No.554973

SAO~黒を冠する戦士たち~番外編 お返しです

本郷 刃さん

番外編になります。
今日は3月14日、ホワイトデーです・・・つまりはw

どうぞ・・・。

2013-03-14 09:20:25 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:17547   閲覧ユーザー数:16109

 

 

 

 

前書きです。

 

一部ネタバレがありますので、ネタバレが嫌な方々はブラウザの戻るや別ページに飛んでください。

読んでみたいという方々は是非ともお楽しみください。

ホワイトデーネタですが、バレンタインネタと違って短く、簡単なものになりました。

最近どうも長いものが書くことができない自分です。

それでは、どうぞ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SAO~黒を冠する戦士たち~番外編 お返しです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人Side

 

現在俺は『Dicey Cafe』に来ており、カウンター席のスツールに座っている。

 

「……というわけで、キャンディの作り方を教えてほしいんだ」

 

「いきなり来て『というわけで』の意味が分からないんだが…」

 

ふむ、さすがに通じなかったか…。では今度こそ理由を説明するか。

 

「バレンタインデーに明日奈からチョコもらったからさ、お返しはキャンディにしたいと思ったんだ」

 

「ホワイトデーならクッキーとかの方が簡単じゃねぇのか?…って、なんだ、その顔は…」

 

コ、コイツは本気でそんなことを言っているのか…!

俺が明日奈にお返しをするものがクッキーだと!?

そんなことは断じてありえない!

 

「確かにホワイトデーは日本を含めた東アジア特有のものだし、

 最近ではとにかくお返しさえすればそれで良い的なものが多い。

 だがな、エギル……ホワイトデーのお返しに送るお菓子にはそれぞれ意味があるのを忘れたのか?」

 

「っ……そうだったな、俺としたことがすっかり忘れていたぜ…」

 

どうやらエギルは思い至ったようだ。

ホワイトデーのお返しとして主に送られるのはホワイトチョコレート、マシュマロ、クッキー、キャンディの4つだ。

その中でもホワイトチョコレート以外の3つには意味がある。

相手から送られたものに対して、マシュマロは「ごめんなさい、お付き合いできません」、

クッキーは「友達のままでいましょう」、キャンディは「あなたが大好きです」という意味が込められている。

つまり、俺が明日奈に送るのはキャンディと確定しているのだ。

勿論、母さんや直葉にはクッキーを渡すつもりである。

 

「OK、キャンディの作り方を教えよう。ついてきな」

 

「頼む」

 

俺はエギルに付いていき、店のキッチンへと入っていった。

俺がお菓子を作る練習をしてもなんの面白味もないから、

ここはサクッとすっとばして次に行くとしようというわけで……。

 

「「キングクリムゾン!」」

 

エギルまで言いやがった…。

 

 

 

「まぁ、こんな感じだ」

 

「意外と簡単なんだな。俺としてはフルーツ味のものを作ってみたいんだが…」

 

やはり様々な味を楽しめるものの方がいいからな。

エギルは少しばかり思案したようだが、俺の方を向いてこう言った。

 

「分かった、材料は俺が用意しておいてやる。前日の夜にまたここに来な、その時に作ればいいさ」

 

「おう、任せた。材料費はその時にでも…」

 

とりあえず今日のところは帰ることにした。明日奈にはバレないようにしないとなぁ…。

 

 

 

13日、学校の授業を終えた放課後。

明日奈にバレることもなく、2人で下校していた。

今日は2人で電車で登校したので、そのまま明日奈を自宅まで送ることになった。

彼女の自宅前に着いた俺達、そこで明日奈が聞いてきた。

 

「ねぇ、和人くん。今日のALOはどこに行こっか?」

 

「ごめん、明日奈。俺、今日は入るの遅くなる」

 

「何か用事があるの?」

 

「ああ、少し出掛けるつもりなんだ」

 

