No.547097

仮面ライダー 打ち砕け! 暗黒魔術師の野望 29

ゲルショッカーに捕まった仮面ライダー一号。首領の目まではごまかせなかったもののアジトに侵入する事に成功する。そして彼は解毒剤を奪った愛紗達を先に行かせ、洛陽の人々を苦しめた悪魔ゴキブリカビと対峙し、死闘の末倒すのであった。

2013-02-21 18:38:28 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:1251   閲覧ユーザー数:1202

本郷猛、董卓、賈駆に裁きを下すのこと

 

 

数時間後、華佗は董卓達を含め、洛陽の人々の治療を終えた。

 

辺りはすっかり日が暮れて夜になっていた。

 

そして目を覚ました洛陽の人々が連合軍の施しを受けている最中

 

華佗は道の真ん中で座り込んでいた。

 

華佗

「ハァ・・・ハァ・・や、やっと終わった・・・」

 

休憩なしでゴッドヴェイドーの治療を続けていたからか若干やつれている。

 

愛紗

「お疲れ様でした。華佗殿」

 

華陀

「ああ・・・全員の治療は今終わった。とりあえず、俺はもう休ませてもらう。」

 

華佗が帰ろうとしたその時

 

鈴々

「華佗のおじちゃ~ん、ありがとなのだ!」

 

(ドテッ!)

 

鈴々にそう言われこけそうになった。

 

そして華佗は振り返ると

 

華陀

「おじちゃんはないだろ! 俺はこう見えてもまだ20歳なんだぜ!」

 

華佗はこれまでにない笑顔で鈴々にそういい義勇軍の本部がある場所まで

 

戻っていく。

 

それと同時に本郷がサイクロンを走らせて帰ってきた。

 

(ブウウン・・・ブウウン・・・ブウウウウン・・・)

 

本郷猛

「ただいま皆。」

 

桃香

「お帰りなさいませ ご主人様」

 

鈴々

「お帰りなのだ!お兄ちゃん」

 

本郷猛

「ゴキブリカビはとりあえず倒した。洛陽の皆は?」

 

「あの解毒剤で助かりましたよ。 今他の連合軍が人々に

施しをしている最中です」

 

本郷猛

「そうか・・・そしてこの子達が董卓と賈駆か?」

 

二人はまだ眠っている少女二人の顔を見る。

 

愛紗

「はい、そしてこの少女が董卓ではないかと・・・」

 

愛紗はまだ眠っている綺麗な服を着た少女を本郷に見せる。

 

本郷猛

「この子が董卓? 俺の世界での董卓は凶悪な人物として恐れられ

ているのに、この子はとてもそんな風には見えない。むしろ心優し

そうな雰囲気が伝わってくる(まさかこの子は別の可能性の董卓?)」

 

とその時、

 

「う、ううう・・・・」

 

「う~ん・・・」

 

少女二人が目を覚ましかけ、そして賈駆はわずかに目を開けると

 

「?・・・・・・! え、えええええっ!!」

 

見慣れない男女が自分達を見ていたので、思わず詠は飛び起きてしまう。

 

「あ、アンタ達一体誰なのよ! それに僕達をどうしようというのよ!?」

 

「・・・・? 詠ちゃ・・・・!」

 

月も起きると知らない人を見て驚いたのか僕の方へよってきた。

 

 

「あ、貴方達 誰ですか!?」

 

本郷猛

「俺達は連合軍だ」

 

「れ、連合!?」

 

詠は驚いて腰を抜かしそうになる。無理もない。自分達の命を狙っている連合が

 

目の前にいるのだから。

 

本郷猛

「怖がらなくていい。 俺達は君達に危害を加える意思はない。既に

君達がゲルショッカーに悪政を強いられていたのは分かっていることだ

それにこの洛陽に奴らはもういない」

 

「ええっ? じゃあ 張譲は? ゴキブリカビは!?

