「進化した日」
僕はいらない子だ。
ねえ、君。
時間という概念に進化があるとしたなら、
生の終わりは突然変異なんだろう?
僕はそう信じているんだ。
でも怒った顔をしないで。
僕は死に憧れるほど熱心に生きていないんだよ。
人は命を保つために生き続ける。
正しいかは不明だけど、この理由は悪くない。
ただ、その行為を終えたとき、僕はいったい何になるんだろう。
それが不思議なんだ。
目は僕には必要で、
耳は僕には必要で、
手は僕には必要で、
どこにもいらないものなんてない。
でも、やがてその日はやってくる。
進化した日。
肉の衣を脱ぎ捨て僕は僕と対面する。
僕は最後に残ったその僕に必要だよ、と
言ってあげられるのだろうか。
僕は空に耳を傾ける。
浮かんでいる雲は早すぎて、色彩の変化は早すぎて。
空が騒がしいお喋りをしているように感じるよ。
僕が寂しいからなのかな。
きっと皆はそこに行く。
青い空、赤い空、黒い空。
どんな存在だって、適応できる場所が用意されている。
僕の中の最後に残った進化した一滴。
招待状はきっとくる。
だから。
いらない子だなんて不安がることないんだよ。
突然変異をした僕が毒虫に変わってしまっても。
僕は空と混ざるんだ。
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「僕はいらない子だ」
詩です。