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魔法少女リリカルなのは~原作介入する気は無かったのに~ 第五十七話 今日から6年生。転校生はアリサ!?

神様の手違いで死んでしまい、リリカルなのはの世界に転生した主人公。原作介入をする気は無く、平穏な毎日を過ごしていたがある日、家の前で倒れているマテリアル&ユーリを発見する。彼女達を助けた主人公は家族として四人を迎え入れ一緒に過ごすようになった。それから一年以上が過ぎ小学五年生になった主人公。マテリアル&ユーリも学校に通い始め「これからも家族全員で平和に過ごせますように」と願っていた矢先に原作キャラ達と関わり始め、主人公も望まないのに原作に関わっていく…。

2013-03-20 19:28:28 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:30348   閲覧ユーザー数:26787

 シュテル達が小学校に通う様になって1年…。

 今日からは遂に俺達が最上級生である6年生。そして新年度の始まりである。

 

 「何だか1年って長い様で短いね」

 

 「そうですね。小学校に通い始めたのがつい最近の様にも感じます」

 

 「我としてはもう少し早く入学したかったと今では思うな」

 

 「仕方ありませんよ。以前の私達は常識がかなり欠けていましたから」

 

 レヴィ、ユーリ、ディアーチェ、シュテルの順に喋る。

 

 「ま、今年1年が最後の小学校生活だからな。良い思い出は沢山作りたい」

 

 「そうですね。私もユウキの意見に同意です」

 

 「でも6年生になったから勉強が今までより難しくなるんだよね」

 

 「何を当たり前の事を。そんな事で気落ちするなレヴィ」

 

 「そうですよ。楽しい事だってきっとある筈ですから」

 

 楽しい事かあ。

 最上級生と言えば修学旅行が一番良い思い出を作れるイベントだよなあ。

 

 「そういえば毎年恒例のクラス発表もある意味では楽しみの一つだな」

 

 去年と同じクラスの奴がいれば別のクラスだった奴もいる。

 

 「「「「クラス発表……」」」」

 

 「???何でそこで俺を見る?」

 

 俺、可笑しな事言ったか?

 

 「いえ…(ユウキと同じクラスになれるでしょうか?)」

 

 「何でもないよ(ユウと一緒のクラスになりたいな♪)」

 

 「気にするな(今年もユウキと同じクラスに)」

 

 「はい。気にしなくていいです(同じクラスで隣の席だったら言う事無しです)」

 

 『何でも無い』と言いつつもチラチラ俺の方見てりゃ、何か言いたい事があるのが丸分かりだぞ。

 ま、本人達から言ってくれるのを俺は待つだけなんだけどね。

 

 「まあ、流石に俺達全員が同じクラスになれるとは思わないけどな」

 

 去年のアレは奇跡みたいなものだろう。

 

 「確かにそうですね(むしろユウキ以外は別に違うクラスでも…)」

 

 「今年も一緒なら凄いけどねー(僕はユウと一緒なら他の皆は別々でも…)」

 

 「そこまでいくと偶然と言えるのか?(我はユウキだけいてくれれば…)」

 

 「むしろ人為的なモノを感じますよ(ユウキ以外違うクラスになってくれればユウキを独占出来るんですけど…)」

 

 皆少し表情が険しいな。クラス分けがそこまで心配なのか?

 

 「「おはよう」」

 

 っと、聞き覚えのある声がするのでそっちを向くと亮太と椿姫がいた。

 

 「「「「「おはよう(おはようございます)」」」」」

 

 挨拶をした後、俺達と肩を並べて皆で登校する。

 学校に着いたところで俺達はクラス分けが発表され、大勢の生徒で溢れている掲示板………を通り過ぎ、職員室に向かう。

 

 「???勇紀、掲示板は通り過ぎたわよ?」

 

 椿姫の疑問に他のメンバーも頷く。

 そう言えば亮太と椿姫は途中から転校してきた転校生。シュテル達は転入日当日、職員室に行ってから教室に来たんだっけか。

 

 「ああ、海小(ウチ)は掲示板で確認しなくても職員室で、プリントアウトされた用紙を貰って確認する事も出来るんだよ。あの人混みの中を掻き分けて確認しに行くのも一苦労だろ?」

 

 いち早くクラスを確認したい奴は掲示板で確認するんだが、人混みを避けたいなら職員室で貰える用紙を見て確認するのが一番だ。

 

 「「「「「「成る程」」」」」」

 

 「それに人混みが収まるのを待っていたら時間が掛かるかもしれないからな」

 

 『クラス確認に時間掛かって遅刻した』なんてのも理由にはならんし。

 そんな会話をしながら俺は職員室に入り、クラス分けの載っているプリントを一枚貰う。

 職員室から出て皆でプリントを覗く。

 そこには………。

 

 

 

 「私達は今年も皆一緒だったよ」

 

 嬉しそうに話すすずか。

 今日は始業式だけだし『お昼は翠屋で食べようか?』という話にいつの間にかなっていたのでこうして翠屋に来ると既に聖祥組の6人がいつもの席にいた。

 

