No.551739

IS-インフィニット・ストラトス ネクサス 代理人と大事な日ーA representative and an important day ー

ザルバさん

楯無は学園長に呼び出されていた。その用件は用務員の代理人のことである。そのことに楯無はあることを思いつく。

2013-03-05 22:58:31 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2718   閲覧ユーザー数:2638

 その日の放課後、楯無は学園長に呼ばれていた。

 楯無は学園長室の扉をノックする。

「どうぞ。」

「失礼します、学園長。」

 楯無は扉を開けて入る。

「どのような用件ですか?」

「実は困ったことが起こってね。」

「と、言いますと?」

「実は私の夫のがね。」

「ああ、ここで用務員してましたよね。ペンギンを今日捕獲した。」

「それで逃げられて探している際にどうやら腰をやっちまったようでね。」

「あらま。それは大変。」

「それで誰かかわりを呼ぼうにもここはIS学園。無闇に代理を雇うわけにもいかなくてね。」

「それで私を呼んだと。」

「そういうことだよ。」

 IS学園は国家代表候補生も通う学校。故に外部からの雇用でスパイが入ってくるのもおかしくない。入念に調べてもスパイである可能性はある。

「う~~~~ん・・・・・・・・!」

「何か思いついたのかい?」

「はい。一夏君の親友です。」

「織斑君のかい?大丈夫かね?」

「全然大丈夫です。実家が食堂をやっているごく一般人で、前にISのことについて聞いても全く分かってなかったんです。」

「それなら大丈夫そうだね。」

「話はこっちでしているんで。」

「ところで一ついいかね。」

「何でしょう?」

「アンタ、織斑君に恋をしてないかね?」

 楯無は顔が赤くなる。

「い、いきなり何を言うんですか!?」

「いや~、前に織斑君のことについいて報告を受けたときに何でか表情がいつもと違っていたからね。もしかしてと思って・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「で、どうなんだい?」

「た、多分そうかもしれません。知らぬ間に彼に引かれていったのかもしれません。」

「そうかい。まあまだ若いんだから恋もしておかしくないけど、織斑君が『唐変木オブ唐変木』ってあだ名が付くのはおかしくないね。」

「ええ・・・・・そうですね。」

「まあ頑張りな。それと用務員のことは頼んだよ。」

「はい。失礼します。」

 楯無は学園長室を後にした。

 

 一方その頃一夏達はというと・・・・・

「簪、今だ!」

「はい!」

 一夏対箒&簪の訓練を行っていた。

 簪が箒の後ろから山嵐を使い十五発のミサイルを放つ。一夏はラムダスラッシャーをミサイルに向け放つ。

 ミサイルは七発撃墜され、八発が一夏に向かい接近してくる。一夏はアリーナの限界にまで上昇する。ミサイルは束になるように集まる。

(そろそろいくか。)

 一夏は雪片をコールしミサイルの間をかいくぐる。ミサイルは回避せずシールドにぶつかり爆発する。

「そこ!」

 箒が接近し切りかかってくるが一夏は片手に持っていたものを投げつける。

「っ!」

 箒は急停止する。投げられたものは何とミサイルの弾頭。

「あれってミサイルの弾頭じゃない!」

「あのときにやったとでもいうのか!」

 一夏はパーティクル・フェザーを放ち爆煙を張る。一夏は簪に向かい接近し、雪片を振り下ろす。簪は夢現をコールし一夏の斬撃を凌ぐ。

「くぅぅ・・・」

 簪は一夏から距離を置き、春雷を放つ。一夏はサークルシールドを展開し防ぐ。

 一夏の後ろから箒が雨月を使いレーザーを放つ。一夏はマッハムーブを使い後ろに下がり回避し反転、一夏は箒に向かって雪片を振り上げる。箒は雨月と空裂で凌ごうとするが一夏は雪片に光を纏わせているため通常の斬撃よりも強く、重い攻撃である。

「ぐぁっ!」

 箒は弾き飛ばされる。

「箒さん!」

 簪は山嵐から四十八発のミサイルを放つ。一夏はネクサスハリケーンを使いミサイルを爆発させる。一夏はクロスレイ・シュトロームを簪に向け放つ。

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 簪はシールドエネルギーは0になる。

 一夏の両サイドから箒のビット兵器が接近してくる。一夏は急上昇しつつ左手を胸にかざし振り下ろす。白式はアンファンスからジュネッスブルーに変わる。

紅椿のビット兵器が一夏に近づく。一夏は両腕からラムダスラッシャーを放ち撃墜する。

「そこ!」

 箒は空裂からエネルギーの刃を飛ばしてくる。一夏は回避し接近する。箒は雨月を使いレーザーを放つ。

「甘い!」

 一夏はレーザーを抜け、雪片で突く。

「がぁっ!」

 箒は後ろに飛ばされる。一夏はアローアームドネクサスを胸にかざし光の矢を形成する。

「させるか!」

 箒は雨月と空裂を交互に使い一夏に撃たせまいと攻撃するが一夏は最小限の動きで回避し、右手を左腕に添える。

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・うあぁぁ!」

 一夏は弓のように引き、アローレイ・シュトロームを放つ。先ほどまで攻撃をしていた箒は回避が間に合わず直撃をを喰らう。

「ぬあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 箒のシールドエネルギーは0になった。

 

