放たれる銃弾を避け、二人も咄嗟に両腿のGM-00を引き抜いた。フルオートで放たれるG-4の銃弾を正確に銃弾で撃ち落とす。と言うのも、超高感度ハイパーセンサーをそれぞれのISに搭載して部分展開しているから出来る事なのだが。
「やっぱ
気怠気な声で構えを取ると、的確なミドルキックを放つ。G4-X0はその蹴りを受け止めるが、次の瞬間右ストレートを腹に食らって吹き飛ばされる。G4-Mildも応戦しようとしたが、背負い投げで地面に力任せに叩き付けられてしまう。
「ESP、システム・・・?!」
「最悪のシナリオだな・・・・」
「知ってるんだ、コレの事。ああ、そうそう、現在
「だが、分かってるのか?そのシステムは
「俺が倒せば良いだけの話だ。」
「一人でやれると本気で思ってるのか?」
「やれるかやれないかじゃない。やるんだよ。」
戦いながらも会話を続ける三人。桐生は相変わらず気怠そうに会話を続けるが、それとは裏腹に攻撃は容赦無い。動けなくなった所を至近距離からのGM-01で撃つ。一発一発の威力が高い上に連射機能まで搭載されているので効果は絶大だ。
場所は変わって、学園から少し離れた森の中で、氷川はG3-Xを装着し、
「タァッ、ハッ!セヤッ!」
左手にGS-03 デストロイヤー、右手にはGG-02 サラマンダーが握られている。
(二体同時には・・・・流石に無理があるかな?)
事実、氷川は既に海から現れたオルカロード ケトス・オルキヌス、そしてシーアーチンロード エキヌス・ファメリカーレを相手にして補充の為に戻ろうとした所をこの二体に出くわしたのだ。
「うわっと!?」
飛んで来る鎖鎌の攻撃を避けると、もう一体の方に蹴りを叩き込んで後退させ、サラマンダーの引き金を至近距離で引いた。
カチッ!
ドウゥゥンン!!!
直撃した。普段なら両手で持って撃つのがセオリーなのだが、デストロイヤーを持っている手前致し方ない。反動で後ろに倒れそうになるが、後ろに下がった右足を軸に回転して、(原作でも殆ど命中する事がなかった)デストロイヤーをククルスを叩き付け、真っ二つに両断した。背後で二つの爆発が起こるが、GM-01を構えて警戒する。最近のアンノウンはグレネード一発如きでは倒せないのだ。だが、予想とは裏腹にどうやら倒せた様で、解除すると近くの木に凭れ掛かって深く息を付いた。
「はあ・・・・やった・・・・これで、四体。」
『氷川君、大丈夫!?』
「小沢、さん・・・・どうにか、大丈夫です。でも、このままじゃ、消耗戦、です。」
乱れる呼吸を整えながら小沢にそう伝える。そう、やはり真島が言っていた通り、人海戦術で責められたら自分達人間は成す術が無い。数の暴力と言う物は、何時の世もかなりの成果を上げて来た。今回も、かなりの確率で人間側の分が悪い。幾らアギトでも、だ。
「そっちは、どうなってます?」
『通算で今やっと十二、三体ね。やっぱりあちこちにいるアンノウンを一々追うのが手間だし。尾室君のG-5も頑張ってはいるんだけど、やっぱり三、四人で一体倒すのがやっと見たいでね。』
「彼にもめげない様に励ましてあげて下さい。」
『分かってるわ。前も買ったし、今回も絶対勝つわよ。』
「はい!」
氷川は立ち上がって汗を手の甲で拭うと、アンノウン探索の為に移動を始めた。
「流石にきついな・・・」
「確かに・・・・他の武器も殆ど弾切れで使えないですし・・・・・」
そんな時、三人の視界にアンノウンが現れた。同族らしく、肩当ての左右と装飾以外は殆ど姿が似ているリザードロード ステリオ・デクストラとシニストラが現れた。口から何らかの霧を吐き出し、三人に向かって駆け出した。
「来たか・・・・変身。」
一夏は変身を解除し、ギルスに変身した。
「やっぱりな。
「別に構わない。」
だが、秋斗の言葉も空しく、桐生は相変わらず気の無い返事でバッサリと斬り捨てた。
「俺は死にに来たんだよ。ISが何だろうが、何の目的で作られようが使われようが、俺には関係無い。俺は、ただアンノウンを可能な限り倒す。それだけだ。邪魔をするってんなら、お前らから潰す。フンッ!」
右ストレートをデクストラに叩き込み、マウントポジションを取るとそのまま何度も何度も顔面を殴り付けた。G-4の出力はG-4X0に勝るとも劣らない程の出力を備えているのだ。度重なるパンチの嵐に、デクストラの頭は地面に減り込み始めた。シニストラはそれを止めようとするが、GM-00Zの銃撃で止められてしまい、数歩後退した。
「お前の相手は俺達だ、トカゲ野郎。全弾持ってけ。」
GM-00Zの残弾を全て撃ち尽くし、ペガサス両方を腹に突き刺した。だが、最後の足掻きとばかりに顔に向かって霧を吹きかけ、G4-X0のヘルメット部分が溶解し始めた。
「クソッ!?」
腰のバッテリー残量を表示するベルトに手をかけると、緊急離脱を行った。
「変身!」
アギトに変身し、霧が届かない範囲まで飛び退く。
「危ねえ・・・・あーあ、小沢さんに殺されちまうなー俺。」
顔を溶かされそうになったと言うのに何とも能天気な事を言う。だが、腰を低く落とし、頭部のクロスホーンを開いた。
「覚悟しろ、このトカゲ野郎!」
「よっと!」
(ゲシッ!)
だが、アギトが飛び上がろうとした所でアイスフレアフォームになったギルスがアギトの方を踏み台に飛び上がり、ブリザードヒールクローを急降下しながら叩き込んだ。
「グゥゥオオァ?!」
「おい、一夏!」
「変身自体久し振りな感じですから、加減を忘れない様にってね。」
「俺の獲物を横取りすんじゃねえよ!」
そう言って走り出しながらライダーパンチを虫の息になったリザードロードに叩き込み、爆発を背景にズビシッとギルスを指差した。
「フヒヒ、サーセン。」
全く悪びれた様子も無く謝罪するギルス。ライダー同士がやる漫才・・・・想像するだけでかなりシュールな感じがする。
「さてと・・・・ようやく本題に戻れる。」
『そうだな。』
ゾクリ
ギルスとアギトの背筋が、その声で凍り付いた。ゆっくりと振り向くと、そこにはスコールの体を操っている水のエルの姿が見えた。右手を突き出して放った衝撃波は三人を吹き飛ばす。
「人間・・・・いや、アンノウン・・・・・なのか?」
「正確には人間を操っているアンノウン、だがな。」
『人の科学は、やはり進化し続ける物なのか・・・・人間がこれ程までの力を振るう事が出来る様になるとは・・・・』
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねえぞ!!」
どこから引っ張り出したのか、ギガントを構えたG-4は四発のミサイルを全て発射した。
『ふん、馬鹿め!』
だが、それらは全てスコールに当たる前に姿を消し・・・・G-4の背中を、それもバッテリーパックと頭部ユニットを正確に狙って再び姿を現した。
「な」
ドォォォオォォォォォオォオオオォオオオオオーーーーーーンンン!!!!
学園の屋上で、巨大な爆発が起こった。
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終了まで残り数話です。ここまでこの駄作を読んで下さった皆様、本当にありがとうございます。