No.54261

今、武将達はショタコンと化す!(笑 その3:ホンゴウカズト、選択のとき!!

MiTiさん

祭が延長されたおかげで、何とかここまで投稿することができました…
正直、ここまで書けたことに、かなり驚いています。
今後もショタ一刀とMiTiを、どうぞよろしくお願いします

2009-01-25 23:14:40 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:32551   閲覧ユーザー数:19580

「………で?」

 

ここは、蜀最大の広さを誇る会議場。

この建物は、天下三分が成された後、定期的に開かれる祭や会合の時の為に立てられたものである。

バスケットコート一個分ほどの広さがあり、立食パーティーや華羅御気(カラオケ)大会等もここで行われる。

そして、今この場には魏・呉・蜀、三国全ての武将達が揃っていた。

 

部屋の中心には円卓が設けられ、それを3(+1)人の王が囲んでいた。

蜀の王、劉備こと桃香、魏の王、曹操こと華琳、呉の王、孫策こと雪蓮。

彼女らの後ろにはそれぞれの国の武将達が控えている。

 

そして今、各部署に準備に回っていた者達全員に招集がかかり、緊急会議が行われている。

会議の議題は…

 

「なぜ、北郷一刀があのような姿になっているのかしら?」

 

そして不機嫌そうに、視線を雪蓮に向ける。

正確には、見るものを魅了するような笑みを浮かべる彼女の膝に座っている一刀(ショタver)に。

因みに、桃香は今の雪蓮の位置に要られなかったことを非常に残念そうにしている。

 

 

何故、華琳の機嫌が悪いのかと言うと…それは1時間ほど前にあった出来事が理由だ。

魏と呉の武将達が集結していた場所で、自分は北郷一刀だと主張した少年。

訪れたときの「た~の~もーーー!」の発言から、既に注目を集めていた。

一刀と同じような容姿をした子供が、魏の双子や呉の宿将にちやほやされている。

皆この光景を微笑ましく見ていたのだが…まさか本人だとは思わず、名前を聞いたときその場のときは止まってしまった。

 

そこで戻ってきていた華琳と雪蓮も止まってしまっていたが、華琳はいち早く復帰し、いろいろ聞くことにした。

本当に本人であるのか?どうして少年の姿をしているのか?何故この場所にいるのか?そして…敵の手のものではないのか?

最後の質問は、「はい、そうです」なんて答えるはずはないし、見た感じそのような気配は微塵も感じないのが、

何があっても対処できるように自分の武器”絶”をいつでも構えられるようにしておく。

 

「ちょっと、そこの少年?」

「??」

 

自分が自己紹介したことで、時が止まってしまい、何故皆固まっているのか?と首をかしげていた所に、

呼ばれたと気づき、首をかしげたままの状態のまま振り返る。

この時、少なからず好意を抱いている相手が、子供の姿で首を傾けているすがたに、僅かに萌えてしまったが、

それを表面に出すことなく、質問する。

 

「あなた、名前はなんと言うの?」

「?ボク、ホンゴウカズト!」

 

満面の笑み。またも萌えるが、先ほどと同じく表面に出さず質問を続ける。

 

「あなた、本物?」

「???」

「本当に北郷一刀なの?偽者なのではなくて?」

「ぶー!ぼくホンゴウカズトだよ!!にせものなんかじゃないよ!」

 

ハムスターのように頬を膨らませて怒りをあらわに…正直迫力なんか微塵もなく、萌えてしまうだけ。

 

「じ、じゃあ、何故この場所にいるのかしら?」

「あ…えっとね、月お姉ちゃんと詠お姉ちゃんと一緒にお祭に来てたんだけどね…

 いつのまにかお姉ちゃんたちと離れ離れになっちゃって…

 お母さんに「迷子になったときはえらい人に聞きなさい」って言われてたから」

 

二人の傍から離れ迷子になってしまったことに、迷惑をかけてしまったことを思い出し悲しげな表情になる。

その表情に、華琳の保護欲が掻き立てられる。

 

「あ、安心なさい。ここにいる者達は皆家族のような間柄。現に先ほども優しく接してもらえたのでしょう?」

「うん!右目のお姉ちゃんに左目のお姉ちゃん、力持ちのお姉さんも優しかった!」

 

春蘭と秋蘭の呼称に思わず吹いてしまった。

喜・怒・哀・楽全ての表情を見て、ショタ一刀への警戒心もかなり薄れてくる。

 

「どうやら、敵の手のものってのは無さそうね…」

「華琳ったら、そんなこと気にしてたの?こんなにかわいい子供が、そんなわけないじゃない」

 

華琳の評価の呟きに答えたのは、横で見ていた雪蓮だった。

 

「用心するに越したことはないでしょ。平和になった今でも私たちに敵対するものがいなくなったわけじゃないのだから」

「それはそうだけど、この子には必要ないでしょ」

「それは…貴方お得意の勘かしら?」

「ま~ね♪」

 

その答えに華琳は呆れてしまう。よく当たる…というより外れた事がないと言う雪蓮の勘。

その勘が告げていると言う理由から、彼女はショタ一刀のことを少しも警戒していなかったと言うのだ。

 

「とりあえず自己紹介しましょうか…はじめまして一刀君。私は呉の王、雪蓮よ」

「王様!?」

「そ♪王様」

「すげー!かっこいー!!」

「……あ~も~、かわいいわねーー!」

「わぷっ!!」

 

王だと自己紹介したことにより、一刀がその日最大の輝きをもって雪蓮を見つめる。

対武将兵器【満面の笑み+輝ける眼差し(ショタ一刀ver)】のクリティカルヒットを受けた雪蓮は、

その湧き上がる衝動を抑えきれず、思いっきり一刀をハグ!

