真・恋姫無双 二次創作小説 明命√
『 舞い踊る季節の中で 』 -群雄割拠編-
第百参拾参話 〜 梅桜桃の季節はまだなれど、舞う華は此処にあり 〜
(はじめに)
キャラ崩壊や、セリフ間違いや、設定の違い、誤字脱字があると思いますが、温かい目で読んで下さると助
かります。
この話の一刀はチート性能です。 オリキャラがあります。 どうぞよろしくお願いします。
北郷一刀:
姓 :北郷 名 :一刀 字 :なし 真名:なし(敢えて言うなら"一刀")
武器:鉄扇(二つの鉄扇には、それぞれ"虚空"、"無風"と書かれている) & 普通の扇
:鋼線(特殊繊維製)と対刃手袋(ただし曹魏との防衛戦で予備の糸を僅かに残して破損)
習得技術:家事全般、舞踊(裏舞踊含む)、意匠を凝らした服の制作、天使の微笑み(本人は無自覚)
気配り(乙女心以外)、超鈍感(乙女心に対してのみ)、食医、初級医術
神の手のマッサージ(若い女性は危険です)、メイクアップアーティスト並みの化粧技術、
(今後順次公開)
【最近の悩み】
結局、誕生日プレゼントの件は、天の世界の風習の一つとして収めるつもりだとか。
俺の軽率の行動が生んだ結果だから仕方ないとは思うんだが。
『隊長なんて事を広めてくれたんですかっ!』
『俺達の小遣いなんて、たかが知れているんですよ』
当然の事ながら、そう言う風習は天への憧れと共に広がるのが早いと共に、問題も発生してしまう。
『いやっ、別に金を駆ける必要はないって、手作りの小物程度で良いわけで』
『それは隊長が何でも出来るから言えるんですよ』
『隊長。 言っておきますが、隊長の所はまだいいかもしれないでしょうけど、女と言う生き物はそれで満足する訳がないんです。
みっともない手作りの物でも嬉しそうに受け取りながら、しっかりと自分の欲しいきちんとした物を要求してくる生き物なんです』
一部の恋人や妻帯者がいる部下の男性諸君から、苦情や皺寄せが俺に来るのはある意味当然の結果と言える。
事実、天の世界と言うか俺の居た世界でも、大なり小なり似たような現象は起きているし、大抵の場合男が搾取される側だったりするのはどの世界でも似たようなものなのかもしれないな。
実際、前回のシャオ達の言葉はともかくとして、女ってそう言う所はちゃっかりしているというか、生活感が強いと言うか……まぁそう言うもんなんだろうな。 実際二人にしたって……。
『一刀君、別に無理をする必要はないですからね♪』
と翡翠の楽しげな瞳は、他の人との差はもちろん見せてくれるんですよね?と確かに物語っていたし。
明命は明命で……。
『私は別に一刀さんが一緒にいてくだされば十分幸せです』
そう心から言ってくれているのは確かなんだけど、間違いなく彼方此方連れ回す気が満々なんだよね。 たぶん、お猫様ツアーをほぼ丸一日。
うん良いよ良いよ。それくらいで二人が笑ってくれるなら幾らでも構わない。むしろ二人のために何かしてやれるという実感がある分、俺としては嬉しい上に分かりやすい分、楽だしね。
そう言う訳で、俺は当初の予定通り暇を見つけては二人に贈るための根付を彫る練習している訳だけど。
「其処は彫る数を増やすより、むしろ減らした方が、優しい感じに仕上がりますよ」
「ああ、なるほどね。 纏まりとして捉えると言う訳か」
「流石一刀さん。呑み込みが早いですね」
「先生が優秀だからね。 それにしても七乃がこんなに彫刻が巧いとは思わなかった。
美羽の彫刻なんて本当に生き生きしているし、今にも動き出しそうだよ」
「ふふふ〜ん♪ それは、あ・い・♪ お嬢様に掛ける愛情の成せる業なんですよ♪
それにしても天の世界は本当に変わってますね。"でふぉるめ"でしたっけ? こういう可愛さを表現する方法があるとは思いもしませんでした。 今度、お嬢様で作ってみましょう♪」
七乃の嬉しそうにさっそくデフォルメ化した美羽を彫る傍ら、俺に彫刻の指導をしてくれる七乃の姿は、なんというか……。彼女が一番ちゃっかりしているように感じたのは俺の気のせいなのか?
