No.556310

仮面ライダー 打ち砕け! 暗黒魔術師の野望 49

恋と再会した仮面ライダー一号。しかし、彼女は突如彼を「嘘つき」と呼び、そして襲いかかってきた。以前董卓こと月と詠を守るため流した「董卓は仮面ライダーが倒した」という嘘の情報がそのまま恋に伝わっていた為、恋は彼を月達の仇だと思い込んでいたのだ。そして仮面ライダーは誤解を解こうとするも彼女は聞く耳を持とうともしない。そして恋が止めを刺そうとした時月が戦場に現れ呂布軍は自分達の主が生きていた事を知り戦意を喪失してしまう。この様子をみていた地獄大使は暗黒魔術師から事情を聞き、そして恋が裏切らないようにと恋を救った美羽の元へと向かっていた。この時地獄大使は肝心な部分を暗黒魔術師から聞きそびれていた事に気づかなかった。

2013-03-17 22:36:08 投稿 / 全12ページ    総閲覧数:1360   閲覧ユーザー数:1336

益州を守れ! 袁紹軍怒りの大進撃 Hパート

 

そして袁術こと美羽の陣営

 

董卓が戦場に現れた事を知らないで美羽達は呑気に蜂蜜水を飲んでいた。

 

美羽

「(コクコクコク・・・)プハーっ! 勝利が確定した時に飲む

蜂蜜水は格別なのじゃ!」

 

七乃

「はい~♪ 勝利が確定したときの蜂蜜水は大変美味しいですね~♪」

 

美羽

「にょほほほほ! これは麗羽姉様には何か褒美をもらわんといかんの♪

恋殿達の分も♪」

 

七乃

「はい~♪ 思い切って高い服を千着ほどねだっちゃいましょ

~♪」

 

美羽

「にょほほ♪ それはいい考えなのじゃ♪」

 

この様子を地獄大使とアリイモラは陣営の中を見て美羽

 

と七乃のやりとりに呆れていた。

 

アリイモラ

「ギイイイン・・・アホなガキだ・・・・呑気に蜂蜜水を

上手そうに飲みやがって・・・・じゅるる・・・」

 

アリの特性を持ったアリイモラは蜂蜜水についよだれが垂れそうになるが

 

地獄大使

「たわけっ!」

 

(バシンッ!)

 

地獄大使の鞭にはたかれてしまう。

 

地獄大使

「よだれを垂らすなみっともない! 蜂蜜が欲しければ

後でいくらでも食わせてやる だからとっとと袁術に今の状況

を教えてこんか!」

 

アリイモラ

「ハッ!・・・ギイインッ!」

 

アリイモラはそういうと兵士に化けて陣営の中に入った。

 

「袁術様大変ですっ!」

 

美羽

「何なのじゃ騒がしい・・・・妾は蜂蜜水を飲んでいる最・・・」

 

「突如戦場に呂布の主、『董卓』と名乗る者が現れました!」

 

美羽

「ぶっ!(蜂蜜水を噴くっ!) な、何じゃと! 

董卓ってあの暴君董卓かえっ!?」

 

美羽は驚きの余り、蜂蜜水を噴いてしまい、服が濡れてしまう。

 

七乃

「そんな・・・何かの間違いではないでしょうか?

あの暴君さんは倒されたと聞きましたよ」

 

さすがの脳天気な美羽もこれには驚かざるを得なかった。

 

「いいえ・・・呂布の軍は『董卓』と名乗る少女を見た途端、全員

戦意を喪失。 そして呂布も動揺している様子から本物の董卓であ

る事に間違いありません!」

 

美羽

「にゃ、にゃに~~~!? なら今恋殿達はどこにおるのじゃ!?」

 

「この陣営からそう遠くはないところにいます」

 

出る準備を始める。

 

七乃

「どちらに行かれるんですか美羽様?」

 

美羽

「決まっておる! 恋殿、ネネ殿を引き留めに行くのじゃ! 己の主が

生きていると知ったなら、あ奴らは妾達を裏切るかもしれぬ!あの暴君の

元に絶対戻すわけにはいかんのじゃ! あの者達の武は暴君の為に使われ

るべきではない!」

 