胸の谷間に顔を挟まれるという桃源郷直行コースだが…ショタであるため、まだそのような感覚はなし。

 

 

自分のことをそっちのけで、自分には無いもの(胸)で、自分には出来ないことを目の当たりにし、だんだんと機嫌が悪くなる華琳は…

 

「ぷは!…あ、そういえば…」

 

ハグから抜け出し、自分の存在を思い出した一刀の…

 

「死神のお姉ちゃんのお名前は?」

 

自分に対する呼称を聞き…更に悪化してしまった。

春蘭・秋蘭のことを右目・左目のお姉ちゃんと呼んだのはまだいい。

力持ちのお姉さんも、女性としては嬉しくないかもしれないが、相手の長所を捕らえた呼び方だからまだいい。

だが…死神はどうだろか…正直悪い印象しかない。

 

だんだんと機嫌が悪くなり、それが表情にも出てきてしまい、華琳の機嫌の悪さを感じ取った一刀は思わず雪蓮の後ろに隠れる。

自分の服の裾をつかみおびえた表情を見せる一刀に雪蓮の萌え度急上昇。華琳の機嫌は更に悪化(僅かに萌えてもいたが)。

 

「私の名前は曹操、魏の王よ…で一刀君、なぜ他の娘と私の扱いがちがうのかしら…(ちょっと#」

「も~…子供のいうことなんだから、そんなに怒ることないでしょ?で、一刀くん、何故華琳のこと死神って呼んだの?」

 

怒りを抑えながら自己紹介、真名を言わないのは機嫌が悪い証拠だ。

無理して笑みを浮かべながら、目は決して笑っていない。その表情に怖がる一刀を庇いながら雪蓮が優しく問いかける。

 

「…えっとね、前に見たご本に死神が出てきたんだけどね。曹操お姉ちゃんが持ってるアレとかアレが一緒だったから…」

 

指し示すのは華琳と同じくらいの丈の巨大な鎌”絶”、髑髏の形の装飾品。

なんとも子供らしい理由に華琳は呆れて深いため息をつき、雪蓮は声を殺して笑っている。

 

「は~ぁ…よ~くわかったわ。でも次からは死神はやめなさい。いいわね?」

「わかった。そーそーお姉ちゃん」

「……なんだか違和感があるわね…やっぱり華琳で呼びなさい」

「華琳?お姉ちゃんの…え~っと、マナ?」

「あら、真名のことは教えられてるのね。そうよ、華琳は私の真名よ」

「は~い、カリンお姉ちゃん」

「よろしい…それじゃあ、桃香!」

「っ!は、はい!?」

 

3人の会話をハラハラしながら見ていた桃香は突然呼ばれたことで声が裏返ってしまう。

 

「一刀に何があったのか…吐いてもらうわよ」

「あ、あはは~…わかりました」

 

近くにいた伝令兵に各部署にいる武将達に任務失敗と緊急集合を伝えに行かせて、一同は会議場へ。

ちなみに月と詠は、ショタ一刀のことを非常に気に入った雪蓮が抱きかかえて移動していたおかげで、一刀の姿に気づき合流。

 

 

会議室で、魏・呉・蜀全ての武将が注目する中、桃香は一刀の現在に至るまでを説明する。

祭の準備指示、そのときの無理が引き起こした体調不良、過労による風邪、made by AISHAの(毒)薬による一刀のショタ化、

蜀の武将達によるショタ一刀の取り合…今のはなしで…

一刀ショタ化の事実の隠蔽計画、一刀本人による計画の崩壊…そして今に至る。

 

「…と、言うわけなんです」

 

説明を聞いた一同(特に華琳)は皆(一部除)呆れていた。説明中、愛紗は見るからに落ち込んで行き…

 

「へ~…風邪を治す薬を作るつもりで子供にしちゃうなんてねぇ。とりあえず…愛紗」

「……なんです?」

「GOOD JOB!!(b」

「グッジョーブ!!(b」

「……うれしくありません…OTZ」

 

雪蓮は非常に喜び、ウィンク付きの満面の笑みで、愛紗に向かいサムズアップ!一刀もおまけに追従してサムズアップ!