愛紗(関羽)視点:
「いまだ一気に駆け上れっ!」
鈴々達三人による門への同時攻撃により、敵兵力があちらに集中する今を狙って兵士達に命令を飛ばす。
向かってくる矢を切り払い。飛んでくる岩を打ち払い。
そうして、また仲間の命を私の命令によって打ち払われる。
梯子から転げ落ちてくる仲間の亡骸に、今日だけで何度目だろう歯噛みをする。
蟀谷まで痛むほどの強く噛もうとも結果は同じ。ただ悔しさが零れ落ちいる。
くっ、まだ駄目か。
だが、今は一本でも多くの矢を……。
一つでも多くの岩を……。
少しでも相手の気力を奪う時。
なにより、多くの情報を奪い取る時。
「予定通り一度下がって公孫隊と交代するぞ」
言葉通り予定通り……。
多くの仲間の命を引き替えとする強行偵察。
朱里達が打ち出した策は、今までとは真逆ともいえる策。
例えそれが一時的な事で、真の策の布石でしかないと分かってはいても、悔しくない訳がない。
綺麗ごとを言うならば、仲間の命をそんなふうに扱ってはならない。
誰かを犠牲にしてより大きな成果を上げるのは、仕方ない事だと私でさえそう心を痛めるのだ。
あの気の弱い朱里や雛里の心情は計り知れないだろう。
それでも、二人はそれを打ち出したのだ。
それが一番被害を少なく、尚且勝てる方法だと。
危険で綱渡りのような策で、失敗したり見破られれば後が無くなると言う危険な手段。
それでも二人は、決戦前日の会議の場で我等に策の全容を…、これしかないと皆を説得した。
『紫苑さんと桔梗さんのお話でも、守将となるであろう張任さんは武の腕はもちろんですが、忠義に厚く冷静で真面目な上、徹底した現実主義者との事です』
『判断や対応も早く。そう言う方ですので挑発や誘いに乗る事はまずないでしょう』
『つまり愛紗を冷静にしたような相手と言う訳か』
『どういう意味だっ。 まったく。星の戯言は捨て置いて、とにかく厄介な相手と言う事だな』
『はい。ですが冷静沈着で正道だからこそ、この策が有効になるんです』
『紫苑さんや桔梗さんの御話からでも、張任さんには皆さんと同等と言えるほど優秀な方ではあるのものの、皆さん程の経験が無く。 そ、その…言い難いのですが、思考の柔軟性が、その乏しいとまでは言いませんが…その…あわわ……』
『つまり何処かの誰かさんのような頭の固い融通の利かない性格って言う訳。だから其処をつくの』
雛里が言い難そうにしている言葉を、詠が代わりに誰にでも分かりやすい言葉で説明してくれるが、そこへ再びくだらぬ言葉で場を濁そうとした星を、肘打ちして止めようとし他のだが、案の定あっさり受け止められ。
『おや、私はまだ何も口を開いておらぬと言うのに。くっくっくっ、どうやらお主にはその覚えがあると言うわけか』
と、からかうように面白げな顔で言ってくる。……が、私にだけ聞こえる様に言った事に免じてそれ以上追及する事を止める。
立場が逆ならば、私が嵌められる策と成り得ると。星の言いたい事はそう言う事だろう。
だが、私と張任では決定的に違う所がある。
雛里も言った事だが、数多くの戦場での経験であり、非常識が常識としてまかり通る事を経験してきた。
なにより、世の中信じられない策を打ち出し、実行してみせる者がいると言う事を知っている事。
『手堅く、定石しか知らないような相手にしか通用しない策で、前回以上に神経を使う事になるでしょうが、上手く行けば、半月も待たずして決着を付ける事が出来ます』
………出来ます。…か。
朱里の言葉の変化に。心の成長に私は嬉しく、そして頼もしく思う。
どちらにしろ、この戦に負ければ後が無い以上、強気に出ねば勝つ事など叶わぬ。
そう心して臨んだ戦。苦しい戦など何時もの事ではあるが、今回は今まで以上に要求も状況も厳しいと言うのに、目を後退すべく後続にいる部隊に向ければ、何故か兵達が棒立ちしているのが目に映る。
予定通り我等の部隊と交代するために前進し来たため、既にそこは敵の弓隊の射程距離だと言うのにも拘らず、部隊そのものが足を止め、無防備に呆けたように空を見つめている。
敵部隊の恰好の的となり、次々と仲間達がやられているというのにも拘らず。
「何をしているっ白蓮っ!」
怒声とも言える我が呼び声に……。
部隊に後退の指示を与えながら、白蓮の部隊へと駆ける私の姿に……。
何の反応を示す事無く。ただ時が止まったかのように呆然とたたずむ。
まさか前回の戦での怪我が開いたと言う事ではあるまい。白い鎧の下に着た赤い服は怪我を目立たぬようにするための物とはいえ、もしそうならば白蓮ならば気力で押し切るはず。なにより部隊全体がと言う事はあり得ない。
だから原因は他に何かあるはず。そう思い、白蓮達が見上げている空を見るが……、生憎と此処では嫌となるほど背の高い防壁が邪魔で、此処から何かが見えると言う事は無い。
つまり白蓮達の位置からは見える何かが其処にあると言う事。白蓮だけではなく、防壁から離れた部隊全体に影響を与えるほどの何かが其処に……。
「あれは……確か何時ぞや、私をつまらぬ噂を吹き込んでくれた」
呆然とする幾つもの部隊の中に在って、防壁へと静かに移動する少人数の一団の先頭に立つ人影に、私は小さくそう口遊む。
本陣から飛び出した伝令達に時を合わせたのだろうが、鍛え抜いた私の眼は誤魔化せはしない。
確か朱然とか言う名の娘で、北郷殿の直属の部隊の副隊長の姿を。
後で思えば、星ではないが武人としての勘が、彼女達の動きを見逃せなかったのだろう。
あのような手段とは言え、己が職務を果たすために相手の性格を見抜いて動く事の出来る彼女が、このような場面で動くならば、其処には何らかの意図なり目的が存在するはずと。
ただ、脳裏にあの者の顔が浮かぶ。
あの呑気な笑顔を……。
温かな日差しのような笑顔を……。
つまりは、そう言う事なのだろう。
いつの間にか姿を消した北郷殿が起こしたであろう何かの策の結果、我等が軍は無防備に敵の攻撃を受ける事態に陥っていると。
前回までの戦の時のように、裏で何かを押さえているためかと思いもしたが、それもこの戦で我等に黙って何かを仕掛ける為の前振りだったのだろう。
ぎりりっ!