美羽はそう言うといつの間にか兵士がいなくなっていることに気づかず、

 

恋達の元へ馬を走らせる。

 

地獄大使

「はっはっは・・・上手くいったぞ・・・・呂布に袁術を仕向けるのに」

 

アリイモラ

「(しかし、これは一種のギャンブルの様な気が・・・)」

 

地獄大使

「何か言ったかアリイモラ?」

 

アリイモラ

「いえ何でも・・・」

 

 

その頃恋達が仮面ライダーと戦っていた地点

 

呂布軍が突如戦いを止めたことを不信に思った愛紗達も

 

現場に駆けつけてみると、そこには呂布から仮面ライダー

 

を庇おうとしている月と詠、そして見たこともない軍勢が

 

いた。

 

愛紗

「あれは月と詠ではないか!?」

 

鈴々

「月と詠がお兄ちゃんを庇っているのだ」

 

愛紗

「何故彼女達がここにいるんだ」

 

桃香

「街で袁紹軍に呂布さんが加わっている事を聞いたそうだよ」

 

愛紗

「桃香様・・・」

 

桃香

「ここは月ちゃん達に任せてみよう・・・さすがに月ちゃんのお友達

とは戦いたくないよ」

 

愛紗

「そうですね・・・」

 

愛紗は桃香の考えに従い暫くは様子を見ることにした。

 

月は恋と音々音に再会できたうれしさからか涙を流していた。

 

「恋ちゃん・・・・ネネちゃん・・・生きてて良かった・・

私はずっと貴方達に会いたかった・・・」

 

音々音

「董卓様・・・・」

 

「月・・・・」

 

音々音と恋は月が生きていた事を知り、戦闘意欲を完全になくしていた。

 

しかし月と詠が生きていた事は嬉しい事実であるはずなのに素直に喜べそうに

 

ない。

 

何故なら彼女達を救った本郷にとんでもない事をしてしまい

 

あげく殺そうとしたのだから・・・

 

「私は信じていたの・・・・いつか恋ちゃんとネネちゃんにまた会え

るって・・・」

 

「月・・・・」

 

音々音

「ネネ達も董卓様にお会いしとうございました」

 

ネネは月と同様、涙を流している。

 

「お願い・・・・もう益州に危害を加えるのはやめて こっちに来て二人とも

大丈夫・・・・この人なら恋ちゃん達も受け入れてくれるはずだから・・・」

 

仮面ライダー一号

「月・・・・ああ、君達もこっちにくればいい。 俺は君達の様に

心優しい人間は歓迎する」

 

彼女の言うとおり彼なら恋達も受け入れる気があるみたいだ。

 

しかし・・・・

 

「(恋・・・月の元に帰りたい・・・・でも・・・・)」

 

恋は本当なら月の元に帰りたい。

 

そう思ったが、彼女は首を振ってしまう

 

「・・・(フルフル)・・・できない・・」

 

「な、なんで恋ちゃん!?」

 

「恋・・・本気でその人殺そうとした・・・・月と詠

助けてくれたのに・・・それに・・・」

 

 

恋が何かいおうとしたその時

 

美羽

「恋殿おおおおおおおっ! ネネ殿おおおおおおおおっ!」

 

突如どこからか声がして恋達が振り向くと馬に乗った

 

美羽と七乃がこちらに向かっていた。

 

そして馬から下りると美羽は恋に近寄る。

 

「・・・・美羽?」

 

音々音

「美羽殿っ!」

 

美羽

「恋殿っ! ネネ殿っ! 早まってはならんのじゃ! 主の元に帰りたい

気持ちは理解出来るが、董卓だけは駄目じゃ! 董卓は悪政で洛陽の民を

苦しめた悪人じゃぞ! そんな奴の元に帰る必要は無い!」

 

「へうっ!」

 

美羽にそういわれた月は思わず怯んでしまう。

 

事実故に反論の余地がなかったのだ。

 

「誰なのよアンタ!」

 

詠にいわれ美羽はこう答える。

 

美羽

「妾の名は袁術! 字は公路 袁紹姉様の従姉妹にして呂布の新しい主じゃ!」

 

それを聞いたその場にいた者達全員驚きを隠せない顔であった。

 

