No.546945

魔装機神インフィニット・ストラトス

遂にあの男が・・・!?

2013-02-21 01:04:36 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3186   閲覧ユーザー数:3057

第十二話「クラス対抗戦、開始」

 

 

 

 

クラス対抗戦(リーグマッチ)当日

 

~第二アリーナ観客席~

 

「へぇアレが鈴の専用機か」

 

「ああ、名前は『甲龍(シェンロン)』。近接格闘型でかなりのパワーを持っている」

 

興味深そうに鈴のISを見つめていると唯依が解説を入れる。

 

「って、随分と詳しんだな?唯依」

 

「ああ、同じ代表候補生だから他の国の代表候補生の情報は多く手に入れるに越したことは無いからな」

 

「なるほどな」

 

「無駄話もそれぐらいにしろ。始まるぞ」

 

唯依の話に感心していたら、クリスカから冷たく声を掛けられアリーナ中央にいる一夏と鈴に視線を向けた。

 

「それにしても一夏の奴、大丈夫かよ?」

 

リーグマッチ前日に一夏が鈴に対して禁句を言って完全に怒らせたことを思い出し、ため息をついた。

唯でさえ一週間ほったらかしで鬱憤がたまっていた鈴に更に禁句である『貧乳』を言ってしまったのだ、その怒りはかなり酷かったらしい。

 

「まぁ、腕の一本で済んだら御の字じゃないのか?」

 

俺の呟きにクリスカが相変わらずの冷ややかな声で返してきた。

 

「いや、流石に鈴でもそこまでは・・・・しないんじゃ・・・ないのか?・・・・多分」

 

前日の怒り具合を思い出すと断定はできない。もしかしたら半殺しになるんじゃねぇか?

 

「い、いや、いくら彼女でもそこまでするとは思えないぞ。仮にも代表候補生、そこら辺の自制はできているはずだ」

 

「いーや。あの鈴そんな自制が出来てたんなら中学時代俺らが苦労しなかったぜ?」

 

俺の言葉にクリスカとイーニァはうんうんと頷き、そんな俺達を見た唯依は顔を引き攣らせていた。

 

(まぁ、何事もなく終われば良いんだがな・・・)

 

なんとなく嫌な胸騒ぎがするのを感じながら俺は無事に試合が終わるの祈った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッタレが!嫌な予感が当っちまったぜ!!」

 

あの後、試合は終始鈴のペースで行われた。周囲三百六十度死角なし更には砲身も砲弾も見えない衝撃砲『龍砲』の前に一夏はなす術がなく追い込まれていった。が、一夏の専用機『白式』の単一仕様能力(ワンオフアビリティ)『零落白夜(れいらくびゃくや)』と千冬さんから教わった瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使った奇襲を開始しようとした瞬間、そいつが現れた。

アリーナの遮断シールドを貫いて現れた謎のISそいつは問答無用で一夏達に攻撃を開始した。

アリーナ内はパニックに陥り、俺はそれを見た瞬間駈け出した。

 

(何かヤベェ!何だか知らないが、早く一夏達の所に行かなきゃヤベェ気がする!!)

 

試合前からあった胸騒ぎは先ほどよりましてそれが俺自身を急がせる。

 

「雅樹!」

 

「ッ!?唯依か?」

 

駆け出す中、後ろから声を掛けられ振り返ると唯依が俺の腕を掴んできた。

 

「唯依か?っではない!何をしている?早く避難するぞ!」

 

「へっ!悪いがお断りだ」

 

「な、何だと!?」

 

「悪いが俺は一夏達を助けに行く」

 

「ふ、ふざけるなっ!!お前一人が言ってどうにかなる状態ではない!!いや、お前が助けに行ってさらに状況が悪くなったらどうする?もし取り返しのつかないことになったら?そんな事になったら小母さまに合わす顔が無い!!」

 

俺の申し出に唯依は烈火の如く怒りだした。

 

「あーもう、うっせぇ!!」

 

段々と怒りながら詰め寄ってくる唯依に俺は怒鳴り返した。

 

「ンなモン行ってから考える!大体やってみなくちゃ分かんねぇだろうがっ!」

 

「そんな理由が「それにっ!」ッ!?」

 

更につめようとした唯依に俺は言葉をかぶせた。

 

「よく分からねぇが、嫌な予感が済んだよ。いい様の無ぇ不安、俺が行かなくちゃいけねぇって呼んでんだ」

 

そういって自身の手を胸元に当てて唯依を見つめる。

 

「・・・・ああもう!昔からこうなったら梃子でも動かないんだから・・・」

 

