No.532855

第一章 『もしもタクト・マイヤーズが、宇宙一の剣術使いだったら・・・』

虎命!さん

ちゃらんぽらんのタクトの裏の顔が、凄腕の剣術使いなら

2013-01-17 10:27:09 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4089   閲覧ユーザー数:3939

トランスバール歴411年。ここに1つの伝説が起きた。トランスバール内で起きていた何年にも続いた戦争が、2人の男達の手によって終戦を迎えた。1人は大きな銃を持ち、もう1人の男は刀を持っていた。そして、男2人は何処かへと姿を消してしまった。その話は瞬く間にトランスバール全域に広がった。しかし、あれからその男達は姿を見せなかった。世間は、『実はあの話は、とある兵士の嘘の話である』だとか、『実は、もうこの惑星にはもういないのでは』等々、色々な噂が立っていた。しかし、とある兵士の証言で得られた情報は、『2人組で1人は、スナイパー銃を持ち、もう1人は刀である。その刀には、[夕凪]という文字が彫られていたそうだ。』それだけしかない情報、これ以上は探りようがない。そうして、この男達の事は伝説として残っていたのだ。しかし、翌年に起こる戦争に、再びこの2人が現れるとは、この時は誰も思ってはいなかった。

 

 

 

第一章『新司令は、タクト・マイヤーズ!』

 

 

 

トランスバール歴412年。俺タクト・マイヤーズは、ロストテクノロジーという未知なる技術を探す任務を行っている。ま~、単に辺境の地に行ってロストテクノロジーがあるか無いかの捜索だけなんだけどね。そして、俺には親友のレスター・クールダラスと一緒だ。それだけでだいぶ気が楽になる。

 

レスター「タクト、そろそろクロノドライブから出るから、状況確認を頼む。」

 

タクト「わかった。しかしレスター、そんなに気を張ってたらハゲるよ?」

 

レスター「誰のせいで、こんなに気を張らなくちゃならないと思ってんだ!!」

 

怒鳴り散らすレスターを無視し、俺はオペレーターに指示を出す。

 

タクト「クロノドライブ終了後、すぐ周囲の状況確認!」

 

オペレーター「了解です。」pipipi

 

そうこうしてる間に、クロノドライブから出た。

 

レスター「周囲の確認を急げ!!」

 

レスターの指示で状況確認をするオペレーター達。結果は何も無し。しかし、何だか嫌な予感がするんだよね。こう言う時の俺の勘は無駄に当たるからな。そんな事を察したのか、レスターが訪ねてきた。

 

レスター「どうしたタクト?」

 

タクト「いや、何だか嫌な予感がするんだよね。」

 

レスター「それは、何時もの勘か?」

 

タクト「そうだな。」

 

レスター「なら信じよう。お前の勘は嫌でも当たるからな。」

 

タクト「ははは、どうも。」

 

俺は苦笑いしつつ、オペレーター達に第二戦闘配備と周囲を警戒するよう指示した。すると5分後・・・

 

 

ビーッビーッビーッ

 

 

レスター「何事だ!」

 

オペレーター「12時の方向に不明艦隊を感知!距離およそ50000!残り5分で戦闘空域に入ります。」

 

レスター「総員第一戦闘配備!!タクト、どうする?」

 

タクト「そうだな・・・取り合えず攻撃をして、駄目だったらクロノドライブで逃げよう。逃げに恥なんてかいてる暇ないからね。命あっての物種。」

 

レスター「わかった。」

 

オペレーター「敵艦戦闘空域に入りました!!」

 

タクト「よし、主砲全て発射!!」

 

全ての艦の主砲を一斉に発射し、見事に相手敵艦に命中した。しかし、全弾命中したはずが敵艦は無傷だった。

 

レスター「そんな馬鹿な・・・」

 

タクト「これはまずいね(^^;レスター、すぐにクロノドライブに移行してくれ。」

 