「新しい主ですって? どういうことよ恋!」

 

「恋達・・・・この子にご飯とお仕事もらった・・・・だから生きてる」

 

音々音

「この人はねね達に食事と働き口を保証してくれたのです。

この人の施しがなかったら今頃ねね達は餓死してもう

この世にいなかったのです」

 

「そうだったの・・・・袁術さんがご飯くれたんだね・・」

 

月は恋に近寄るが美羽はそれを阻むように恋の前に立った。

 

美羽

「お主が董卓か!? 生きていたのは驚いたのじゃ! じゃがお主のような

悪党に妾の恋は返さん!」

 

「何いってんのよ! 月は悪い奴に脅された上に両親を人質に取られて悪政を

せざるを得なかったのよ! したくもない事をさせられて・・それで月がどれ

だけ苦しんだが分かるの!」

 

美羽

「ほう~? なら脅されていたという証拠でもあるのかえ?」

 

「そ、それは・・・・」

 

詠は困惑し出す。

 

証拠なんてものあるわけがないから黙るしかなかった。 

 

呂布の兵士は董卓が脅されていた事を知っていたが彼らも

 

月が脅迫されていた証拠を持っていなかった為何も言うことが

 

出来なかった。

 

美羽

「ほれ見よ。やはりでたらめかえ? まあ、例え脅されていたのが

事実であっても結局は悪政をしたことに変わりはないはずじゃ」

 

「・・・・確かに・・・」

 

美羽

「んっ? 何じゃ董卓? 何か言いたいことがあるのかえ?」

 

「確かに私が洛陽で悪政を行った事は本当です。両親を人質に取られてい

たとはいえ、それは単なる言い訳にしかなりませんし、洛陽の民達も今でも

私を恨んでいるでしょう。そして悪政を行うことに耐えきれず、私は洛陽を

捨て逃げようとまでしました」

 

「ちょ、月っ!?」

 

詠は慌てる。そんな事をいったらますます月の立場が悪くと思ったからだ。

 

 

そして

 

麗羽

「あらあらあら・・・・」

 

猪々子

「へえ~・・・」

 

斗詩

「・・・・・」

 

今度は空気を読めない麗羽達がその場に姿を現し様子を見ていた。

 

仮面ライダー一号

「袁紹達? なぜここに・・・」

 

彼女達は二号と戦っていたはずだ。どうやら董卓こと月が

 

この場に姿を見せたことが知れ渡り、その真偽を確かめるためにここ

 

に来たようだ。

 

そして二号も一号の元に寄ってきた。

 

仮面ライダー二号

「よう・・・派手に呂布にやられたな本郷・・・」

 

仮面ライダー一号

「一文字・・・」

 

仮面ライダー二号

「本郷・・・どうして暴君といわれた董卓がここにいるのか

後で説明してもらうぞ」

 

仮面ライダー一号

「ああ・・・」

 

仮面の下で一文字は月の正体があの董卓だと聞いて驚いていたが

 

今はこの状況を見守るしかなかった。

 

そして麗羽はこの状況を見ていた。

 

麗羽

「あの董卓さんが生きているとは驚きましたわ でもご両親を人質に

とられていたなんてどういうことですの?」

 

猪々子

「麗羽様・・・今は詮索している場合じゃないっすよ」

 

斗詩

「董卓さんが生きていたんなら、呂布さん私達を裏切るか

もしれませんよ」

 

麗羽

「そうですわね 今呂布さんが裏切るか裏切らないか全ては

美羽さんにかかっていますわ」

 

そして月から話を聞いた美羽は月にこういう。

 

美羽

「逃げようとした? お主洛陽の民を見捨てて仲間だけで逃げようとし

たのか!? 何て無責任な奴じゃ!」

 

「はい・・・・あの時の私はどうかしていたと思います。家族だけで洛陽から

逃げようとしたから、私に悪政を強いた人達に見つかり私は囚われの身になり

ました」

 

美羽

「自業自得じゃな・・・」

 

「はい・・・・そういわれても仕方ありません そして、私を救うために誇りある

将が一人、取引に応じてこの人と戦い、戦死しました」

 

