激突!最強対最凶!
何で、どうして、どうしてこんなことになっちまったんだろう。
簡単に状況を説明すると、俺は今、二匹の虎と龍のあいだにいる。
この二匹の力をビームとして表すとすると、陰と陽の中心にいる俺は確実に消滅するだろう。
それほどに強力、しかもそれが俺の両隣で、だ。
この二匹、もとい二人、最強と最凶、今やこの二人の間には誰も割り込めないだろう、そう・・・。
坂上 智代と藤林 杏には。
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さかのぼる事昼食前。
いつものように春原が「一緒に昼飯食いに行こうぜ!」と、鬱陶しいハイテンションぶりでこっちに来た。
若干イラっときたが、断る理由もないわけなので、とりあえず一発殴っておいて「別にいいぜ。」と応じておいた。「いきなり何すんだよ!」と突っかかってきたが気にしない方向でおいておいた。
いつものように適当に昼飯を食って過ごすつもりだった。
しかし、今日は違った。というかこの事が冒頭のきっかけになるとは、俺は知る由もなかった。
「岡崎、どこで食う?」
「お前の鬱陶しいテンションが見れないところならどこでもいい。」
「あんた人のこと何だと思ってるんすか!」
と、いつもののようにこいつのテンションをそぎ落としながらいつもどうりに・・・
「と-もーやー!」
・・・いかなかった。俺を呼びながら向かってくる奴は杏だった。
「ん、どうしたんだ?杏。」
「あんたこれからお昼でしょ?だったらあたしと食べない?」
「あれ、一人なのか?」
「うん、涼は今日風邪で休み。だから一人で食べるのは寂しいじゃない?」
「だからって何で俺なんだ?他にもいるだろ?」
「・・・そのぐらい察しなさいよ。」
「・・・?よくわからねぇけど別にいいぜ・・・「ちょっと岡崎!」
おっと、こいつ(春原、もとい測定器、兼、俺の盾)の存在を忘れてた。
「とゆうか何で岡崎だけなんだよ!普通一緒にいる僕も誘うだろ!」
「あんたは最初っから眼中にすらないわよ。」
「・・・もういいよ。誘ったの僕だし、ぼくも勝手についていくよ。」
「こなくていいわよ。」
「情け容赦ないっすねぇ!」
安心しろ春原。俺も確実に杏と同じ事をいうから。
「とにかく!先に誘ったのは僕なんだから僕もついていくぐらいは・・・「岡崎、ここにいたのか。」
いつもどうりに行かなかった今日がさらにずれていく。続いてきたのは智代だった。
「おお、智代じゃねえか。またどうした?」
「あ・・・、ああ・・・。そ、その・・・。」
・・・珍しいな。智代が口ごもるなんてな。
「その・・・、一緒にお昼、食べないか?」
ピキッ!
何だ?今変な音が聞こえた気がするが・・・。
「ちょ、ちょっと!どういうつもりよあんた!」
「・・・別に。ただ一緒に岡崎とお昼を食べたいと思っただけだが?」
「あら、でも残念ね。もう朋也とあたしはもうお昼を一緒に食べる約束しちゃったのよねー。」
ピキッ!
・・・また変な音がしたな。おまけにこの辺一帯の温度が2度くらい下がった気がする・・・。
「おい!ていうか先に誘ったのはこのぼ「そうなのか・・・?」
「え?」
「そうなのか、と聞いた。」
春原の言葉を無視し、かなりトーンを下げた声で俺に聞いた。
・・・正直かなり怖い。鬼気迫るような声だ。
「いやあの、「そうよ!」
オイ杏!なぜか知らんが対抗するな!
「そうよ。あ・た・しが誘ったのよ!」
「お前には聞いてない。」
お互い負けず劣らずのカオス的オーラだ。見ていてなんだか今にも具現化しそうだ。
「岡崎。どうなんだ?」
なんだよその「違うと言わなければ殺す」的な目は・・・。
「あー、その・・・「お・か・ざ・き?」
「イヤ、サソワレテナイ。」
「朋也ーーーっ!」
だって無理だろ。あれは。
・・・ふと見ると春原が気絶していた。おそらくうるさいから黙らされたんだろうだろう。
その程度か俺の盾は。情けない。
「ほらみろ。やっぱり嘘だっただろう。」
お前が俺を恐喝したからだろうとツっコんだらヤバイと思ったので黙っておいた。
「どうせあんたが脅したんでしょう?」
「人聞きの悪いことを。私はそんなことはしていないぞ。」
嘘120%の笑顔でいうな。
「とにかく!朋也とお昼を一緒に食べるのはあたしよ!」
「いいや、私と一緒に食べるほうが良いに決まってる。」
「あたしよ!」
「私だ。」
「いーや、あたしよ!」
「聞き分けのない奴だな、私だと言っているだろう。」
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と、ここまでが冒頭のように続く。
今や二人は俺を中心にいがみ合いを続けている。
もう一触即発の状態だ。ヤバイ、ヤバすぎる。と俺の葛藤を知って知らずか杏が、
「朋也!あんたはどっちと食べたいの!?」
などと聞き出してきやがった。それに便乗したかのように智代も、
「そうだ岡崎。お前の意見を聞きたい。」
まずい、どっちか一方選んでもまずい気がする。かといってこのままにしておくとかなり気まずい。
なあ、どうしたらいいんだよ・・・。すると・・・
、
「おい!お前ら!さっきから言ってるだろ!岡崎は僕と一緒にメシ食うんだよ!」
と、ここにきて春原復活。ナイスだ春原!よく復活してくれた!
