早朝、モノレールを降りた弾はそわそわしていた。
ヤッベ~~~~~~~、マジで緊張してきた。虚さんがいるIS学園に来たはいいけど当日になってから緊張するわ!こいうときは手に人の字人の字。
そう思い弾は手のひらに「人」を書いているつもりだが「入」を書いていた。どんだけ緊張してんだよ。
弾はギクシャクしながらIS学園の校門の方に向かっていく。
「えっと・・・・・・確か待ち合わせに俺のよく知っている人が校門入ってすぐのところにいるって話だけど・・・・・・」
弾はIS学園校門前の関所で証明カードを係員に見せ入ると近くに人影を見つけた。
「あの人かな?」
弾は駆け寄ってゆく。
日曜の虚の寮部屋。部屋で虚は椅子に座り考え込んでいた。
五反田君の携帯番号とメアド交換、結構緊張しちゃったな。それに・・・・・
虚は弾のことを頭に思い浮かべると自然と顔が赤くなり、熱くなった。
「ど、どうしちゃったんだろう・・・・・・・・」
今までに感じた事の無い感情に虚はさらに赤くなった。
そんなことを考えていると虚の部屋の扉をコンコンとノック音が響く。
「虚、わたし。」
「今開けます、お嬢様。」
虚は椅子から立ち上がり、扉を開けた。
「どうかなさいましたか?」
「用務員のおじさんが腰を痛めたのは知っているわね。」
「はい。しばらく復帰が難しいと聞いていますが・・・・・」
「その用務員の代行が明日の朝校門を通ったところで待つようになっているからあなたが迎えに行って。そんでもって用務員の仕事とか掛かれたこの薄い書類渡すのと用務員室まで案内してあげて。」
「わたしがですか?」
「そうよ。大丈夫、あなたのよく知っている人だから。」
「わたしのよく知っている人?」
「うん!だから迎えに行ってあげて。」
「わかりました。」
「それじゃあこの時間に来る予定だから。」
そう言って楯無は虚に代理人が来る予定の来る時刻の書かれた紙を渡す。
「それじゃあよろしくね。」
「はい、わかりました。」
そして当日、虚は早めの時間に起き、着替えて朝食を取ると、楯無から渡された封筒を片手に持ち校門の方に向かった。
お嬢様が言っていたよく知っている人物って誰だろう?まさか五反田君!!・・・・・・・・なわけないか。でももしそうだったら・・・・・・・
虚はまたしても顔が赤くなった。
「そうだと、いいなぁ・・・・・」
そう呟いて虚は校門の前に向かっていると人影が見えた。
「もしかしてあの人かしら?」
虚は駆け寄ってゆく。
「「え!?」」
二人ともばったり会った瞬間驚きの声を上げた。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
しばらくの沈黙、二人は声が出なかった。
「「あの!」」
「そ、そちらから先にどうぞ!」
「い、いえ、そちらから!」
「・・・・・・えっと・・・・どうしてここに?」
「よ、用務員代行の人を迎えに・・・・・」
「え!」
「ご、五反田君は?」
「そ、その用務員代行です。」
「え!」
「な、なんていうか・・・・・・」
「すごいことになったわね・・・・・・」
「・・・・・・・そ、そろそろ行きますか?」
「そ、そうね。」
弾と虚は用務員室へ向かおうと並んで歩く。
「ね、ねぇ・・・・・聞いてもいい?」
「な、なんですか?」
「どうしてここで働いてみようと思ったの?」
「お、俺的には前に働いてみたいと持ってました。と言ってもここがどういうところかよく知らなかった頃ですけど。」
「じゃあ今は?」
「一夏のおかげで大体のあいつの事情は知ってます。ここの生徒は男の一夏がまるでウーパールーパーみたいだって言ってましたし。」
「ふふふ、織斑君らしいわね。」
「確かに一夏のヤツってなんていうか・・・・・」
「ジジくさい。」
「そう、それです。」
「でも織斑君、結構この学校では強いよ。」
「鈴のやつから聞いてますけど戦っているところは一度も見たことないです。」
「『キャノンボール・ファースト』のは見てないの?」
「そん時ちょっと用事があったんで。」
「そうなんだ。」
そんなことをしているうちに用務員室に到着した。
「は、これ用務員の仕事のリストね。」
「ありがとうございます。」
「それじゃあ頑張ってね。」
「はい。」
虚は手を振って弾と分かれた。
「・・・・・・・・俺、あんなにあの人と話したの初めてだ・・・・・・」
弾は小さくガッツポーズをした。
「だ、弾君とあんなにお話できた・・・・・っ!」
虚は顔がまたしても赤くなった。
そして弾のことを思うと
キュン
胸が苦しくなる思い。虚は感じたことの無い感情がさらに強くなった。
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モノレールを降りた弾はIS学園へと向かうがそこで思いもよらぬ人物に出会うことに。