No.540883 超次元ゲイムネプテューヌmk2+BlackFate その292013-02-06 22:51:46 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:814 閲覧ユーザー数:761 |
~??? ??? プラネタワー Sideネプギア~
おかしい。
何がおかしい、と聞かれても【なにもかも】としか答えられないほどにこの世界はおかしくなっている。
何せ、私の姿が本来のものとは違うものになっているからだ。一時期プラネテューヌで開発していた入り込む3Dオンラインゲーム(なお、開発者であるお姉ちゃんが飽きたため開発は頓挫しました)とも違う。
そして、私が姿が変わった後の姿。昔の女神と名乗っていたサーダナさん。…現在のマジック・ザ・ハードのものだったのです。
…正直、混乱で頭がどうにかなりそうですよ。
私が目を覚ました直後、
ともかく、私はいーすんさんに呼び出され、謁見の間にいます。ここはあまり変化は見受けられませんね。
「サーダナさん。呼び出された理由、わかります?」
「正直に言って全く。いーすんさん、私何かしました?」
いーすんさんと妹さん?が固まった。
私、何かまずいこと言ったかな……?
「いーすんさん…そう呼ばれたのは初めてです」
「てか、いーすんさんて…ぷ、いつも呼び捨てのお姉さんが渾名どころかさん付けって…!」
二人揃って口を押さえて笑いをこらえている。サーダナさんの普段の行いが読めるような読めないような。
十数秒かけてやっと治まったのか、一つ咳をした後いーすんさんがまた話し始めた。
「さて、話はウラヌスさんから聞いています。記憶がなくなったそうですね」
「(聞いてたんなら聞かないでくださいよ)…はい」
「では、必要最低限の知識だけ今説明します。…と、其の前に。ウラヌスさん」
「はいはい、なんですかイストワール」
「少し席を外してくださいませんか?少し時間がかかりそうなので」
いーすんさんの言葉に若干眉を潜めながらも、「はーいはい」とやる気のない返事をして教会の外に出て行った。
二人きりになった謁見の間。いーすんさんの表情は神妙でした。
「さて、サーダナさん。ウラヌスさんの報告では【記憶喪失】だそうですが…違いますね?」
「ッ…!?」
「図星ですか。では聞きましょう。貴女は【何】ですか?」
一瞬で追い詰められた。いーすんさん相手に隠し事なんて昔からできなかった…!
ここで話したところで信じられるとは思えない。気の利いた嘘、は…思いつかない…。
「話せないようなもの、ですか。直ちに害はなさそうですし対処は見送りましょう。ああそうだ、あなたも別人の名前で呼ばれるのはむず痒いでしょう。貴女の名前を教えてくれませんか?勿論貴女との通信でしか使いません」
「……ネプギア、です」
「ネプギア…なるほど。ではネプギアさん。【コノ時代ヲオ楽シミクダサイ】」
背筋に何かが走った。
いーすんさんの表情が一瞬変化した。何に変化したかはよくわからなかったけど笑っていた…と思う。
どういう、ことなんだろう。この時代をお楽しみください。もう、いーすんさんには全て見抜かれているのではないだろうか。
底知れない恐怖。理由もわからない、意味もわからない怖いという感情。
私の全身を駆け巡る感情を、いーすんさんは見透かしたような目で眺めていた。
一体、どうなっているの?私はどうなってしまったの?私はサーダナとして生きなければならないの?