 「本当に偶然か?むしろ『裏で何かやったんじゃないか?』という疑問が沸くんだが…」

 

 「そんな事する訳ないでしょ!本当に偶然よ」

 

 「まあ、最悪なんはあの3人も同じクラスっちゅー事やな」

 

 「むしろ違うクラスになっても休憩時間毎に来そうなの」

 

 「…ご愁傷様」

 

 俺はエビフライ定食を食べながら聖祥組の話を聞く。

 内容は当然コイツ等のクラス分けについてだが。

 

 「…で、勇紀。何でシュテル達は不機嫌そうなの?」

 

 「…本人達に聞けフェイト」

 

 「う…で、でも今のシュテル達には声を掛け辛いというか…」

 

 俺は敢えて視界に入れない様にしていますよ。

 

 「何でそんなに機嫌悪いのシュテル?」

 

 特攻隊長(アリシア)がストレートに尋ねた。

 

 「ユウキと同じクラスになれなかったんです」

 

 「これは学校側のいんぼーだよ」

 

 「大人達も空気を読んでほしいものだ」

 

 「正直先生達には失望しました」

 

 そうなんだよな。皆さん、俺とクラスが離れ離れになった事がお気に召さないご様子で。

 

 「1組に私、亮太、シュテル、ディアーチェ。2組にレヴィとユーリ。そして3組に勇紀1人が振り分けられたのよ」

 

 椿姫が今日のクラス振り分けについて答える。

 そう…俺だけが3組なんだよね。もっともこれは魔導師組に限って言える事なので実際には謙介、誠悟、直博といった非魔導師の友達とは全員同じクラスなんだが。

 

 「ま、もう諦めろ。家では一緒に過ごせるんだし」

 

 「「「「むう~…」」」」

 

 「私は家でも一緒に過ごせないのだけれど?」

 

 「そりゃお前は家族じゃないからな」

 

 「なら私も家族にして♪」

 

 「断固拒否する!」

 

 椿姫(コイツ)と離れられたのは良い事だ。去年コイツのせいで理不尽なO☆HA☆NA☆SHIを受けそうになったり追いかけっこしたりと、俺に心労を与えた回数は数知れず。

 そんな奴と別クラスになれたのだ。クラス分けを見た俺は思わずガッツポーズしながら喜んだよ。

 けどそのガッツポーズの意味を勘違いしたシュテル達に早速O☆HA☆NA☆SHIされそうになった。

 

 「これで私の1年間は灰色も同然です」

 

 「「いや、流石にオーバー過ぎだから!!」」

 

 ユーリの一言に俺とアリサが声を揃えて突っ込む。

 

 「でもレヴィ達が羨ましいかな(勇紀と同じ学校に通えるんだもん)」

 

 「だよね。私もそう思うの(去年のシュテル達は毎日が楽しそうだったし)」

 

 「そっちの学校には西条君達みたいな人もいないみたいだし(あの3人がいないだけでも充分だよね)」

 

 フェイト、なのは、すずかはそんな事を言ってる。

 確かにあの3人に常時絡まれては精神的疲労が半端無いだろう。

 にも関わらず一度も登校拒否したりしない辺り、その我慢強さには敬意を払うべきものがある。

 

 「まあ、頑張って1年間過ごせ」

 

 俺はそう励ます事しか出来なかった。

 

 「随分他人事みたいに言うなあ勇紀君は」

 

 「実際他人事だしな」

 

 「…せやったな」

 

 この6人がせめて去年より平和に過ごせる様に祈るぐらいはしてやるか。

 俺はエビフライの味を堪能しながら女性陣の会話をBGM代わりに聞き、昼食を摂っていた………。

 

 

 

 「あらあら。つまりシュテルちゃん達は皆、勇紀君と同じクラスになれなかったから機嫌が悪いの?」

 

 「そういう事です」

 

 家に帰って来てもシュテル達の機嫌は直らず、『むう~』と唸ったり少し頬を膨らましたりして『私、今も不機嫌です!』とアピールしている。

 現在もリビングのソファーに皆揃って座っているが一向に機嫌が良くなる気配が無い。

 

 「皆、明日からちゃんと授業受けられるのかしら?」

 

 「受けて貰わないと困るんですけどね」

 

 俺とメガーヌさんはお互いに苦笑しながら話す。

 

 「…ユウキは私達と一緒のクラスじゃなくて不満は無いんですか?」

 

 いきなりこっちに飛び火してきた!?

