episode127 暴走
「・・・・」
二日後の昼、隼人は建物の陰に隠れて投影型モニターを出してバンシィ・ノルンのデータを見ていた。
その日は暗い雲が空を覆っていて太陽の光が一切無かった。
(どんな方法を使っても助けるのは無理・・・正規的な方法じゃいくら探しても無いだろうな。だが――――)
モニターにはバンシィ・ノルンのある機能があった。
(・・・『アブソリュート・ブレイカー』)
『絶対破壊』と言う意味を持つバンシィ・ノルンの単一能力。IS殺しの二つ名を持つ『ISブレイカー』を昇華させたものだ。
(ISからあらゆる物を破壊するまでになり、使用者のイメージ範囲で破壊する事も、ピンポイント破壊も。そして目に見えないものでも・・・)
つまりこの能力を持ってして破壊できないものは無い。
(だが、発動条件に俺のISモードとバンシィのデストロイモードの併用。発動時間がたったの五秒?しかも使用後は機体性能が大幅に低下する制約つき。ってか、シビアすぎるだろ)
それを持ってしての絶大な効果を発揮するのだろう。つまり一回で、しかも精確にズレが無く決めないとIS諸共パイロットを消してしまう事になる。
(・・・これしかもう方法が無いのか)
隼人は表情を険しくしてモニターを消す。
(俺の一撃に全てが掛かる、か)
隼人は建物の陰から出て空を見る。
(・・・いいや、考えるな)
隼人の右目が金色に変色するも、頭を振るって元の色に戻す。
(失敗を恐れたら何も出来ない。絶対に成功させる気でやるしか無いんだ)
気持ちを落ち付かせて深呼吸する。
(しかし、僅かな感情の起伏で変わるとは・・・。一段と気を引き締めないとな)
するとIS学園に非常警報が鳴り響いた。
「やはり来たか!」
隼人はバンシィ・ノルンを展開してスラスターを噴射して飛び出した。
「くそっ!」
輝春はシールドライフルをとある機体に向けて放つも、その機体は素早い動きでかわしていく。
その機体は両膝のキャノンを展開してビームを放ってくるも輝春は両腕のシールドライフルを前に出して防ぐとすぐにビームサーベルを出してスラスターを噴射して飛び出す。
すると両腕より両手に白い棒を出すと先端よりビーム刃を出して輝春と刃を交えた。
「まさかこんな形でお前と戦うとはな・・・ラウラ」
輝春は何とか踏ん張るとセラヴィーを押し返して再度右腕のビームサーベルを振るうもすぐに左手のビームサーベルを振るって刃を交える。
(GモードのISの限界は分からないが、それでもやってやるさ!生徒を取り戻すためにな!)
そしてラウラを押し返して背中から両脇よりグラストロランチャーを展開して高主力ビームを放ったが、ラウラはフィールドを張って防いだ。
「っ!」
颯は雨の如く飛んでくる弾丸をかわすとスタングルライフルを放つもその機体は見た目の重装備によらず素早くビームをかわし、両腕のダブルビームガトリングを向けて放ってくる。
「義姉さん・・・」
弾丸を大型のCファンネルで弾きながらその機体を見る。
それはシャルロットのラファール・リヴァイブカスタムⅢのGモードである『ヘビーアームズ改』であったが、以前とはその装備量が違う。
ダブルビームガトリングを両腕に装備し、背中には大型のバックパックが搭載されており、その両サイドを根に長い砲身を持つ『グランドキャノン』を搭載していた。
「・・・・」
颯はCファンネルを飛ばしてシャルロットの動きを牽制すると瞬間加速を掛けて目の前まで接近すると左腕のアーマーよりビームサーベルを出して振るうも、左腕のダブルビームガトリングのシールドで受け止められる。
直後にシャルロットを押し返してCファンネルを飛ばすも、背中のブースターを噴射して急上昇してCファンネルをかわした。
するとバックパックのグランドキャノンを向けると轟音と共に弾丸が放たれた。
「っ!」
颯はとっさにかわそうとするも、大きな弾丸は小型と大型のCファンネルを撃ち砕いていった。
「くっ!」
すぐにスタングルライフルを構えるとシャルロットに向けて放ったが、シャルロットはいち早くかわした。