美羽

「それはお気の毒じゃな・・・」

 

「・・・洛陽が悪い人達から解放された後、私と詠ちゃんはこの人に命を救われました

でも、この人からその将が私のために戦い死んだと聞き、そして悪政で洛陽の人々を苦しめてしまった私は後悔し自らの意思でこの人に自分を殺してくれる様に頼んだんです」

 

美羽

「なっ!?」

 

七乃

「ええっ!?」

 

麗羽

「えっ!?」

 

猪々子

「何だって!?」

 

斗詩

「ええっ!?」

 

「っ!!」

 

音々音

「な、何ですとおおおおおっ!?」

 

それを聞いた誰もがガヤガヤと言い出した。

 

「董卓様が殺される事を望んだ!?」

 

「何故っ!? 董卓様は悪くないのに・・・・」

 

麗羽

「あの暴君が罪悪感から殺される事を望んだですって? 

ありえませんわ・・・」

 

麗羽は月のいう事に疑問を感じた。

 

追い詰められた暴君は自害するか、諦めて殺す事を頼むなら理解出来る。

 

しかし、自らの罪に後悔し殺してくれと月は言ったのだ。

 

もし本当に月が暴君なら罪を犯したことを後悔し、自分から殺される事

 

を望むだろうか・・・・・

 

そして何より月の人物像を見てとても自分が想像していた暴君には

 

見えない。

 

 

麗羽

「まさか董卓さんは本当にご両親を人質にされて・・・?」

 

音々音

「何故です董卓様! 何故殺される事を望んだんですか!?」

 

「月・・・・死んじゃ駄目・・・死んだら終わり・・・」

 

音々音と恋は泣きそうな顔で月に尋ねると

 

「その時の私は死ぬしか罪を償う方法がないと思っていたの でもそれは間違い

だった 私はまたこの人に命を救われてこう言われたの」

 

音々音

「その方は何と?」

 

「『死ぬことだけが罪を償うことにならない もし犯した罪を償いたいのなら

生きてどう償うのか考えろ』と」

 

美羽

「生きて罪を償う・・?」

 

月の言葉にまた周りが反応し始めると月は今度は

 

「その言葉を聞いて私は間違っていたと気づいたんです。 罪は死ねば償える訳では

ない・・・一生を賭けて償うものだと」

 

美羽

「・・・・」

 

「私に出来ることは、この人に仕えて、この人の戦いを支えること

もう・・・洛陽の民の様な犠牲者を出さないために・・・そして・・・

私の大切な家族の帰りを待つこと・・・その為にも私は生きなければな

らないんです!」

 

美羽

「・・・・・・・」

 

麗羽

「・・・・」

 

猪々子

「・・・・」

 

斗詩

「・・・」

 

月の言葉には重い物があり、袁紹、袁術軍は急に静かになる。

 

「いつか家族と会えると信じ待ち続けて・・・やっと恋ちゃん達に会えたんです

だから・・・お願いします。私に恋ちゃん達を・・・・家族を返して下さい!(O.;)」

 

月は今度は涙を流し美羽に訴える。

 

その目は純粋でとても嘘を言っている様に思えない。

 

その言葉を聞いて者の一部は涙を流していた。

 

美羽

「・・・・・お主が反省し罪を償う意思があることは良く分かったのじゃ」

 

「そ、それじゃ・・・!」

 

美羽

「じゃが駄目じゃ!」

 

「な、なんでですか袁術さん!」

 

美羽

「お主が罪を償う為に生きている事は分かったのじゃ じゃが既に恋殿は私の将じゃ 兵の為にもこやつは妾に従わねばならぬのじゃ そして今ここで妾を裏切れば恋殿はまた裏切り者の汚名を被る事になるのだぞ!」

 

「・・・・・・」

 

「う、裏切り者!?」

 

詠は月も自分も知らなかった恋の事情に驚いていた。

 

美羽

「何じゃ知らないのかえ? 呂布はお主達に仕える前、今までに主を

何度か裏切ったと名家の間では評判なのじゃ・・・」

 

「う、嘘でしょ恋っ!?」

 

「・・・美羽の言ってること本当・・・恋・・・月に仕える前、確か

に多くの人裏切った・・・」

 

