真・恋姫無双 明けましておめで短編『征服!? ヘビ娘!』
✝✝✝
メイド軍師詠さんが毒ヘビに噛まれた。
「かぷりっ♪」
「んあー」
だが大した毒ではなかったらしく、おまけに華佗もいたのであっさり回復。
「我が身我が針と(中略)元気になれー!」
ちくりっ! きゅぴーん☆
「……はっ!?」
しかし、何が悪かったのか目覚めた詠さんは、
「はっはっはー! 愚かな人間どもよ! ボクは地中から地上を征服しにやって来たヘビ娘にょろ! おまえたちを恐怖のどん底に沈めてやる蛇(ジャ)ん!」
こんなんなってましたとさ。
✝✝✝
で。
「へぇ、征服? 私たちを?」
雪蓮さん。
「恐怖のどん底に沈める、ね」
華琳さん。
「その言、本気ならばいくらお主と言えど」
愛紗さん。
「「「おしおきが必要だ!!!」」」
「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!?」
ヘビ娘、三国征服失敗。
↓その後。
【桃香さんとヘビ娘】
「あー。シャバの空気は美味いにょろ……」
「な、何があったの詠ちゃ……じゃなくて、ヘビ娘ちゃん?」
「おお、おぬしは確か、桃香ジャん? どうこもこうないにょろ、ボク、あの男どもからようやく解放されたんジャん」
「あの男どもって……ああ、ご主人様と華佗さん。そう言えば今日はヘビ娘ちゃん、検査の日だったね」
「全く、ボクはどこも悪くなんかないにょろに! 結局『もう少し様子を見るしかないな』『……そうか』みたいな感じで、いつも通りだしにょろ! あの黒髪男と赤髪男め!」
「あはは。まぁまぁ。二人ともヘビ娘ちゃんのことが心配なんだよ。でも良かった♪」
「は? 何がにょろ?」
「んー。最初ヘビ娘ちゃん、『人間を征服してやるー』とか言ってたじゃない? だから何か悪いことしちゃったりするのかなー、って思ったんだけど、そんなこともなくて。……良い子だよねぇ、ヘビ娘ちゃん」
「んなっ!? ボ、ボクは良い子なんかジャないにょろ! 恐怖と破壊の征服者にょろよ!」
「うんうん♪ あ、それじゃちなみに、何か征服したものってあるのかな?」
「え!? えーと、えーと……あ、ある! あったにょろ!」
「なになにっ!?」
「黒髪男の腰の上っ!」
「あはは♪ やだ、ヘビ娘ちゃんたら。それ、征服したんじゃなくて、征服されちゃってるよ♪」
「にょろ!?」
【翠さんとヘビ娘】
「しゃっしゃっしゃっー! しゃっしゃっしゃっー! しゃっしゃっしあっ!?」
「……何やってんだ、詠……違った、ヘビ娘?」
「翠。何って見てわからんにょろか? ヘビっぽい高笑いの練習にょろ」
「は? 意味あるのかよ、そんなの……」
「あるに決まってるジャん! 『からたち』は大切だって公孫――たん? が言ってたにょろよ!」
「『きゃら立ち』な。それと『公孫たん』じゃなくて『公孫賛』だろ。本人聞いたら泣くぞ?」
「そんなの知ったこっちゃねーにょろ! それよりボクは、早くお主みたいに『からたち』したいんジャん!」
「……あたしみたいに?」
「そうにょろ! 『失禁馬超』! ……スバラッ!」
「素晴らしくねぇよっ!? 誰から聞いたんだそれ!?」
「みんな?」
「……うわーんっ!」
【メイド服とヘビ娘】
「へぅ。はい、詠ちゃ……じゃなくて、ヘビ娘ちゃん。これがヘビ娘ちゃんのめいど服だよ」
「おお! なんだか可愛い服ジャん! これ、ボクが着て良いにょろ?」
「うん。そうだよ」
「それは嬉しいにょろねー。へへへー♪」
「……ううっ」
「えっ!? ど、どうして泣くんジャん、月っ!? お腹痛いにょろか?」
「ううん。ごめんね。……詠ちゃんもヘビ娘ちゃんくらい素直になれれば良いのにって思ったら、なんだか涙が……」
「なんだか良くわからんにょろが、月が泣いたのはその『詠』って奴のせいにょろね! まったく月を泣かすなんてとんでもない奴ジャん!」
「……くすくす♪」
「うむ。月はそうやって笑っていた方がずぅっと良いにょろ!」
【さよなら。ヘビ娘】
「へぅ? ……ところで、ヘビ娘ちゃんはヘビなんだよね?」
「その通りにょろ!」
「なら、そろそろ冬だから……冬眠するんじゃないのかな……?」
「……あ」
✝✝✝
「――で、ヘビ娘ちゃんは『冬眠するにょろ』って言って、いなくなっちゃったんだよ。詠ちゃん?」
「へー。ボクが毒蛇に噛まれて寝てる間に、そんな変な奴が来てたんだ。ちょっと会ってみたかったわね」
「そうだね。きっと仲良くなれるんじゃないかな。……くすくす♪」
「ち、ちょっと!? なんで笑うのよ、月ーっ!?」
――おわり
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みなさま、こんにちは。
貧乳噺の続きが思いのほか難産なため、場つなぎ(?)に一つ投稿してみます。
「今年はヘビ年だから」ってことのみから発想したお話なので、あまり深く考えずかるーくお読みいただけると嬉しいです。
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