奥歯が鳴り響く音が脳髄へと響き渡る。
此処まで共に戦ってきた仲間が……。
命懸けで我等の仲間へ引き込んだ者達が……。
無駄に命を落として行く。
朱里達が必死に考え抜いた策を台無しにして行く。
皆が命を賭けて必死に超えようとしている道を……
夢を……。我等を信じてついて来た民の希望を……。
「俺は天の御遣い北郷一刀。
この地に住みし者達よ。下がるがいい。
そして受け入れるがいい。君達の新たな王を」
問答無用に突き崩す。
「や、…やられた」
防壁の上から……、まるで天から聞こえるかのような聞き覚えのある声に……。
いつもの呑気さなど欠片も感じさせない所か、身体どころか魂にまで響くような声に……。
………それでも、分かる事がある。
決して北郷殿は我等を裏切った訳では無いと。
防壁の上の方から落下してきた
北郷殿ならば敵対する時は正々堂々と敵対する相手だと信じられるのだと。
だから駆ける。
己が考えを立証するために。
我らの夢はこんな処で途絶えたりはしないと……。
多くの仲間達が無駄死にしたわけではないと……。
………いい訳だな。
もう私は気がついているはずだ。
そんなものは本心ではあっても真実ではないと。
其処まで私は強い人間ではないと。
信じた人間が、信じたようであってほしいと思い込もうとしている弱い人間なのだと。
それが始まり。
人は簡単には変われない。
でも変わる事は出来るはず。
必死にならねば進む事すらできない道だろう。
でも少しずつ……。
たとえ一歩づつでも……。
己が弱さを認める事が出来たならば、進めるはず。
私の弱さの中に在る想いも、言い訳染みた想いも、共に抱えたまま歩んで見せよう。
切り捨てるのでもなく。
目を背けるのでもなく。
もう、私は一人ではないのだから歩んでみせれる。
「我が想いは皆と共にありっ! 皆の想いは我と共にっ!」
敢えて口に出して見せるのは、弱い私の心を奮い立たせる為であろうとも構わない。
それが私の想いを真実にするための
こんな事を星辺りに知られたら、少女染みた馬鹿な考えだと腹を抱えて笑われるだろうが、私だって女だ、呪いの一つや二つを持ってたって構わないだろう。
そこへ思考を切り裂くように、重い風切り音が空を割いて行く。
空気を震わすほどの桔梗の轟天砲が放つ轟音に紛れさせて………。
しゅっしゅっしゅっしゅっ!
しゅっしゅっしゅっしゅっ!