「そ、そんな・・・」

 

月は美羽の言っている事が何かの間違いであって欲しい

 

と思ったが、恋が事実を認めたことに動揺するが

 

「でも・・・・今まで恋が仕えた人達・・・弱い人いじめていた

ご飯少ないのに取り上げたり、お金ないのに税金払えと言ったり

できないと無理矢理いう事きかせていた・・・・だから恋・・・

その人達懲らしめてその人達の元去った」

 

仮面ライダー二号

「何だって?・・・この世界の呂布が裏切り者と呼ばれていたのは

そんな事情があったのか」

 

一文字は呂布が裏切り者と呼ばれる理由が史実とは違う事に驚いていた。

 

本来なら呂布は最強であると同時に、都合が悪くなるとすぐに人を裏切る

 

史上最低の人間であったはずなのだから

 

 

「それ繰り返して恋・・・生きてきた・・・でも月だけその人達と違ってた

皆に優しかった・・・・ご飯くれたり、自分よりも皆の幸せを考えて

いた。だから恋、自分の事隠して月に仕える事を決めた」

 

「恋ちゃん・・・・」

 

美羽

「・・・なんと、じゃがお主が妾を裏切ったら兵士達はどうなる!? 妾は兵士達の

生活を保障した。しかし劉備はお主達全員を受け入れる余裕はとてもないはずじゃ!

自分のわがままに兵士全員を巻き込むのかえ!?」

 

桃香

「うっ!・・・すみません・・・貧しい勢力で・・・・」

 

桃香は痛いところを美羽に突かれ、申し訳ない顔になるが

 

愛紗

「いいえ、我らの給金を若干減らし街の警備の仕事をさせれば彼らを

養う余裕は何とかできると思いますよ 丁度兵士を増やそうという計

画は前からありましたので・・・」

 

愛紗にそういわれ桃香は少し落ち着いた顔になる。

 

美羽

「どうじゃ!? 恋殿 自分のわがままに皆を巻き込むこと 心優しい

お主にはできないはずじゃ! 考え直すなら今のうちじゃぞ!」

 

「・・・・・恋は自分のわがままに皆を巻き込みたくない でも

・・・・」

 

美羽

「やはり答えがすぐに決まらないのかえ? ならば選ばせてやるのじゃ

妾か董卓か、好きな方を選ぶと良いのじゃ♪ ちなみに妾を選べば、兵士

達には家も与えるのじゃ」

 

七乃

「はい♪ 間違っても正しい答えとはいえない返事をしない方がいいですよ~

♪」

 

「恋ちゃん・・・」

 

美羽達がそういうと恋は急に黙り出す。

 

今自分の中で出したい答えを出そうとしているのだ。

 

恋は心の中で葛藤していた。月は恋にとっては守るべき存在。

 

しかし袁術こと美羽は自分達を救ってくれた恩人。

 

しかも袁術は自分の愛犬たちと兵士の生活を保証してくれたのだ。

 

それを考えると安易な答えは出せない。

 

今心の中で天秤に乗った月と美羽が揺らいでいた。

 

やはり皆を自分のわがままにつきあわせたくない。

 

その考えが美羽を裏切らない方を選ばせようとしていた。

 

 

その時・・・

 

「悩まないで下さい呂布将軍!」

 

「・・・・・みんな?」

 

兵士にそう言われ、恋は考えるのを止める。

 

「俺達呂布将軍がどんな答えを出したとしてもどこまでもついて行くつもりです!」

 

「そう! 俺達の命は呂布将軍と共に!」

 

「あんた達何言ってるのよ!?」

 

「申し訳ありません賈駆様・・・我らは董卓様に仕える兵士・・・

しかし、それと同時に呂布将軍に全てを預けた存在なのです!」

 

「誰一人文句言わず、貴方についてきたのも袁術に仕えるのも

了承したのも皆貴方を信頼しているからです!」

 

「貴方は常に我々と董卓様の事を考えた行動をしてきました

しかし、今だけは自分が望む答えを出しても俺達は貴方を責め

たりはしません!」

 

「だから自分自身の答えを袁術殿にしめして下さい! 俺達の事は気にせず

呂布としての答えを袁術にしっかりと示して下さい!」

 

