No.550847

【獣機特警K-9】エルザとアーサーの新婚旅行【交流】

古淵工機さん

テオとクラウディアが生まれる数ヶ月前。
こんなこともあったんです。
■出演
エルザ:http://www.tinami.com/view/375135
アーサー:http://www.tinami.com/view/447499

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2013-03-03 15:14:37 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:892   閲覧ユーザー数:879

これは、テオとクラウディアが生まれるおよそ数ヶ月前のことである…。

 

「エルザ、ちょっと見てもらいたいものがあるんだ」

「見てもらいたいもの?」

切り出したのはアーサーだった。頬を赤らめながら、エルザの方を見つめている。

「ふむ、結婚指輪ならもう受け取ったはずだが?」

「ほら。せっかく結婚したんだし、君のために何かプレゼントの一つや二つ用意しようと思ってさ」

「…プレゼントか。しかしケーキならこの間食べたばかりだし、服もついこの間お互いの分を買ったばかりだからな…」

と、悩むエルザにアーサーは何もいわず、ポケットの中から小さな紙を取り出した。

 

「…これは?」

「ファンガルディア号・プレミアムスイート室のチケットさ。6泊7日のファンガルド一周ツアーだけど…」

「なるほど、粋なプレゼントじゃないか。ありがとう、とてもうれしいよ」

そう言ってエルザはアーサーの頬にキスをした。

…そして新婚旅行当日。ラミナ・セントラル駅の22番ホームに青い車体の列車が滑り込んできた。

「いよいよだな…」

エルザはその列車を眺めながら呟いた。

 

ファンガルディア号。

ファンガルド鉄道が誇る、超豪華設備を持った寝台周遊列車。

この星で一番グレードの高いこの列車は、鉄道ファンならもとより一般の市民たちの間でも憧れの的である。

 

今回エルザとアーサーが乗るのは最前部の展望スイート。二人用の特別寝台で、この列車の中でも特にプレミアが高いのだそうだ。

事実、一番値段が高いこの個室は部屋数も少なく、あっという間に売切れてしまうほどなのだ。

アーサーによれば、『キャンセル待ちで奇跡的に取れた』とのことである。

「…さて、周遊コースはCか。比較的温暖な地域のようだな」

と、ベッドに備え付けられた運行予定表を見ながらアーサー。

「あぁ。ワインで有名なシャトー・プランタンも通るからな。フュア姉さん曰く、あそこのワインは美味なのだそうだ」

「じゃあ、そこでワインとチーズを楽しんだり…あとはドルフィン・ベイのリゾートでシャツでも買おうか」

「なるほど、トロピックシャツか。それも悪くないかもな」

などと話をしていると、列車に案内放送が響く。

 

『みなさま、本日はファンガルディア号にようこそご乗車くださいました。当列車はこれより、6泊7日の周遊コースを進んでまいります…』

「お、そろそろ出発だな」

「どんな風景が待っているのか楽しみだな、アーサー」

「僕もだよ、エルザ…」

駅のホームに点る明かりをバックに、唇を重ねあう二人。

…16時28分。二人の愛を乗せた列車は静かに動き出し、一週間の周遊旅行に出発したのだった。

 


 
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