音からして弓矢などでは無く重い何か……おそらく投擲槍。しかも重投擲槍。
盾ごと相手を粉砕するその槍であろうとも、攻城戦では無意味とまでは言わないが効果が、殆どない武器でしかない。
だが、それを成して見せたのは北郷殿の隊の中でも力自慢の連中。
硬い岩を積み上げて築かれた防壁であろうとも、岩と岩の隙間が狙えるならば、その矛先をめり込ませてゆく事も可能。 そして私が向かっている先にいる北郷殿の隊の兵士達は小柄ではあるもの、それなりに腕利き者達。
そう言う事かっ。 瞬時に彼女達の成さんとしようとしている事に気がつき、更に足に力を込めて行く。
あの程度の人数を防壁の上に上げたとて、出来る事はたかが知れていよう。
だがどういう手段を使ったかは知らないが、今防壁の上にいるであろう相手はあの北郷殿ならば、その程度のある訳がない。
我等を謀り、我等に犠牲を強いようとも、それをするだけのモノがあるのだと。
現に二度、桔梗の轟天砲が連続して撃ちだされた。予備策の一つとして教えられていた彼女の秘策が、そうなのだと教えてくれる。
「身体が軽い」
不思議と力が沸き上がってくる。
翠との戦いとはまた別の力が……。
躰の奥が熱くなるような力が……。
これならばっ。
「うぉぉぉぉぉーーーーーっ!」
心と身体の赴くままに地を蹴る。
途中、防壁の足元で追いついた北郷殿の隊の兵士。確か朱然とか言う少女の頭を踏み台に気がした気がするが、この際気にしない。 つい、いつも以上に足元を力を込めたとしても、私は気にしない事にした。
そして、防壁の岩の隙間に食い込んだ重投擲槍を足場に駆け上がり切ろうとしたとき聞こえてくる。
「明命っ!朱然っ!」
信じきった声で……。
敵の真っただ中であろうとも、必ず来てくれると信頼した声で……。
なにより、その信頼に応えたくなる声で……。
私ではない別の誰かに向けて……。
むかっ。
何故か突然と沸き上がる不快感に、先程まで湧いていた力が、別の何かに染め上げられていく感じがする。
それでも、先程踏み台にした少女の代わりに防壁の上へと駆け上がった先で私が見たのは、狭い防壁の上で、数百数千もの敵兵を目前にして毅然と佇む北郷殿の姿。
其処にはいつものような平凡な雰囲気など欠片も無く。
代わりに纏うのは私のような闘気でもなく。
曹操や孫策が見せたような覇気でもなく。
ましてや桃香様や董卓へと戻った月殿のような王気でもなく。
見る者の身に刻み込むような圧倒的な存在感をほこる何かを纏い、悠然と笑みさえをも浮かべている姿に。
【天の御遣い】
自然と心に浮かぶ言葉に理解する。
この戦がもう我等の手中に無い事を……。
最早決着がついたも同然だと言う事を……。
なにより彼は我等を利用し……、我等に彼を利用させたのだと。
それが何を意味しての事なのかは理解できぬも、ただ武人としての勘と経験がそうだと教えてくれる。
ぎりりっ。
奥歯が鳴らす音に、私は無理矢理自分を冷静に戻す。
少なくとも今はそうしなければならない時。今こうしている間も多くの将兵がこの戦に決着を付けるために血を流し続けているのだから。
「やってくれましたな。北郷殿っ!」
「へっ?」
「後でじっくりと話を聞かせてもらいます」
予想外の展開に一瞬何時もの様な間抜けな顔に戻る彼の姿に、此方の方が彼らしいと場違いな事を想いつつその表情に黙って背を向ける。
もはやこの戦、我等の手中に無いとは言え、我等が前に立たねばならない。
この国が我等のものにするためとかではなく。戦をする者として我等が将が前に立たねばならない。
彼がしたい事は分かる。最早それに乗るしか我等には道が無い事も。
それでも、この国を守り、そして民と共に率いるのは我等【人】でなければいけないのだ。
ああ、だからなのだろう。
私は今、【人】と【天の御遣い】を別物と考えた。
だからこそ彼は【人】でいようとしているのだと。
普段の彼の姿は素でありながら、そうであるようにしている姿のだと。
【人】であらざるものだからこそ、【人】に憧れ、それを守ろうとする。
私が【人】でありながら【軍神】に憧れ、そう成らん精進する様に。
その彼が【人】ではなく【天の御遣い】として此処に立つ。
其処にどれだけの想いがあるのか私では窺え知る事のできない事なのだろう。
だがそれでも判る事がある。
「一刀さんは下がっていてください」
「隊長、偶には良い所を観てくださいよ」
周泰殿達の言葉と行動で十分過ぎるほど理解できる。
狭い防壁の上で数を活かしにくいとはいえ、圧倒的に不利な状況にこうして飛び込んできた彼女達。
幾ら策があり、考えがあるからと言って、それを実行できるかどうかは別の問題。
それだけの想いが彼にあるのだと。
そうさせるだけの想いが彼女達にあるのだと。
ここで死なせる訳にはいかないのだと。
ならば応えるのみ。過程や道理はどうあれ、彼等は我等に力を貸しているのだ。
「我が名は関羽、劉備が一の家臣にて民の青龍刀。零落せし政に苦しむ弱き民を守るため、此処に天の御遣いと共に舞い降りん!」
矛に掛けし誓いと使命が我が手に。
我等を信じ、此処まで付いて来た民がいる。
此処に辿り着くために逝った者達の魂に報いるため。
そして自らを囮にした彼等に、これ以上無理をさせないために。
「来るが良い!」
梅華(張任)視点:
「押せ押せ押せっ! 守りを突破し天を詐称する極悪人を断罪するのだっ!」
張り上げる声に焦りが含まれてしまうのを押さえられない。
相手は十名そこそこでしかないと言うのに、狭い足場が災いして押し込めきれない。
状況はもはや最悪としか言いようがない。
頑強を誇る門は裏切り者の手により今や崩れ落ち。
雪崩れ込んで来ようとする敵軍を、門の狭さを利用して抑えてはいるものの、それもいつまで持つか怪しい。
あれだけ一致団結した兵士達の心は、あの男のもたらした【天】への畏怖と尊厳のため浮つき、ただ命令の声に反応して対応しているに過ぎない。
だが、それもあの男さえ罪人として断罪してしまえば流れは取り戻せ無い事も無い。
だというのにっ!