兵士達は恋が本当は出したくない答えを出しかけていることに気づき

 

あえて恋に呼びかけ、自身が望む答えを出すように促したのだ。

 

その呼びかけにより心の中の天秤も月を選んだ。

 

そして兵士達の声が届いたのか彼女は迷いを吹っ切った様に美羽を見つめる。

 

美羽

「れ、恋殿・・・・」

 

「恋達は美羽のおかげで生きていられる・・・・その事には

感謝している」

 

美羽

「そ、それじゃ・・・」

 

「でも・・・・・」

 

美羽

「?」

 

「恋決めていた・・・・月は恋が守る・・・・月だけは絶対

裏切らないって・・・・だから・・・ゴメン・・・・」

 

「う、うおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 

恋の言葉で呂布軍は劉備側に寝返ることを決めた。

 

美羽

「そ、そんな~!」

 

七乃

「あ、ありえませ~ん!」

 

「恋達・・・・これから本郷・・・・ご主人様達の味方! 大切な人守る為に

恋・・・・あえて裏切り者になる!」

 

音々音

「その言葉を待っていました恋殿!」

 

「うおおおおおおおおおっ!」

 

麗羽

「キィー! 呂布さんが裏切りましたわ! でもまだこっちの方が

戦力が上・・・」

 

猪々子

「れ、麗羽様・・・・」

 

麗羽

「何ですの猪々子?」

 

猪々子

「水を差すようで悪いのですが、あっちの軍勢を忘れてますよ」

 

麗羽

「ああっ!」

 

そう今この場には麗羽も知らない勢力がいたのだ。

 

 

敵でないことを麗羽は祈るが

 

「聞けえっ! 西涼の兵士達よ 今劉備様、本郷様が治めるこの地は袁紹、袁術の

軍勢に攻められようとしている! 平和を愛する者達が住むこの地が理不尽に滅ぼ

されるような事はあってはならない!大陸に平和をもたらす志を持った英雄に力を

かし、この西涼の領主の子、錦馬超と共に侵攻者を撃退するのだ!」

 

蒲公英

「この馬岱のことも忘れないでね!」

 

「うおおおおおおおおおっ!」

 

麗羽達にとって最悪の答えが返ってきた。

 

斗詩

「・・・・やっぱり敵でしたね」

 

猪々子

「あっちゃ~・・・」

 

呂布が裏切り、西涼の一族が益州側についてしまった為戦力は

 

益州の方が上になった。

 

もはや袁紹達に勝ち目はない。

 

しかし・・・

 

麗羽

「駄目ですわ!今更ここで引くわけにも行きません!」

 

斗詩

「で、でも~」

 

麗羽

「お黙りなさい! ほら行きますわよ!」

 

斗詩、猪々子

「あ、あらほらさっさ~!」

 

麗羽の合図で猪々子達も益州の兵士達に向かっていき、桃香達は

 

麗羽を止めるために向かっていった。

 

 

再び戦が開始され、ある場所では桃香と麗羽が激しい戦いを繰り広げていた。

 

そして互いの剣から火花が出ているようにも見える。

 

(ガキン! ガキン! ガキン!)

 

麗羽

「あ~ら劉備さん、胸と天然さだけがあなたの取り柄だと思っておりましたけど

剣術の方も意外とやりますわね?」

 

桃香

「なっ!? 馬鹿にしないで下さい! 私だって政務のない日は愛紗ちゃんと

ご主人様達にびしばし鍛えられたんですから! あの訓練に比べれば貴方との

戦いなんてぜんぜん苦じゃありません!」

 

麗羽

「なら貴方達をとっとと倒して公孫賛さんの首を頂きますわよ!」

 

桃香

「そうはさせません! 白蓮ちゃんは袁紹さんを暴行していないと

はっきりいったんです! 信じてあげて下さい!」

 

麗羽

「信じるも何もあれは間違いなく貴方の親友公孫賛さんでしたのよ!」

 

桃香

「袁紹さんの分からず屋!」

 

桃香はそういうと再び麗羽と戦い始める。

 

一方で

 

猪々子

「おっ!? 関羽に張飛じゃねえか!」

 