あの悪魔はどうなったの!?」

 

本郷猛

「俺が倒した そして奴らから奪った解毒剤で君達を

助けたんだ」

 

「嘘っ!?」

 

賈駆は信じられないことを聞いて驚いた。何故なら自分達の兵も、敵わなかった

 

化け物を目の前の男が倒したといっているのだから。

 

「あいつを倒したって本当なの? とても僕には信じられないよ!」

 

本郷猛

「外を見てごらん。 奴らはどこにもいないはずだ」

 

詠は本郷にそう言われて、城の外を見てみると洛陽の民が呉と魏の軍の施し

 

を受けており、そして全員の体からカビが消えているのが確認できた。

 

そしてゲルショッカーの怪人らしい姿は確認できなかった。

 

どうやら目の前の男の言うことは本当らしい。

 

「これって・・・つ、つまり皆・・助かったの?」

 

鈴々

「今気づいたのかなのだ?」

 

「だってそうでしょ? 化け物を倒したっていってもすぐには信じられないわよ」

 

本郷猛

「無理もない。 そして、君が董卓だな?」

 

本郷は綺麗な服を着た少女にそう聞いたとき

 

「違っ! 僕が董卓・・・」

 

鈴々

「嘘なのは丸わかりなのだ」

 

「何で分かるのよ?」

 

鈴々

「だって目が泳いでいるし、お姉ちゃん 冷や汗かいているのだ」

 

鈴々にそう指摘され、詠は子供に嘘を見透かされ落ち込んでいると

 

董卓はこう答える。

 

「はい、私が董卓です。」

 

本郷猛

「君なら真実を知っているはずだ 一体この洛陽で何があったのかを話して

欲しい」

 

「・・・・あれは数週間前のことです。 張譲に何進将軍暗殺の濡れ衣を

着せられた私は恋ちゃ・・呂布さんと一緒にその場から急いで離れ、この

洛陽まで逃げてきたのですが・・・」

 

月は数週間前にあった事を彼らに話し始める。

 

 

数週間前

 

朝廷から逃げ帰った月と恋は洛陽の城へと入ると、そこにはいるはずのない人物が

 

いたのだ。

 

張譲

「やあ、遅かったですね 董卓?」

 

「ちょ、張譲! どうしてここに!?」

 

月は驚く。何故ならこの城から朝廷までは数日かかる距離であり、

 

何とか追ってきたとしても自分達よりも先につくはずがないのだ。

 

張譲

「飛んできて先回りしたんですよ」

 

「・・・・飛ぶ?」

 

恋は張譲が意味不明な事を言ったので困惑したとき、そこへ賈駆と張遼

 

そして華雄がやってきた。

 

華雄

「董卓様! 何事ですか!?」

 

「ちょ、月! どうしたのよ!?」

 

「詠ちゃん 華雄さん! この人、霊帝と何進将軍を殺したの!」

 

月は逃走中恋から事情を聞いていたので張譲を指さした。

 

「何やてっ!?」

 

「しかも、恋達はめた・・・」

 

「えっ!?」

 

詠は事情を把握すると、すぐにこういう。

 

「誰かある! 直ちにこの男を捕らえなさい!」

 

「はっ!」

 

詠に呼ばれた兵士達は張譲を捕らえる為に彼に向かっていくが・・・

 

張譲

「愚かな・・・・・フフフフ・・・」

 

張譲は突然不気味に笑い出すと、その姿はゴキブリカビになった。

 

ゴキブリカビ

「ブブブブブ・・・!」

 

「うわああっ! ば、化け物!」

 

兵は突然張譲が怪物に変身したことに驚き、一瞬怯んでしまい

 

怪物の口からでる粉に当たってしまう。

 

「ぐ、苦しい・・・・」

 

そういうとそのまま床に倒れ、そして体にカビが生えてきた。

 

しかもそれだけでなく

 

ゴキブリカビ

「かかれっ!」

 

ゲルショッカー戦闘員

「ギィ!」

 

どこに潜んでいたのか戦闘員は次々と姿を現し、董卓の兵士を次々と切り倒してしまう。

 

そして兵士が全滅すると、霞、華雄、恋は月、詠、音々音を守りながら後退る。

 

ゴキブリカビも元の張譲の姿に戻ると、彼女達にゆっくりと近づいていった。

 

張譲

「フフフフ・・・・逃がしませんよ」

 

「来るなや! 化け物!」

 

霞が威嚇するも、張譲は怯まなかった。

 

張譲

「そう邪険にしないで下さい。僕はただ董卓にあることを洛陽の民に命じて欲

しくてここに来ただけです」

 

「そ、それは一体?」

 

月は張譲に質問すると張譲は何と、民達に無茶な治水工事、重税、そして

 

逆らう者は処刑する事など考えられないことを月にするように言ってきた。

 

「そ、そんな酷い事出来ません!」

 

張譲

「できないじゃない! やるんです! これは命令だ!」

 

「命令って・・・・あんた 何の権利があってそんな事いうのよ!」

 

張譲

「ふふふ・・・やはり逆らいますか・・・ならこれならどうです?」

 

(パチンッ!)

