No.533066

真・恋姫†無双~不信の御遣い~ 第二十四話

BLADEさん

第二十四話です。

2013-01-17 22:53:29 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2253   閲覧ユーザー数:2068

「おい、詠!あれはどういうことだよ?」

 

話し合いが終わり、俺と月と詠を残して、皆が高順に対して痛ましい視線を向けながら、

 

高順に続いて部屋を出ていった。

 

その機を見計らって俺は詠に問いかける。

 

「どういうことって、アンタも聞いていたでしょ?そういうことよ」

 

何を当たり前のことを。といった様子だ。

 

「ふざけないでくれ。高順を死なせるつもりか?詠だって知ってるだろう?

 

あの馬がどれだけ……」

 

俺の言葉を打ち消すように詠が言葉を被せる。

 

「そこまでよ。誰かが聞いているかもしれない状況で、軽々しくそんなことを言うものじゃない」

 

「だけど……!!!」

 

月が俺を擁護するように言う。

 

「ご主人様の言うとおりだよ、詠ちゃん。あの馬は危険すぎる。

 

今まで幾人の乗り手を死なせたあの『凶馬』は、高順さんにはの手に負えない。

 

それは詠ちゃんだって分かってるでしょう?」

 

月が詠に質問する。

 

月の言うことには、余程の事がない限り、月の言うことを聞いてしまう詠だが、首を縦には振らない。

 

いや、振れないように見えた。

 

「ダメなのよ、月。彼を見極めるにはどうしても、あの凶馬をあてがうしかないの」

 

一瞬の間を開けて、詠は言った。

 

幾人の下僕が乗れば客死し。

 

幾人の主が乗れば刑死させた、その凶馬の名前を。

 

 

 

「そう。『的盧』をね」

 

 

 

 

賈駆ちゃんの話が終わり、自室へと戻ることにする。

 

すると、心配そうな顔をした恋ちゃんが僕に声を掛けてくれる。

 

「……高順、大丈夫……?」

 

 

何を心配しているのだろう。張遼さん達にも、そんな顔をされたけど。

 

「何を心配しているのか知らないけど、大丈夫だよ。

 

君達の仲間と認めてもらえるなら、この条件は好条件だと思うし」

 

「……普通の軍馬なら、そうかもしれない。けど、あの馬は別格。気をつけて……」

 

気をつけて?どういうこと?

 

賈駆ちゃんが話していた軍馬は、そんなにすごいのかな?

 

「……うん分かった。気をつけるよ……」

 

この恋ちゃんの忠告をしっかりと受け止めるべきだった。

 

僕は、侮っていた。賊三人を倒し、華雄さんと張遼さんを相手にし、

 

思い上がっていたのかもしれない。

 

ここが、『死』というものが、僕が生きていた世界より、よほど鮮明である世界だと。

 

気付けなかった。あんなに『死』を求めていたのに。

 

僕は明日、それを。

 

まざまざと、思い知らされる。

 

 

こうしたらいいんじゃない?というような要望がありましたら、

 

匿名でも構いませんので、コメントお願いします。


 
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