ぎぎんっ!
きんっ!
「くっ」
「ふんっ!」
青龍刀をもつ黒髪の女にまた前を塞がれる。
その脇を抜けようとする兵士達を、もう一人の黒髪の少女が打ち倒して行く。
敵の後方から向って行く味方も、あの男を守るように他の敵兵達が近寄らせない。
しかも……。
ひゅん!
「ちっ」
下からすくい上がるように迫りくる矛先に、私は体勢を強引に戻して後ろへと飛び退く。
悔しいが関羽と名乗った女の腕は私よりやや上。
しかも余裕のつもりか、今だ誰一人殺していない。
それが策の一つなのは理解しているが腹正しい事には違いない。
あの男の引き込まれそうな戦いもそうだが、今だ誰一人味方が死んでいない事で兵士達に困惑が生まれ、殺されないかもと言う甘い考えに加え、【天】への畏怖もあって動きが硬く隙だらけ。そんな事では幾ら多勢に無勢とはいえ、これ程の剛の者達を抜ける事も難しい。
それでもこの危機を乗り越えるためには、彼女達を打ち倒してあの男の頚を討ち取る必要がある。
ぶぉんっ!
がぎんっ!
「どうしたっ! その程度では我が青龍刀は折れぬぞ」
「だまれっ! この賊風情がっ!」
繰り出される敵の槍を、鞘で打ち払いながら剣で突く。
我が剣を叩き折らんばかりに振り下ろされる槍を、逆に鞘でその矛の腹を叩きつけながら剣を横に払う。
兵達と共にずらした攻撃も兵達を楯にされた上に、気絶した兵士を此方へと投げ付けると言う乱暴さで此方の姿勢を崩す。
しゅっ!
ぢんっ!
お、重いっ!
姿勢が不完全な事もあるが、何よりもその槍が重く感じる。
咄嗟に剣と鞘の両方で受けたから良いものの、片方だけならば押し折られていたかもしれない。そう思えるほど重く感じた一撃に片膝を硬い石床へとついてしまう。
「はぁはぁはぁ…」
「よく今のを受け止めた張任。流石は紫苑達が言うだけの事はあるな」
「あの汚らわしい裏切り者達の名を、我が前に出すなっ!」
裂帛の気合いと共に関羽の槍を受け止めていた剣と鞘の腹をそのまま槍に滑らせながら間合いを詰め、膝を蹴りつけるも、あっさりと関羽は片手で受け止めながら、先程とは逆に此方の間合いから飛び退くその顔は僅かに驚きの目を見せるも、すぐにまだまだ余裕だと言わんばかりに不敵に笑って見せる。
「今の姿勢からまさか押し返されるとはな。世の中は本当に広い」
「我が剣は劉璋様より授かった聖剣。故に賊如きがもつ槍に屈する事などは無いっ!」
そう桜華様を守るための剣。
あの方の見る未来を切り開く剣。
だからこのような所で、折られるわけにはいけないっ!
「ならばその剣、我が剛檄で折って見せよう。我等が民のためになっ。
……と言いたいところだが、良いのか? 貴公ほどの者が何時までも此処に居て?」
そう言って関羽が顎で指した先に見えるのは…。
「どけいっ!小娘どもっ!」
どんっどんっどんっどんっどんっ!!