本当にしょうがないと言った風に腰に手を当てて頭を抱える唯依に俺は昔を思い出しながら

 

「ヘヘッ!悪いな唯依」

 

「全くだ。それに付き合わされる私の気持ちを少しは酌んでくれ」

 

「嫌なら、付き合わなくていいんだぜ?」

 

俺の言葉に唯依はいいやといい、

 

「お前の暴走を止めるのも私の役目だからな」

 

「ハハッ!んじゃあ行くか!!」

 

「ああっ!」

 

そして、俺達は一緒に駆けていった。多分この一瞬は昔の頃に戻った気がする。

 

 

 

 

 

 

 

「着いた!」

 

眼下には一夏と鈴が謎のISと交戦していた。

 

「・・・・だがどうする?遮断シールドが貼られているから中に入る事は出来ないぞ?」

 

唯依の言う通りアリーナには遮断シールドが敷かれているため中には入れない。

 

「ンなモン、ぶち破るだけだ!」

 

そう言って俺はサイバスターを纏う。

 

「ハァ、やっぱりそうか。だがどうやって?このシールドを破る武装等・・・」

 

「まぁ言いから下がってろ、唯依」

 

若干納得していない唯依は言われた通り後ろに下がり、それを確認すると俺は右腕をつきだす。すると、同時に魔法陣が浮かび上がった。

 

「っまさか!?」

 

「ああ、いくぜアァァカシックバスタァァッ!!!」

 

ピィィィッ!!!

 

魔法陣に拳をつき立て火の鳥が召喚されると一直線に遮断シールドへ突き進んでいった。

実は唯依がいない時に一回だけアカシックバスターを使ったことがる。その時は実際はどれくらいの威力なのか?という一夏の言葉に興味を持った俺はアリーナの遮断シールドに向けて全力のアカシックバスターを放った。そしたら・・・・

 

「貫けぇぇぇぇっ!!!」

 

ガガガガッ・・・・・バキンッ!!!!

 

見事にアカシックバスターは遮断シールドをつき抜けてしまった。流石にその時は開いた口がふさがらなかった。因みにその後千冬さんにこってり絞られ(煽った一夏諸共)反省文を死ぬほど書かされた。

 

「よっしゃあ、行くぞ唯依!!」

 

「・・・・ッ、ああっ!!」

 

破られた穴に向けて移動する俺の後に続いて、武御雷(タケミカヅチ)を纏った唯依が後に続いた。

 

「一夏、鈴!無事かっ!?」

 

「雅樹っ!?それに唯依もかっ!?」

 

「アンタっさっきのは何っ!?なんか火の鳥みたいなのが飛んできたんだけどっ!?」

 

俺と唯依の乱入で一夏顔を綻ばせ、鈴は先ほどの事の説明を求めてきた。

 

「ンなもんは後にしろ!今はこいつをぶっ潰すのが先だ!!」

 

「二人ともエネルギーが乏しいだろうが四対一ならすぐに片をつけられる。一気に片付けるぞ!」

 

「おうっ!」

 

「ああ、もうっ!わかったわよ!」

 

それぞれ得物を構えた俺達は謎のISへと視線を向け更生に出ようとした瞬間、

 

ドオォォォォンッ!!!!!!

 

「っ!なんだっ!?」

 

「今度は何よっ!?」

 

「・・・アレは!?」

 

ピィィィィッ!!!

 

「ウソ、だろ・・・?」

 

突然アリーナの天井が爆発したと思ったらその煙の中から現れたのは紫の炎を纏った火の鳥だった・

 

「やっと見つけたよ!龍見雅樹!!」

 

「ッ誰だ!!」

 

「男の声・・・?」

 

煙の中から俺の名前を呼ぶ声がし、その方向を睨む。唯依が何か呟いたが今はそんな事を気にしている余裕はない。何故なら、さっきから胸騒ぎが一際大きくなっているからだ。

段々と煙が晴れ、そこから現れたのは・・・・

 

「なにっ!?」

 

「く、黒い、サイバスター?」

 

爆煙から現れたのは細部の形状などは異なるがそれは黒いサイバスターだった。

 

「僕はエラン。エラン・ゼノサキスだ。そして、これはゼルヴォイドだ」

 

「ゼノサキスだと・・・!?」

 

ゼノサキスその名を聞いた瞬間、俺は驚愕した。何故ならその名は俺にとって特別な意味を持つのだから・・・。

 

「さあ、見せて貰おうか雅樹。君の力を!!」

 

 

 

 

 

これが後に宿敵『エラン・ゼノサキス』とその専用機『ゼルヴォイド』とファーストコンタクトだった・・・。

 

 

 

 


 
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