レスター「了解だ。クロノドライブに移行だ!大至急だ!!」

 

オペレーター「了解です!!クロノドライブ移行に移ります!!」pipipi

 

すぐにクロノドライブの準備に取り掛かるが、その間敵艦が待ってくれる筈もなく、攻撃は続いていた。

 

オペレーター「報告します!敵艦の攻撃がこちらに向かってきます!!」

 

レスター「緊急回避だ!!」

 

オペレーター「間に合いません!!」

 

タクト「全エネルギーをシールドに回してしのぐんだ!!」

 

オペレーター「攻撃・・・きます!!!!」

 

俺達は覚悟を決めた。しかし、いつまでたっても攻撃が当たった感じがしない。そっと目を開けると、そこにあったのは、撃墜されてた戦艦だった。

 

タクト「一体・・・何が起こったんだ??」

 

状況を一生懸命把握しようとしている時に、通信が入ってきたのだ。

 

オペレーター「マイヤーズ司令、別の場所から通信が入っています。」

 

レスター「別の場所?一体誰だ??」

 

オペレーター「確認します・・・確認を完了しました。所属先、白き月の護衛隊のムーンエンジェル隊です。そちらのフォルテ・シュトーレン中尉からです。」

 

タクト「助かった~、すぐに繋いでくれ。」

 

オペレーター「了解しました。」

 

すると、中央モニターに20歳前後の赤髪の女性が映ってた。多分、この人がフォルテだろう。

 

フォルテ「何とか間に合ったみたいだね。」

 

タクト「ありがとう。君達が来なければ、今頃はもう殺られていたよ。」

 

フォルテ「良いって良いって♪」

 

フォルテはそう言いながら笑っていた。

 

フォルテ「さて、こちらにタクト・マイヤーズ大佐がいると聞いて、迎えに来たんだが?」

 

タクト「タクト・マイヤーズは俺だ。それに迎えに来たって、どう言うことだい?」

 

フォルテ「それは・・・」

 

フォルテが話そうとした時に、別の人物が通信に割り込んできた。

 

???「フォルテさ~ん!!私もお話ししたいです~!!」

 

フォルテ「だぁ~!!ミルフィー、急に割り込んでくるんじゃないよ!!」

 

タクト「え~っと・・・君は誰かな?」

 

ミルフィーユ「申し訳ありません。ご挨拶が遅れました。私はムーンエンジェル隊所属の、ミルフィーユ・桜葉です!!」

 

???「ちょっとミルフィー!何勝手に話に入ってんのよ!!」

 

今度は、何か中国風の女の子が現れた。

 

蘭花「私は蘭花・フランボワーズよ。」

 

タクト「宜しく。しかし、何で君達がこんな辺境の地まで来たんだい?」

 

フォルテ「おっと、話が逸れちまったね。実は、ルフト准将からお前さんを迎えに行ってくれと頼まれてね。因みに、そちらの副司令も一緒にだ。」

 

レスター「ルフト先生が?」

 

タクト「ルフト先生直々に呼び出されたなら、行かないわけはいかないな。それじゃあ案内してくれるかい??」

 

ミルフィーユ「わかりました。それじゃあ私達についてきてください♪」

 

タクト「レスター、エンジェル隊についていってくれ。」

 

レスター「了解。戦艦エンジェル隊についていってくれ。」

 

こうして俺達は、エンジェル隊についていってルフト先生の所に向かった。

 

 

とある空域・・・

 

 

フォルテ「もうじき付くよ。」

 

レスター「随分辺境な場所だな。本当にこんな所にルフト先生がいるのか?」

 

蘭花「いるわよ!!」

 

タクト「まぁまぁレスター、彼女達を信じようよ。」

 

レスター「ったく!」

 

そうこうしてるうちに、一隻の船を見つけた。

 

ミルフィーユ「皆さんお疲れ様です。あれが宇宙船エルシオールです♪」

 

