No.534531

真・恋姫無双~白き牙を持つ者~ #66・裏

tokkeyさん

このお話は66話後の他の人達視点です
補足する部分がある為です。

2013-01-21 16:35:46 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:6216   閲覧ユーザー数:5484

~ 第66閑話 †その後の邑での話† ~

 

 

私は最初からその布を被った男がおかしいと感じていた

 

 

「貴殿が、楽進が言っていた旅の者か?」

 

 

「そうだ、理由があって顔を出す事はできないが許してほしい」

 

 

「誰にでも何かあるさ、今はこの邑を守ってくれるなら問題は無い

 

 (この声どこかで聞いた事ある気がするな)」

 

 

「そういってもらえると助かるよ

 

 俺のは姓は厳、名は虎というよろしく頼む」

 

 

「私は夏候、妙才(みょうさい)だ

 

 曹操様の土地内で問題起こしたらその時は容赦しないぞ?

 

 それとこちらが許褚(きょちょ)という」

 

 

「よろしくねにいやん!」

 

 

その男と握手した時何故か私は懐かしいと感じた

何時だ?この男と私は会った事があるのか?

私の師匠であった人は10年近く行方知らずだ

数年前までは風の噂で白の狩人など色々な武勇は聞いていたが

ここ数年の間に全く聞かなくなってしまった

簡単に死ぬ人ではないと思うが・・・いかんな今はこの邑を救う事を考えよう

 

 

「秋蘭(しゅうらん)様、あの男の人凄く優しい人ですね

 ボク、心がふわっとしました!」

 

 

えへへ~と笑顔でそう言ってくる季衣(きい・許褚真名)の頭を撫でながら

 

 

「お前がそういうのなら安心ができるな」

 

 

今はこういう笑顔を守る立場にある事を胸に刻み

迫っている黄巾賊退治に集中する

 

 

 

 

各門に黄巾賊がやってきた

私は門の上の櫓に立って弓を構える

門の前では季衣とその部下の者達が陣を取る

私の射程距離に奴等が入ると同時に南の方から声が聞こえてきた

 

 

「我が名は厳白虎(げんはくこ)!!

 

 獣と化した者達よ!恐れを知らぬならかかってこい!!」

 

 

私はその名乗りを聞いて、心が躍った

やっぱりあの男は師匠だったのだ

自然と笑みが出てくるのが分かる・・・師匠これが終わったら覚悟してくださいね

私の中でこの戦は勝つ事がこの時決まってしまった

それが油断だったとすぐ後で後悔することになった

 

 

最初は順調に抑えていた

門の前で陣を取り上手く防御しながら耐えていた

それを私達弓隊が確実に狙撃して敵を減らしていたが

季衣が自分を制御できずに突出してしまった

 

 

「うわぁぁぁ!邑の皆の仇!!!」

 

「まてっ!季衣!早まるな前に出るんじゃない!!」

 

 

私の制止も聞かずに敵の中へ突撃していった

 

 

「皆の者許褚の援護を!!」

 

「夏候淵様無理です!敵が多くて援護ができません!!」

 

「ちぃっ!誰かいないかっ!」

 

 

幸いまだ私の射程距離内にいるが私一人の援護じゃ無理があった

勢いよく頑張っていた季衣だが疲れ始めてるのが目に見える

やばい・・・私は弓を撃つ速度をあげるがそれでも敵の数のが多い

そして私の指もとうとう悲鳴をあげてしまい

私の目の前で大事な部下が死んでしまう・・・思わず下を向いたその時

一つの砂塵が季衣の横を駆け抜け、門の前で止まり

季衣をこちらへ投げていった

その砂塵は再び敵陣へ駆け抜ける

一瞬の事で何が起きたか分からなかったが

季衣を師匠が助けてくれた事は分かった、すぐに気持ちを切り替えて指示を出す

 

 

「皆の者、敵は今浮き足だっている今が好機!一気に押し返せ!!!

 季衣は少し後ろに下がって休んでいろいいな!」

 

「は、はい!!」

 

 

季衣が門の中に入るのを確認した私は震えていた指に再度力を入れて弓を引く

遠くで戦ってる師匠の姿が見えるのに私も負けていられない

 

 

ほぼこちらの勝ちが揺るがない状況になり、師匠の方を見ると

師匠の方もほとんど終わりに近かった

南を瞬時に終わらせてこちらへ手伝いに来てくれた

師匠は本当に素晴らしい武人だな・・・

そう思って見ていると、師匠がこちらに近づいてきて

 

 

「夏候淵、曹操によろしくな!!」

 

そういって逃げていく師匠

え?ええ??待って!まだ色々聞きたいのに!!