俺の返事を聞いた明日奈はしょんぼりとしてしまった、なんとかしないとなぁ。

よし、こういう時は…。

 

「(ぎゅっ)大丈夫だよ、明日奈…」

 

「か、和人くん…///?」

 

「キミを不安にさせるようなことじゃないから、な?」

 

俺は彼女を抱き締めながら耳元でそう囁いた。

顔を紅く染めながら頷き、瞳を期待に潤ませている。

まったく、この娘は俺を狂わせてくれるよ…。

辺りに人が居ないことを視線と気配感知で確認すると、明日奈に抱き締めながらキスをした。

あまり長くはせず、唇を触れ合わせるだけにする。

唇を離すと少々不満そうな明日奈に俺は苦笑しながら彼女の髪にキスした。

それを見た明日奈はさらに顔を紅くしている。

 

「また、な…。遅くなるけど入れはするから」

 

「はい、ホームで待ってます//////♪」

 

彼女から離れて俺は帰宅の途についた。

少し振り返ってみると明日奈は満面の笑顔で手を振っている。

それに軽く手を振りながら応えておいた。

 

 

 

夜、夕飯を食べ終えた俺はスグに出掛ける旨を伝えてからバイクで『Dicey Cafe』に向かった。

店に着いて中に入るとそこには酒目当てにやってきている客がそれなりにいた、夜は夜で繁盛しているみたいだな。

客の何人かはこの場に似合わない俺に訝しげな視線を送っていたが、エギルが俺に気付き声を掛けてきた。

 

「キリト、キッチンを使って構わない。分からないところがあったらかみさんに聞いてくれ」

 

「分かった、すまないな」

 

俺は促されたようにキッチンへと入った。

エギルの奥さんに挨拶し、お菓子を作る作業に取りかかった。

それではお馴染みの…、

 

「(ぼそっ)キングクリムゾン」

 

この一言。さすがに客が近くにいるなかで大声は上げない。

 

 

 

よし、キャンディもクッキーも完成した……って、もう深夜の12時前か。

俺は予め購入しておいた袋とリボンを使い、ラッピングしておいた。

 

「お、完成したか」

 

「遅くまですまなかったな」

 

「なぁに、無事に出来たのならなによりだ」

 

「ホントにありがとな。それじゃ、また」

 

俺はエギルに礼を告げてから、明日奈達に渡すお菓子をしまい、自宅へと帰った。

ALOにログインしたらみんなに何をしていたのか聞かれたが、そこは威圧でちょちょいと脅しをかけておいた。

ちなみにアスナなら会えなかった分の埋め合わせと言って、ユイと共に俺にしがみついていたよ。

そのあとはクエストを受けたりして、いつも通りの時間を過ごした。

 

 

 

 

そして今日、3月14日、ホワイトデーだ。

学校の準備を終えた俺は部屋から出てリビングに下りた。

朝食を用意していたスグを見かけ、声を掛ける。

 

「おはよう、スグ」

 

「おはよ、お兄ちゃん」

 

「ほら、バレンタインのお返し。クッキーだ」

 

「わぁ、ありがとう」

 

早速クッキーを渡しておく。最近は料理にもそれなりに手を出すようになったからな、味は保証済みである。

まだ寝ているはずの母さんの分はテーブルに紙と一緒に置いておこう。

朝食を取った俺とスグはそれぞれ学校へと向かった。

 

 

 

元々今日は明日奈とは別々で登校することにしていた。

俺は志郎達と、明日奈は里香達という感じだ。

なので俺と彼女が会うのは昼休みの昼食の時である。

そして午前中の授業が全て終わり、いつものように中庭へと向かった。

いつものベンチで待っていると、5分程で明日奈がやってきた。

 

「ごめんね、和人くん。待った?」

 

「勿論、明日奈を待っていたよ」

 

「も、もぅ…///」

 