 

張譲は指を鳴らすと戦闘員が誰かを連れてきた。それは何と・・・

 

「う、ううう月・・・」

 

「月・・・・」

 

「お父さん! お母さん!」

 

月の両親だったのだ。しかも体にはカビが生えていて、月は思わず両親

 

の元へといこうとするが張譲は再びゴキブリカビになりそれを阻む。

 

ゴキブリカビ

「動くな! 動くとこの二人を殺しますよ!」

 

「ひっ・・・・」

 

月は恐怖の余り、動くことも出来なかった。

 

「お前、何者?」

 

ゴキブリカビ

「僕はゲルショッカーの怪人ゴキブリカビだ!」

 

「げ・る・し・よ・つ・か・あ?」

 

ゴキブリカビ

「ブブブブ・・・聞き慣れない言葉ですから上手く話せなくて当然ですね?

それよりも、返事は?」

 

ゴキブリカビが戦闘員の方をみると戦闘員は月の両親の首元にナイフを押し

 

当てる。

 

ゲルショッカー戦闘員

「ギイッ!」

 

「ひっ!」

 

「や、止めて! 止めて下さい!」

 

月は泣きながらゴキブリカビに乞願する。

 

ゴキブリカビ

「止めて欲しければ、どうすればいいか分かっているはずです」

 

ゴキブリカビにそう言われると、月は思わず一瞬悩む。民を苦しめたくは

 

ないが、ここで両親を殺されるわけにもいかない。彼女は悩みに悩んだ末

 

・・・遂に・・・

 

「わ、分かりました・・・」

 

「ちょ、月?」

 

「本気かいな!?」

 

「お父さん、お母さんを殺されたくないよ」

 

「月、馬鹿なことを言うな・・・」

 

「そうです。貴方達だけでも逃げなさい・・」

 

両親は月達に逃げるようにいうが

 

ゴキブリカビ

「黙れっ!」

 

ゲルショッカー戦闘員

「ギイッ!」

 

(ドカッ!)

 

戦闘員はゴキブリカビの合図で両親を気絶させた。

 

そしてさらに蹴りを入れ始める。

 

「ああ止めて! 言うとおりにしますから・・・」

 

月は涙を流しながら、ゴキブリカビに慈悲をこう。

 

そして、彼女はゲルショッカーのいうままに悪政を行わざるを得なくなり、

 

それから連合軍が来るまでの間、悪政により洛陽では董卓に対する怨嗟の声が

 

拡がっていった。

 

 

本郷猛

「・・・・・・・・・」

 

「こうして私は連合軍が来るまでの間、悪政で人々を苦しめてしまい、逆

らった者はゴキブリカビと戦闘員に酷い目にあわされ、死んだ人も出ました」

 

愛紗

「・・・・・・・・・」

 

「でももうこれ以上悪政を行うことに耐えられなくなった私は、両親をこっそり助け出して、皆でこの洛陽を逃げようとしたんですが、その前にゴキブリカビに見つかってしまい・・・」

 

月はこんな事を言い出す。

 

月の両親が監禁されている部屋を発見した月は両親を助けると、皆で洛陽

 

から逃げようとしたが

 

ゴキブリカビ

「ブブブブッ!」

 

「ゴ、ゴキブリカビ! どうしてここに!?」

 

ゴキブリカビ

「僕を甘く見てもらっては困りますね。」

 

実はゴキブリカビは城中に監視カメラを設置して月達の行動を見ていたのだ。

 

現代の物であるカメラを知らなかった為、月達はゴキブリカビが離れていても

 

自分達を監視できるとは知らなかったのだ。

 

ゴキブリカビ

「逃げだそうとした報いを受けてもらいます。 ブブブブッ!」

 

ゴキブリカビは口からカビを吐き出し、月に浴びせる。

 

(ブシャアアアアッ!)

