No.539045

少年達の挽歌 日韓戦争編 第二話

BarrettM82さん

IS二次小説『学園の守護者』のサブストーリー。
少年達が虐げられるISの世界で彼らは様々な理由で戦争に赴く。
小野寺魁人の配属された部隊『第六小銃分隊』を通してISの世界の戦争、日本の社会を映し出していく。

2013-02-02 15:05:24 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:686   閲覧ユーザー数:642

第二話 大邸市攻防戦

 

ヘリの編隊は地上を這うように低空を飛行している。

機体の外に目を向けると、流れる光景の中から大邸に総攻撃をかけている戦車隊の車列が見えた。

それ以外にも上空には我が国が誇る第六世代戦闘機『飛龍』が韓国空軍の第四++世代戦闘機SU-35Kと激しい空戦を繰り広げていたが、性能で誇る飛龍の方が勝っていた。

追われていた一機のSU-35Kがフレアーを発射して赤外線誘導ミサイルを回避する。

だが直上から急降下してきた一機の戦闘機が25mmガトリング機関砲を発射して、的確にコックピットを狙って発射し、コックピットを含めた機首部分が原型を留めておらずそのまま市街地に墜落した。

低空に降りた“飛龍”がUH-1J汎用ヘリの編隊の横を通過するのを見た。

一瞬だがコックピットからヘルメットを被ったパイロットが敬礼しているように見えた。

 

「あれは第一航空団の戦闘機か。確か空軍発のエースパイロットを出した部隊だったな。」

 

荒瀬軍曹は通過した戦闘機を見て言った。

 

「たしか五十嵐というパイロットですよね、空軍最年少パイロットだったな。」

 

「そうか、俺たちも負けてられないな。」

 

すると機内で突然電子音が鳴り響いた。

機体は急旋回しつつチャフ&フレアを放出して回避機動を行う。

 

「敵の対空ミサイルです!捕まってください!」

 

パイロットはキャビンにいる我々に注意し、機体を低空に持っていく。

警告音は鳴り止んだが、無線からは悲鳴が聞こえた。

 

《メーデーメーデ!こちら五番機、破片を食らった!緊急着陸する!》

 

すると一機のUH-1J汎用ヘリは煙を吐きながら敵の真っ只中に着陸して行った。

すぐに護衛のAH-64D『アパッチ・ロングボウ』が敵の対空車両を見つけ出して撃破した。

編隊を再集結すると速度を上げ、作戦目標の大邸国際空港付近にある畑に第六小銃分隊を含む各部隊を乗せた汎用ヘリが着陸した。

すぐに降りるとヘリは上昇して来た道を戻り、戦闘ヘリが攻撃を支援した。

 

「第六小銃分隊進め!」

 

荒瀬軍曹は大きく手を振りながら合図をし、姿勢を低くしながら空港に接近した。

韓国軍の陣地は殆どが空軍の空爆で破壊され、歩兵と少しの先頭車両しか残存していなかった。

接近すると空港から一斉に銃撃に襲われ、地面に伏せて十七式5.56mm小銃を構え引き金を引く。

味方の援護が始まると匍匐前進で空港に接近する。

敵はアパッチの攻撃に押され、次々と吹き飛ばされていた。

 

「着剣しろ!通信兵、アパッチに攻撃をやめさせ後方に下がらせろ!」

 

「了解!」

 

小隊長が命じると総勢百名の兵士達は一斉に鞘から十七式銃剣を引き抜いて、銃口の辺りに装着した。

突撃命令を待っている間、音無二等兵を見ると彼の顔は青ざめ体が震えていた。

 

「音無、ただ俺の後ろをついて来れば良い。」

 

「わ、わかった。」

 

すると小隊長が叫んだ。

 

「突撃!」

 

兵士達は叫びながら十七式小銃を抱え、一斉に韓国軍の塹壕に乗り込んだ。

小野寺二等兵は一人の韓国兵の顔を蹴り上げ、塹壕に飛び降りると同時に倒れた韓国兵の腹に銃剣を突き立てた。

韓国兵は驚きの表情をした。

当然だろう、彼はまさか戦っている相手が高校生ぐらいの少年達とは。

すぐに引き抜き二回ぐらい腹に突き刺すと、隣に迫っていた韓国兵に銃底を顔面に食らわせる。

倒れたところを突き刺し殺した。

その時、上から降り掛かってきた韓国兵に倒され持っていた銃剣を刺そうとして来た。

両手で銃剣を持つ手を掴んで止めるが、韓国兵は体重を掛けて少しずつ刃先が左胸に近づく。

すると発砲音が聞こえ、馬乗りになっていた韓国兵が倒れるとそこには十七式小銃を構えた音無の姿があった。

 

「ありがとう!」

 

「あ、ああ・・・。」

 

その後塹壕に篭っていた韓国兵は次々と倒され、後方にいた韓国兵は日本兵の銃剣突撃に恐れをなし。

次々と銃を捨てて両手を挙げて塹壕から出てくるのを、小野寺達は捕縛していった。

すると二人の兵士が両手を上げて出て来た韓国兵を銃撃した。

 

「ハハハ!こいつ何言ってんだ?」

 

「死ねよ、虫けらども!」

 