直後に残った小型のCファンネルを飛ばすもシャルロットは右腕のダブルビームガトリングを前に出してシールド部でファンネルを弾くと背中の大型バックパックの上部二つのコンテナを展開してミサイルを放つ。
颯はスタングルランチャーを放ちながらミサイルをかわしていく。
「・・・・」
マドカは左腕の複合シールドのビーム砲を放ってレギナを次々と撃破していく。
(補給の為に一時撤退をして再度襲撃・・・しかも新型と専用機持ちを投入・・・)
レギナは背中のバインダーライフルの右側を担ぐようにして上から前に向けてビームを放ってくるも、マドカは複合シールドで防いでいって背中のビームキャノンを展開して放ち、レギナを撃ち抜く。
(だが連中の目的が分からんな。殲滅をする気なら連中の戦力を持てば容易いはず。それをわざわざ時間を掛けて消耗させるのに何の意図がある・・・)
次にトリケロスと複合シールドを後ろにスライドさせると腰の両サイドよりガンランチャーとビームランチャーを展開して散弾とビームを交互に放ってレギナを撃ち落していく。
(強力な性能を持っているとは言えど、なぜ専用機持ちを操ってまで戦力として投入する)
マドカは相手の意図が理解できなかった。
アーロンは右手のランスを突き出してレギナを連続で二機貫くとレギナを蹴って後ろに宙返りしながら下がると後ろから接近してくるレギナにランスを突き刺した。
(専用機持ちを洗脳して戦力投入するとはな。連中は何を企んでいる)
すぐに左手にリアアーマーのビームサーベルを抜き放つとスラスターを噴射して右方向から飛び付いてくるレギナをかわすとすぐに降下しながらビームサーベルで切り裂いた。
「っ!」
その直後に左腕のシールドを後ろの方に向けると飛んでくるビームを弾いて防ぐとすぐに後ろを向いてランスを向けビームマシンガンを放ってレギナの動きを鈍らせてから一気にスラスターを噴射して飛び出すと左手のビームサーベルを振るって切り裂いた。
近くに居たプロヴィデンスは両サイドアーマーとリアアーマーよりドラグーンを射出すると全方位に配置して一斉にビームを放ちレギナを撃ち落していく。
すぐに右手に持って担ぐ大型ビームライフルを放ってレギナを正確無比に撃ち抜いて行く。
「・・・・」
隼人はアームドアーマーDEのビームキャノンを前方に向けて放ち、レギナを牽制するとBSマグナムを放ってレギナを撃ち抜いた。
直後に右腕のビームトンファーを展開して後ろを振り向き際に振るい、背後から接近してくるレギナを切り裂いた。
隼人はアームドアーマーDEを装備したシールドを展開したアームドアーマーXCにマウントして後部推進器を展開し、その場から一気に飛び出すとBSマグナムを放って空となったカートリッジを排出し、レギナを撃ち抜いた。
更にレギナが背中のバインダーライフルを放ってくるが、ビームをかわしてBSマグナムを二回連続で放って空になったカートリッジを排出しレギナを連続で二体ずつ計四体撃破する。
「・・・・っ!」
隼人はあるものを見つけて急停止する。
「・・・・」
そこに居たのは・・・・・・七本の剣を携える機体・・・ダブルオーがいた。
「・・・一夏」
隼人は右手に持つBSマグナムを収納すると同時にグラディウスを展開すると、一夏は右腕のGNソードⅢを展開する。
「こんな形でお前とまた戦う事になるとはな」
グラディウスのカートリッジをリロードして峰の根元のカバーが前にスライドして空薬莢が排出されて閉じ、両手に持って構える。
すると空からポツポツと雨が降り出して次の瞬間には大量の雨が降り注ぎ、二体のガンダムを濡らす。
「・・・・」
隼人は両手で握る柄を握り直すと、スラスターを噴射して一気に飛び出すと、一夏も同時に飛び出した。
そして両者がグラディウスとGNソードⅢを振るって激しく刃が交わると衝撃波を放った。
「・・・・」
シノンはIS学園の外壁の上を走りながらビームライフルを放ってレギナを撃ち落していく。
直後にバックパックの左側のアームに接続されているシールドのミサイルを放ってかわそうとするレギナにビームライフルを放って左足を撃ち抜くと、そのままミサイルの直撃を受けた。
(さすがにこれは厳しい・・・)
周囲を見ながら攻撃をかわす。