斗詩

「あの二人を倒せば、益州の戦力を少し減らせるかも・・・」

 

猪々子

「おし、行くぞ!」

 

斗詩

「ええっ!」

 

猪々子、斗詩は愛紗、鈴々を見つけ二人に向かっていった。

 

実力の差に気づかないで・・・

 

愛紗

「んっ?」

 

鈴々

「はにゃ?」

 

猪々子

「関羽、覚悟っ!」

 

斗詩

「張飛ちゃん、もらった!」

 

二人は同時に愛紗、鈴々に攻撃しようとするが

 

愛紗

「喝っ!」

 

猪々子

「うわっ!」

 

鈴々

「おりゃああああっ!」

 

斗詩

「きゃあ!」

 

あっけなく返り討ちにされ、武器も壊されてしまった。

 

猪々子

「ゲエッ! つ、強い!」

 

斗詩

「こんなに差があったなんて・・・」

 

愛紗

「怒りで我を忘れたお主らの力では我らの首を取ることはできん!」

 

鈴々

「見逃してあげるから、とっととこの益州から出て行くのだ!」

 

猪々子

「く、くそっ! 一旦逃げるぞ斗詩」

 

斗詩

「あっ! ちょっと文ちゃん!」

 

斗詩は慌てて壊れた武器を持ったまま、逃げる猪々子を追いかける。

 

 

そして別の所では

 

仮面ライダー一号

「ライダアアアアアアア・キイイイイイイイック!」

 

(ドゴオオオオオオン!)

 

「うわああああああああっ!」

 

仮面ライダー二号

「ライダアアアアアアアア・パアアアンチッ!」

 

(バキャアアアアアアア!)

 

「ぐあああああああああっ!」

 

二号は地面にパンチし、袁術の兵士を衝撃で吹き飛ばした。

 

ダブルライダーは人間を殺さない程度の力と間接的な攻撃

 

で袁紹、袁術の兵士にダメージを与え、次々と戦闘不能にした。

 

また別の所

 

「ハイハイハイッー!」

 

「うわあっ!」

 

体力が回復した星に袁紹の兵士がなぎ払われ、

 

さらに別の地点

 

「オラオラオラッ!」

 

蒲公英

「西涼の武人の力、思い知らせてあげる!」

 

翠と蒲公英は西涼の武人を引き連れて袁紹達に向かっていき

 

そして・・・

 

「こんのっ! 裏切り者があっ!」

 

一人の袁紹の兵士は恋に斬りかかるも

 

(ズバッ!)

 

「ぎゃあ!」

 

あっけなく恋に切り裂かれてしまう。

 

「・・・・・」

 

音々音

「馬鹿な奴です! 恋殿に勝てるわけが無いのに挑むから

こんな事になるのです」

 

切り倒したのは袁術の兵士だった。

 

恋は本当は恩のある美羽の兵士を切りたくはなかっただろう。

 

しかし、ここには月と詠がおり、斬るしか二人を守る方法がなかった。

 

 

戦いが再開されて数分後、さすがの馬鹿の麗羽もこれ以上戦っても勝

 

ち目がないと判断したのか

 

麗羽

「このまま戦い続けてもこっちが消耗するだけですわ! 仕方ありません

撤退! 撤退ですわ!」

 

麗羽がそういうと袁紹、袁術ぐんは益州とは別の方向に向かっていく。

 

そして麗羽は逃げながら美羽にこう言い始めた。

 

麗羽

「きぃ-! 何が裏切らないように対策をしたですの!?

結局呂布さんに裏切られたじゃありませんの!」

 

美羽

「こ、こんなはずは・・・・七乃・・・どうしてなのじゃ!?