この二人の兵士は前田二等兵と萩野二等兵は少年院から引き抜かれた屑だった。

前田は強盗、萩野は暴行で捕まったが軍はこのような屑に恩赦を与える代わりに軍での勤務を命じた。

特にこの二人は屑の中の屑で、部隊の中でも悪評が流れていた。

釜山でも何かと理由をつけては降伏した韓国兵を銃殺、女子供に暴行を加えたりしていた。

 

「お前ら!降伏した敵兵を殺すな!」

 

荒瀬軍曹は二人に鬼の形相で大声で怒鳴った。

 

「だって殺さないとイライラするし。」

 

「いちいち捕虜に取るの面倒じゃん。」

 

二人がこう答えると荒瀬軍曹はホルスターから素早く九mm拳銃を引き抜いて前田二等兵の頭に銃口を突き付けた。

 

「いいか、俺の命令に従え屑共が!その糞頭に鉛弾ぶち込むぞオラ!」

 

前田二等兵はやれやれと思いながら両手を挙げていった。

 

「了解、了解。軍曹様の命令に従いますよ。」

 

「・・・それでいい。」

 

ホルスターに九mm拳銃を仕舞うと他の兵士に作業を急ぐように命じた。

この戦闘では二十五名中五名が戦死した。

その後三時間後には空港全体を制圧し、空軍の空爆で破壊された航空機などの破片を片付ける。

ヘリで送られて来た完全武装した空軍の管制官達が管制を行い、一機の巨人機がフレアを焚きながら舞い降りてきた。

着陸したのはC-5M『スーパーギャラクシー』大型輸送機で、駐機場に降りるとランプを降ろして十五式装輪装甲車三台と二台の軽装甲機動車二台と共に一個小隊を降ろすとすぐに離陸して次の機体が着陸した。

大邸市に展開した日本軍は韓国軍をこの地域から一掃されて、現在は山中に逃げ込んでいた。

部隊は翌日、彼らの掃討作戦に借り出された。

翌日、第六小銃分隊は他部隊合わせて五十名で山の中を縦隊で登っていた。

無人偵察機の偵察の結果、山中には分隊規模の韓国軍が潜伏していると報告があり掃討に向った。

重い装備に加え、ゴツゴツとした岩肌がむき出しの険しい山の斜面を登り、どの隊員も息を切らせていた。

すると突然前を歩いていた兵士の頭に穴が開き、山の斜面を転げ落ちた。

それと共に一斉に銃撃が襲い掛かり、身を伏せるのが遅れた兵士が撃たれ転げ落ちた。

岩に隠れると十七式小銃を敵に向けて発砲する。

小野寺はアイアンサイトから見た光景に驚愕した。

敵の数は分隊どころか小隊規模の敵が隠れながら攻撃を加えていた。

 

「数が多すぎるぞ!」

 

小野寺は弾倉を交換してボルトを引くと発砲し、出て来た韓国兵を銃撃して殺した。

新海上等兵は十五式軽機関銃で弾幕を張って敵の接近を阻止する。

 

「いつまで押さえられるか?」

 

荒瀬軍曹はこの掃討部隊を率いている少尉に指示を仰いだ。

 

「小隊長!このままでは部隊が!」

 

「わかっている、通信兵を呼べ!」

 

通信兵は呼ばれると岩を伝って小隊長のいる窪地に飛び込んだ。

受話器を渡されるとすぐに司令部に要請を出した。

 

「こちら第三小隊!“特殊爆弾”の空爆を要請する!」

 

「全隊、マスクをしろ!」

 

特殊爆弾とは国際法で禁止された非人道的兵器のひとつ“ナパーム爆弾”のことであった。

軍内部では国際法に抵触しないように名称を特殊爆弾と命名して使っていた。

すると轟音を立ててF-5A『飛龍』が特殊爆弾を抱え、低空から接近してくるのが見えた。

 

「全員伏せろ!」

 

顔を地面につけるように伏せると、特殊爆弾を投下した。

特殊爆弾が炸裂すると炎が韓国兵がいた辺りを一気に襲い掛かった。

一瞬にして九百度~千三百度の高温で韓国兵を焼き払い、辺り一帯の酸素を消費した。

爆発が収まるとマスクをしたまま立ち上がった。

山肌は紅蓮色に燃えた炎が所々残り、至るところに真っ黒に焼けた死体が転がっていた。

小野寺や他の兵士はその光景を見ると吐き気をもよおして、マスクを脱ぐとその場で吐く。

だがマスクを脱ぐとなんとも言えない人間の焼けた臭いが鼻につき、さらに吐いた。

 

「ひどいな・・・。」

 

荒瀬軍曹はこの光景を見て一言呟いた。

すると前田二等兵は場違いな愚痴を言った。

 

「これじゃあ何ものこらねえな~、戦利品なしか。」

 

そして萩野二等兵は横に転がっていた黒焦げた死体に唾を掛けた。

このような行為に荒瀬軍曹は何も咎めなかった。

なにせこの光景が彼らの日常になり始めたからだ。

【後書き】

 

最近、模試や大学勉強で書く暇がなくさらにAO入試も見据えて志望理由書を書いたり時間がありません。

本編の再開は来年になるかもな~


 
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