「さ、行こうぜ岡崎!」
と、二人を無視して俺を引っ張る馬鹿。
普通に状況から考えるとこんな地雷だらけの一帯には普通は誰も踏み込まないだろう。
しかしこいつは状況どころか相手の力量もうまく測れないらしい。
当然踏んだら爆発するだろうこの地雷をすごい力で踏みつけるに等しい行為だった。
ピキピキピキピキッッッ!!!
「邪魔よこの馬鹿っっっ!!!」
フォンフォンフォンッ!!
バキッ「ぐえっ!」
バコッ「ウエッ!」
メコッ「グウッハァァ!」
おお。なんちゅう辞書の威力だ。いや、それに力を加えて投げる杏の方がすごいか・・・。
ヒューーー、と落ちる先には、
「はぁっ!!」
バキバキバキッッッ!!
「グはっぐえっうぼぉぉぉっ!!!」
智代のラッシュだ。もはや春原の顔は原型を留めていなかった。
そしてまたぶっ飛ばされる先には・・・、
「しつこい!」
フォンフォンフォンッ!
「ぐわわわわわっ!!!」
こんな感じのループだった。哀れ春原。
「ふうっ・・・。」
「はぁっ・・・。」
お互いに清々しい汗を流しながら下を見てみると・・・、
そこには春原だった物が転がっていた・・・。
「あ・・・、あんたらおにっすね・・・。」
・・・あ、生きてた。凄まじいくらいの生命力だな・・・。
「おー、お疲れさん。」
「へ・・・へへへ・・・。この程度で死ぬ僕じゃな・・「朋也!」
べキッ!「ゲフッ!」
あ、完全に沈黙した・・・。
「どっちと一緒に食べるか選びなさい!」
「岡崎、信じてるからな。」
こんなの選べるかーーッ!どうするどうするどうするどうするどうする・・・。
キーンコーンカーンコーン・・・
「「「あ。」」」
三人の声がハモッた。
ナイスだ神よ!そして時間稼ぎの春原!昼飯は食い損ねたが・・・。
「あ、あーっ。昼休み終わっちまったなー。授業行かなきゃなー。」
若干、というかかなり棒読みになったけどいいか。あーっ、やっと開放され・・・、グワシッ!
・・・たと思えばなぜか俺の手を掴んでるのは杏だった。
「な、なぁ杏?なぜ俺を止める?授業がはじ・・・「今日ぐらい大丈夫よ。」
シンプルかつ大胆な言い草で俺を止めた。
「ちなみに俺に拒否権は・・・。」
「んなもんないわよ。当然でしょ?」
ああ、終わった・・・。
「ま、待て!そんな行動、許すわけにはいかな「じゃああんただけ帰りなさいよ。」
ピキッ!
「そ・・・、そうだな・・・。では私も行こう。」
「な、何であんたまで来るのよ!」
「何か起こってから・・・、では遅いからな。それにお腹もすいた。食事は大事だ。」
「あ、あっそ!勝手にすれば良いじゃない!ほら行くわよ朋也!」
「行こうか、岡崎。」
もう俺の意見など耳にも入っていない状態なのかそのまま俺をずるずる引きずっていく二人。
・・・しかし俺ももう空腹だ。マジでヤバイ。背に腹は代えられん、というやつだ。
それに杏の弁当多分分けてくれるだろう。まあいいか・・。
たまにはこういうのもありだろう。そう俺は思った。
「・・・お~い・・・。最後まで・・・僕無視されるんすか・・・?」
・・・忘れてたわ、そういえば・・・。
余談だが俺は屋上で二人からあ~んを連発された。
誰もいなかったからよかったものの相当恥ずかしかった。そして放課後には・・・。
「「朋也(岡崎)!一緒に帰るわよ(帰ろう)!」
まだ最強対最凶は続きそうだった・・・。
FIN
後書き
いやいや、わが初小説はどうでしたか?
こんな駄文でも読んで面白い!と、感じて頂けたら幸いです。
リクエストもお待ちしてるんでこの小説を読んでくれました読者様方。ありがとうございました!
そして応援、よろしくお願い致します!
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私のブログの初掲載物です。
見て楽しんでいただければ幸いです・・・。