No.549485

【獣機特警K-9】K-9隊の一番長い日(4)【交流】

古淵工機さん

ウソだろ…まさかあの人が…!?
次回、怒涛のクライマックス!!
■出演
K-9隊の皆さん
アイヴィー総監:http://www.tinami.com/view/401918

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2013-02-28 00:36:43 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:975   閲覧ユーザー数:959

3月26日12時42分…キクガオカ・コンストラクションビル最上階の社長室。

警察総監のアイヴィー、およびラミナ警察署K-9隊のエルザ、クオンはトラジを追い詰めたはずだった。

だが、そこに刺客ロボットの無影、時雨も現れ、事態は一変したのであった!

 

「…さあ、じっくり楽しませてもらおうか」

と、トラジがカタナを構え詰め寄る。

身構えるアイヴィー、エルザ、クオンの三人。

 

「…来るわよ!」

次の瞬間、無影と時雨がそれぞれエルザ、クオンに飛び掛る!

「くっ…まったくもって本当に懲りん奴らだ…!」

無影の素早い攻撃を、トンファーさばきで受け止めていくエルザ。

「隊長!」

クオンはエルザのほうに向かって呼びかけるが、その背後から時雨が飛び出してきた!

とっさに電磁警棒を取り出し、時雨のクナイを受け止める。

「おっと…アンタの相手はアタシだよ」

「くっ…!あんたも相当しつっこいな!」

そんな激しい応酬をよそに、陽光を背に対峙するアイヴィーとトラジ。

「…正直驚いたよ。まさか現ファンガルド警察総監殿が自ら乗り込んでくるとはな」

「…あら、追い詰められている身だというのにずいぶんと余裕じゃない。後悔しても知らないわよ」

「…それはどうかな?」

と、トラジが指を鳴らすと、壁が開き、無数のロボットヤグザたちが飛び出してきた!

 

「なっ!?」

「そんな!?」

「フフフ…君らのような高性能ロボットともあろうものが伏兵に気づかんとはな。実に滑稽だ」

「くっ…卑怯者め!!」

次々に襲い掛かるロボットヤグザたちの前に、追い込まれた三人。

「くっ!まんまとハメられたってワケね…!」

「その通り。ノコノコのりこんできた自分自身を呪いながら死んでいくがいい!フハハハハハ!!」

13時11分。

「よーし!機動3課はみんな脱出したか!?」

「大丈夫、みんな脱出してるよ」

ビルの外では、ヴィルマーやカヤ、フュア、イシス、ウー、シス、グーテ、リク、そして突入した警官全員が無事に脱出していた。

「…にしても、案外ラクだったな」

とこぼすウーのもとにリクが駆け寄ってくる。

「大変です!総監と隊長とクオンお姉ちゃんがまだビルの中に!」

「なんだってぇ!?」

13時25分。

次々にロボットヤグザをなぎ倒し、蹴散らしていく三人。

だが、その顔には疲労が見え始めていた…。

「はぁ、はぁ…これで全部…かな?」

「そうみたいね…もうそれらしい反応は見受けられないわ」

「さぁ、これでチェックメイトだ。大人しくしろ」

「ふん、なかなかやる様だな。だがまだまだ何かお忘れのようだな」

「なんだと!?」

と、食って掛かるエルザの背後から、無影と時雨が飛び掛ってきた!!

 

「隊長!後ろ!!」

「ちっ!!」

身を翻し、両者のカタナを受け止めるエルザとアイヴィー。

「こいつら…気配を消していたのか!!」

「フン、やはり周りが見えてなかったようだね。疲れきったところを一気に倒すって算段だよ」

「くそっ…!!」

と、歯を食いしばり時雨を睨み付けるエルザだが、先ほどの乱戦でエネルギーを消耗し、反撃に転じるどころか食い止めるだけで手一杯だった。

それは無影の攻撃を受け止めていたアイヴィーにもいえることであった…。

 

「ハハハハハ!さぁ、いつまで持ちこたえられるかな!?」

と、高らかに笑うトラジ…。

しかし、エルザはトラジの方をにらみつけながらこう言い放った。

「…なるほど。確かに周りが見えていなかったな。まるで今の貴様のようだ」

「ふん、この状況で何を…」

と、トラジが余裕の笑みを浮かべていたのも束の間、二条のビームが無影の右肩を、そして時雨の左肩を掠めたのだ!!