 

 「クラス分け見て喜んでたもんねユウは」

 

 隣に座ったレヴィはぷく~っと頬を膨らませ、鋭い目で見ながら言ってくる。

 

 「それは誤解だって言ったろ?」

 

 「どーだか」

 

 俺の言う事を信じてくれないレヴィ。困ったな。

 とりあえず宝物庫からお菓子を取り出してレヴィに手渡す。

 

 「これあげるから機嫌直そう。な?」

 

 「…ユウ、僕の事安い女だって見てるよね?」

 

 そう言いながらもお前、お菓子ちゃんと受け取ってるじゃねえか。

 

 「全く…モグモグ…失礼しちゃうよ…モグモグ…」

 

 「食いながら言っても説得力無いからな」

 

 「…ゴクン…大体ユウは僕を子供扱いし過ぎだと思うんだ」

 

 「そうか?」

 

 「そうだよ。僕だってもう立派な『れでぃ』なんだよ」

 

 レディねえ…。

 

 「お菓子ぐらいで僕の機嫌を取れると思ったら大間違いだからね」

 

 「…じゃあどうしたら機嫌を直してくれるんでしょうか?『レディ』のレヴィさん?」

 

 「それはだね…//」

 

 む?急に顔を赤くしたぞ。

 

 「ぼ、僕の事を『ギュッ』て抱きしめてくれたら機嫌は直るよ////」

 

 「は?」

 

 「「「っ!!!?」」」

 

 「あらあら♪」

 

 「???」

 

 素っ頓狂な声を上げてしまった俺に何か驚いた様子のシュテル、ディアーチェ、ユーリ。

 メガーヌさんは微笑ましい表情で見ておりルーテシアは頭の上に『?』マークを浮かべている。

 

 「む、難しい事じゃないよね?『ギュッ』てするだけなんだし////」

 

 「た、確かに難しい事じゃないけど…//」

 

 まさか抱擁を要求してくるとは思わなんだ。てっきり『頭撫でて♪』程度の事を言うものかと…。

 

 「「「……………………」」」(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ)

 

 少し離れた所から物凄いプレッシャーを放っているのが3名いらっしゃる。

 瞳からは光が消えて無表情でコチラを見ているのだから怖い事この上ないぜ。

 それに人目があるところで抱きしめるなんて恥ずかしい…。

 

 「で、出来れば要求のレベルを下げて頂きたいのですが…」

 

 「駄目だよ!僕はこの要求以外は認めない!!」

 

 俺の言葉をバッサリと却下された。

 どうやら本当に抱きしめたりしない限り機嫌直してくれそうにない。

 悩みに悩んだ末俺は…

 

 ギュッ

 

 「ふにゃっ!!?////」

 

 「「「ぬあっ!!!?」」」

 

 「あらあらあら♪」

 

 「ふえー」

 

 抱きしめる事にしましたよ。

 もっとも、軽く抱きしめて10秒程ですぐに離れたけどね。

 

 「こ、これでいいよな?////」

 

 「う、うん(ゆ、ユウに抱きしめて貰えた。言ってみるもんだなあ)////////」

 

 顔が真っ赤になっているレヴィ。

 俺も多分顔が赤いだろうな。

 

 「しょ、しょうがないからユウの事は許してあげるよ!じゃ、じゃあ僕は部屋に戻るね!!////」

 

 レヴィは顔を赤くしながらも嬉しそうな笑顔でリビングを出て行く。

 

 「じゃあ、俺も…」

 

 ガシッ

 

 「ん?」

 

 ソファーから腰を上げ、立ち上がった途端に俺の手が掴まれた。

 

 「「「……………………」」」

 

 ユーリ様がいつの間にかいらっしゃってました。更に俺を取り囲む様にシュテル様とディアーチェ様も立っていらっしゃいます。

 この至近距離から光の無い瞳で見られるのは怖すぎるんですけど!?

 

 「ユーリさん?部屋に戻りたいので手を離して頂けると嬉しいのですが?」

 

 「まだ部屋に戻らなくてもいいじゃないですか♪私はユウキとオハナシがしたいんです♪」

 

 「私もです♪」

 

 「我もだ。もう少しゆっくりしていけ♪」

 

 『♪』がついてるけど怖いです。

 

 「皆さん怒ってますよね?やっぱレヴィに対して甘い事に怒ってるんですよね?」

 

 「「「勿論♪」」」

 

 「えーっと…俺としてはお怒りを収めてほしいのですが?」

 

 「…許してほしいですか?」

 

 コクコクコクッ

 

 俺は首を必死に縦に振り許しを請う。

 

 「で、では私もレヴィにした事と同じ事を要求します////」

 

 「はあっ!!?」

 

 「…私も////」

 

 「…わ、我もそれで手を打ってやろう////」

 

 いつの間にか目に光は戻っていた3人だが、レヴィと同じ抱擁を俺に要求してきた。

 何故そこまで抱きしめられたがるんだ?人肌恋しい訳じゃあるまいし。

 

 「ちなみに要求の改善、もしくは拒否した場合は…」

 

 ギリギリギリッ

 

 ユーリ様の握力がアップした!?

 

 「まあ、拒否するしないはユウキの自由ですが、拒否した場合どうなるかは私にはちょっと…」

 

 既に答え出てるじゃん!!

