episode142 破壊者
「あれは・・・」
シノンはデストロイを見て唖然としていた。
(あれだけの巨大な機体を保有していたとは・・・)
驚きは隠せないが、シノンはすぐに颯の元に向かう。
(私はやれる事をやるだけだ・・・)
「しかし・・・近付いたら更にでかいな」
隼人達はホバーで進行するデストロイに近付いていく。
「最大でも50メートル近くはありますわよ・・・」
「下手すればそれ以上はあるぞ」
セシリアと箒もその大きさに驚いていた。
するとデストロイは多数のミサイルを放ってきた。
セシリアはとっさにドラグーンを射出して一斉発射し、ミサイルを撃ち落した。
「問答無用ね!」
「当たり前だ」
するとデストロイは円形のパーツ側面の銃口より全方位にビームを放った。
隼人達はビームをかわしていくと、一夏がGNソードⅢをライフルモードにしてビーム弾を放つが、デストロイは機体周囲にリフレクターを展開してビーム弾を弾いた。
箒もリフターのビームキャノンを放つも、ビームはリフレクターに弾かれる。
「でかいな」
隼人はビームマグナムを放つも、デストロイが周囲に張ったリフレクターでビームは弾かれる。
「バンシィのビームマグナムでも弾かれるなんて・・・」
鈴はその光景に息を呑む。
「かなり強固なリフレクターだな。破るとなると骨が折れるな」
「一夏。零落白夜でやつのリフレクターを切り裂けないのか?」
「駄目だ。相手がでか過ぎて仮に切り裂けても、すぐに修復される」
「だが、切り裂く事はできるんだろ」
隼人はビームマグナムを放つもデストロイのリフレクターで弾かれる。
「効かない場合だってあるんだぞ」
「まぁ、相手はISとは違うからな」
相手がISならばバリア無効化攻撃の零落白夜は通じる。しかしその能力がIS以外にも効くかどうかは分からない。
「だが、今は迷っている暇は無い!」
デストロイは全方位ビーム砲を放ってきて、隼人達は避ける。
「一夏はタイミングを見て零落白夜を使え」
「分かった!」
「俺達でやつの気を引くぞ!」
「あぁ!」
「了解ですわ!」
「あいよ!」
隼人達はデストロイに向かっていく。
(リインフォース、ツヴァイ。お前達もこっちと合流してくれれば助かる)
(分かりました)
(そちらに向かうです)
ちなみに言うと、二人はベルリンの北側でレギナを掃討していた。
セシリアは腰の両側のレールキャノンを展開して弾丸を放つも、弾丸もリフレクターによって弾かれる。
「実弾でも弾かれるなんて・・・!」
横に飛びながらロングライフルを放っていく。
するとデストロイはミサイルを放ってきて、セシリアはドラグーンを一斉発射してミサイルを撃ち落していく。
箒はビームサーベルを一旦マウントし、右手にビームライフルを持ってリフターのキャノンと併用して放っていくが、リフレクターによって弾かれる。
(このリフレクター・・・セシリアや私のリフレクターと似ている・・・)
デストロイのリフレクターに箒は疑問を持つ。
デストロイの円盤状のユニット側面のビーム砲より放たれるビームを回避していく。
(もしかして・・・)
鈴はビームトライデントを振り下ろすも、リフレクターに阻まれた。
「ちっ!」
デストロイはビーム砲を放ってくるもとっさに後ろに下がってかわし、ドラゴンハングを放つも、リフレクターに阻まれた。
(硬すぎるでしょこれ!?)
