No.535696

真・恋姫無双 幼き命を護る者 第1話

kenさん

恋姫無双のオリジナル主人公&転生モノです。前作にコメントがあるのを発見した瞬間嬉しさのあまり半泣きになりました…。とりあえず月2回の更新を目標で頑張ります!駄文だとは思いますが、誤字脱字・文脈のアドバイス・展開の要望などをぜひどうぞ!誹謗中傷は勘弁して下さい…。

2013-01-24 22:40:24 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1275   閲覧ユーザー数:1171

第1話 第2の人生

 

「で、結局あんた誰?そしてなんで姿がぼやけてるんだ?」

そう目の前にいるこの人間(?)は、なぜか全身に霧がかかったような姿で顔も見えない。

 

「私ですか?そうですね…。いわゆる神様みたいなものです。神として様々な形を持っていますから時と場合によって姿は変わります。」

その声は男とも女とも取れる中庸的な声だった。そのお陰で性別さえわからない。

 

「なるほどね、アンタが神様なのはわかったよ。じゃあここは天国か?」

 

「ここは私のプライベートルームみたいなものですよ。ここは色々な場所に繋がっています。天国や地獄、そしてそれ以外の場所へも…。」

そう言って神とやらは意味ありげな笑みを浮かべた(顔は見えないがそう見えた)。

 

「それ以外の場所?死人の行き先に天国と地獄以外があるのか?」

 

「ええ、でも普通の死人はそこへは行けない事になっています。」

 

「?」

 

「そこは『外史』と呼ばれる場所。いわゆるパラレルワールドみたいな所で、ごく一部の限られた物しか入れない世界…。」

『パラレルワールド』なんて随分突拍子もない話だが、死んだはずの自分が置かれている状況を考えると素直に納得できた。

 

「そんな物があるのか…。まるでおとぎ話のような話だな。」

この場所については理解したが、もう1つ重要な問題がある。

 

「なぜ俺がこの場所に呼ばれたんだ?

神様のお眼鏡に叶うほどのマトモな人生送ってきたとは思ってないけど…。」

今までの人生を少しだけ思い出して俺は苦笑いをした。

 

「あなたの人生を見ていて興味を持ったのですよ。あなたという人間にね!

だから私の一存でここに連れてきました!事務処理が面倒でした…。」

神は「はぁ~。」と深いため息をついた。

 

「っとそれはさて置き、桐山達也さん!提案があるんですけど…。」

神は「ふふふ…。」と悪巧みを考えるような笑みを浮かべた。そして…

 

「あなた第2の人生を歩んでみませんか!」と、

とんでもない事を言い出した。

 

 

「第2の人生?つまり新しい命を貰って、赤ちゃんからやり直すのか?」

いくら新しい命を貰っても赤ちゃんからやり直すのは結構面倒くさいな…。

 

「う~ん、ちょっと違います。あなたには今の姿や記憶を保ったまま『転生』という形である外史へ行ってもらいます。」

今の記憶を保ったままって事は、過去に行ったとしたら知識の面ではかなりのアドバンテージがあるな…。まぁ行き先次第だが。

 

「ちなみに行き先は決まっているのか?」

 

「はい!あなたに行ってもらうのは中国の三国志時代です!」

 

「…………。」 「…………。」 

「…………マジで?」 「はい、マジです!」

いや、ちょっと待ってくれ…。三国志って言えば中国全体が食って食われての戦争真っ只中の頃だろ? そんな時代に俺が行ったところで……。

 

「死ぬに決まってるだろ…。」

いくら現代の知識があったとしてもこれは無理な話だ。これといった武力も無い俺が行ったところで良くて兵卒、賊に襲われでもしたら間違いなく殺されてしまうだろ…。

 

「あ、その心配はないですよ!」

俺の心配を察したのか神は明るい口調で話し始めた。

 

「私の一存で今回のような無茶振りをするんですから、転生するときに武力の方に補正を掛けておきますから。相手にもよりますけど、かなりの強さですよ!」

それなら簡単に死ぬ心配は無さそうだな…。

 

「それでですね、あなたは行った先の外史で好きなように生きて下さい。」

 

「好きなように?『天下を統一しろ!』とかしなければいけない事は無いのか?」

『転生』だの『力』だの優遇される割に使命も特に無いわけか…。

 

「はい!賊を率いても、国を興しても、農民として畑を耕しも、何をしてもOKです。例えば生前、あなたが後悔している事をやりなおしたり…。」

 

「………。」その時の神の話し方は俺の心の奥底を見透かすような雰囲気だった。

軽い感じで振る舞っているがコイツは本当に『神』らしいな…。

 

「まぁ好きにやっちゃってくださいな!」

 

「わかった、その話受けようじゃないか。2回目の人生と新しい力、ありがたく受け取らせてもらうよ!」

どうなるかはわからないがせっかくの機会だ。大いに楽しませてもらうか!

 

「よし、じゃあ早速外史へ出発………。」

そこまで言うと神は急に黙り込んだ。

 

「どうした、何か忘れているのか?だったらしっかりしてくれよ…。」

30秒程考えてから神は思い出したように「あっ!」と声を上げた。

 

「そうでした!武力に補正を書けるのはOKなんですけど、どんな武器を得意とするか決めてもらうのを忘れていました!」

確かに、武力はあっても得意な武器が無かったら宝の持ち腐れだな…。

 

「で、どんな武器がいいですか?さすがにマシンガンのような重火器は無理ですけど…。」

さすがにそれは俺も遠慮したい弾が尽きたらどうすればいいんだよ…。

 

「俺が決めてもいいのか?」  「はい!」

 

「それじゃあ、棍棒がいいかな。」  

「随分地味なチョイスですね…。」 「ほっとけ…。」

棍棒にした理由は、もしものときそこら辺に落ちている木の棒でも、ある程度戦えるようになると思ったからだ。もう一つ棒術なら剣術に比べて圧倒的に相手を殺す確率が下がると思ったからだ。

 

「わかりました、それじゃあ武器は転生先で目が覚めた時に傍に置いとくようにします。

あ!あとあなたがどこで目覚めるかはランダムなのそれも覚えておいて下さい。」

ランダムなのは厄介だな…。向こうに付いたらまず現在位置の把握が最優先か。

 

「これで全部完了か?」 「はい、これで転生に必要な事は全部完了です!」

神がそう言った瞬間俺の目の前に扉のようなものが現われた。

 

「この扉を潜ったらそこは三国時代って事か…。」

さぁて、この先に待つのは一体何なんだろうな…。

 

「はい、それじゃ、いってらっしゃい!2度目の人生楽しんでくださいね!」

 

神がそう言った瞬間扉が開き、視界は白い霧に包まれ俺は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

ここから新しい物語が幕を開ける。

自分より幼い命を守る事ばかりを考えるお人好しな、ある男の物語…。

 

 

 

 

 

 

 


 
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