オペレーター「確認完了しました。間違いありません!あの船は、白き月所属の船エルシオールです。」

 

タクト「へ~、始めて見たけど凄いな~。」

 

レスター「あぁ、この船の倍はあるな。」

 

フォルテ「それじゃ、二人は小型船で乗り込んでくれ。」

 

タクト「わかった。」

 

俺とレスターは小型船で、停泊中のエルシオールに向かった。

 

 

・・・エルシオール格納庫・・・

 

 

タクト「うわ~、格納庫も凄く広いな・・・」

 

レスター「これは驚いたな。格納庫だけでも戦艦一隻入りそうだ。」

 

驚いていた俺達に後ろから声がかけられた。

 

フォルテ「驚いてるようだね。」

 

声をかけてきたのはフォルテだった。

 

フォルテ「それじゃちゃんとしないとね。タクト・マイヤーズ大佐!エルシオールへようこそ!改めて自己紹介させていただきます。フォルテ・シュトーレン中尉です。(^^ゞ」ビシッ

 

タクト「わざわざどうも。タクト・マイヤーズ大佐だ。宜しくね。」

 

レスター「レスター・クールダラス中佐だ。」

 

フォルテ「それじゃあルフト准将がお待ちだ。ブリッジまでお越し願おうか。」

 

こうして俺達は、ルフト先生が待っているブリッジへと向かった。

 

 

・・・ブリッジ・・・

 

 

ルフト「お~タクト!待っておったぞ!!」

 

タクト「お久しぶりです。ルフト先生。」

 

ルフト「相変わらず元気そうじゃの。安心したわい。レスターも元気そうじゃな。」

 

レスター「はい。ご無沙汰しております。所で、本日は俺達に何の用でしょう?」

 

ルフト「おぉ、そうじゃった。タクト、お前にこのエルシオールの司令官をやってほしいのじゃ。」

 

タクト「えぇ!?そんな急に言われても・・・」

 

慌てるタクトに、ルフトは話を続けた。

 

ルフト「まぁ聞け。実は、お前達がロストテクノロジーの捜索に行っているときに、5年前にトランスバールを追放された、エオニアが襲ってきての。それでワシ等は逃げてきたのじゃ。その時に多くの王族が命を奪われた。生き残りは、シヴァ王子だけなんじゃ。今この艦に乗っておる。」

 

レスター「シヴァ王子が、この艦に乗っておられるんですか!?」

 

ルフト「そうじゃ。ワシ等は、エオニアに対抗すべく軍を集めなくてはならん。そこで、惑星ファーゴに向かうことになったんじゃ。」

 

タクト「成る程、それでルフト先生はどうするんですか?」

 

ルフト「ワシか?ワシは、これから無事な軍隊を引き連れてファーゴに向かわなくてはならんのじゃ。で、お前にこの艦を任せたいんじゃ。」

 

タクト「急にそんな事言われましても・・・」

 

ルフト「頼むタクト!もう時間がないんじゃ!!」

 

タクト「・・・・・・」

 

悩むタクト。そら突然呼び出されて、白き月直属のムーンエンジェル隊を引き連れてファーゴに向かってくれと言われても。しかも、皇国最後の生き残りのシヴァ王子までも一緒だ。しかし、滅多に頼み後とをしないルフトの頼み。そう考えたタクトは、渋々だが引き受けようと考えた。

 

タクト「わかりました。引き受けましょう。」

 

ルフト「お~、お前ならそう言ってくれると信じておったわい!!それでレスター、お前も一緒に副司令としてタクトの手助けをしてやってくれ。」

 

レスター「最初からそのつもりですよ。コイツが司令をするなら、俺が副司令をしなきゃなりませんからね。」

 

ルフト「宜しく頼むぞ!タクト!!レスター!!」

 

こうしてタクトは、エルシオールの司令官としての旅が始まるのだった。


 
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