 『断ったら俺の命がここで終わる!!』と、俺の本能は告げている。

 

 「や、やだなあユーリさん。拒否する訳無いじゃないですか」

 

 HAHAHA。………俺はまだ死にたくない。

 そんな事思っている間に俺の手を離したユーリとシュテル、それにディアーチェはジャンケンで順番決めをしていた。

 勝ったのはユーリ。残りの2人は悔しそうにしている。

 

 「で、では…どうぞ////」

 

 「お、おう//」

 

 レヴィの時同様にギュッと抱きしめる。

 

 「んんっ…////」

 

 「力強すぎたか?」

 

 「そ、そんな事ないですよ。大丈夫です(はうう~。し、幸せです)////」

 

 きっかり10秒。

 ユーリを離すと本人は満足した様でプレッシャーはすっかり収まり、部屋に戻っていく。

 

 「次は…」

 

 「「私です!!(我だ!!)」」

 

 手を上げて自分をアピールするシュテルとディアーチェ。

 そしてお互いに目で牽制し合う。

 

 「どっちでもいいじゃん」

 

 どうせ、二人共抱きしめなきゃいけない訳だし。

 シュテルとディアーチェは再びジャンケンで順番を決める事にした様だ。で、勝者は…

 

 「ふはははは。当然の結果よ」

 

 ディアーチェだった。

 

 「くっ…。ジャンケンでディアーチェに後れを取るとは」

 

 ジャンケンに後れも何もないだろう。

 

 「で、では来るがよいユウキよ//」

 

 グッと身構えるディアーチェに近付き、抱きしめる。

 うー、恥ずかしいなあ。

 

 「……………………////////」

 

 ディアーチェも一切言葉を発しないし。

 

 「………10秒だ//」

 

 「う、うむ。ご苦労だったな(ま、また今度頼んでみるか?)////」

 

 去りゆくディアーチェの背中を見送って最後はシュテル。

 

 「えっと…準備はよろしいですか?//」

 

 思わず敬語で聞いてしまう。

 

 「は、はい。お願いします//」

 

 「で、では失礼して…//」

 

 シュテルも他の3人と同様にギュッとする。

 他の3人にも思った事だけどコイツ等の身体って柔らかいなあ。全力で抱き着いたら折れそうな感じがするぐらいに。

 

 「……………よし、これで…」

 

 俺は手を離し、シュテルから離れようとしたのだが

 

 「……………………////////」

 

 逆にシュテルがいつの間にか俺の背中に手を回していて離してくれないため、ずっと抱き着いたままの状態になっている。

 

 「……あのー、シュテルさん?」

 

 「…何ですか?////」

 

 「もう10秒は経ったわけですし、そろそろ離れて頂けないかなあと思いまして…//」

 

 「嫌です////」

 

 拒否されたよ…。

 

 「私は最後まで待ったんですから、他の3人より多少長く抱き着いていても良いと思うんです////」

 

 最後まで待ったというよりジャンケンで負けて最後になっただけなのに。

 

 「《メガーヌさん。何とか出来ませんか?》」

 

 念話で微笑ましくこちらを見守っているメガーヌさんに助けを求める。

 

 「《シュテルちゃんの好きにさせてあげるしかないんじゃないかしら?私はちょっと力になれそうにないわね》」

 

 …メガーヌさんでも無理ですか。

 

 「おにーちゃんおにーちゃん、わたしもぎゅってしてほしい」

 

 末娘にまでお願いされる始末。

 …結局10秒どころか10分は抱き着かれていたままだった。

 この間にレヴィ達が部屋から出て来なくてホントに良かった。もし未だにシュテルが抱き着いているこの光景見られたら今頃俺は三途の川を渡っている様な気がするからな………。

 

 

 

 次の日…。

 早速、新しくなったクラスでの授業が始まる。

 ………と、思いきや

 

 「今日はこのクラスに一人、新しい友達が加わる事になります。皆さん、仲良くしてあげて下さいね」

 

 まさかの転校生がこのクラスに入るとの事だった。

 

 「せんせーい!転校生は男子ですか?女子ですか?」

 

 「女の子です。しかもかなり可愛いですよ」

 

 「「「「「「「「「「キタキタヒャッハーーーーーー!!!!!」」」」」」」」」」

 

 男子のテンションはいきなり急上昇。特にテンションが高い連中は去年俺と同じクラスだった奴だ。

 

 「はいはい静かに」

 

 先生がパンパンと手を叩いて促すと一瞬で教室は静まり返るが、男子連中の目は期待に満ちており、恐らく扉の向こうの廊下で待っているであろう転校生の女子を今か今かと待っている。

 

 「それでは転校生さんに入ってもらいましょうか。どうぞー」

 

 先生が扉の方へ声を掛けるとガラガラと音を立てて扉が開き、一人の少女が入ってくる。

 だが入ってきた生徒を見た瞬間

 

 「ぶっ!?」

 

 俺は吹いてしまった。

 

 「長谷川君、どうかしましたか?」

 

 先生が声を掛け、転校生やクラスの皆も俺に注目してくる。

 

 「…いえ、少し咽ただけですから気にしないで下さい」

 

 そのまま先生に先を進める様促す。皆も再び前の転校生の方を向く。

 俺が見た黒板の前に立っている転校生………。

 それはアリサ(・・・)だった。

 