「やっぱでかいな」
隼人はリボルビングランチャーの徹甲弾を放つも、リフレクターに阻まれて爆発する。
連続で放って弾切れになると筒を切り離し、アームドアーマーVNを展開してリアアーマーより筒を取り出してビームマグナムに取り付ける。
(オリジナルと同じ大きさだからな。MSからだと『でかいなぁ』って感じなんだろうが、ISからだと殆ど人間視点だから『滅茶苦茶でかい!?』って感じになる)
ビームマグナムを放つと最後のカートリッジが排出される。
「やはりマグナムだけじゃ持久戦は無理だな」
隼人はビームマグナムを収納して右腕のアームドアーマーBSを展開するとフィンの間よりうねってビームが放たれた。
ビームはデストロイのリフレクターに弾かれ、直後に全方位ビームが放たれて隼人はとっさにかわす。
(レギナはリゼルディフェンサーによって迎撃されているな。お気に無くデストロイの方に集中できるが・・・)
すると遠方より高出力ビームが飛んでくるも、デストロイのリフレクターに弾かれる。
『隼人』
と、リインフォースのブラックウイングが飛んでくる。
「来たか」
隼人の近くにリインフォースが来る。
『かなり厄介なものを投入してきましたね』
「あぁ。さすがにあれだけの大きさだと気が滅入る」
デストロイの全方位ビーム砲が放つビームを二人はかわす。
『それにあの強固はリフレクターにはどう対抗しますか?』
「それが問題だな」
隼人は他のメンバーが攻撃しても弾くデストロイのリフレクターを見る。
「あれだけの強固な物だと相当大きく強力な攻撃でなければ打ち破る事はできない。もしくは特殊な効果かそんな所の攻撃でなければ・・・」
『・・・・』
「エクセリオン・ゼロでも通じるかどうか分からん」
『仮に通じたとしても、その後の影響が大きいですね』
エクセリオン・ゼロが持つ必殺攻撃『エンドレス・ゼロ』・・・デストロイを破壊出来ても、その後の爆風や衝撃波でベルリンに深刻は被害が生じる。
「・・・あれがうまく使えれば・・・あいつのあの通りにできるんだがな」
『・・・・』
『絶対破壊』と言う意味を持つバンシィ・ノルンが持つ単一能力『アブソリュート・ブレイク』・・・
しかしデストロイモードと隼人のISモードを併用しなければ効果は発揮されない。しかもその効果は僅か数秒。その上その数秒が過ぎたらバンシィ・ノルンは急激に性能が落ちてしまう。
その上以前の事から暴走の危険性があった。
「それで余計な被害が出ては元もこうも無い」
『えぇ・・・』
「・・・リインフォース」
『何でしょうか?』
「・・・あれは使えるか?」
『一応は・・・。しかし、いきなりぶっつけでは危険なのでは?』
「いつもそうやって来た。心配無い」
『・・・・』
「行くぞ」
『はい!』
隼人はアームドアーマーBSを収納し、リインフォースと右手同士で繋ぐ。
「『ユニゾン・・・インッ!!』」
そして繋いだ右手より光が出て、二人を包み込むと、光の球になる。
人型に形成されると、光が弾けて隼人とリインフォースがユニゾンして完成するエクセリオン・ゼロが現れる。
「『クラッシャーフォーム!セットアップ!』」
するとエクセリオン・ゼロが輝くと、青い部分が赤く染まっていくと、左腕にユニットがパーツごとに展開されて組み上がっていく。
全長の半分ほどの大きさで、後部には根元に稼動箇所がある三つのブースターが搭載されており、中央部にはリボルバー式の弾倉が搭載され、先端にはエクセリオン・ゼロの拳ぐらいの幅の鉄塊棒を持っていた。
「っ!」
隼人はデストロイが全方位ビーム砲を放ってきて四つのウイングを展開して飛び出してかわす。
「カートリッジロード!」
と、左腕のユニット中央のリボルバー式の弾倉が回転してリロードされる。
その瞬間後部の三つのスラスターが動いて微調整をすると、勢いよく噴射し、その推進力とウイングでデストロイに向かっていく。
「いけぇぇぇぇぇ!!」
隼人はそのブースターの勢いに任せて左腕のユニットの棒をデストロイのリフレクターにぶつける。
「リフレクターが物理的にも強くなっているか・・・!だがな!!」
すぐにカートリッジを連続でリロードする。
「これならどうだ!!」
ブースターが更に噴射されて棒の先端が変形して鋭い杭になる。
「ぶち抜けぇぇぇぇぇぇ!!」
そして強力な衝撃を放ち、リフレクターを貫通して衝撃がデストロイ本体にぶつかってバランスを崩し、そのまま道路の方に倒れた。
「す、凄い・・・」
鈴はその光景を目を見開いて驚いていた。
「あれが・・・隼人とリインフォースがユニゾンした・・・エクセリオン・ゼロ」
「お話しで聞いた想像より・・・凄いですわ・・・」
「・・・・」
リインフォースとツヴァイの事は既に隼人とその二人より聞いていたので隼人とリインフォースがユニゾンする事に驚かないものも、その性能に驚いていた。
「か、かなり来るな・・・こいつは・・・」
隼人はユニットのリボルバー式の弾倉を左側に出して空薬莢六個が排出され、右手にカートリッジが六つ搭載した持ち手を展開して弾倉に装填して根元を少し回してカートリッジを外し、弾倉がユニットに戻る。
『リフレクターを通り越し、直接衝撃を叩き込む。うまく行きましたね』
「あぁ。だが、ダメージは無い。あくまで体勢を崩せるぐらいだ」
見ればデストロイは体勢を整えていた。
「・・・それに奴さん・・・本気を出し始めたか」
するとデストロイは下半身を前後逆に回転させ、上部ユニットを背中に回して両腕を出し、人型に変形した。
「あれだけの大きさだ。懐には入れればやつは手出しできない」