 

「きゃあああっ!」

 

そして粉を浴びた月は苦しみだしはじめ

 

「く、苦しい・・・・た、助けて・・・・」

 

詠、恋、霞

「月!」

 

音々音、華雄

「董卓様!」

 

その場にいた者は急いで月の元へと近づき、その体にはカビが生えているのを見た。

 

桃香

「・・・・・」

 

「私達は皆で洛陽から逃げだそうとしたんですがあいつに見つかって

カビを浴びせられてそこからの記憶が・・・・」

 

鈴々

「一体その後どうなったのだ?」

 

「す、すみません。ここで目を覚ますまでその後何があったかは・・・」

 

「今度は僕が話すよ月 ・・・月がカビを浴びせられた後、あいつはこういったの」

 

月にカビを浴びせるとゴキブリカビはこういう。

 

ゴキブリカビ

「愚かな奴だ・・・大人しく従っていればこんな事になりませんでしたのに」

 

その場にいた者はゴキブリカビを睨み付けるが月の二の舞になるのが分

 

かっていたので手が出せなかった。

 

そして今度はゴキブリカビが意外なことを口にする。

 

ゴキブリカビ

「本来なら、皆さん処刑ですが、ここは一つ取引と行きましょう」

 

「取引やてっ?」

 

ゴキブリカビ

「そう、もしこの条件を呑み果たすことができたなら、カビを植え付けた皆さんの

治療、そして今後一切この洛陽に危害を加えないことを約束します。」

 

「何なのよその条件って?」

 

ゴキブリカビ

「君達の中の誰かが改造手術を受けて、怪人になって仮面ライダー

と戦ってもらえばいいだけの話です。」

 

華雄

「何者なんだ? その仮面らいだあというのは?」

 

ゴキブリカビ

「『天の御遣い』の話を聞いたことはありませんか?」

 

音々音

「そういえば、数ヶ月前に幽州の地にその様な人物が来たと

聞いたことがありますが・・・」

 

ゴキブリカビ

「そう・・・そして仮面ライダーとはその『天の御遣い』が変身した姿のことです

そいつのせいで黄巾党も壊滅しましたし・・・」

 

「ええっ!?」

 

詠達は怪人からその事を聞いて驚く。黄巾党が潰滅したのは知っていたが

 

まさか天の御遣いによって潰滅させられたとは驚くしかない。

 

ゴキブリカビ

「どうです? もし仮面ライダーを倒せたら、洛陽の人々、そして董卓を

解放するように首領に掛け合ってもいいんですけど・・・」

 

ゴキブリカビにそう言われ、華雄は主、そして洛陽の民を救う為、

 

人間として決して応じてはならない取引に応じることを決意する。

 

華雄

「分かった・・・なら、その改造手術 私が受けよう」

 

「ちょ!? 華雄!?」

 

「あんた正気か?」

 

華雄

「董卓様を救う為にはこれしか方法がない」

 

ゴキブリカビ

「ほう? いいのですか? 一度改造されたら二度と人間には戻れませんよ?」

 

華雄

「構わん! 怪人になってそのライダーを倒し、董卓様が解放されるなら

この華雄、人としてのこの身、惜しくはない!」

 

ゴキブリカビ

「分かりました。 ならこっちに来なさい 華雄」

 

華雄

「分かった。」

 

「ちょ!? 華雄 駄目」

 

詠は思わず華雄を止めようとするも華雄は仲間にこういう。

 

華雄

「心配するな。 何しろ私は長生きするたちだからな(^_^)」

 

笑みを浮かべた彼女の顔には決意と覚悟が含まれているようにも見え、

 

そのまま怪人達に連れて行かれてしまった。

 

「か、華雄ううううううううううううううっ!」

 

詠の叫びにはそのままむなしく廊下に響き、それが詠達が見た華雄の人間として

 

の最後の姿だった。

 

 

「・・・・・・・・・」

 

「そして、汜水関の戦いが始まる前夜、怪人になった華雄は張譲と

打ち合わせをして、アンタと戦う為、汜水関に向かったわ。 そして

張譲が戻ってきたとき、あいつは僕にもカビを・・・」

 

「そ、そんな! 華雄さんが私の為にそんな事をっ!?」

 

月は余りにも残酷な事実の余り涙を流しそうになる。

 

「じゃ、じゃあ華雄さんは!? 華雄さんはどうなったの!?」

 

本郷猛

「彼女は怪人になっても武人の魂を捨てず、正々堂々、俺と戦い

負けを認めたあと、邪魔してきたゴキブリカビに人質にされた俺の

仲間を助け出し、そして別の敵から俺を守る為に自ら盾になって・

・・・命を落とした」

 