 「(何でアリサがここに?しかも転校生って何だよ?)」

 

 内心で俺はそう思う。

 

 「《ねえねえユウ君。アリサちゃん、何しにきたんだろうね?》」

 

 「《ダイダロスの予想としてはどう考える?》」

 

 「《うーん…ユウ君を追い掛けてきたとか?》」

 

 「《そんな事される理由が見当たらんぞ》」

 

 アリサがストーカーするとは思えんし。

 

 「(ユウ君を追い掛けてくる理由なら一つしかないと思うんだけどなあ…)」

 

 後で本人に聞いてみるのが一番か。

 

 「《あれ?…ねえ、ユウ君。アリサちゃんの髪の色って金髪だったよね?あの子茶髪(・・)だけど?》」

 

 「《何?》」

 

 ダイダロスに指摘されて改めてアリサ(?)をよく見る。

 ………確かに俺の知っているアリサは金髪だ。けど目の前に立っているアリサ(?)はシュテルよりも色が薄めの茶髪の少女だった。

 染めた?…いや、あのアリサ(?)の髪の毛は地毛っぽいし、染めた様な感じはしない。

 そもそも転校するのに髪を染める理由も思い当たらないし。

 

 「(まさか転生者…)」

 

 その可能性も浮かぶが

 

 「(…な訳無いか)」

 

 すぐに頭の中で否定する。もし転生者なら事前に神様が何らかの連絡を入れてくれる筈。

 …いや、亮太の時は何の連絡も無かったから完全には否定出来ないな。

 

 「(…とりあえず転生者でない事を祈ろう)」

 

 俺は茶髪のアリサ(?)を見てそう心の中で願う。

 

 ん?茶髪のアリサ?

 

 …待てよ。確か…

 俺はそこで一つの可能性に思い当たる。もしそれが正しかったらあそこにいる茶髪のアリサ(?)が俺の知っているアリサと別人だと理解出来る。

 

 「(けどこの時期にいるのはおかしくないか?)」

 

 もし俺の思っている通りなら今頃彼女は成仏している筈なのに(・・・・・・・・・・)

 けど黒板に書かれた名前、そして彼女の自己紹介で俺の思い当たった可能性が肯定される。

 

 「初めまして。『アリサ・ローウェル』といいます。これから1年間宜しくお願いします」

 

 頭を下げ、丁寧に挨拶する少女。

 『とらハ3』のおまけシナリオ、『花咲くころに会いましょう』で登場した幽霊少女の『アリサ・ローウェル』本人だった………。

 

 

 その後のSHRは席替えに時間を費やされ、新しい席で6年生最初の授業を受けた。

 俺は窓際の席の最前列。そして右隣に直博、直博の後ろが謙介、俺の真後ろが誠悟と見事に固まってしまった。逆に転校生のアリサ(ローウェル)は廊下側の一番後ろ…俺達の対極側に位置する場所になっていた。

 1時間目終了後の休憩時間。

 そんなアリサ(ローウェル)の元には質問しようと群がるクラスメイト(主に男子)の姿が。

 

 「アリサさんて外国人だよね。何処の国の人?」

 

 「イギリスよ」

 

 「日本語上手いね」

 

 「ありがとう。元々日本の文化とかに興味があったから日本語も一緒に勉強したの」

 

 一人一人の質問に丁寧に返している。律儀だなあ。

 

 「で、勇紀は質問しに行かないのかい?」

 

 そんな風景を眺めていると謙介に声を掛けられた。

 

 「別に聞きたい事なんて無いからなあ」

 

 「けどお前、彼女を最初見た時に吹いたじゃないか」

 

 誠悟も会話に交じってくる。

 

 「あまりにも知り合いに似てたもんでな」

 

 何せ『アリサ・バニングス』の元になった人物が現れたんだからな。

 

 「うーん…長谷川、あの子去年にサッカーの試合観に来た子じゃないのか?」

 

 直博は自分の記憶を掘り起こしながら俺に聞いてくる。

 

 「よく憶えてるな」

 

 もうそろそろあの試合(第九話)から1年は経つ頃だというのに。

 

 「やっぱりか。でもあの時居た子とは何処か違う様な…」

 

 「髪の色だ直博。転校生は茶髪だがお前の見たのは金髪だろ?」

 

 「…そういやそうだな。じゃああの時の子とは違うって事か。でも似過ぎじゃね?」

 

 「直博…あの時と同じ言葉をもう一度言おう。世の中には自分にソックリな人間が三人はいるって言うんだぜ」

 

 「いや!お前の家族とソックリな子達がいる事も考えたら『この街にはソックリさんがどんだけいるんだよ!?』って言わざるを得ないんだが!?」

 

 「…でも目の前にある現実は受け止めてもらわないと俺から説明するなんて無理だ」

 

 俺としては何で『アリサ・ローウェル』が生きてるのかが凄く気になるんだけどな。しかも俺達と同い年だし。

 …もう『リリカルなのは』だけじゃなく『とらハ』の世界観もブレイクしまくってるよなこの世界。

 

