神は平等だ。
それゆえに俺は神を殺す。
彼女が何をした?
世のため人のためにと細い腕で鍬を振り、重い荷を背負い遠方の村に交渉に行く。男でも音をあげそうなことを笑顔で頑張る彼女がなぜ死ななければならないのか。
「チッ。貧乏な村だな。なんもねぇじゃねぇか。」
なぜ彼女が死にこんな下衆がのうのうと生きている。
「なんだてめぇ?殺されたいのかぁ?」
神よ、なぜ彼女を見殺しにした?
なぜ彼女を救わなかった?
彼女ならこれも運命だと笑顔で受け入れるだろう。
こんな下衆でも許すだろう。
だが俺はそこまでやさしくない。
「てめぇら、死ぬぐらいで償えると思うなよ?」
足元に寝ている彼女に上着をかぶせ立ち上がる。
「ああぁ?何かいった・・・。」
そこから男は何も口にできなった。
ブシャ
いつ斬られたのか分からない。
有無を言わせない不可視の斬撃が男を襲い命を刈り取り肉体を微塵に切り刻んだ。
ただそれだけなのだ。
ただ腰の刀を見えない速度で抜き、振る。
理屈の通った力技。
「来いよ雑魚ども。地獄を見せてやるよ。」
自分を囲む賊。
数で数千。
すべてを終わらせる。
この世のすべてを終結させる。
神が作ったこの世界を壊し、俺が彼女が望んだ世界を創造する。
さぁ、狂いに狂ったこの人生。
止められるものなら止めてみろよ。
なあ!!神様よ!!!!
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人は強欲だ。
手に入れた平和を捨て己の欲望を満たすため再び戦火が広がる。
西暦2050年
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