No.560477

フェザー・スノウ

クロさん

1日一回更新で有名なクロでし←嘘
今は順調だしぇ


対魔女戦線始動

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2013-03-29 18:44:19 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:603   閲覧ユーザー数:591

決して馴れることのない、緊張感を伴うイクスタリアの生活

行動を共にするシグとカナリアの間にはいつしか小さな恋心が芽生えはじめて―――

二人に降り注ぐ不思議な浮游感

 

 

 

 

 

 

 

 

それは初めての『恋』

 

 

 

 

 

 

 

 

「シグ~、こっちこっち!」

シグと呼んだ少女はニコニコしながら少年を見る

「ハイハイ……少し待ってね、カナリア」

カナリアと呼んだ少年はやや疲れたように答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたの?疲れた?」

そう少女は言うと少年は―――

「さすがにね……これだけの買い物になるとね」

チラッと少年は少女が買い込んだ荷物を見る

おもわず苦笑いが自然と表情に出る

「もうリクは軟弱だな~。それでも男の子ですか?」

その少女の返しにただただ少年は苦笑するばかりだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『空から降り注ぐのがこの瞬間みたいに【優しい光】だったらいいのにね』

少女は毎回この言葉を呟く

「……」

しかし現実は残酷だ

「……カナリア」

今少年の前にはベッドに横たわる少女の姿

「どうして……」

少年はただただそう呟くしかなかった

「大…丈夫だよ、シグ。…私はこの程度…じゃ‥死なないよ」

少女は力なくもそう呟く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少女を襲った高熱は医者にも分からず、とりあえぜ医者は風邪薬を出した

それを少年は少女に飲ませ続ける

ただ少年にはその事しかできなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし少女の病気は一向に治るどころか悪化していくばかり

医者はもう助からないと少年に告げた

しかし少年は諦めなかった

暇な時間さえあれば少年を看護する

少年にとって少女はかけがえのない存在なのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日がたち、少年がいつものように少女の家にいくと少女が家のなかで立っていた

少年の献身的な看護があってか意識を取り戻した少女

「カナリア!!」

少年が嬉しそうに少女の名を呼ぶ

しかし返ってきた言葉は―――

「あなたは―――誰?」

少女はここ五年間の記憶を無くしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠くでカラスが鳴いていた

嗤うように―――

蔑むように―――


 
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