「ぐあぁぁぁっ!!」

ビームを肩に受け、倒れる無影と時雨を見るや、エルザはトラジに言った。

「やはりな。我々を倒すことにばかり気が行って周囲の状況が読めなかったか」

「な、なんだと?」

ふとトラジが窓の外に目をやると、先ほど離脱したナインチョッパーが戻ってきていた。

アレクが精密射撃でロボットヤグザたちにショック弾を打ち込んだのだ!

「無事ですか隊長!」

「アレク、フィーア…すまない」

「私たちは先に地上に降りていますわ」

そう言って、アレクとフィーアを乗せたナインチョッパーは再び去っていった。

「…そういうことだ。我々には優秀なスナイパーがいるということを失念していたようだな」

「ふん、だが君らもかなりエネルギーを消耗しているはずだ。この状況で勝ち目はない。諦めることだな…!」

と、トラジはカタナを構え、エルザとアイヴィーに向かいゆっくりと歩み寄っていく。

「…無影、時雨。もう下がっていいぞ。奴らへのとどめはこの俺が刺す」

トラジの言葉に、忍者ロボ二人はただ黙って頷くと、そのまま身を隠した。

「何をするかと思えば。これでは残るのは貴様一人だけだぞ?さぁ、大人しくお縄に…」

と、エルザがトラジを捕らえようとしたそのときだった!!

 

「…いけない!そいつから離れて!!」

アイヴィーがエルザに叫ぶ。トラジはカタナを地につけ、一呼吸おいたのち、手に力を込める。

「…一人だけだからどうした?勝てるとでも思ったのか?残念だがこの勝負…我々の勝ちだ!死ねぇ!!」

と、トラジはそのままエルザ目掛け、カタナを勢いよく振り上げる!

「!?」

「エルザーっ!!」

アイヴィーの悲痛な叫びが最上階に響く。その、まさに次の瞬間だった!!

「あ…!?」

…一瞬。ほんの一瞬の出来事である。

カタナの一撃を受け、ダメージを負っているはずのエルザは、わずかに髪を切り落とされたのみ…。

そして、エルザを亡き者にしようとしていたとうのトラジはというと…頬に拳を喰らい勢いよく床に叩きつけられていたのである。

「クオン!」

「クオンちゃん!」

そう、トラジを殴りつけたのはクオンだったのだ。

「灯台下暗しってね。どさくさに紛れてヤツの後ろに隠れてたおかげで気づかれずに済んだよ」

「き、貴様らァ…!」

殴られた頬を押さえながら立ち上がろうとするトラジに、アイヴィーが詰め寄る。

 

「どうやら勝負はあったようね。さぁ、観念して大人しくお縄につきなさい!」

まさにアイヴィーがトラジに、手錠をはめ込もうとしたその時、トラジの背後に、先ほどまで姿を消していた時雨が再び現れたではないか!

「…どうやら潮時みたいだよ、トラジ」

「くっ…そのようだな…」

時雨は、トラジを抱きかかえると窓際へと移動する。

「待ちなさい!トラジ・キクガオカ!!」

と、アイヴィーが二人に詰め寄ろうとしたその途端、トラジを抱きかかえた時雨は大きくジャンプし隣のビルの屋上へと飛び移る

「待て!!」

すかさず、隣のビルに飛び移ろうと身構えるアイヴィーめがけ、時雨はクナイを投げつけた!

 

「がっ…!?」

投げつけられたクナイが突き刺さった額から火花を散らし、アイヴィーはその場に倒れこんだ…。

「そ、総監!?」

アイヴィーに駆け寄るエルザとクオン。

「そんな…ウソだよね…!総監!総監ーーーーー!!!!」

…三人以外に誰もいなくなった社長室に、クオンの泣き叫ぶ声が響き渡った…。


 
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