裏切り者の一人が持つ轟天砲の放った鉄杭の矢に、門を死守する兵士達が吹き飛ぶ姿。
すでに"氣"が尽き欠けているのであろう。轟天砲に"氣"を吸われ、身体がふらつく厳顔の横を再び幾人もの将と共に雪崩れ込むように兵士達が門の中へと押し込もうと流れ込む姿。
……くっ。
「お前達……頼む」
唇の端を咬み千切るようにして、小さく放つ言葉を周りの兵士達は聞き洩らさず聞いてくれる。
その意味と想いを……。
「将軍は劉璋様の下へ」
「此処は我等に」
「時間ぐらい稼いで見せますよ」
恐怖を抑え込むように無理に浮かべた笑みでそう言ってくれる者達に、私は首を垂れることも礼の言葉を言う時間も惜しんで地を蹴り、防壁の内へと階段も使わずに一気に飛び降りる。
そうしなければならない程までに時間が惜しい。
劉璋様を……桜花様を守るためには、敵に背を向ける事も厭わない。
私の背に……、防壁の上から、あいつ等の決死の掛け声が聞こえてくる。
それでも飛び降りた屋根の上を更に駆けてゆく。
一路、城へと。
「桜花様。今、行きます」
桔梗(厳顔)視点:
「…はぁ…はぁ……はぁ……」
自分の呼吸がまるで他人のもののように聞こえてくる。
時折視界がぼやけるも、そんな事など構わず足を進める。
我ながら無茶をし過ぎだという自覚はある。
普段、焔耶に無茶をし過ぎるでないと言っておいて、今のワシの方がよっぽど無茶をしているというのだから、これからはそうそうアヤツを怒れぬな……。
「どけいっ!」
ごすっ
踏み込みと共に横に振るう轟天砲の一撃に吹き飛ぶ数人の兵士。
その勢いに続くように、味方の兵士が敵の兵士達を駆逐して行く。
ちっ、また躱しきれなんだか。
掠り傷と言ってもいいだろう。
それでも、もう雑兵共の攻撃を躱しきれなくなって何度目だろう。
躱しきれなんだ攻撃で服のあちこちは小さく切り裂かれ、最早ぼろぼろ。
受けきれないと判断した槍や剣を受けきるために、更に相手へと踏み込む事で打撲へと抑えた攻撃も十や二十では無い。
息は乱れ、目の焦点も定まりきらず、結い上げた髪はみっともなく解れている。
その上、服の下から染み出した己が血で戦装束を穢すなどと、戦人にとっては恥ずべき状態。
……だが、それでも成すべき事を成せぬ事に比べたら小事に過ぎん。
「………今、行きますぞ。劉璋様」
誰でもない私が行かねばならない。
他の誰よりも早く行かねば意味が無く、成すべき事も成せぬ。
こればかりは小娘達はおろか、たとえ紫苑にも譲れぬ。これはワシが成さねばならないケジメ。
そう己が成すべき事をもう一度決意し、固い石板を引き詰めた回廊を気力でもって駆けぬける。
もはや落ちかけた城とは言え、抵抗が無い訳では無い。劉璋様を守らんとする者達が必死に抵抗をする。
それが嬉しくもあり、悔しくて仕方がない……。
「命が惜しいものはワシの前に立つではないっ!」
せめて近寄らせまいと、気迫でもって押し退ける。
今のワシでは手加減などできはしない。
これ以上、無駄に血を流させるなっ、……と。
それでも、彼等はワシの前に立ち塞がってくる。
精も根も尽き果てかけている今のワシにすら叶う訳ないと理解してなお、震える手脚で儂の前に立ってくる。
「………馬鹿者が」
口にした言葉は誰の事なのか。その答えは一番ワシが分かっている。
それでも、そう口にせずにはいられん。
此処で足を止める訳にもな………。
「………はぁ……はぁはぁ……げほっ……」
必死に呼吸を整えながら駆け抜けて行く先で聞こえてくる。
遭いたかった者の声が……。慈愛に溢れ、民の事を何時も思っていたあの方の声が……。
「ふぇ、梅華ちゃんどうしよう?」
「悔しいですが、一度城を抜けるべきです。 身を潜め、力を貯め、時機を見るべきでしょう」
「でも、それだと民を捨てる事にならないかなぁ」
「桜花様のその御心が在れば、民はきっと桜花様に付くはずです。 今は桜花様の穏身を守る事を優先すべき時です」
「う、うん。梅華ちゃんが其処まで言うんならそうなんだよね」
「ええ、ではお急ぎください」
このような事態になろうとも、変わらずに民の事を真っ先に考えるあの方の声が……。
そしてそれ故に……。
「はぁはぁ……、何処へ行こうと行かれるのです。劉璋様」
「き、貴様、厳顔っ。裏切り者がよくもおめおめと劉璋様の前に顔を出せるなっ!」
乱れた呼吸すらも隠す事も出来ない身体であろうとも、その為にワシは此処に来たのだ。
この老いぼれた身体に幾ら鞭を打とうとも、ワシだけの力ではとても辿り着く事は叶わぬ事。それがこうして劉璋様の穏前に立つ事が出来ると言う事は、そう言う事だ。
「劉璋様、はぁはぁ……、今一度聞きましょう。 はぁはぁ……、今更、何処へ行かれると言うのです?」
「桔梗、凄い怪我・」
「桜華様っ! こやつは今、敵として目の前にいるのです」
「あっ……うん、でも……」
「厳顔っ! そのようなぼろぼろの身体で何が出来ると言うのです。我等の前からすぐに去るのなら、今は見逃してあげましょう」
ああ、そうだろうな。
今の弱り切ったワシでは、張任、お前の相手は務まらぬであろう。
……だが張任よ。防壁の下から見ていたぞ。 お主とて、本来のワシであれば相手にならない状態である事をな。
脇腹、左の二の腕、そして左の太腿に掠った程度だが愛紗の槍を受けていたのをワシの眼は見逃してはおらぬ。………もっとも、それでもワシの方が分が悪い事は変わらぬがな。
「……はぁはぁ……見逃すか…。くっくっくっ、穴の青い小娘が笑わかせてくれる」
「この死にぞこないがっ!」
焦っておるのぉ。
時間が無いのもそうだが、その余裕の無さがお主の現状と経験の無さを表しておる。
王座近くから一気に駆け降りる勢いを利用しての攻撃。
流石に今のワシでは張任ほどの者の手による攻撃は躱す事も受けきる事も出来ないであろう。
捻りも無く、まともに轟天砲を撃っても張任を相手では躱されるのがオチ。その判断は正しく間違ってはいない。
………だが、それだけだ。
「ほれっ」
「なっ!」
張任が間合いに入った瞬間、ワシは手に持つそれを張任へと放る。
轟天砲と言う己が相棒を、あっさりと張任の手に渡す様に放り投げる。
信じられぬ事であろう。戦場で…、この距離で…、己が命を繋ぎ止めるべき得物を、あっさりと相手へと渡すなどと。
……だから、頭が硬いと言うのじゃ。ワシがその隙を逃す訳が無かろうっ。
よろけるように踏み出した足を軸に身体を翻す。
服の裾が空高く舞う程に勢いをつけて回した身体と体重を乗せるように反対の足を打ち出す。
轟天砲が放つ鉄杭のように、重く真っ直ぐと放り投げた轟天砲を力の限り蹴りつける。
……思わず轟天砲を受け取った張任ごと。
どっ!