被害者本人である一刀のサムズアップは今の彼女にとってとどめの一撃となった。

ちなみに、このサムズアップ…一部の間で流行対称になっていたりする…

 

「早急に解毒剤を作って元に戻したい所だけど…」

「その解毒した薬がないから出来ないんだ」

「もう一回作ればいいじゃない」

「薬の材料の中には珍味、珍薬、高級食材、貴重薬なども多数含まれていまして…再度作るのも…」

「全く…厄介なものを作ったものね」

「ほんとね~」

 

元となった薬を作るのもむずかしいので、解毒薬に関しては保留となった。

 

そして議題は今回の祭について。と言っても…祭の準備や、各催し物などの参加者などの確認や準備は一通り終えているので、

いま話し合うことは…祭の間、このショタ一刀をどうするか?である。

 

「それじゃ一刀くん、お姉さんと一緒にお祭回ろっか♪」

「雪蓮お姉ちゃんと?うん!いいy「お待ちください!!」…??」

 

膝に座る一刀にいち早く一緒に行こうと誘い、特に考えることなく同意しようとした所で愛紗から待ったが掛かった。

 

「ご主人様をその様なかわいらしい姿にしたのは蜀の…いいえ、私の責任なのです。

 ですから、ここは我々蜀の者が責任を持って面倒を見るべきかと…」

「あら、責任うんぬん言うけど、そんなことをしても一刀をこの姿にした事実は変わらないのだし、

 どちらにしろ祭の間は元に戻せないのだから…私達魏の者達でもいいとおもうのだけど?」

「だめーー!ご主人様は私達が面倒見るの!!」

「理由もなく蜀の人たちに任せるなんて出来るわけないじゃない」

「そ、それは…え~と、そう!蜀には現在進行形で子育てしてる人がいるんだから、

 私達が一刀くんを…って、雪蓮さん!?こっそり一刀くんを連れて行かないでください!!」

「あら、ばれた~♪」

 

言い争う中、こっそり一刀と共に抜け出そうとする雪蓮に桃香が気づき、

それを筆頭に口論だけではなく、実力行使に出てくるものも続出する。

そして始まる、第二次ショタ一刀争奪戦。

魏・呉・蜀全ての武将が参加するこの争奪戦、規模は一次争奪戦の3乗。

ある者は武器を振るい、ある者はその頭脳をもって、またある者は仮面を被り…

会議場内は戦場となり、机やイス、装飾品などそこにあった備品に無事なものはなかった。

 

いつそうなったのか…三国の武将達はそれぞれの国で集まり、

遂に!武将達の武将達による武将達だけの三つ巴のショタ一刀争奪戦が、今!始ま

 

「「(だ)めーーーーーーーーーーーーーー!!」」

 

らなかった…

争いを止めたのは二人の子供…璃々とショタ一刀だった。

壇上に上がり、二人が出せる最大音量の声を聞き、皆璃々と一刀のほうに視線を向けて静止する。

 

「もぅ…お姉ちゃんたち、みんなケンカなんかしちゃだめーー!」

「…………」(全員)

「今日はへいわのお祭なんでしょ!それなのにケンカなんかしちゃめーー!!」

「ゴメンナサイ」(全員)

「も~…真桜お姉ちゃん!!」

「は、はいな!?」

「アレかして!!」

「り、了解や!」

 

怒りをあらわにした璃々に逆らうことが出来ず、ある物を差し出す。

それは真ん中にドクロマークが付いた真っ赤なでかでかとした押しボタンがついた、ある装置だ。

 

「それじゃ…カズトくん!」

「うん!ぽちっとな!!」

 

そして、ボタンが押された。

 

「・・・・・・・・・・・・せいや!」

「・・・・・・・・せいや!せいや!」

「・・・・せいや!せいや!せいや!」

「せいや!せいや!せいや!せいや!」

 

「「ぜんたーーーーい!とまれ!!」」

「せいやーーーーーーーーーーー!!」

 

現れたのは超肉体派兵士集団。

 

「そでじゃ、園丁†無双・改のみんなーーー!おねがいしまーーーす!」

「せいやーーーーーーーーーーー!!」

 

会議場内は「せいや!」と連呼する兵士に埋め尽くされ、壇上からは兵士の姿から見えないほどになっている。

そして…作業は瞬く間に終了し、兵士が退場した後は、完全に元に戻った会議場があった。

机、イス、装飾品、壁、天井、武将達の服までも戻っていた。

 

その後、平和的に話し合った結果、祭の行きたい店や見たい催しを一刀本人に選んでもらい、

その先にいる者達が面倒を見るて、更に、行った先で勝負事があれば、その勝負に勝ったものが、

祭の期間(今回の祭は武将達全員が参加してることもあり特別に一週間と長め)中一刀の面倒を見られることになった。

 

「それじゃ…一刀くん、どこにいきたいですか?」

 

パンフレットを差し出され、一刀に選択のときが来た。

皆、自分が参加する催しを選ぶようにと祈り、念じ、ゴクリと息を呑み、緊張のときを過ごす。

 

「それじゃぁね…」

 

そして、パンフレットの一点が指し示される。果たして、一刀が選んだのは!?

 

次回に続きます…


 
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