とある日の放課後、箒達は一夏に教室で待っているように言われた。と、そこへ楯無と虚がやって来た。
「はろはろ~、楯無お姉さんだよ~。」
皆は楯無と虚に挨拶をする。
「あれ?一夏君は?」
「さっき教室で待っているように言われました。」
「ふ~ん、じゃあ今のうちに一夏君に会いに行って・・・・・・」
その後の言葉を言わずに楯無はそっそくさと一夏の元へ向かおうとする。
『何をするつもりですか!!』
学園内の茂み、一夏は弾と一緒に落ち葉を掃いていた。
「一夏君。」
「っ!楯無さん!!」
「そこで何をしているのかな?」
「いや~、学園に日ごろの感謝をと思いまして。」
「ふ~ん、日ごろの感謝ね~。」
「ねえ弾、なんなのその袋に入っているのは?ナニサツマ?ナニジャガ?」
鈴がそう言っている弾の片手にはジャガイモとサツマイモが入っている紙袋を片手に持っていた。鈴は首をかしげて聞いてくる。正直、恐い光景だ。
「さっき女子から手作りですって渡されてな。」
弾の言葉に一夏と鈴以外はズッコケた。
「その手作りチョイスは間違っているわよ!」
「まあ後から皆呼ぼうと思ったんだが一緒にこれ食おうと思ってな。」
「なんで言ってくれないの。お姉さん悲しいよ。」
「そうよ!」
「いや、皆にこんな作業はさせないようにと思ってな。」
「一夏の提案でサプライズもかねてな。」
そう言うと楯無と鈴は深々と土下座をする。
『なぜに!』
そういうことで皆で落ち葉を集めることになりました。
「こうやって皆で掃除するのってのもたまにいいね。」
「そうだな。軍ではこういうことは無いからな。」
「ですが余り経験の無いことですから慣れませんわね。」
「何言ってんのよ。いつも掃除でやってんじゃない。」
「セシリアはお嬢様だから落ち葉掃除とかもやったことがないのだな。」
そう雑談している箒達をよそに弾と虚は一緒に掃除をしていた。
「弾君、せめて私も一緒に誘って欲しかったよ。」
「いや、流石にこういうのは男がしておくのがいいかなと思いまして。」
「男の子だけでするのもどうかと思うよ。」
「ははは、すんません。」
その光景を見ている楯無は思った。
(あの二人もしや!)
楯無は少しにやける。
しばらくして落ち葉を集め終わった皆は火をつけようとする。
「それじゃあ火を付けましょうか。」
『よが。』
その瞬間、鈴がチャッカマンに火を付け、楯無が殺虫剤を噴射する。仕組みはガスバーナーと同じである。それにより生まれた炎は落ち葉に着火する。
『ファイヤー。』
「はわわわわわわわわわわわわわわ・・・」
セシリアは驚きの声を上げた。
その後一夏にきっちり絞られました。
「ジャガイモはホクホクしていて美味いな。」
「サツマイモもあまくて美味いぞ。」
「これならいくらでも食べられそうだな。」
「シャルロットの胃は宇宙か?」
「そ、そんな壮大な胃袋を持ってないよ!」
「アタシの胃は途中よ!」
「ボケにか?」
「どういう意味よ!」
「俺の胃は夢中だ!」
「消化に!」
「そして虚は夢中の域を超えたわ。」
『どういうこと!?(虚と弾と一夏以外。)』
「ねえここに栗が置いてあったんだけど。」
「ああ、それは忘れ――――じゃなくてさっき女の子から『手作り―――』」
「それはもういいよ。」
「じゃあ栗を投下するわよ。」
「ちょ、おま!」
「栗を投下すんな!」
「焼き栗は危険よっ!」
「危険なの!」
バチッ
「でくしゅっ!」
焼き栗が鈴の額をクリーンヒットする。
「栗に狙撃された!?」
バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ
鈴に向かって栗が連続でヒットする。
「く、、栗が襲ってくる!」
「回避がむずかしぞ!」
「――――一夏、使え!」
弾は一夏に箸を投げ渡す。
ガッカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ
一夏は見事に飛んでくる栗を箸で取る。
と、そこへ山田先生が来た。
「あ、こらー!皆さん何をしているんですか―――――っ!?」
「一夏。」
「ふむ。鈴。」
一夏は指を鳴らす。
「確保したわよ。」
「はい?」
「弾。」
「上手に焼けました~。」
弾は火バサミで焼き芋を掴む。
「遠慮しないでたーんとお食べー!てか食え!」
「何ですか、何ですか、何ですか、何ですか――――――――!?」
山田先生は弾に焼き芋を口に運ばれ、流されるがままに食う。
「山田先生、お芋おいしいですか?」
「はい、とってもおいしいです。」
「先生は――――――ここに何しにきたんだっけ?」
「ええっと、注意しに?」
「先生が―――――今召し上がっているのは?」
「!?や、焼き芋です・・・・・・・・が。」
山田先生は冷や汗をかく。
「共犯です☆」
弾がにこやかに親指を立てる。
「えええええええええええええええ!?」
「あの、許可は織斑先生からもらっているそうですから大丈夫ですよ。」
「先生をからかわないで下さい!」
「いや、からかいたくなる先生だからじゃないですか?」
「弾、それ当たっている。」
「ひどいですよ!」
「とういか焼き芋持ちながら言われても説得力に欠けますよ。」
そんな茶番劇は何処か微笑ましく、虚は思わず笑った。
「ふふふ、なんか面白い光景ですね。」
「そうですね、虚さん。」
一夏は団に近づき耳元で話す。
「あまり名前で呼び合うとばれるぞ。」
「もう楯無さんにはばれてるよ。」
「まあそうだな。」
一方箒達は
「ねえ、弾と虚先輩なんか仲良くない?」
「そういえばそうですね。」
「名前で呼び合っているしね。」
「まさか付き合っているのか?」
「でもそうだとしたら何時?」
「でも少し羨ましいね。」
その言葉に皆は頷いた。
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一夏に教室で待っているように言われた皆。楯無は一夏を探して・・・・