教員部隊の大半はリタイアしており、何とかシノンが頑張ってレギナの侵入を防いでいる。
(専用機持ちを三人投入・・・ゼロにとっては厳しいものだな)
ビームライフルを左手に持ち替えると右手に左腕にある棒を抜き放ってビーム刃を出してビームファンを持って切りかかるレギナにビームサーベルを振るって切り裂く。
「・・・・」
千冬は息を呑んでモニターを見ていた。
「・・・一夏」
モニターには隼人と激戦を繰り広げる一夏のダブルオーが映っていた。
「デュノアさんとボーデヴィッヒさんのISの識別信号も確認されています。今回も三人だけのようです」
「・・・・」
千冬は右手を握り締める。
(私には・・・何も出来ないのか。あの時のように・・・)
「っ!」
隼人はグラディウスを振り下ろし、一夏もGNソードⅢを振るって刃を交える。
そのまま弾かれるように離れると一夏は両肩のバインダーよりミサイルを放つも隼人は頭部バルカンを放って撃ち落し、直後に両者はスラスターを噴射して一気に飛び出すと得物を振るって刃を交えてすれ違う。
「ぐぅ!」
とてつもないGが圧しかかるもすぐに迂回して再度飛び出すと、一夏も迂回して飛び出して得物を振るい隼人もグラディウスを振るって刃を交える。
隼人は一夏を押し返すと先端を下に向けて振り上げるも一夏は両肩のバインダーを一気に噴射させて急速後退して斬撃をかわす。
すぐにアームドアーマーDEのスラスターを噴射して飛び上がるとさっきまでいたところを一夏が左腕のGNバスターソードⅡを振るって切る。
(やはり一夏の動きじゃないな。以前は偶然同じ動きだったんだろうが、俺が全部を見通せてないと思ったか)
前回の箒、セシリア、ラウラのフォーメーションだが、個人個人の動きはほぼ同じであったがどこか違っていた。目の前の一夏はいつもとは違う動きを見せていた。
(誰かが裏で操っていると言う事か)
隼人は一つの確信を得てグラディウスを持つ柄を握り直して一回振るうとスラスターを噴射して飛び出す。
一夏はGNソードⅢを振るうも隼人は一瞬爆発的にスラスターを噴射して飛び上がって斬撃をかわすとそのまま前の方に行って真下に向けて背中にマウントするアームドアーマーDEのビームキャノンを放つも一夏は左腕のGNバスターソードⅡを展開してフィールドで弾いた。
「ちっ!」
一夏の後ろに回った直後にカートリッジをリロードし刀身にエネルギーを纏わせると一回転してグラディウスを振るって光波を放った。
しかし一夏は急速旋回して後ろを向くとGNソードⅢを振り下ろして光波を消滅させるように切り裂いた。
(零落白夜か!)
Gモードと言っても、ISの能力は普通に使える。しかもダブルオーは無限機関を持つので零落白夜の使用制限など無い。
「っ!」
直後に飛び出してグラディウスを振るうも一夏は両肩のバインダーを前方に向けてスラスターを噴射して後退しながらGNソードⅢをライフルモードに切り替えてビームを放ってくる。
すぐにグラディウスを振るって飛んでくるビームを切り裂きながらも一気に瞬間加速を掛けて一夏に接近してグラディウスを振るうもGNバスターソードⅡを前に出して斬撃を受け止める。
一夏はそのまま隼人を押し返してGNソードⅢを向けて至近距離でビームを放ってきた。
「ぐっ!」
それによって隼人は衝撃を受けて吹き飛ばされ、更に一夏は飛び出すとGNバスターソードⅡを突き出してバンシィの胸部に叩き付ける。
「このっ!」
隼人はすぐに右足を振り上げてGNバスターソードⅡを蹴り上げると宙返りしながらグラディウスを振り上げてダブルオーの胸部を切りつけてスラスターを一夏に向けて噴射して吹き飛ばすと同時に飛び出した。
各部姿勢制御スラスターを噴射して一夏の方を向くと同時にカートリッジをリロードしてグラディウスを振り上げて光波を放つ。
一夏はすぐにスラスター全開で飛び上がって光波をかわす。
「くそっ!ここまでとは・・・!」
隼人は空になったマガジンをパージして左手に新しいマガジンを展開してグラディウスに装填する。
「・・・・?」
するとダブルオーに異変が起こる。
(エネルギー反応の増大・・・。まさかあれをやる気か・・・!)