妾は恋殿達の生活を保障したのじゃぞ! それなのに何故恋殿達は

妾達を裏切ったのじゃ!?」

 

七乃

「た、たぶん・・・呂布と陳宮の董卓への忠誠心と兵士達の熱い

想いが恩義を上回って、呂布を動かしたのではないかと・・・」

 

美羽

「そ、そんな~。゜(゜´Д`゜)゜。」

 

七乃

「まあ所詮、食べ物とお金だけでは人の心は動かせないって事ですね♪」

 

七乃は呑気そうな顔をしている。

 

美羽

「神様~! このアホアホを何とかしてくれや~!」

 

麗羽

「覚えていなさい劉備玄徳! 本郷猛! 私はまだ公孫賛さんの首を取ることを

諦めたわけじゃありませんわよ~!」

 

麗羽がそういったのと同時に袁紹、袁術軍は姿が見えなくなり

 

影で見ていた地獄大使らも

 

地獄大使

「ええいっ! くそっ! アリイモラ撤退だ!」

 

アリイモラ

「はっ!」

 

腕をクロスさせ、その場から姿を消した。

 

一方で袁紹、袁術連合軍を撃退した桃香達は

 

桃香

「はぁ・・・はぁ・・はぁ・・・何とか袁紹さん達を追い返したね」

 

鈴々

「でもあいつらまたきっとくるのだ」

 

「美羽・・・ゴメン・・・・恩義はいつか返す」

 

恋は申し訳なさそうに逃げる袁術軍を見送るのであった。

 

この選択は正しいとは恋は思っていない。

 

しかし、月を守りたい一心で選んだ答えであった。

 

 

その頃、詠は変身を解いた本郷に土下座で謝っていた。

 

「申し訳ございません本郷様っ! 僕は必死に止めたんですが

月を止めきれませんでしたっ! この責任は主を止めきれなかっ

た僕がとります!だから月を攻めないで下さい」

 

本郷猛

「確かに君達のしたことは愚かな事だ 下手をしたら命を落としていた

だろう だが、もう済んだことだ そんなに気にするな・・」

 

「は、はい・・・」

 

本郷猛

「それと一文字・・・・さっきの話だが・・・」

 

一文字隼人

「いや・・・もういい。 あの子の話の内容で大体の事情は分かった

あの子もつらい目にあったんだな」

 

隼人はなぜ董卓がここにいるのか理解したのか、本郷に事情を聞くのを

 

止めにした。

 

そして、本郷と一文字から離れた場所では恋、音々音が

 

月の前に立っていた。

 

「・・・・月・・・」

 

音々音

「董卓様・・・」

 

「・・・お帰りなさい・・・恋ちゃん、ネネちゃん・・・」

 

月がそれだけ言うと

 

「・・・月えええええええええええええっ!」

 

音々音

「董卓様あああああああっ!」

 

抑えていた感情があふれ出し我慢出来なくなったのか

 

二人は月に抱きつき、泣き始めた。

 

ずっと月に会いたい感情を抑えていたのだろうか。

 

その涙はしばらく止まる事はない。

 

「お帰り・・・お帰り・・・恋ちゃん ネネちゃん」

 

月も涙を流しながらも二人を抱きしめた。

 

「月・・・月・・・・ただいま・・・」

 

音々音

「えぐっ・・・えぐっ・・・・今帰りましたのです」

 

「大丈夫・・大丈夫・・・私はもうどこにも行かないから・・・」

 

月は二人を優しく抱きしめ、再会できたことを喜んでいた。

 

その後、恋と音々音は本郷に謝罪し、皆と和解し真名を交換して改めて

 

益州の武人として新しく仲間になった翠、蒲公英と共に受け入れられた。

 

袁紹、袁術軍は仮面ライダー一号、二号、蜀軍そして

 

新たに仲間になった呂布、馬超の軍勢の活躍で撃退された。

 

しかし、未だ袁紹は公孫賛の首を狙っている。

 

果たして袁紹の誤解が解ける日が来るのはいつになるのであろうか?

 

つづく

 

次回予告

我らの仮面ライダーを狙うゲルショッカー三国時代支部が送った次なる使者は黄金

狼男! 本郷猛、一文字隼人らは袁紹の誤解を解くために策を用いて白蓮に変装し

たゾル大佐をおびきだす事に成功する。しかしゾル大佐には隠された恐るべき力が

あった。黄金狼男のその力の前に我らの仮面ライダーもピンチを迎える!果たして

ゾル大佐に打ち勝つ事が出来るのだろうか!? 次回「黄金狼男 真の力発揮!危

うしダブルライダー!」にご期待下さい。

 


 
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