第十三話
-中庭近くの東屋-
佳乃「…………やっぱり、お爺ちゃんは凄いな~」
春蘭-どうしたっ!? もう終わりか!!-
耕作-まだまだぁ!!!-
佳乃「…………元気だなぁ」
鈴々「あ、いたのだ!!」
佳乃「…………え?」
季衣「ホントだ!! ここにいたんだ!!」
佳乃「な、何か……?」
恋「……………………コレ」
佳乃「………………??」
恋「……………………食べれない」
佳乃「ハイ?」
音々音「何をモタモタしているのですか!? 恋殿がお腹を空かしているのです!! 早くこの箱を開けるのです!!」
佳乃「ああ、えっとね……うん、開いたよ」
恋「…………………………ありがとう」
音々音「恋殿、良かったのです!!」
恋「…………………………(コクリ)」
鈴々「これも開けて欲しいのだ!!」
季衣「これも開けてくれる?」
佳乃「…………はい、二つとも開いたよ」
鈴々「おお~!!」
季衣「アリガトー!!」
佳乃「……みんなは力持ちだから、すぐ開けられたんじゃ……」
恋「……………………ご主人様の、お母さんから…………貰ったから」
佳乃「???」
季衣「ボクたち、箱を壊しちゃうかもしれないから……」
鈴々「中の食べ物が食べれなくなるかもなのだ!!」
恋「………………貰ったものは、大事にする…………」
佳乃「………………優しいんですね」
音々音「恋殿が優しいのは当然なのです!!」
佳乃「フフフッ…………そうですね、ごめんなさい」
恋「………………ありがとう、じゃ」
佳乃「あっ、ちょっと貸して下さい!!」
恋「……………………あ」
音々音「な、何をするのですか!? それは恋殿のですぞ!! いきなり取り上げるとは、いくら客人だからといって…………!!」
佳乃「…………うん、これはセキトちゃんにあげても大丈夫です!」
恋「………………?」
佳乃「私達の世界には、動物に食べさせちゃいけない食べ物があるから…………でも、これは大丈夫です。多分セキトちゃんにもあげるんですよね? だから……」
恋「……………………ありがとう」
佳乃「ううん。こちらこそ、いきなり取っちゃってごめんなさい」
恋「……………………ありがとう」
佳乃「うん。だから、大丈夫ですよ?」
恋「……………………今のは」
佳乃「え?」
恋「……………………今のありがとうは、セキトの分」
佳乃「…………はい、分かりました。ではセキトちゃんに、どういたしまして、ですね!」
恋「…………………………(コクリ)」
音々音「……………………うぅ」
佳乃「ごめんなさいね? 誤解させるような事してしまって…………」
恋「………………ねね、ごめんなさい、言う」
佳乃「あ……いいんですよ。大切な人の為に怒ったんですよね? 優しいんですね……」
音々音「……………………うっ」
佳乃「セキトちゃんの所に、早く行ってあげて下さい…………お腹を空かしてますよ?」
音々音「そ、そうです!! 恋殿、早くセキトの所に行くのです!!」
恋「……………………ごめん」
佳乃「気にしないでください。私は大丈夫ですから……」
恋「……………………(コクリ)」
鈴々「食べ物、ありがとなのだー!!」
季衣「じゃー、またねー!!」
佳乃「うん、またね…………」
佳乃「………………ふぅ」
地和「あぁー! いたー!!」
佳乃「えっ……!」
天和「あっ、ここにいたんだ~」
佳乃「あ、あの…………」
人和「姉さん達、騒ぎすぎ……」
天和「佳乃ちゃんには、さっきちゃんと自己紹介出来なかったみたいだから……改めて、私の事は“天和”って呼んでね♪」
地和「ちぃの事は、“一刀が三姉妹の中で一番愛しているのが地和ちゃん”って覚えてね♪」
天和「あ~、ちぃちゃんズル~い!! 一刀が一番愛しているのはお姉ちゃんだよ~!!」
地和「何言ってるのよ!? 一刀を最初にメロメロにしたのはちぃなんだからね!!」
天和「最初に一刀とシたのはちぃちゃんだけど、それと一刀が一番愛しているのとは別でしょ~!?」
佳乃「……………………ッ!!」
人和「姉さん達、場を弁えて。佳乃ちゃんが困ってるでしょ? 不適切な言葉は言わないの」
地和「なによ~、自分一人だけ良い子ぶっちゃって!!」
天和「お姉ちゃん達知ってるんだよ~。佳乃ちゃんがか来たのを一番喜んでるのは人和ちゃんだって事♪」
人和「えっ…………!?」
天和「だって一刀と結婚したら、佳乃ちゃんは私達の新しい妹になるんだから♪」
地和「そーそー! 人和に妹が出来るんだから、お姉ちゃんぶりたくなるのは当然だよね~♪」
人和「そ、それは………………///////」
地和「ホーラ、図星でしょ!?」
人和「ご、ごめんなさいね! 私達、もう行くから……ゆっくり身体を休めてて……///////」
天和「あ~ん、お姉ちゃんまだ話してない事があるのに~」
人和「ほら、みんな準備しているんだから、私達も行くよ!!」
地和「ち、ちょっと! 強く押しすぎだってば!!」
佳乃「…………そうか、お姉ちゃん…………か」
???「オーッホッホッホッホッホ!!!」
佳乃「…………………………(ビクッ)!!?」
-続く-
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妹の佳乃の立ち位置は、結構楽しい展開に持ち込めるので書いてて面白いです。