 

 

「こ、こら!白!!華琳(かりん)様がーーー!」

 

 

咄嗟に出た言葉はそれしか思いつかなかった・・・

 

 

戦も無事終わり、こちらも無傷とはいかなかったが

十分に圧勝といえる状態で終わった

北で戦ってた楽進・于禁の二人も李典が加わり問題無かったようだ

それにしても師匠・・・逃げるなんてあんまりだ

心が沈んでいたが季衣が近寄ってきて

 

 

「秋蘭様、お礼言えませんでした・・・」

 

 

と私と同じ様に気落ちしていた

私がこの子達を支えないといけないなと思い頭を撫で

 

 

「なに、次会った時にちゃんとお礼を言えばいいのさ」

 

 

私の言葉に季衣は笑顔を見せて 「はい!」 と強く同意してくれた

やっぱりこの子には笑顔が一番だなと思ってると

この邑の長老が手紙を預かったと言って私にもってきた

2通あり、一つは華琳様もう一つは私にだった

誰だ?と思って渡した人物を聞くとそれは師匠だった

今すぐに読みたいと思ったが、華琳様に手紙を渡し

その時一緒に来る姉者と一緒に見るのも悪くないなと思い大事にしまった

 

 

 

それから2日が経ち華琳様達がやってきた

 

 

「華琳様、お待ちしていました」

 

「急いでやってきたのだけれど問題無かったみたいね?」

 

「はっ・・・こちらにいる楽進・李典・于禁の3人の尽力もあり

 無事黄巾賊を追い返すことができました」

 

「なるほどね、3人ともありがとう

 私の大事な民を守ってくれた事を感謝するわ

 これからも私の為に力を振るってくれないかしら?」

 

そういって3人を紹介すると、3人は膝をつき臣下の礼をした

 

 

「はっ!ありがたきお言葉!

 我ら3人共、今後も曹操様の力となることを真名に誓います!!」

 

「よろしい、私の事は今後から真名の華琳と呼ぶ事を許します」

 

「有難き幸せ!私は凪です、よろしくお願いします華琳様」

 

「于禁は沙和(さわ)なの~よろしくなの華琳様」

 

「ウチは真桜(まおう)と言います、よろしゅうたのんます大将」

 

 

真名の紹介も終わり、一息ついた所で大事な用件を華琳様に話す

 

 

「華琳様、大事な話がありますこちらへ・・・」

 

「そう・・・?分かったわ」

 

 

人払いをして、華琳様と姉者に手紙を見せる

 

 

「秋蘭これは?」

 

「白からの手紙でございます」

 

「な、なんだと秋蘭!?し、師匠がいたのか?!」

 

「落ち着け姉者、手紙も預かってるから一緒に読もう」

 

 

華琳様にも手紙を渡し、私は姉者と一緒に手紙を読む

 

 

【夏候淵と夏候惇へ

 多分、俺の手紙を今二人で読んでいることだろう

 二人が立派に成長して曹操をしっかり補佐していると思う

 これから先、曹操には色んな重圧がかかってくるだろう

 そんな時間違った事をするかもしれない・・・

 それを諫めるのも大事な臣下の仕事であり

 曹操が信頼する二人にしかできないことだ

 そして、曹操は王である前に一人の女の子でもある

 それを忘れずに彼女を・・・守ってくれ

 後、二人も身体を大切にな?二人も女である事を忘れるなよ】

 

 

私は自然と顔が熱くなり、笑みがこぼれる

隣の姉者も同じようになっている

華琳様の方を見ると、やはり同じ様になっている

全く・・・これだから師匠は本当に人が悪い・・・

 

 

この後、華琳様の手紙に書かれた情報を元に

私達は対黄巾党討伐に向けての作戦を立てていくのであった

 

 

あとがきっぽいもの

 

今回は前の話にあった手紙を渡したという補足の回です

視点は夏候淵ですです

華琳様への手紙の内容は冀州(きしゅう)に集結しつつあるということ

とある事を御願いした位です

後はまぁ・・・華琳様を王ではなく一人の女の子として心配した位です

その辺の文は皆さんの妄想でお願いします!

次回は本編に戻り、きっと黄巾党編も大詰めです!

 

こんな寄り道たっぷりの駄文ですが次回もよろしくお願いしますm(_ _)m


 
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