 「そんなに気になるなら聞いてきたらどうだい直博?」

 

 「何て?」

 

 「『君には双子の姉妹がいませんか?』って」

 

 謙介が直博と会話しているのを聞く。もっとも聞いたところで無駄だろうけどな。

 

 「???」

 

 あっ、コッチ向いた。

 

 「……………………」(ニコッ)

 

 「……………………」(ペコッ)

 

 笑顔を向けてくれたのでとりあえず頭を下げて会釈する。

 ただ、男子一同の殺意を込めた視線が凄く痛いけど。

 

 「…勇紀、君は早速転校生に手を出すつもりなのかい?」

 

 「「リア充め」」

 

 謙介、直博、誠悟が口を開く。

 

 「アホか。ただ会釈しただけなのにどうしてそう受け取る?」

 

 「…お前がそう言う奴だってのは知ってるけど、この事シュテルさん達が知ったら確実にボコられるぞ?」

 

 「何言ってんだよ。この程度でボコられるなんて理不尽極まりないじゃねえか」

 

 キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン…

 

 あっ、チャイム鳴った。休憩時間終了だ。

 

 「はいはい皆さん席に着いて下さ~い。授業始めますよ~」

 

 職員室から次の授業の教科書を持ってきた先生。

 アリサ(ローウェル)に質問していた男子生徒達も自分の席に戻る。

 とりあえず今は授業を真面目に受けますか。

 俺も黒板の方に視線を向け、机の中から教科書とノートを取り出し、黒板に書かれていく内容をノートに書いていく。

 ただ、時折俺の方に視線が飛んできているのが少し気になっていた………。

 

 

 

 時間は進んで昼休み~。

 給食を食べ終えた俺はどうしよう…。

 

 謙介…給食を食べ終えて爆睡。

 直博…既に運動場へ行っちゃった。現在、他のクラスの連中とドッジボールの最中。

 誠悟…図書室に行っちゃった。アイツ、勤勉だしなあ。俺がヴァ〇ガー〇持ってきてたら遊べたんだが。

 

 やる事無くてボーっと窓の外から運動場を眺めていたら

 

 「ねえ、少しいいかしら?」

 

 「ん?」

 

 声を掛けられたので振り返るとそこにはアリサ(ローウェル)が立っていた。

 

 「ちょっとお話がしたいんだけど…」

 

 「ここで?」

 

 「出来れば人目の無いところで」

 

 「…わかった。じゃあ屋上かな。案内するよ」

 

 「お願いするわ」

 

 俺が立ち上がって教室を出る。アリサ(ローウェル)もその後をついてくる。

 

 「クソがあああああぁぁぁぁっっっ!!!!また長谷川の野郎かよおおおおおおぉぉぉぉぉっっっっ!!!!」

 

 「何でアイツばっかりなんだよコノヤロウ~~~~っっっっ!!!!!」

 

 「しかも相手は今日来たばかりの転校生なのに!!!!」

 

 「こうなったら奴の悪評を流してやる!!有る事無い事言いまくってやる!!!」

 

 教室を出た直後にそんな声が聞こえてきたがとりあえず無視して俺とアリサ(ローウェル)は屋上に向かう。

 ただ、一部の連中が尾行してるのでこのまま屋上には向かえないな。

 …どうしよう?

 

 「…ねえ、さっきから彼等、後をつけて来てるんだけど?」

 

 アリサ(ローウェル)も気付いてたか。

 ブツブツと呪詛を呟きながら尾行してくる連中はヤンデレ気味なストーカーだな。

 男のヤンデレなんて誰得よ?

 女の子のヤンデレもいらないけどさ。

 しかしこのまま一緒に来られたら話しが出来ないし。

 何とかして連中を撒くか。

 

 「ローウェルさん、足は速い方?」

 

 「???普通かしら。運動は得意でもなければ苦手でもないから」

 

 運動音痴じゃないなら十分だな。

 

 「じゃあさ…」

 

 俺は少し小声で喋りかける。

 

 「そこの角を曲がった瞬間、一気にダッシュするけどいいかな?」

 

 指差した先には曲がり角。

 後ろの連中とはそこそこ距離が離れているので上手くいけば更に距離を稼げ、撒く事が出来るだろう。

 

 「…わかったわ」

 

 素直に頷いてくれるアリサ(ローウェル)。俺達はそのまま角を曲がり…

 

 「今だ!」

 

 二人で一気に走り出す。そして廊下の途中で更に曲がって階段を下り、俺とアリサ(ローウェル)は下の階へ。

 連中は距離を置いて尾行してるからさっきの角を曲がり始めた頃には…

 

 「ああっ!!?二人がいねえぞ!!」

 

 とまあ、上手く撒く事が出来る訳だ。

 屋上以外で人気が無い場所と言えば、体育館倉庫の辺りだな。

 俺はそのまま体育館倉庫へアリサ(ローウェル)を誘導し、お互いに息を落ち着かせる。

 

 「ふう…さて、ここなら多分聞き耳立ててる人もいないけど」

 

 「そうね」

 

 昼休みが長いとはいえ、時間は限られてるから早く彼女の用件を聞いておくに越した事はない。

 

 「それで話っていうのは?」

 

 「ええ、貴方に聞きたい事があって」

 

 聞きたい事?今日が初対面の俺にか?