本郷は黙っていてもいずれ分かってしまうだろうとあえて今話す事に

 

した。

 

「そ、そんな嘘でしょ!?」

 

「嘘ですよね?・・・・華雄さんが死んじゃったなんて・・・・

何かの間違いですよね!? お願いです!嘘だと言って下さい!」

 

本郷からそういわれた彼女は現実を受け止める事が出来ず

 

何かの間違いではと彼に聞くが

 

本郷猛

「いや・・・・彼女は全てを俺に託し、誇り高い武人として

逝ってしまった・・・」

 

本郷に華雄が死んだことを告げられた彼女は、彼の言っている

 

事に嘘が無い事を理解して

 

「そ、そんな・・・、う、うわああああああああああああああっ!」

 

遂に泣き出してしまう。無理もない。 家族同然でもあった華雄がもうこの世に

 

いないと知らされたのだから。

 

「じゃ、じゃあ呂布は? 陳宮は!? 張遼は!?」

 

桃香

「呂布と陳宮って人なら、ご主人様が退けてどこかに逃げましたよ。張遼って人は

たぶん曹操さんの軍に投降したと思います」

 

「そ、そう・・・」

 

詠はせめてその3人だけが無事だと知らされホッとした。しかし月は

 

何か覚悟を決めたのか本郷にこう言い始める。

 

「華雄と戦ったって事は・・あなたが『天の御遣い』様ですか?」

 

本郷猛

「そうだ それがどうしたんだ?」

 

すると彼女は本郷にこういう。

 

「お願いです! 私を殺して下さい!」

 

一同

「ええっ!?」

 

「何言ってるのよ!? 月!?」

 

詠は驚く。命乞いするなら分かるが自分から進んで殺してくれなんて

 

いうのはおかしい。

 

愛紗

「お主、正気か!?」

 

鈴々

「せっかく助かったのに何馬鹿なこといっているのだ!」

 

「いいんです。これで、私が不甲斐ないばっかりに張譲に人殺しの汚名を着せられ

たあげく、両親の命惜しさに悪政を強いて民を苦しめ、逆らった人達もあの人達に

殺されました。そしてこれ以上の悪政に耐えられなくなった私は両親と仲間だけを

連れて逃げようとしたから、華雄があんな事に・・・」

 

鈴々

「別にお姉ちゃんが悪いわけじゃ・・・」

 

「いいのよ。私はこの洛陽を治める領主として決してしてはならないことを

してしまったの・・・・それに真実を知っても洛陽の皆の私に対する怒りと憎

しみは消えないでしょう・・・」

 

「ゆ、月・・・」

 

「私にできる事は、悪人として『天の御遣い』様に倒されること・・それで洛陽の

人々の気がすみ、笑顔が戻せるなら・・・」

 

本郷猛

「董卓・・・・・」

 

本郷は董卓の覚悟に驚く。小さい体ながら、領主としての責任を感じるが故に

 

自分にできる最大限の責任を果たそうとしているのだと・・・

 

そう悟った本郷は・・・

 

本郷猛

「・・・・・分かった」

 

一同(鈴々)

「ご、御主人様!?(お兄ちゃん、本郷!?)」

 

一同は本郷は董卓を説得し、生きろというと思っていたが思いもしないことを

 

いったので驚いていたのだ。

 

 

そして本郷は変身する為の構えをとる。

 

本郷猛

「・・・・フンっ!」

 

(ピュイイイイン!)

 

本郷猛

「ライダー・・・・」

 

本郷は左手を腰に当て、右腕を左側に持ってきてポーズをとると、

 

右腕をまた右側に持ってきて、今度は右腕を腰に当て、左腕を右側に持っ

 

てきた。

 

本郷猛

「変身っ!」

 

(ゴウン!)

 

すると本郷の腰から赤い風車のついたベルトが現れ、

 

ベルトから発した凄まじい光が彼を多い光が晴れると本郷は仮面ライダー

 

になっていた。

 

(ピュイイイイン!)

 

初めて本郷が変身した姿を見た月、詠は驚く。

 

「あ、あんたがゴキブリカビがいっていた・・」

 

「仮面ライダーさん・・・・?」

 

仮面ライダー一号

「そうだ・・・・最後に聞く。 言い残すことはないか?」

 

「はい・・・洛陽の皆には『許してくれとはいいません。

ただ私が死ぬことで、皆に笑顔が戻るなら私は喜んで地獄

での裁きを受けます』と伝えて下さい。」

 

仮面ライダー一号

「分かった。」

 

その時、詠が止めに入ろうとしたとき、仮面ライダーは攻撃の体制をとり

 

拳を月に向け、そして・・・

 

(ピュイイイイン!)

