No.545187

IS~彷徨いし剣の担い手~受け取った証

バルゴさん


何か月ぶりになるんだろう?
とりあえず出します。

2013-02-16 22:52:13 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:3213   閲覧ユーザー数:3047

 

 

 

六月頭、日曜日。

俺、織斑一夏は……右手に生クリームが入ったボールを持って、高層ビルの一室に居た。

 

「……わざわざ呼び出すなんて、何が有ったんですか?」

「まずはこれの修復が終わったので、君に渡しておこう。」

 

鴻上会長の言葉と共に現れた里中さんが机に置いてあったアタッシュケースを開く。

 

「オーズドライバー?」

「他の装備も一通り揃えてある、ライドベンダーはIS学園の方に何台か置いてある。」

 

アタッシュケースの中に合ったのは、『メダルの器』との最終決戦で破損した『反逆の王の証、オーズドライバー』と数枚のセルメダルが収まっていた。

 

「どうして俺に?」

「スクライア教授を憶えているかね?」

 

どうして此処でスクライア教授……ユーノさんの名前が出るんだ?

その前にユーノさんについて説明しよう。

 

 

 

 

ユーノ・スクライア教授。

今年で30歳になる考古学界では最も有名な若手考古学者の1人で有ると同時に、遺跡発掘とその後の整備、保存などを手掛ける第一人者。『女尊男卑』のこの世界では珍しい男性で一定の評価を得ている人物だ。ちなみにオリヴィエの考古学の師であり、ユーノさんと同じ歳の『嫁にしたい人の理想像』の金髪美人の奥さん(分かる人には分かる)が居るリア充である。

 

 

 

 

「憶えていますけど……なんでユーノさんの名前が出るんですか?」

「彼が発掘した遺跡から『新しいコアメダル』が発見されたが強奪されたらしい。」

「強奪された!?」

 

『新しいコアメダル』が発見された事も驚いたがそれ以上に『新しいコアメダル』が強奪されたってなんでだ?

 

「一体何故?」

「詳しくは現在調査中だ。だが此方でも何らかの動きが有った場合に備える為に渡しておこうと思ってね。」

 

その言葉を聞き俺はアタッシュケースを受け取る。

 

「分かりました。ところで前にお願いした事については何か分かりましたか?」

 

数日前、イーグルアンデットとカリス(マンティスアンデッド)の決闘の際に聞いた言葉、『ジョーカーは解放されている』を聞いた俺は鴻上会長に連絡を取り調査を頼んでいだ。

 

「『アンデッド』だったかね?実はその事について気になる情報が有る。」

「気になる情報?」

 

一体何だ?と思う俺に会長が口を開きその情報を語った。

 

「『風都』で『ドーパントと違う怪人』とそれと戦う『仮面ライダー』が現れた・・・と言う情報だ。」

 

風都!?よりによってあの街かよ!?

 

「風都にですか?『ドーパントと違う怪人』がアンデッドなら、それと戦う仮面ライダー……」

 

アンデッドを封印出来る仮面ライダーは俺(ブレイド)を含めて4人。だがギャレンバックルとハートのAのプライムベスタを俺が所持している以上、ギャレンとカリスは除外される。残る仮面ライダーは……

 

「その仮面ライダーは杖を所持したライダーですか?」

「いや、情報によるとその仮面ライダーは剣を使用していたらしい。」

「剣?」

 

レンゲルじゃない?正体不明の仮面ライダーを現在行方不明であるライダーシステムを用いて変身するレンゲルと予想していた俺は驚くしかなかった。しかも剣ならブレイドである俺が使用するラウザーと同じ事になる。

 

「正体不明のライダー……一体何者なんだ?」

 

 

 

 

休日明けの朝、何時もより早く食堂に行くと珍しく1人で朝食をとっている一夏の姿を見つけた。

 

「一夏、1人で食事だなんて珍しいじゃない。」

「鈴か。いやあの時(・・・)の夢を見てさ……何時もより早く目が覚めちまった。」

 

あの時(・・・)、その言葉の意味を(恐らくIS学園で唯一)知る私は納得した。私が始めて見た一夏が泣いた日で、いまだに一夏を縛り付けている鎖となっている出来事。

 

「最近見なかったのにな。やっぱり、カテゴリージャックの言葉のせいかな。」

 

カテゴリージャック。

その言葉を聞いて、あの決闘の後に一夏が何処かに連絡を取っていたのを思い出した。

 

「……それでどうだったの、何か分かった?」

「手掛かりゼロ、それどころか厄介事が起こりそうな気がする。」

 

そう言ってため息を吐く一夏を見ると苦労人って言葉が似合うと思う。そんな事を考えていたらオリヴィエが朝食を乗せたトレイを持って此方にやって来た。

 

「一夏さん、鈴さん。おはようございます。一夏さん、顔色悪いですけどどうしたんですか?」

「おはよう、オリヴィエ。いや今度はどんな厄介事に巻き込まれるのかなと思ったらさ。」

「厄介事って何よ?」

 

そう言えばさっきも厄介事について何か言っていたわよね?さあ、詳しく話しなさい。

 

「いや、昨日聞いた話なんだが士さん……『ディケイド』がこの世界に来ているらしい。」

 

士さん?『ディケイド』?

私が知ってる一夏の知り合いにそんな名前の人っていないわよね?

 

「士さんって誰ですか?」

 

オリヴィエも知らないみたいだし……一夏、はいてもらうわよ?

 

「『世界を巡り全てを繋ぐ通りすがりの仮面ライダー』だな、出来ない事は・・・写真を撮ることぐらいだった筈だ。」

 

今更ながら思うけどこいつは隠し事が多いと思う。それに『ディケイド』って仮面ライダーの名前だったんだ。

 

「何時知り合ったのよ?」

「鬼が島の鬼退治の時だな。」

 

真顔で言っているけど鬼が島の鬼退治なんてマジで言ってるの?

 

「「一夏(さん)、アンタ(あなた)は何やってるの(をしているんですか)?」」

 

 

 

 

 

「今日は何と転校生を紹介します!しかも二名です!」

 

今朝のSHRは山田先生のこの一言で始まった。

 

「え……」

「「「えええええええっ!?」」」

 

みんなが驚くのは分かるけどうるさい。俺の場合、驚くよりも怪しいと考えるんだよな。なんでこの時期に、しかも同じクラスに転入っておかしくないか?

 

「失礼します」

「……………」

 

そう言って2人が入って来て、教室のざわめきが消えた。

だって、そのうちのひとりが――俺と同じ男子だったんだからな。

 

 

 

 

 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
1
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択