彼女の「待った?」の意味をワザと違う意味で返すと照れた様子と嬉しそうな様子を見せた、ホントに可愛いなぁ。

明日奈はその様子を見せたまま、弁当箱を2つ取り出した。

大き目の物と小さ目の物だ。

 

「はい、和人くん♪」

 

「いつもありがと、明日奈」

 

受け取った弁当箱を開けておかずを確認、ハンバーグやコロッケ、サラダなどなどの洋食系のおかずだった。

俺達はしっかりと味わいながら昼食を取った、これを味わおうとしないなんて勿体無いからな。

 

 

 

「「ごちそうさまでした」」

 

食べ終えた俺達。うん、本当に美味かった!

そして明日奈が持ってきていた紅茶を飲み休憩していたところで、

俺はポケットの中に入れていたラッピングしている袋を取り出した。

 

「明日奈、バレンタインの時のお返しだ」

 

「ぇ…あ!? 今日、ホワイトデーだったね///」

 

本日の日付で思い至った明日奈。俺が袋を手渡すると本当に嬉しそうにしている。

作った甲斐があるというものだ。

 

「キャンディなんだね///」

 

「ああ、意味は……知ってるか」

 

「うん……『あなたが大好きです』、だよね///」

 

満面の笑顔で俺に微笑みかけてくれる明日奈。

毎回思うが、この笑顔が俺の前だけで出してくれるのが凄く嬉しい。

ユイの前でもさすがにこれほどのぽややん顔は出さないからな…。

 

「あ、あのね…お願いしても、いいかなぁ///?」

 

「ん、どうぞ」

 

もじもじと上目遣いのままで俺に訊ねてくる明日奈、断るなんてありえない。

 

「バ、バレンタインの時の……アレ(・・・)、やってくれないかなぁ//////?」

 

「アレって……あぁ…。構わないけど、ここじゃあなぁ…」

 

「こ、木陰に行こ//////」

 

彼女のお願いが一瞬分からなかったが、バレンタインの時ということで思い至り、明日奈に連れられて木陰へと移動した。

ここは他の場所から見えることがない死角となっているので、まぁ大丈夫だろう…気配も感じられるしな。

明日奈は袋のリボンを解いてから、中に入っていたフルーツキャンディを1つ取り出して口に含んだ。

そして…、

 

「んむ、んっ……んちゅ…/////////」

 

「んぅ…ちゅ、ん…」

 

俺にキスをしてきた。キャンディが俺の口の中に移り、少し味わってから明日奈の口の中へと返す。

チョコの時にも思ったが、これは中々に刺激があるな。

ちなみに味はオレンジだった。

キャンディが無くなるまでの間、2人でオレンジ味のキスを堪能した。

 

「ん、ふぅ…」

 

「ん、ふぁ…//////」

 

「明日奈……これは、学校ではやめよう…」

 

「う、うん…そうだね//////」

 

唇を離してからそう話す。これは自制が効かなくなりそうだ、学校ではやるのをやめておこう。

 

「昨日はコレを作ってたんだね///」

 

「エギルから教わってな。それで、美味しかったか?」

 

「すっっっごく、美味しかったよ///!」

 

「なら良かった」

 

この笑顔がなによりの証拠である。折角だからまた作ってみようかな、料理も中々面白いし。

 

「和人くん、放課後に……さっきの続き、しようね///♪」

 

「はは……勿論、喜んで」

 

さて、これで放課後がより一層楽しみになったな。

残りのお返しは3倍にするつもりだけど…(ニヤリ)。

放課後がどうなったかは、皆さんのご想像にお任せします(黒笑)

 

和人Side Out

 

 

 

END

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

前書きと同じように短く、いまいちだったかもしれませんが、楽しんで頂けたのなら幸いです。

まぁ、結局のところ甘いんですけどねw

最近は番外編がスランプ気味なんですよね~・・・結構難しく思いますよ。

 

ではこの辺にて・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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