「負けちゃった。」

「やはり強いな、一夏は。」

「いやいや、簪のバックアップも良かったし箒の雨月と空裂の使い方も上手になっていたぞ。」

「で、でも芸達者なことしてたよ。」

「まあとっさに思いついたからな。」

 そう言った途端に一夏は咳をする。

「大丈夫か、一夏。」

「あ、ああ・・・・大丈夫だ。」

「あまり無茶しない方がいいよ。前にもいきなり倒れているんだから。」

「ああ。」

 

 それからしばらくして一夏はいつもの面子とのほほんさんと一緒に食事を取っていた。

「それにしてもおりむ~は強いよね~。」

「そうですわ。また白式が変わりましたし。」

「ウルトラマンみたいになったしね。」

「ねえ一夏、あの弓みたいな攻撃なんていうのよ?」

「アローレイ・シュトロームのことか?」

「多分それだな。剣の方はなんというんだ?」

「シュトロームソードだ。」

「な、なんだか本当に一夏君がウルトラマンみたいだね。」

「偶然だろ。」

「そうかもしれないが・・・・・・・」

「それより一夏。」

「なんだ、ラウラ?」

「今週の日曜日に買い物に行かないか?」

「抜け駆けはずるいぞ、ラウラ!」

「そうですわ!」

「あんただけはずるいわよ!」

 ラウラの言葉に箒達が反応し口論になる。

「あ――――――、皆すまん。」

『?』

「その日外せない用事があるんだ。」

「それは何だ?」

「・・・・・あまり言えないな。」

「そんな・・・・・」

「ゴメンな。でもどうしても行かなくちゃ行かないところなんだ。」

「とっても大事ですの?」

「・・・・・ああ。」

 そう答える一夏は何処か暗い表情を出していた。

「じゃあ俺は食べ終わったから部屋に戻るな。」

 そう言って一夏は席を立ち、カウンターに食器を戻して部屋に戻って行った。

「鈴、なんかわかるか?」

「う~ん・・・・・・・あ!」

「なんか心当たりでもありますの!」

「簪や本音にはまだ言ってなかったけど一夏が一時期落ち込んでいた時期があったって話しあったでしょ。」

「そういえばあったね。」

「丁度この時期なの。で、大体決まった日に平日でも風邪ってことで休んでたことがあったの。」

「どうしてそんなことしているんだろ?」

「さあ。でもなんか忘れてはならないことだってボソッと言ってたわ。」

「そうか。」

「あ、あの・・・・」

「なんだ、簪?」

「い、一夏君をちょっと追いかけてみない?」

「お嬢様からそ~んな言葉が出てくるなんていが~い。」

「でもそれは一理ありますわ。」

「少しでも一夏のこと知りたいしね。」

「まあ、たまにはそういうのもいいか。」

 

 一夏は部屋に戻り椅子に腰を掛けようとすると扉を叩く音が響いてくる。

「どうぞ。」

「おじゃましま~す。」

 入ってきたのは楯無であった。

「今日はどうかしたんですか?」

「いや~、織斑君に聞いておきたいことが二つあってね。」

「一つ目は?」

「身体は大丈夫?」

「ええ。一時的なものだったので大丈夫です。」

「そっか。じゃあここからは本題ね。五反田弾君ってどんな子?」

「どうしていきなりそんなことを?」

「用務員代行として・・・・」

「はぁ。まあそういうことなら。あいつはここに少し憧れ抱いている一般男子ですよ。でも下心とかありませんし。今気になる事と言えば・・・」

「言えば?」

「虚さんとのことですね。」

「あ~。あの子にも実を思うと早く弾君とくっついて欲しいと思うのよね~。」

「でも二人ともなかなか正直になれないところがあるんですよね~。」

「そうそう。でも一夏君そう言うところは鋭いんだけどね~。」

まったくもってそうである。よく近くに必ずいるタイプで自分の事には疎く、他人の恋路には鋭い奴っているよね。

「でも一夏君の話を聞く限りだと悪いことはしなさそうね。ISのことは?」

「この前しりとりしたときにIS用語出したら全然わかってなかったですよ。」

「それじゃあ安心ね。」

「あ!いいこと思いつきました。」

「なになに!」

「弾はきっとこのことを喜んで引き受けると思います。」

「それで?」

 一夏はその先のことを話す。楯無もそのことに♪がぴょんと出た。

「なるほど。いいわね。」

「でしょ。」

「じゃあ私は土曜に話してみるね。」

 楯無は上機嫌になって一夏の部屋を後にした。

 一夏は机の椅子に座り机の上にこいてあるカレンダーを見た。箒達に言っていた日曜日には●で印が付けられていた。

 三年目、三年経った。あの日から三年、どれだけ時間が経ってもあの日の罪は消えない。

 一夏は忘れられない日をカレンダーに残してあった。一夏がまだデュナミストになりたての頃の大事な、忘れてはならない記憶。

 


 
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