 俺は頭の中で疑問に思うが先に彼女の言葉を待つ事にした。

 

 「貴女、普通の人とは違う不思議な能力(チカラ)が使えるわよね?」

 

 ストレートに聞きに来たなオイ!?回りくどくこられるよりかは良いけどさ。

 

 「今、ちょっと動揺したわよね?」

 

 「…気のせいじゃないのか?」

 

 「ううん。私は貴方が能力(チカラ)を使ってるのを見た事があるし」

 

 俺の目をジッと見据えて語るアリサ(ローウェル)。

 …これはブラフとかじゃなく本当に見たみたいだな。なら嘘吐いて誤魔化しても無駄か。

 

 「…ハア~。確かに俺には普通の連中とは違う能力(チカラ)…ぶっちゃけて言うと魔法が使えるよ」

 

 「…意外に素直に認めるのね。てっきり誤魔化すなり嘘を吐き通そうとするなり思っていたけど?」

 

 「ローウェルさんの目を見たら分かるよ。さっきの言葉に嘘を吐いてはいない事ぐらい」

 

 ただ、気になる事はある。

 

 「それでローウェルさんはいつ俺が魔法を使ってるのを見たんだ?」

 

 普段から使うにしても充分に周囲を確認してたし、人に見られていたとは信じ難いんだが。

 

 「今から4~5年ぐらい前かしらね。貴方、とある廃ビルで特訓みたいな事してたでしょ?」

 

 4~5年ぐらい前…廃ビル…。

 そのキーワードを頼りに記憶を遡る。

 

 「…ああ、確かに練習してたな」

 

 「その様子を見ていたのよ」

 

 「ちょっと待て。あの時は俺以外誰もいなかったし一応、結界の類も使っていた筈だけど?」

 

 「貴方が気付かなかったのも無理は無いわ。その時の私は幽霊だったから(・・・・・・・)。流石に幽霊なんて視えないでしょ?」

 

 物凄いカミングアウトされた。それって『とらハ3』のイベント自体は既に終わってアリサ(ローウェル)は殺害された後だって事だろうけど…

 

 「いやいやいや!!幽霊が何で実体化してるのさ!?幽霊だったらある程度は透けてる筈だし!!そもそも君、生きてるっぽいじゃん!!」

 

 給食だって食べてたっぽいし!

 

 「それは多分…コレ(・・)のせいじゃないかと思うのだけど…」

 

 そう言って制服のポケットから一つの石を取り出す。

 青い菱形の形をした宝石だ……って

 

 「ジュエルシードかよ!!?」

 

 まさかここでロストロギアですか。

 

 「ジュエルシード?コレが何か知ってるの?」

 

 「大体は…」

 

 頷きながら俺はジュエルシードの特性について話す。

 それを静かに聞くアリサ(ローウェル)。

 

 「じゃあ、私が生き返れたのはこの宝石のおかげって事?」

 

 「多分。けどこの宝石はそこまで万能な物じゃ無い筈なんだけど…」

 

 アリシア、プレシアさん、リニスさんもこの宝石のおかげで今いられるっぽいけどまさか目の前のアリサ(ローウェル)もこのロストロギアの影響で生き返っていたとは。

 この世界のジュエルシード万能過ぎだろ!?

 

 「まあ、そのジュエルシードがローウェルさんの願いを叶えたから生き返ったんだろうけど、その宝石何処で拾ったんだ?」

 

 「今から3年ぐらい前に私が成仏…になるのかしら?意識がゆっくりと薄れていく中、この石が突然空から降ってきたのよ」

 

 3年ぐらい前に空から降って来たジュエルシード…。無印編の原作開始時期か。

 

 「その時に願ったの?」

 

 「願った…というより、『もっと生きたかったなあ』とは思った様な気がするわ。その時にこの宝石が光った様な気がして…気が付いたら今の状況になってたって訳」

 

 …つまり、その想いをジュエルシードが叶えて生き返ったって事かよ。それと発動した際になのはは気付かなかったのか?

 ジュエルシードが降ってきた直後ならまだ魔法少女になってないから気付かないのも無理はない…のか?

