ここはこの世とあの世の狭間にあり、様々な種族が住んでいる異世界『魔界』
その魔界の中心にそびえ立つ城『魔帝城』・・・そこには魔界の頂点に立つ存在、魔王が住んでいる。
この物語は1人の魔王と一人の魔王の弟で騎士団長と一人の親衛隊隊長のちょっと変わった?日々のお話である。
魔帝城・王室の間
「・・・では良い返事をお待ちしております」
そう言ってどこぞの国の遣いが王室を後にした。
「ミノル様…書状の内容は?」
「ああ…またと言うか何と言うか…」
少し長めの髪型で黒い髪色、20歳前後の男が玉座の間の椅子に座って書状を手にして溜め息混じりに言った。
この男こそ魔界の王でありこの物語の主人公の1人ミノルである。
「と・・・申しますと」
「また領地拡大と武器などの貯蔵増大の件だ…しかもこれで三度目、それにオーク族のこの書状の内容はまともだが…理由があいまいな所が多い。しかもよく読めば俺はオークの存在を絶対的に大切にしているという内容もある。もしこれの内容を認めればオーク=魔王公認の正しい存在とされちまう」
「なんと!オーク族め・・・魔王様の地位と名声を利用とするとは…先々代の魔王様に拾われ同然の種族が・・・」
大臣は頭に血が上りそうな勢いで言った。
「落ち着け大臣、確かに怒る理由はわかるが怒っていても何も始まらない、そうだろ?」
「は・・・はい、失礼しました…では待たせている遣いには何と?」
「理由をはっきり正確に書くこと、そして無駄なことは書かない、もしもまた同じような事を書いてきたらこの件は永久に無かった事にするからそのつもりでと伝えて来い」
「わかりました・・・ではその事を書に書き、オークの遣いに渡していきます」
そう言って大臣は王室の間を出た。
「はぁ~無駄に時間掛かったな・・・」
時計を見て立ち上がるミノル。
「じゃあ俺は例の場所に行くから、何かあったら知らせてくれ」
「承知しました」
女官そう伝えてミノルは王室の間を出て、ある場所に向かっていった。
魔帝城・鍛練場
ここは魔帝城より少し離れた場所に大きい施設がある。そこに魔界各地の種族が集った騎士団、魔帝騎士団。
それは魔界の他にこの世とあの世を取り締まる組織である。
『はっ!!せい!!はっ!!』
木刀で素振りをする騎士団の兵士達。それを前で兵士達を見ている1人の男がいた。明るい金髪ちょいクセのあるショートの髪型、白い鎧を身に纏っていた。
「よし!!素振り終了!みんな、今日もお疲れ様。今日はゆっくり休んで明日も頑張るように」
「はい!!ありがとうございました」
そう言って兵士達は木刀を入れていた箱に入れ、鍛錬場を出始めた。
「ふぅ~今日も終わった…」
アキラ汗をタオルで拭きながら鍛錬場を出ようとしたら…
「あの!!アキラ団長!!」
アキラの前に制服姿の少女達数人やって来た。
「君達は…女子寮の訓練生だね」
「はい!!あの…これ!よかったら…」
少女達は持っていた小袋をアキラに渡した。
中身は…クッキーやチョコレートなどの菓子類だった。
「ありがとう…頂くよ」
「ありがとうございます!!」
そう言って少女達は喜びながら走っていった。
「モテモテですね…」
「ははは・・・でも、あいつには…」
「はい、黙っておきます!」
「頼んだよ?」
笑顔で答えたアキラは鍛錬場を後にし、ある場所に向かった。
魔帝城 地下鍛錬場
ここは…魔帝騎士団の様々な分隊が特訓する場所である。そしてここはある部隊の採石場でもあった。
「うおりやぁー!!」
ドオオン!!
