの後継機のリインフォース・ツヴァイと言います!是非とも義理の娘と書いて
ちゃっかり自分を売り出すところは流石ははやてのデバイスといったところか?
「ち、チビさんとはいやらしい関係を前提にお付き合いさせてもらって!」
リイン暴走中。
「・・・」
フルフルと首を振るチビレオン。そんな覚えはないと言っているかのようだ。
「いずれはマグナモードを搭載した二人の後継機。ミニレオンを百体以上作ると約束した仲です!」
ズザッ!と、高志とアリサはチビレオンとリインから離れる。二メートルほど。
と、いうかどんな悪魔の軍隊だろう。
・・・ゲッ○ー?小さい分、命中しにくいだろうから、グレム○ンと言ったところだろうか?どちらにせよ悪夢であることには変わりない。
「夢の中で!」
「ぎー」
夢の中かよ。と、五指を閉じてリインにツッコミを入れるかのようにチビレオンは素振りをする。
「すべてはマイスターはやての為に!」
「原因は家康か!」
よく世界の平和を守る管理局員によく採用されたものである。
「なははは。さすが高志君。流れるようなツッコミはかわらんなぁ」
と、ヘリポートへと続く扉から二人の女性が現れる。
言わずと知れた機動六課の首領。八神はやて。その人である。
「でも、もう逃げられんで。全部話してもらうからな、どうして私達の前から消えたのか?今まで何をしていたのかを全部」
嬉しそうな、それでいながら悲しそうな表情ではやてが高志に近付いてくる。
その後ろにリニスがいた。彼女の表情は諦めなさいと言わんばかりの顔だった。
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第九話 リイン暴走中