No.544979

【獣機特警K-9】陰謀の渦巻く港で【交流】

古淵工機さん

FIAの女スパイ・ブリーゼことヘレナが、動く!!

■出演
ヘレナ:http://www.tinami.com/view/527343
トラジ:http://www.tinami.com/view/373707

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2013-02-16 12:48:47 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:732   閲覧ユーザー数:699

ラミナ市から南西に20kmほど離れた、ここは港湾都市ドルフィン・ベイ。

その海を見下ろすグランド・ベイサイド・ホテルに、一人の女性型ロボットが宿泊していた。

プールサイドに上がる彼女。パラソルの下のテーブルにおいてあった通信機が光る。

「…!」

彼女はすぐに反応し、通信機を手に取り画面を開く。

 

『おはようブリーゼ。その様子だとどうやらもうドルフィン・ベイにたどり着いているころだろう。では早速任務の詳細だが…』

ブリーゼと呼ばれた彼女は、何も言わず真剣な表情で、ただ通信を聞いていた。

『ドルフィン・ベイ付近にあるブリング商事が、ゴクセイカイを相手に大量破壊兵器の取引を行っているとの情報が入った。君にはブリング社の港湾施設に侵入し、情報の収集、必要ならば取引の阻止および兵器の回収・解体に当たってもらいたい…』

次々に告げられる任務の内容。

…そう、彼女こそがファンガルド情報局…通称FIAに所属するシークレット・エージェント、ヘレナ・アインリヒトその人なのである。

「…なるほどね、つまりその兵器を動かないようにぶっ壊してくればいいってワケか。よし…」

と、彼女が身体を拭き、着替えるために自室に戻ろうとしたその時である。

『…なお、このメッセージは自動的に消滅する』

「…げ!?」

なんというタイミングの悪さだろうか。慌ててヘレナが、通信機を空高く投げ飛ばそうとしたそのとき…。

 

「だあぁぁぁぁぁああああ!?」

手の中で通信機が爆発。その衝撃でヘレナは建物の外に放り出されたが…とっさに左手に内蔵されたワイヤーでビルの縁をつかんでいたため落下せずにすんだ。

「…あ、危ないなぁ…火薬の威力もちっと考えようよ…」

なにはともあれ、彼女の極秘任務がスタートした。

…さて、ホテルを出た彼女は黒一色のドラングに乗り、すぐさま港のほうへとひた走る。

「…ターゲットとなる倉庫は…あれか…」

電子頭脳にインプットされたデータをもとに、やってきたのは倉庫街の外れ。

すぐに彼女はドラングを降り、近くにあった排気ダクトから倉庫へと潜入する…。

付近の地下のダクトをインプットされているヘレナにとって、このぐらいの潜入など造作もないのである。

 

厳重なセキュリティ体制が敷かれている倉庫とはいっても、共用部分である地下のダクトなどはまるっきり警備が手薄である。

ましてや複数の企業が集まっている倉庫街であるならばなおさらである。

ヘレナはそのシステムの盲点を突き、あっさりとダクト内に侵入したのだった。

 

「と、データによればこのあたりか。…上でなにやら声が聞こえるな?」

彼女はダクトから立ち上がる点検用のハシゴを登り、そのまま倉庫の屋根裏へと潜入する。

そして格子状のハッチがある部分まで来ると、気づかれないようにそっと聞き耳を立てる。

 

聞き耳を立てる、と書いたが、ヘレナは知ってのとおりロボットである。

つまり耳のセンサー感度を上げれば、ほんのわずかな物音でも確実に聞き取ることが出来るというわけだ。

「…では、この自走式レーザー砲を15台ご購入されるということでよろしいですね?」

「ええ。ちょうど我々としても戦力が欲しかったところでね。それに御社の新兵器の宣伝にもなりますからな」

そんな商談を持ちかけていたのはブリング社の重役と、ゴクセイカイの首魁であるトラジ・キクガオカだ。

 

トラジはさらに続ける。

「知ってのとおりポレモスはようやく大規模な紛争が終わり暫定統治が始まったばかりです。しかしそれは言い換えればきわめて不安定な状況であるということでしてな」

「つまり小規模な抵抗運動が続いているから…」

「そう。こちらから一気にバランスを崩すように仕向ければ、再び戦争が起こる。そうすれば我々はまた大儲けというわけです」

その話を聞いていたヘレナの表情がいっそう険しくなる。

「なんてこった…情報は本当だったのか…!しかもコイツら、新たな戦争の火種をばら撒こうとしてる…一刻も早く阻止しなければ…!」

 

果たしてヘレナは、平和を脅かすドス黒い陰謀を阻止することが出来るのであろうか。

 


 
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