混乱する頭を押さえ、いーすんさんから逃げるように、私は教会を出た。
~ゲイムギョウ界 プラネテューヌ プラネタワー 謁見の間~
「はぁ、まさか保護対象にこうまで牙を向けられるとは思いませんでしたよ。4割がた自業自得ですが」
「4割どころか8割ぐらいはあると思うわよあたしは」
キャストリームとネロの戦いが終わった後、謁見の間ではイストワールが頭を悩ませていた。
二人の戦いが始まる直前、キャストリームによってユニが吹っ飛ばされ長椅子が散乱している。どうしたものか、とイストワールとユニは揃って頭を抱えていた。
「で、あのかたがたは」
「ネロとネプテューヌは寝てる。理由違うけど」
「キャストリームさんもどうやらダメージを受けているようで休んでいますし…どうしていきなり三人もダウンするんですか?」
「9割あんたのせいなんだけど」
「まぁお気になさらず。私は気にしませんから」「オイコラ」
もうやだこいつ、と早々に疲れ果てるユニを余所に若干汚れた本に乗り魔法陣片手に何かの作業を続けるイストワール。はぁ、と息を大きく吐いた。
「こちらとしては元々貴女方を保護する予定ではありました。なのですが、襲撃という手段をとられた理由を聞いてもよろしいでしょうか」
「キャストリームっつったっけ。あいつがいるからよ」
「ああ、なるほど。キャストリームさんなら心配はいりませんよ。彼女、嗚呼見えて真面目なので」
「真面目って…あいつが今存在している時点で十分心配事でしょ!?ネプテューヌのあの様見て何とも思わないの!?」
「思いませんが?」
「ぬぐぐぐぐ…!もういいわ、ここもハズレ!次行かないと!」
堪忍袋の緒が切れたかユニは大声をあげ、塔の奥に向かい走り出した。
「ああそうだ、彼女、あちらを裏切るつもりのようで……あれ?」
イストワールのワンテンポ遅れた補足を聞かないまま。ポツンと残されたイストワールは一つため息を付いた。
「…ネプギアさんのことは言う必要もないですね。しかし、何故彼女らは消されていないのか…ネロさんはともかくユニさんは消されてもおかしくないはず……キャストさん辺りにでも聞きましょう」
ああ忙しい忙しいとわざとらしく声をあげながら魔法陣両手に作業を再開した。
~ギョウカイ墓場最深部 マジェコンヌの祭壇~
紅い世界の最深部。
ギョウカイ墓場唯一といえる墓標の前にサーダナは膝を付き、祈るように手を合わせていた。
質素な墓標には【愛する友にして主】とだけ刻まれ、そこらに詰まれている廃材で作られたのが継ぎ目からも見て取れる。
ふと、サーダナは目を開け、立ち上がった。
「……」
そっと墓標を撫でる。その顔には薄らと涙が流れ小さくすすり泣くような声もし続けた。
自分が泣いているのを自覚したのか、顔を振り、涙を拭く。すぐに墓に背を向け歩き出した。
数歩行ったと同時にマジックに姿を変えた。その表情は先ほどまでとは違い歪んだ笑いを浮かべていた。
~ギョウカイ墓場 トリック・ザ・ハードの作業場~
「トリック、状況は」
ギョウカイ墓場とは思えないような機械的な広間。その一角にはカプセルと、その中身を眺めるシャルロッテ、トリック・ザ・ハードがいた。
突然現れたマジックに驚く様子もなく、淡々とシャルロットは説明を始めた。
「調子が悪くない、と言いたいところだが少しペースが悪いな。こちらからの干渉があまり出来ない以上急いでくれるのを願うだけだが」
カプセルには紫色の液体と女神化したネプギアが入っていた。カプセルの横に付けられた画面には海の上を飛ぶサーダナが映っており、何かの数列が映るサーダナの周りに次々と表示されている。
「それで、マジック?話し合いで洗脳ではなかったのか?」
「それよりも手っ取り早いのがコレだ。紫天使には最悪第二の我になってもらうことにした」
「貴様の悪趣味は留まることを知らぬな…」
「お互い様だ」
互いにクククと悪い笑みを浮かべ、カプセルに入ったネプギアを見上げる。
白と薄紫主体の装甲は徐々に赤黒く侵食され、形も少しずつ変わっている。目に見えている変化にマジックは笑いの表情を浮かべた。
「これはいわばダメ押しの一発という奴だ。マジェコンヌ様のお力によりこの世界を1からやり直す、その最大の障害である女神に対する最大の切り札だ。マジェコンヌ様と我の願いのため、使えるようにしておけよトリック」
パリーンとガラスが割れる音とともにマジックの姿が忽然と消えた。
気にする様子もなく長い袖から飴を取り出し、一口で噛み砕くシャルロッテ。次々と飴を取り出しては噛み砕く。人形の体故か表情はないはずなのにその顔は不機嫌そうな雰囲気をかもし出していた。
「マジック…貴様は何を知っている?ジャッジやブレイブどころか我輩も知らない何かを貴様は知っているはずだ…思えば我輩はマジェコンヌ様を実際に見たことがない。ならば我輩達を生み出したのはマジェコンヌ様ではなくマジック…だとすれば何故それを隠す…マジェコンヌ様とは、何なのだ…?」
再度、ネプギアを見上げる。
其の眼差しには、羨望のような感情が混じっていた。
「…紫の女神、我輩は貴様が羨ましい。貴様は我輩が知らないマジックを、マジェコンヌ様を知ることができるのだから。貴様にとっては願い下げだろうがな…。まったく、運命とは残酷なものだな。求める者には与えられず、求めぬ者に与えられる。そのような世界は糞だ、我輩は認めぬ。故に壊す。貴様に選択権はない。貴様は知り、成る義務がある。忘れるな」
ネプギアに反応はない。そうわかっていても発してしまった自分に内心苦笑するシャルロッテ。
「我輩も甘いな。幼女分が足りん」と呟きながら何本目かもわからない飴を取り出し、噛み砕いた。
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
更新ラッシュ?あんなの嘘だよ(震え声