1人の男が巨大な岩を大きいハンマーを使って砕き、大きい轟音が響いた。
「おおー!」
周りの兵士達が歓喜の声を上げた。
身長は少し高めで茶髪のショートの男がハンマーを置いた。
この男がミノル・アキラの親衛隊隊長であり、魔帝騎士団・ターゲットの奪取・破壊を専門とした部隊『デストロイジュエルズ』の隊長、ヤマトである。
「流石ヤマト隊長!」
「真似できないっすよ!」
「いやいや…そんな事はないよ」
そう言ってヤマトはハンマーを置いて、時計を見た。
『そろそろかな?』
ヤマトがそう思った時だった。
「お兄ちゃーん」
ヤマトと同じ茶髪でツインテールの女の子が走ってきて、ヤマトに抱きついた。
「サヤカ!!ちょ!?離れて恥ずかしい」
「いいじゃん!別に~お兄ちゃんと私の仲じゃない~」
「当たってるから!」
「わざとだよ~www」
すると、その後ろから2人と同じ茶髪でロングヘアーの美人の女性が歩いてきた。
「お疲れ様ヤマト、はい…」
そう言ってヤマトにタオルを渡す彼女はヤマトとサヤカの姉、シズカである。
「ありがとう、姉さん」
「どういたしまして」
「お兄ちゃん!はい水筒」
「ありがとうサヤカ」
彼女達2人を見て兵士達はメロメロになっていた。
「やっぱ綺麗だな~シズカさんって」
「文武両道で容姿端麗、いや~本当に綺麗だ」
「サヤカちゃんなんか魔界の学校でアイドル的存在だもんな~」
「しかも魔法の試験はトップクラスの腕前、言うことなしだよ」
整列しながら二人の話をするヤマトの部下の兵士達。
「よし!!今日は解散」
『ありがとうございました!!』
兵士達は地下鍛錬場を後にした。
「さて…と、2人は来る?たぶんあの二人は来てると思うけど…」
「行く行く!!ねぇお姉ちゃん」
「ええ…」
「じゃあ待ってて着替えて支度するから」
そう言ってヤマトはシャワー室に向かおうとした。
「私も汗掻いたから一緒に…」
「ダメだ!」
さやかがヤマトの後について行くようにシャワー室に入ろうとしたが、ヤマトが追い出した。
「いいじゃん!背中流すから~」
「それはお風呂のときだろ!」
魔帝城・シークレットティールーム
ここは一部の者しか知らない秘密の茶室である。
「よっ!」
「やあ」
アキラがティールームに入るとカップをテーブルの上に置いているミノルがいた。
「また訓練生の女子に貰ったな?色男の騎士団長さん」
「何度も聞いたよその台詞、悔しいの?」
「まさか…まぁ~ちょうど茶菓子が必要なところだったし」
アキラは貰った菓子類をテーブルの上に置き、椅子に座った。
「今日はコーヒーと紅茶、どれにする?」
「じゃあ紅茶で…」
ミノルは紅茶の茶葉を選んでいると…
「来てましたか」
ヤマトとサヤカとシズカがプライベートティールームにやって来た。
「ミノル様、アキラ様こんにちわ!」
「おーサヤカちゃん!」
「シズカさんもどうぞ…」
そう言って椅子を引くアキラ。
「ありがとう…『アキラ君』」
「『君』だと何か恥ずかしいですよ」
「ああ!!すみませんアキラ様」
「いえいえ…謝らなくても」
そのやり取りを見ていたミノルがニヤニヤしていた。
「流石魔界一のイケメン騎士団長、早速女1人落とそうとしてる」
「そんな事してない!兄さんの茶菓子なし!」
「あはは…ゴメンゴメン」
そう言ってミノルは紅茶が入っているティーポットを持ち、みんなのカップに注いだ。
その後、今日あった事を話しながら一同は楽しんだ。
今日も魔界は平和である。
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どうもMinosawaです。
オリジナルの作品が完成しました。
まだまだ駄文ですが、暖かく見逃してください…