しかしデストロイは両手の指先端よりビームを放ってきて隼人はとっさにかわす。
『それ以前に近づけるかどうか・・・ですね』
「だな」
隼人はデストロイが放ってくるミサイルをかわしていくと、左腕のユニットを構える。
「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
そのまま勢いよく飛び出してデストロイの前まで迫った。
しかしデストロイは機体前面にリフレクターを展開して攻撃を受け止めた。
「なにっ!?」
すると胸部の三つの砲口にエネルギーが充填される。
『隼人!』
リインフォースはとっさにディフェンダーを張ったその瞬間デストロイが胸部のビーム砲を放ち、エクセリオン・ゼロはそれを防ぐが、そのままエネルギーに押されて行って山に直撃してエネルギーが爆発する。
「隼人!」
箒がとっさに隼人が吹き飛ばされた方を見る。
「あいつ・・・形態関係無しにリフレクターを張れるのか!?」
「しかも最初の形態より武装増えてるし!」
デストロイは両腕を飛ばすと、指の先端よりビームを放っていく。
「っ!」
一夏と箒はとっさにかわしていく。
セシリアはロングライフルを放つも、デストロイの左腕のリフレクターで弾かれる。
「どうすんのよ!このままじゃ手も足も出せないわよ!?」
「分かっていますわ!」
セシリアと鈴もビームをかわしていく。
「しかし、こうも攻撃が弾かれては・・・」
『セシリアさん!』
と、遠くよりツヴァイのホワイトウイングが飛んでくる。
「リインさん?どうしてあなたが?」
『敵の排除に手間取ってしまって、遅れたんです』
「そうだったのですか」
『それより、このままだと敵はベルリンを出てしまいます。そうなってしまったら他国への被害が・・・』
「・・・・」
『ですから、リインとユニゾンするです!』
「わ、わたくしが!?」
『少なくとも足止めが出来るほどの攻撃を行えるのはセシリアさんだけと隼人さんが言っていたです』
「隼人さんが?」
『はいです!』
「・・・・」
セシリアは隼人が飛ばされて、炎を上げる山の方を見る。
「分かりましたわ。その期待に応えて見せましょう!」
セシリアはツヴァイと向き合う。
「で、ですが・・・ユニゾンとはどうやって?」
もちろんやり方など分からない。
『リインが行うです』
と、ツヴァイはストライクフリーダムに触れる。
『ユニゾン・・・インッ!!』
するとホワイトウイングの手より光が放たれ、そのまま二人を包み込んで光の球になった。
そのまま人型に形成され、光を弾いた。
「これが・・・」
ストライクフリーダムは以前と異なって、変化があった。
機体の形状に変化は無いが、背中には新たにキャノンが二門追加され、ドラグーンの色が白く変化し、関節部などの金色が銀色に変化し、赤い部分は青く変化していた。
『適合率はそこそこ高いほうですね』
「そうなのですか?って、リインさんはどこに!?」
『これがユニゾンですよ、セシリアさん』
「・・・・」
『能力を完全に発揮するためにISだけならずセシリアさんとも一体化しています』
「ですから、直接あなたの声が頭の中に・・・」
『はいです』
「なるほど」
『それに、セシリアさんのユニゾン能力も役に立ちそうです』
「ユニゾン能力?」
『ユニゾンした時に使える特殊機能です。ユニゾンの組み合わせが異なるとそれぞれ違う能力が発現されるんです』
「それで、わたくしのは?」
『セシリアさんのブルー・ティアーズの偏向射撃・・・それを更に精密に複雑なコントロールを可能とする能力です』
「ブルー・ティアーズの・・・」
『セシリアさんのイメージが強ければ、それを反映した攻撃が可能となるです!』
「・・・・」
デストロイが放ってきたビームをかわすと、背中のウイングを展開する。
「サポートをお願いしますわ!」
『了解です!』
そうしてセシリアは一気に飛び出した。
「くそが・・・やってくれるぜ・・・!」
隼人は大きく凹んだクレーターの中央に半身を起き上げて頭に手を置いて頭を振るう。
「大丈夫か、リインフォース」
『えぇ・・・何とか・・・』
「さっきは助かった」
『とっさの判断でしたが・・・『セイクリッドモード』であれば完全に防げたのですが・・・』
「だが、むしろクラッシャーモードの防御力が無ければ危なかったかもしれない」
隼人は立ち上がると左腕を回して調子を整える。
「それに、こいつのお陰でもある」
左腕のユニットを見ると、先ほどの攻撃で表面が焦げて、一部が蒸発していた。
そのままエクセリオン・ゼロを最初の形態のセイクリッドモードに変えてディバイドライフルを両手に展開して持つ。
「最初と違って動きが鈍いな」
『えぇ。やはりホバー移動でなければ早く動く事が出来ないようですね』
「だが、オリジナルと違って人型でもリフレクターが張れる。弱点を克服した改良型か」
『・・・・』
「厄介なものを作ったものだな」
隼人はデストロイを見ると同時に、セシリアを見る。
「ツヴァイとユニゾンしたのか・・・」
『適合率が高いようですね。その証拠として新たな機構が加わっている』
「なるほど・・・」
『それで何とか足止めは出来ているようですね』
「やはり一夏の零落白夜に賭けるか」
そうして隼人は地面を蹴って飛び出した。
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トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!