 いや、21個揃ってないなら気付きそうなものなんだけど…。

 

 「…頭痛くなってきた」

 

 これ、クロノに報告するべきか?ジュエルシードは返さなきゃいかん気はするが、それだと『今まで何処にあったのか?』とか説明せんといかんよなあ。

 でも『今まで何の反応もせず街に落ちていたのを見付けた』というのは通じない。ただでさえ『ジュエルシード事件』『闇の書事件』『闇の欠片事件』『砕け得ぬ闇事件』と魔法関係が頻発に起きていたんだ。

 そんな中、封印処理もしていない状態で魔力に反応せず落ちたままとか都合良過ぎだし。

 

 「…とりあえずソレ、ちょっと貸してくれない?」

 

 「???良いけど?」

 

 アリサ(ローウェル)からジュエルシードを受け取り確認する。

 …魔力反応は無い…というより全て使い切った後みたいだな。これなら封印なんてせずとも暴走とかの危険性は無いだろう。

 

 「…これ、とある筋の人に渡していいか?一応、コレは危険物扱いだからこのまま持ち続けてたら見つかった時の対処が面倒な事になるんだ」

 

 彼女がジュエルシードに思い入れがあるなら無理に貰おうとはしない。その代わり、他人に見付からない様徹底的に隠して貰うつもりだが。

 

 「どうぞ。どうせ拾い物だし、危険物なら私が持っていてもいざという時に対処出来ないから」

 

 「どうも」

 

 あっさりと貰う事が出来た。後はこれ見つけた理由だけど、どうすっかなあ…。

 

 「ねえ…」

 

 「ん?まだ何か?」

 

 「貴方、私が最初に教室に入った時、驚いていたみたいだけどどうして?」

 

 俺が吹いた時の事だっよな?

 

 「俺の知り合いにローウェルさんソックリな子がいるんでね。最初はその子が転校してきたのかと思った」

 

 「そんなに似ているの?」

 

 「見た目は瓜二つだね。その子のファーストネームも『アリサ』だし。もっとも、その子は髪の色が金髪なんだけど」

 

 「へえ~……会ってみたいわね」

 

 「まあ、機会があれば紹介するよ。それと俺からも一ついいかな?」

 

 「何かしら?」

 

 「生き返ったって事は今はどうして生活してるの?ご両親とかに正直に話したとか?」

 

 俺が聞くがアリサ(ローウェル)は首を横に振って否定する。

 

 「私の両親は私が殺されてすぐに、事故に遭って…」

 

 「…すいません」

 

 「気にしないで。それと生き返った時、私はこの学校の校長先生の知り合いが経営してる孤児院の近くで倒れていたらしくて…今はそこでお世話になってるの。こんな話、信じて貰えるか分からないから記憶喪失って事で孤児院の皆には話を通してるわ。その時に貰った名前は『テレサ』だったんだけどつい最近『アリサ・ローウェル』という名前を思い出したって事にしてるの」

 

 「でも名前を思い出したなら身元を調べてもらってるんじゃあ…」

 

 「それが世間では私は両親と家族揃って行方不明扱いになってるのよ」

 

 「んんっ?」

 

 何じゃそりゃ?

 

 「こればかりは私にも理由が分からないのよね」

 

 「そっか」

 

 どういう事だ?まさかジュエルシードの副作用がある意味で良い方向に働いた結果とか?

 

 「…考えても埒アカンね。ただジュエルシード(これ)の力でローウェルさんが生き返ったって事だけ理解しとけばいいか」

 

 「そうね」

 

 「でもどうして俺にこんな話を?」

 

 「私の身に起きた事を理解してくれそうだったから。不思議な力を使う貴方と不思議な事を体験した私の不思議者同士で」

 

 「不思議者同士って…」

 

 「それに私が幽霊で貴方を見ていた時に『友達になれないかな?』とも思っていたし」

 

 「そういう意味なら俺達は今日が初対面って事じゃなくなるな」

 

 俺には霊感なんて無いから幽霊なんて視えん。

 『とらハ3』でなのはが彼女の事を見えていたのはゲームだからなのか久遠がいたからなのか…。

 

 「ふふっ、そうね♪」

 

 笑いながら答えるアリサ(ローウェル)。

 

 「それで、どうかしら?私と友達になってくれませんか?」

 

 その問いと共に右手を差し出すアリサ(ローウェル)に俺は

 

 「まあ、こんな俺で良ければ。名前は長谷川勇紀です。『長谷川』でも『勇紀』でも好きに呼んでください」

 

 右手を掴み握手で答える。

 色々と面倒な事にはなりそうだが、友達が増えるのは悪い事じゃない。

 アリサ(ローウェル)が困ったときには助けてやるか。

 新しい友達が増えたところでもう話す事もなくなり教室に戻る事にした俺達。

 で、教室で待っていたのは…

 

 「「「「お帰りなさい」」」」

 

 恐ろしいプレッシャーを放ち、俺の教室で待っていたシュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリと…

 

 「早速女の子を堕とすなんて流石勇紀ね♪」

 

 『またオモチャに出来るネタが増えた』と言わんばかりに上機嫌な椿姫が待っていた。

 カミサマ、オレナニカワルイコトシマシタカ………。

 

 ~~あとがき~~

 

 『とらは3』で後残ってるメインキャラは『城島晶』と『鳳蓮飛』なんですよね。

 この作品内では高町家に居候してないから、登場させるのが難しい。

 …この二人には悪いけど『出すの止めようかな?』と絶賛悩み中です。

 


 
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