外見も同じであれば機能も同じ。ならばあのシステムも持っていてもおかしくは無い。
「そっちがその気なら、やってやるさ。限界を引き出す!」
するとバンシィ・ノルンの装甲より金色の光が漏れ出すと、装甲が展開していって金色に輝くサイコフレームが露出し背中のアームドアーマーDEも展開してサイコフレームが露出し、アームドアーマーXCから金色の光が放たれて、最後に頭部の側面が前後逆になってマスクが収納され、最後に角が縦に割れて展開し、赤いツインアイが発光する。
ダブルオーも全身が赤く発光して背中のユニットや両肩のバインダーより出てくる粒子量が増える。
そして両者は目に見えない速さで飛び出して刃を交え、そのまま光速の如く飛び出して行った。
「は、速い・・・!」
アーロンはISのハイパーセンサーでさえ捉える事ができないほどのスピードの二体を見て驚いていた。
金の光と白緑の光がIS学園上空を駆け巡り近くに居たレギナを巻き込んで攻撃を交わしていき、その度に強力な衝撃波が放たれた。
(あれだけの速さで戦闘を行うなど・・・尋常ではない)
普通ならGで押し潰されてもおかしくは無いほどの速度や機動を見せている。
(あの二人だからこそなのか・・・それとも・・・)
『隼人・・・』
リインフォースは四枚の翼を羽ばたかせてその様子を見ていた。
(・・・っ!いけない!あのままじゃ!?)
隼人の様子に危険があると感じ取り、リインフォースはすぐに向かう。
光速の如く飛び交う二人で、刃を交えると直角に曲がって再度向かっていくと勢いよく得物を振り下ろして物凄い衝撃と共に刃を交える。
「・・・・」
そのまますれ違うとすぐに両者は急速転換して飛び出し得物を振るい刃を交え、それを数回繰り返して再度刃を交えた。
一夏は隼人を押し返すとGNソードⅢから膨大な量のビームが放たれて巨大なビームサーベルを出して隼人に向けて振るってくる。
「・・・・」
隼人はグラディウスのカートリッジを三回リロードして刀身から長いビーム刃を出して振るいビーム刃を交えると強力で巨大なスパークが周囲に撒き散らされる。
しかし隼人はそのままグラディウスを振るって巨大なビーム刃を切り裂くと、直後にスラスターを噴射して飛び出し、左腕のビームトンファーを展開して出力を最大にし、極太のビーム刃を出して振り上げてダブルオーのGNソードⅢごと右手首を切り飛ばした。
一夏はとっさに左腕のGNバスターソードⅡを突き出すも、隼人は横に動いてかわし、グラディウスを二回リロードして振るうと、GNバスターソードごと左手首を切り落とし、左腕のビームトンファーをその勢いのまま振るってGNバスターソードⅡを接続部を切り飛ばす。
しかし隼人はまるで相手の事など何も思って無いかのようにグラディウスとビームトンファーを振り下ろして両サイドアーマーにマウントされているGNソードⅡとロング、ショートを切り落とし、更にそのまま両膝のGNカタールも切り落とした。
更に左腕のビームトンファーを横に振るいダブルオーの右足首を切り落とす。
『隼人!もうよせ!!それ以上は!』
しかし通信越しで動揺している千冬の言葉は今の隼人には聞こえて無い。
以前とは比べ物にならないデストロイモードによるパワーとサイコフレームの発動によって隼人自身の感情制御が出来なくなってしまい、無意識の内に我を忘れ暴走していた。
目の前にいる一夏が完全に破壊されるまで、暴走が止まる事は無い。そして隼人はその事に気付くことは無い。一夏が倒れるまでは・・・
隼人は逃げようとするダブルオーに一瞬で背後に回るとグラディウスを振り下ろして右肩のバインダーとドライブを切り落とした。
その瞬間ダブルオーの赤い光は消えて、隼人は回し蹴りをダブルオーの右横腹に入れて蹴り飛ばした。
