No.549450

(番外編)四法の足跡・秘典 ~四法の夢~ 『プレ』オープニング

VieMachineさん

1997年頃に書いていた文章を忘れていた自分のHPから発掘したので、日の目を見るところに公開してみようという挑戦?です。
オリジナルなので、もっとちゃんと世界観を説明するべきだとは思うのですが…ちょっと書き直すほどまだ物書き熱が戻ってない状況でして…

ただ、何にもないのもアレなので、あるはずのオープニングにつながるオープニング『前』を書いてみました。ちなみにオープニングはまだありません。
今回だけちょっとSF入りですが、本編は全然SF分ありません。普通にファンタジーだけです。キャラも共通じゃないです。

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2013-02-27 23:33:26 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:566   閲覧ユーザー数:566

 

「あ~もうぐだぐだだぁ~。何でそうなるのぉ?ちがうぅぅこっちだからぁぁ、ああああ!」

「てかさ~ボクここにいる必要ないよね?干渉できないんじゃマスタリングもできないしっ。あ、局長そこ、そこ違ってる。」

 

姦しい…。ただでさえ茜はうるさいのに、普段冷静なマスターまでが極限モードに入っていて、もはや耐えられないほどだ。せめてシンディが居てくれれば落ち着きもするのだろうが、大規模心形態統合システムを統括する時間子誘導場統括者・インダクショナーとしての仕事に就きっきりである。同様の能力を持つ楓華も今はシステム内のMGLRPSに参加している。

 

「時間比5倍まで落としましたよ?マスター」

「時間遮断壁への影響はぁ?」

「時間子反射率20%減、壁内も通常時間の1千万分の1の時間が流れてしまっています。」

 

名実共に箱船となってしまった PArk-01-1 ARK の乗員10万人の頭脳をつなぎ、思考加速することにより、人間が本来持つ時間操作能力を増幅統合するシステム、大規模心形態統合システムは、いずこから紛れ込んだかわからないウィルスにより異常事態に陥っていた。普段1000倍まで加速している乗員達の思考は、システムの異常伝播を防ぐため今や200分の1となり、時間遮断壁によって囲まれた箱船、そして地球に着実に外部の厄災を伝える要因と成っていた。

 

「あいてるA.L.F.はいないのっ?」

「どのレベルですか?師団長レベルということでしたら、ラスと僕が手漉きですけど。」

 

ウィルスは仮想生活空間 MGLRPS の基幹部分に食い込み、本来このロールプレイングにシナリオを与えるべき管理者達が現実空間との意識をもったままログインする機能を完全に破壊していた。つまり、内部の社会情勢は完全に管理部門の手を離れていると言うことになる。また、この不具合を解消するためにはウィルスの情報提供が不可欠なのだが、そのインターフェースも破壊されており多くの管理者はダメ元のノーマルログインを繰り返していた。ノーマルログインでは管理者といえど一般のキャラクタと差異はなく、内部での指令遂行ができないが幸い、ジオメトリデータとキャラクタスケルトンの変更が管理部門から可能であったため、そこに記憶データを紛れ込ませることで、なんとか最終目的に近づくよう誘導が行われていた。

 

「あ、局長!きたよ!情報きた!ワクチンつくらないと」

「はい…ではスルースさん。ログインの準備をしてください。我々がワクチンを開発次第それを内部の紫苑達に渡してもらいます。」

 

……。朗報でマスターの正気が戻ったかな?

僕たちA.L.F.はAIと量子演算器の複合体であることの利点をいかして、MGLRPS に例外機能を実装することができる。これは処理能力の範囲である極々短時間、数分であれば外部記憶をシステム内に持ち込めることを意味した。

今日だけでもう何度目のログインになるかわからないが、これからしばらくはログアウトの暇も無くなるかもしれない。長期滞在するとシステムに人格飲まれていやなんだけど…そんなことも言ってられないか。

 

僕は自分のシートに戻ると、信頼性のためそれまで使っていた無線接続から有線接続への切り替え準備にとりかかる。

そして…

 

『プレ』オープニング Fin

 

 

 
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