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魔法先生ネギま ~疾風物語~ 第十九話

遅れてしまい申し訳ありません!!m(_ _)mフカブカ
第十九話です。お楽しみいただければ幸いです

2013-03-17 01:05:40 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:6176   閲覧ユーザー数:5814

あの後すぐにテオドラの部屋に戻った僕達は、先ほどの話し合いを再開していた

 

「さて、彼は魔法を使えたでありますね。という事は彼の記憶喪失の原因…まあ其処までいかなくとも、責任の一端はテオドラ様にあると言うことであります」

 

テオドラちゃんは先ほど魔法を目にした時とは一転して、暗い表情になってしまっている

それも仕方ないだろう。こうまできっぱりと断じられてしまったら、誰でもそうなるに違いない

だからこそ僕は、ヴィルヘルミナさんに話しかけた。『彼女をあまり責めないでくれ』と

 

「…と言われましても、テオドラ様御自身が貴方に頭突きをした。という事を認めてしまっているであります。王族として、何より人として責任は取るべきでは?」

「確かに責任は取るべきです。ですがあまり強く言わなくても良いんじゃないですか?彼女はまだ子供なんですよ?」

 

 

又も一触即発の空気が部屋に充満する

そこでテオドラちゃんが、ぽつりと何かを呟いた

 

「………ったのじゃ」

「え?どうしたのでありますかテオドラ様?」

 

うまく聞き取れなかったヴィルヘルミナさんが内容を問う

 

「わかったのじゃ!責任を取って彼の記憶が戻るまで、妾が彼を雇う!これで万事解決じゃ!」

 

自身が思いついた妙案を無邪気な笑顔で語るテオドラちゃん

しかしヴィルヘルミナさんはまたしても頭を押さえて唸っている

 

「…あのでありますねテオドラ様。事はそう簡単に済む事じゃないのでありますよ。例えば…そう例えばの話でありますが、もし彼が指名手配中の賞金首だったとしたらどうするでありますか?姫様と私だけでなく、帝国そのものが批判されるのでありますよ」

 

例えば。と仮定の話をしているにも拘らず、ヴィルヘルミナさんの表情はいたって真剣だった

見ている側の僕が寒気を感じるほどに

 

 

僕が賞金首?

 

 

考えもしなかった可能性が頭の中をぐるぐる回る

 

 

化物が大勢潜んでいる森の中に居た

 

ボロボロの服に傷だらけの体

 

記憶喪失

 

極め付けがありえない量の魔力

 

 

 

まさか僕は本当に―――

 

 

 

思考のループに陥った僕の耳に幼い声が響いてきた

 

「彼は妾の恩人じゃ!恩を仇で返してなるものか!!」

 

その声に安堵すると同時に、ヴィルヘルミナさんの大きな溜息が聞こえてきた

 

「そういうと思ったであります…。最悪の場合は『アリアドネー』にでも押し付けるでありますか…」

 

またも会話に出てきた知らない単語

『アリアドネー』

文脈から推察するに何らかの組織だとは思うが…

混乱している僕を見かねてか、テオドラが解説をする

 

「『アリアドネー』とはじゃな。我がヘラス帝国の西南に位置する国家じゃ。通称は『学術国家』。学ぶ意思さえあれば、犯罪者でも受け入れるというとても懐の広い国なのじゃ」

「そこならばたとえ貴方が賞金首だったとしても、捕まることは無いでしょう。貴方の魔法への意欲が尽きない限り、でありますが。そういえば最近は吸血鬼ですら受け入れたと聞くであります」

 

 

ザザッ

『助けて!誰か、誰かぁ!!』

 

 

吸血鬼。その単語を聞いた瞬間、フラッシュバックした光景

 

 

十字架に掛けられた金色の髪の少女。怒号を上げる町の住民。十字架に火を放つ神父

そして町を焼き払う、僕の姿

 

「その話なら妾も耳にしたぞ。何でもその吸血鬼は『真祖の吸血鬼(ハイ・ディライトウォーカー)』らしいの?」

「ええ。しかも悪名高き『闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)』の可能性もあるであります」

 

 

ザザザッ

 

ハイ・ディライトウォーカー。ダーク・エヴァンジェル

二人の会話を他所に浮かんでくる光景

 

目の前に広がる少女の顔。それを囃し立てるメイドのような人形。唇同士が触れ合ったと同時にカードが現れる

 

『…流石私とハヤテのアーティファクト(愛の結晶)だな!』

 

胸を張り、そう言う少女の顔には何かしらの満足感が垣間見えた

 

 

 

 

 

 

場面が切り替わり、少女は人形を頭に乗せて僕と歩いている

 

『私のことは、その、キティと呼んでくれ!』

『うん、また会う日まで。ハヤテ』

 

ハヤテ。確かにそう呼びかけた

初めて聞いたはずの言葉なのに、妙にしっくり来る

これが僕の名前なのだろうか?

 

 

 

 

思考の海に沈んでいると、懐に何か硬いものがある事に気付いた

何故今まで気が付かなかったのだろうか。懐にあるそれを取り出してまじまじと観察してみる

それは僕が描かれたカードだった

 

漆黒の衣を纏い、独特の形をした剣を構えている

先ほどのビジョンに出てきたカードと同じものだろう

僕が持っているカードに感づいたテオドラが、指をさして声を上げる

 

「あー!それは仮契約(パクティオー)カード!何故それを隠していたのじゃ!それには契約者の名前が書いてあるというのに!!」

 

その言葉に驚き、再びカードに目を落とす。其処にはこう記載されていた

 

『HAYATE NAMIKAZE』

 

やはりハヤテと言うのは僕の名前だったらしい

記憶はほとんど戻っていはいないが、それでも名前が分かったことは大事な一歩だ

これから何年かかるか分からない。だけど必ず記憶を取り戻す

そう心に秘めて、テオドラに頼み込む

 

ここ(ヘラス帝国)で記憶が戻るまで、雇ってくれますか。と

 

 

その応えは満面の笑みで持って返された

 

後れてしまい本当に申し訳ありません!!

学年末試験があった上に軽いスランプに陥っていました

次回はできるだけ早く投稿いたしますので、どうかお許しください!

 

 

では次回の投稿をお待ちください


 
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