第十話
アキラ「ハーイ、今度はウイスキーです! 御賞味あれ!!」
星「ほう、琥珀色の酒か。これはどういうものだ?」
アキラ「蒸留酒の一種っすね。主な原料は大麦とかの穀物だったハズですよ」
祭「して、これはそのまま呑んでよいのか?」
アキラ「構いませんけど、天の国では氷を入れた容器に注いで、呑むのが広く知られてますね。ああ、これこれ。コレは“グラス”って言われてる容器で、こうして氷を入れて呑むんですよ」
桔梗「ほぉ、なかなか洒落た塩梅だな」
アキラ「分かります? これを傾ける男は渋くて格好いいとか何とか…………」
霞「アキラ~、次のお酒出したって~!」
アキラ「うぇ!? さっき出したウォッカが…………」
雪蓮「あのお酒なら、二人で飲み尽くしちゃったわよ~!」
アキラ「んなアホな!?」
雪蓮「ねー、もっと無いのー?」
アキラ「ハイハイ、お待ちくださーいっと…………」
冥琳「…………………………オイ」
雪蓮「ッ!!?」
アキラ「アレ、周瑜さん?」
冥琳「随分と御機嫌そうじゃないか、雪蓮?」
アキラ「大繁盛してますよ! 周瑜さんも一杯どうです?」
冥琳「いらんっ!!」
アキラ「ス、スイマセン…………」
冥琳「皆が忙しく作業をしているというのに………………何だこの有り様は!?」
アキラ「ま、まあ、そう怒らないで下さいよ。僕は皆さんにこうやって喜んでもらうために、色々持ってきたんですから…………何なら、僕が手伝いに回りますから」
冥琳「…………私は今、雪蓮に話しているんだが?」
アキラ「…………引っ込んでいます」
雪蓮「な、何よー。あ、もしかして自分の取り分が無くなるから焦ってるの!? だったら大丈夫よ? まだまだ沢山あるんだから…………」
冥琳「そういう事を言ってるんじゃ…………!!」
燎一「…………冥琳さーん、ちょっと宜しいでしょうか?」
雪蓮「ホ、ホラ! 一刀のお義父様が呼んでるわよ! 行ってあげなさいよ!」
冥琳「………………説教はするからな」
雪蓮「分かってるから、行ってらっしゃい!」
冥琳「まったく……………………ああ、お待たせしました。何でしょうか…………」
アキラ「…………………………恐かったーーーーー!」
雪蓮「冥琳は怒らせたらダメよ~?」
アキラ「てか、孫策さんに怒ってたんでしょ?」
雪蓮「それよりも、追加のお酒早く~!!」
アキラ「………………ハイハイ、ただいまー」
祭「…………しかし、実に奇怪な箱じゃのう」
アキラ「え? ああ、この鞄の事ですか?」
桔梗「それもお主の時代の代物か?」
アキラ「ええ。まあ、無限に入るワケじゃありませんがね」
星「その瓶に入っている酒を所望したいのだが?」
アキラ「…………ああ、これも日本酒ですから、先に孫策さんと張遼さんに呑んでもらってから…………」
祭「また策殿から、か。さっきもそうじゃったが、随分と優遇されるのじゃな?」
アキラ「スイマセンね~。これ北郷一刀さんから言われてまして」
桔梗「お館様が?」
アキラ「ええ、何でも孫策さんが一番呑みたそうにしていたのと、張遼さんは約束したから、だそうで」
霞「約束?」
アキラ「ええ。天の国の酒を呑んでみたい、とか何とか言ってたとか」
霞「ウチ、そんなん言うたっけ?」
アキラ「えっ!? イヤ、御自分が約束したんでしょ? 確か老酒を呑みながら、誓いの盃をしたとか…………」
霞「老酒……………………」
アキラ「………………完全に忘れてるっぽいですね」
霞「………………………………あっ!」
アキラ「お?」
霞「…………せやった。ウチ、約束したわ」
アキラ「おお!!」
霞「すっかり忘れとったわ………………」
アキラ「北郷一刀さんの言った通りですね。多分忘れてるかもって」
霞「いや、でも、あんなん、ちゃんとした約束ちゃうし………………」
アキラ「北郷一刀さんにしてみれば、大切な約束だったって事ですよ、きっと……」
霞「…………そっか、一刀覚えててくれてたんか………………へへへへ♪」
アキラ「ど、どうしました?」
霞「あんな~、ウチ今、メッチャ気持ちいいねん♪」
アキラ「酔いが回りましたか?」
霞「ん~、そうかもしれへんな~♪」
雪蓮「ちょっと気持ち悪いわよ?」
霞「何とでも言いや~。今ウチは一刀の優しさに酔いしれてんも~ん♪」
星「アキラ殿、この桃色の空気を払う酒はあるか?」
アキラ「じゃ、次はカクテルでも作りますか? ってあんまり意味ないかな……」
霞「か~ずと~…………♪」
-続く-
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我々は霞が好きです。ですから若干えこひいきです。