 

仮面ライダー一号

「ライダアアアアアアアアアア・パアアアアアンチッ!」

 

その一撃のパンチは少女に向けられてゆっくりと振り下ろされていく。

 

「だ、駄目ええええええっ!」

 

詠は止めようとしたが間に合いそうにもない。

 

これでいい、自分のせいで多くの人々を傷つけ、死なせてしまったのだから・・・

 

そう思う董卓は仮面ライダーの攻撃を避けようともせず、涙を流しながらただ目

 

をつぶるだけであった。

 

 

しかし・・・・

 

(ドゴオオオオオオオオオンッ!)

 

「・・・・・?(私、まだ死んでない?)」

 

その音は人間を殴った音ではないどころか自分は痛みすら感じていない。

 

何事かと思い月は恐る恐る目を開けると、目の前の仮面をつけた人物は

 

自分ではなく、なんと自分の後ろにいた自分をさそうとしていた覆面をつけ

 

た人の体をその人の拳は貫いていた。 

 

「へうっ!?」

 

白蓮

「なっ? いつの間に戦闘員が!?」

 

鈴々

「こいつら 性懲りも無く、董卓を狙っていたのかなのだ!?」

 

愛紗

「もしかして御主人様? こいつから董卓を守る為に変身を?」

 

ゲルショッカー戦闘員

「ギ、ギイイイイイッ・・・」

 

覆面の人はそのまま後に倒れると、溶けて消えてしまう。

 

それと同時に覆面の人を倒した人は後ろを向いて、月にこういう。

 

仮面ライダー一号

「悪政を強いて人々を苦しめていた暴君董卓は、この私仮面ライダーが倒した。」

 

「えっ? あ、あの・・・」

 

月はライダーの言うことがよく分からず困惑しだす。

 

仮面ライダー一号

「ここにいるのはその董卓に捕らわれていた唯の女の子達だ。そうだろ?皆」

 

愛紗

「ええっお見事ですご主人様」

 

鈴々

「凄いのだ!お兄ちゃんが悪い董卓をやっつけて

お姉ちゃん達を助けたのだ!」

 

朱里

「これで洛陽の人達は自由の身です」

 

一部は本郷の意図に気づいたのか、あえて彼にあわせていた。

 

(ボシュン!)

 

ライダーは変身を解除し、二人の少女を見つめると董卓は彼にこう聞く。

 

 

「あの・・・なぜ・・・私を殺さないのですか? 脅されていたとはいえ

、私は悪政を行っていた身、死罪になってもおかしくないのに・・・」

 

本郷猛

「死ぬことだけが罪を償うことにはならない。もし犯した罪を償いたいのなら

生きてどう償うのか考えろ」

 

「でも・・・」

 

本郷猛

「それにこれは華雄の最後の頼みだ。彼女は死ぬまで君の事を心配していた。」

 

「華雄の・・・?」

 

本郷猛

「それに、俺は君のように心優しい人間を殺せないし、ゲルショッカーに殺された

人達の為にも君は生きて、俺達と共に奴らと戦う義務がある」

 

詠、月

「・・・・・・・」

 

本郷猛

「共にいこう。 そしてどうすれば罪を償えるのか、その方法を見つけよう」

 

二人の少女はその男の器の大きさに感激し、涙が出そうになる。

 

この人なら信用できる。真名を預けられる。そう思った少女二人は

 

「・・・分かりました。 私の名は董卓 字は仲穎 真名は月です」

 

「僕は名を賈駆 字を文和。真名は詠よ この真名アンタ・・・

いえ貴方に預けます」

 

本郷猛

「分かった・・・・心して君達の真名受け取らせてもらう」

 

二人

「はいっ!」

 

こうして義勇軍に月、詠という二人の少女が新たに仲間に加わった。

 

その後、義勇軍は二人を守る為に洛陽の城を焼き払い、董卓は本郷が倒した事に

 

して、連合、そして洛陽の民にそういうと、洛陽で歓声が起こり誰もが、本郷を

 

街を解放した英雄として称えるのであった。

 

つづく


 
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