No.545076

IS-インフィニット・ストラトス ネクサス 大きすぎる姉ーThe department of maintenance ー

ザルバさん

大会前日に完成した簪のIS.その時簪は・・

2013-02-16 18:59:06 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2869   閲覧ユーザー数:2783

「よしよし、何とか完成したわね。でもまさか織斑君の知り合いにまさかあんな人がいるなんて思わなかったわ。更識さん、期待の動作に違和感はない?」

「だ、大丈夫・・・・です。」

 タッグマッチ前日、最後の詰めの作業は午後六時を指していた。

「マルチロックシステムはどうだ?」

「大丈夫。結構扱いやすいよ。でもまさか戦闘機に搭載されていたシステムから出したなんて思えないよ。」

「まあツテでな。」

「織斑君どんなツテがあるのよ?」

「秘密です。」

 一夏は笑いながらそう答えた。

 簪は一夏をチラッと見る。

 今まで自分の邪魔をした人物と思った人が、自分の力になりいつしか心が引かれた。そんな簪は少し胸が熱くなる。

「じゃあ機材は俺が片付けておくんで。」

「え!いいの!」

「ありがと~!!」

「助かるよ~!」

「やった~。それじゃあおりむ~、よろしくね~。」

「あ、あの・・・・」

 簪は口下手でありながらも、感謝の気持ちを大きな声にして出す。

「あ・・・・・ありがとう・・・・ございました・・・・。わ、わたしひとりじゃ。できなくて・・・・・あ、あの・・・・・本当に・・・・・本当に・・・・・ありが・・・・ありがとう、ございました・・・・・・。」

 簪は思いっきり頭を下げる。

 そんな簪を見つめている五人はとても優しかった。

「あはは、気にしないでいいよ。同じ学園の仲間じゃない。」

「それに久々に日本のISに触れて面白かったぜ。」

「んんー。今度はあまいもの食べさせてくださいね。」

「私はケーキがいい~。」

 明るい声に包まれ、簪は少し涙ぐむ。

(なんで私今まで見栄を張っていたんだろう・・・・・・)

「じゃあ帰りましょうか。」

『おー』

「織斑君とよろしくね。」

「はい。」

「・・・・・・・更識さん、うまくやってね♪」

 黛が簪の耳元でささやいた。

 その途端、簪は耳まで赤くなった。

「・・・・・・・・・・」

 だらだらと汗が出始める。

(な、なにを・・・・・・うまくやれば・・・・・・・)

 簪はうつむき加減のまま、上目遣いで一夏の様子をうかがう。

 一夏は軽々と機材を運び、片付けていく。

「あ、あの・・・・」

「ん!俺のほうは俺でするから簪は打鉄弐式を片付けててくれ。」

「ま・・・・・待ってる!」

 簪が急に大きな声を出したことに一夏は驚く。大声を出した簪本人も恥ずかしなりつつも打鉄弐式を片付け始める。二人は会話を交わすことなく、ただ片付けの音だけが響く。

 

 片付け終わった一夏は自室でシャワーを浴びていた。

 何とかぎりぎり間に合ったな。後は明日の本戦に!

「ごほっ、ごほっ!」

 一夏は急に咳をしだした。片手で押さえた手にはべっとりと、血が付着している。

 ヤバイな。結構身体にガタが来てる。

 一夏は風呂場に飛び散った血をシャワーで洗い流し、風呂を上がる。一夏はタオルで頭をごしごし拭いていると、ノック音が響いてきた。

「はい。」

 一夏は扉を開けるとそこには楯無の姿があった。

「チャオ♪」

「こんばんは、楯無さん。」

 一夏は楯無を部屋に入れる。

「どう、あの子の機体は?」

「何とか皆の協力のもと、完成しました。」

「そう。良かった。」

「っ!」

「どうかした?」

「い、いえ。なにも。」

 一夏は勘違いのような素振りをするが部屋の前に誰かがいることを感じ取った。一夏は少し蓮と同じ能力を使い誰がいるか確かめる。

 これって!簪!

 一夏はさらに力を使い、記憶を見た。

・・・・・・なるほど。それでか。

一夏は簪が立ち去ってくことを感じ取った

「あの、楯無さん。」

「なにかな、一夏君?」

「どうして簪があなたを避けてしまうのか考えたことはありますか?」

「・・・・・・・どうしてそんなことを聞くの?」

「俺が言うのもなんですが、多分簪は何気ない一言で傷ついたんだと思いますよ。」

「・・・・・・・・」

「心当たりありますか?」

「・・・・・・・そういえばあの時言っちゃったわね。あなたは無能なままでいなさい・・・て。」

「そうですか。」

「ねえ聞いていい?」

「なんですか?」

「どうしてあの子は一人でISを作ろうと思ったのかな?」

「それは簡単ですよ。」

「え・・・・・・」

「あなたに追いつきたいと思ったからです。俺が千冬姉の弟のように、簪はあなたの妹。あなたに少しでも近づくために見栄を張ってしまったんです。」

「そう・・・・・だったんだ。」

「一回でもいいですからゆっくり話した方がいいですよ。すれ違っているままではお互いを分かり合えずに終わってしまいます。」

「・・・・・・わかったわ。そうしてみるわ。ありがとう。」

 楯無は部屋から出て行った。

 その途端であった。一夏の胸を激痛が襲い、一夏は胸ぐらをワシ掴みする。

「があああ・・・・・ぐ、ああああ!!」

 胸の痛みは徐々に消えていく。一夏は肩で息をしていた。

 きょ、今日は・・・・・もう・・・寝よう。明日の・・・・・ため・・・・・

 一夏は意識を失い、床に倒れる。

 翌日、一夏は何事も無かった顔で開会式に出た。

 その時最初に対戦する人が誰かわかった。

 織斑一夏&更識簪VS篠ノ之箒&更識楯無

 このとき、誰も予想だにしないことが起ころうとしていた。

 


 
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