「しまっ・ぐぅっ!」
ワシの体重の乗った蹴りと、ワシの体重の何倍もの轟天砲の重さに張任は壁へと打ち付けられが、それを追うようにワシも最後の気力を振り絞りながら地を蹴り張任へと駆ける。
まだだっ。ワシの知っている張任なら、この程度の事など気力でもって跳ね返してくる。
その事をワシは知っている。そして同様にこの程度でワシが終わる訳が無いとアヤツも知っている。
だがそれでも思っているはず。 無手で何が出来るとな。 もう今のような攻撃は受けはしないとな。
「だから穴が青い小娘だと言うのだっ!」
「なっ!」
確かにお主が見抜いたように、今のワシにはもう武器は無い。
短剣も投剣も此処に来るまでに使い果たした。
だがな、今お主が抱えている物のは何じゃ?
思わぬ出来事に思わず掴んでしまい。それをワシに向けている物は何じゃ?
だが張任の立ち直りは早く。ワシと共に戦場を駆けた得物は、ワシが其れを掴みとるよりも早くワシへと振るわれる。
轟天砲と言う名の重く硬い弓が、ワシを押しつぶそうと攻まりくるのを、踏み込んだ身体と突き出した左腕でもって受け止める。
めききっ!
「くぅっ!」
衝撃と痛みに、先程とは逆に口からワシの呻き声が毀れ出る。
張任からしたら狙い通りなのだろう。武器を奪い取ろうとするワシを迎撃して見せたのだ。
そして狙い通り今の一撃で、ワシの肋骨数本と左腕の骨が砕いてみせた。
………だが、狙い通りなのはワシも同じ事。
今のでワシを殺せなんだのがお主の敗因っ!
「轟天砲には、こういう使い方もあるっ!」
「なにをっ!?」
そう、今、轟天砲はワシに触れておる。
普段はやらぬし、無駄に"氣"を消耗する上、使い処がまずは無い。
こういう時ぐらいしかな。
「はぁぁぁぁぁぁっぁあーーーーーーーーーっ!」
スカスカになった体中から振り絞った"氣"を全て轟天号に注ぎ込む。
いつも以上に、轟天砲が耐えられる限界以上に…。
ワシの命を全て注ぎ込むように"氣"を全て叩き込む。
その先にあるのは………"氣"の過剰供給による暴発。
どんっ!!
「くぅ」
「…っ!」
轟天砲の先から打ち出された鉄杭が、ワシの脇腹を更に痛めつけながら屋内の壁を突き破り、その向こうへと姿を消してゆく。
だが……、思いもしない轟天砲の暴発に……。使い慣れたワシですら、脇に抱えて全身で抑え込まなければならない轟天砲の反動を……。轟天砲を普通の剣のように構えていたために、腹へとその持ち手を受け止めた張任は、苦悶の声すら出す事もままならず地面へと倒れ伏す。
いくら鍛えていようとも、不意を突かれれば何の意味も無い。
張任よ。お主はいつも正しい判断を出そうとしていたのは知っておる。
だが、正しいだけでは正解に辿り着く事は無い……。
もっとも、正解などない事の方が多いがの……。
「さて、劉璋様……、答えは出ましたか?」
もう、隠す気もふせた息の乱れも自然と整う。
体力も気力も、幾ら鞭を打とうとももはや限界。
それでもワシは今度こそ劉璋様の前に立ち塞がって見せる。
此処に立つのはワシの意志。
……だが、今こしていられるのはワシだけのものに非ず。
一歩、玉座の間の階段を上る。
「な、なんで?」
「ほう、剣を抜きますか。 【御民救民】、母上より授かったその剣の銘の意味は理解されたと?」
分かっておる。剣を抜いたのはワシに対してではなく、幼き頃より共に育った張任のため。
保身のためだけに抜ける娘ではない事はワシがよく知っている。
今のワシに敵わぬと理解してなお、張任のために思わず剣を抜いてしまったのだと……。
また一歩、玉座の間の階段を上る。
「何故、今更剣を抜かれるのです」
「な、何を言って? えっえっ?」
怯えていない訳では無い。
それでも守りたいという想いが……。
民のための王であろうとする想いが……。
劉璋様をその場に立たせているのだと……。
更に一歩、玉座の間の階段を上る。
「家臣のために、……友のために剣を抜く勇気があるのならば、何故もっと早く剣を抜かなかったのですかとワシは問うておるのです」
「そ、そんな事ない。 私は何時も皆の事を想って。 それに争いはよくないもん」
そう、それです。
貴女様が如何に民の事を想い。
民のために頑張って来たかは知っている。
どうしたら民が笑っていられるか。頭を悩ませない日が無い事も。
一歩、玉座の間の最後の階段を上る。
「争わずに何が出来ると言うのですっ!
