―――これは夢だ。脳がそう告げている。その割に、意識と視界は随分とはっきりしていた。
わきに目をやれば、鈍く紅い光をたたえた漆黒の剣が突き刺さっている。
何故だか胸に痛みを覚えながら、視点を正面に戻す。
その先には、真黒く大きな五芒星が、輪郭を揺らしながら浮かんでいた。
否、真黒ではない。五芒星の中心に、縦長の惰円形をした瞳がはめ込まれている。
その瞳が、不気味に煌めいた。反射的に両腕を前に交差させて防御する。
衝撃で血まみれになった腕は気にも留めず、腰に納めていた長剣を引き抜き音高く跳躍。
心の奥底から湧き上がるどす黒い憎悪に従い、右手に持った剣を、五芒星の眼球に深々と突き入れた。
痛みに体を震わせ、薄桃色に縁取られた瞳から赤黒い血を噴き出す五芒星。
しかし瞬間、激痛を抱えているはずの瞳は恍惚に歪み、空間を吸引し始めた。
目玉に突き刺さったままの剣を掴み、吸われまいと懸命に足掻くが、数10センチという至近距離の前では
それも時間稼ぎにしかならず。
地に突き立っていた黒剣が吸われ、柄から手が離れ、とうとう終わりを覚悟した、
―――直後、覆いかぶさる布の感触。
色は空を吸い続ける五芒星と同じ途方もない黒だというのに、視界を覆う黒布は暖かく、柔らかく、
この身を包み込んでくれる。
―――そうして布に引きずられるように、景色と呼べぬ真黒い景色はゆっくりと白んでいった。
どうもはじめまして、貰い名ですが、名を義之(よしゆき)とさせていただきます。
挨拶というのは初めが肝心なものですが、こちらはまだ序章なものです故…
細かい作品紹介やなんやについては、第1話のあとがきでさせていただきます。
現役学生+来年度受験生なので更新速度は亀より遅いと思われますが、
少しでもこの駄文を気に留めてくださった方、1st.key の方を気の向く限りお待ちください。
ではでは今回はこの辺で
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星のカービィの二次創作小説です。出だしからなんですが、今のところこちらの「序章」は流し見でも結構かと…