更に吹き飛ばされた方に先回りして左腕のビームトンファーを振り上げて左肩のバインダーとドライブを切り飛ばし、直後にグラディウスを逆手持ちにして背中に接続されているユニットに突き刺して左腕を突き出してダブルオーの顔面を殴りつける。
「・・・・」
隼人はダブルオーの顔面を右手で掴むと左腕にアームドアーマーVNを展開して腹部を殴りつけて衝撃を叩き込むと同時に隼人自身の衝撃破砕を発動させてダブルオーの内部機器を破壊した。
それによってダブルオーは力無く腕が垂れると、隼人は更にアームドアーマーVNを叩きつけて衝撃を叩き込んだ。
『隼人!!おやめください!それ以上やると!!』
『やめろ隼人!!一夏を殺す気か!?』
千冬とリインフォースが呼び掛けるも隼人は反応しない。
「・・・・」
隼人は左腕を引き寄せてアームドアーマーVNを突き出して叩きつけ衝撃を叩き込むと、一夏を放り飛ばしてアームドアーマーVNを熊手のように展開して突き出した。
『駄目です!!』
「っ!?」
すると頭の中に声がして隼人は我に帰って、アームドアーマーVNの爪をダブルオーのほんの数ミリで止めた。
「・・・・」
隼人は目の前の事が信じられなかった。
目の前には武装の殆どを失い、両手首と右足首、両肩のバインダーを切り落とされ、背中のユニットにグラディウスが突き刺さっているダブルオーがいた。
「お、俺は一体・・・何を・・・」
隼人は目を見開いて声を震わせていた。
下手をすれば一夏を殺そうとしていた。
(デストロイモードを起動させてから・・・トランザムを起動させたダブルオーと交戦して・・・その後は・・・)
覚えてない・・・。かなりのパワーとサイコフレームの念によって意識が薄れ、その後何があったのか・・・何も覚えてなかった。
「・・・・」
『はぁ・・・危ない所だったです』
「・・・・?」
また頭の中で声がした。
すると宙でうな垂れて浮いているダブルオーより光の粒子が出てくると、人の形に形成されていった。
そして光が晴れると、そこには一体の機体が現れた。
『・・・・』
するとリインフォースも隼人の近くまで来ると、その機体を見て驚く。
その姿と言うのが・・・リインフォースが変身するブラックウイングと瓜二つであったからだ。
しかしカラーリングは白を基調とし、青や黄色などの構成で一部に赤が施され、ツインアイやセンサーは青であった。そして背中には有機物的な白い翼を持つが、二つずつ形状が違う翼を持っていた。
まるで天使のような風貌を持っていた。
『初めまして、隼人さん・・・それに・・・お姉ちゃん』
『お前は・・・』
(なに?)
隼人は一瞬驚く。
『私の名前は「リインフォースⅡ(ツヴァイ)」と言います』
「リインフォース・・・ツヴァイだと?」
隼人はリインフォースを見る。
『お姉ちゃんは正式には「リインフォースⅠ(アインス)」と言うんですよ』
「・・・・」
『なぜ・・・お前が織斑のISから・・・』
(お話しは後で。今は一夏さんです)
(・・・あ、あぁ)
ツヴァイはすぐに意識内でリインフォースに通信を送る。
『隼人。今は織斑を』
「わ、分かった」
隼人はバンシィを元の形態に戻すとダブルオーに近付いた。
「・・・・」
そしてサイコフレームを稼動させてダブルオーの頭を掴んでサイコジャックし、ISを強制解除してツヴァイが一夏を抱き止める。
よく見ると一夏の口より血が出ていた。恐らく衝撃を叩き込まれた事による吐血だろう。
『他のバインドが・・・』
するとレギナたちは撤退していき、その中にラウラのセラヴィーとシャルロットのヘビーアームズ改も含まれていた。
「・・・・」
隼人はその光景を目を細めて見ていた。
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トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!