剣で争えと言う訳ではありません。言葉で…、考えで争えなくて、何が民のために出来ると言うのですか。
ましてや目の前の逆臣に剣を振るう事も出来ずに、民を守れると本気でお考えかっ!」
「あっ、…あっ…、あっ…、わぁーーーっ!」
混乱したと言うより、ワシの言葉と気迫に反応してなのだろう。真っ直ぐ突き出される剣。
腰も入らず、単に腕の力だけで真っ直ぐと押し出した剣。
躱す事も、素手で打ち払う事も容易い、子供の持つ剣以下の攻撃。
民を守り、民を救うために振るわれるべき剣は…。
ざしゅ。
「……あっ」
ワシの左頬を深く裂いてゆく。
慣れた熱く固く冷たい感触と衝撃がワシを襲う。
垂れ流れて行く熱い液体と共に痛みが顔中に広がって行く。
だが……、それ以上にワシの胸は痛む。
からんっ
「…血、血が」
「それが何だと言うのですか。
我等は戦っているのです。血など出て当たり前でしょう」
己がした事に…。
ワシの怪我を心配する劉璋様に……。
後悔の念に心と魂が締め付けられる。
ワシがこうしてしまったのだと。
戦うと言う意味を教えられなかったワシの罪だと。
例え不敬罪に問われようとも、命を賭して教えねばならなかった罪。
それが、今目の前にあるのだと。
その責任はワシが取らねばならないのだと。
「でも、でも早く治さないと痕が……」
「これはワシの罪の証。
劉璋様を裏切った証し」
「つ、罪? え?」
「劉璋様、民はもはや劉璋様による統治など求めてはおりませぬ。
優しいだけの王など、民は求めてはいないのです。
そして他人と争う事の出来ない貴女様は、王であってはならないのです」
どっ
「…ぁ」
小さく毀れる言葉と共に崩れ落ちる劉璋様の身体を支える。
腹に突き刺さるように打ったワシの拳とワシの傷付いた顔を交互に観ながら、意識を失って行く劉璋様の顔が何度も頭の中を過ぎる。
お生まれした時より知った顔が、今はワシの手の中であの頃のように眠りについている。
王として生まれ。
王として育ち。
王となるべき優しい心を持ちながらも……。
王になるべきでは無かった少女の寝顔が。
「今は眠りなされ。
目が覚めた時、貴女様はもう王ではなく只人。
其処で今一度考えなさるがよい。
只人として何をしたいのかを、何が出来るのかを。
それがワシが貴女様に送る事の出来る最後の言葉。
不肖の元臣下がしてやれる、せめてもの事です」
つづく
あとがき みたいなもの
こんにちは、うたまるです。
第百参拾参話 〜 梅桜桃の季節はまだなれど、舞う華は此処にあり 〜 を此処にお送りしました。
…………はぁぁ………長かったです。
だらだらと書いていた益州攻略も決着がつき、後は後始末を残すばかりとなりました。
其処で一刀が今回成した策の全容も明かされますが、多分皆様お判りでしょうね。 それを如何に話を面白くするために持っていけるかが腕の見せ所なのですが……、まぁ楽しめていただけたらと思って描くつもりです。
さて長々と書いている群雄割拠編ですが、残るは題材は【曹操 VS 袁紹】と【呉 VS 呂布(反乱軍)】になりますが、その前にもう少しだけ、益州攻略の後始末と閑話休題にお付き合いくださいませ。
では、頑張って書きますので、どうか最期までお付き合いの程、お願いいたします。
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『真・恋姫無双』明命√の二次創作のSSです。
最前線、それは激闘が広げられる場所。
激しければ激しい程、精神と魂をすり減らして行く地獄で最も恐ろしいのは、戦場全体の様子が見えない恐怖。策が上手く行っているのか、上手く行っていないのか疑心暗鬼に襲われながらも血みどろの戦いを繰り広げなければならない。
そんな中で関羽は戦場の変化に気がつく。
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