No.531763

IS〈インフィニット・ストラトス〉 ~G-soul~

地下での邂逅

2013-01-14 18:24:21 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:942   閲覧ユーザー数:890

一足先に宿泊施設に到着した教師陣たちは二日目そして三日目の予定を確認していた。

 

「一番にここに辿り着くのはどの班でしょうね?」

 

「どうだかな。普段よくつるんでる専用機持ち達も今回ばかりは話は別だ。意外と四苦八苦しているかも知れないぞ」

 

ゴールである宿泊施設から真耶と千冬は山道の方を見て話す。

 

「去年の臨海学校ではトラブルがありましたし…今年はなにも起こらないことを願うばかりですよ」

 

真耶の言葉に千冬は思うところがある。

 

(束…このところやけに静かだ……)

 

ここ数か月、連絡も取ることができないでいる束を心配する義理はないと言うと嘘になるが文字通り音沙汰無しなことが気がかりだった。

 

(アイツが何もしないでいるとは思えん……)

 

「…こちらも取りかからなければならんか」

 

「え?」

 

真耶がこちらに顔を向けた。

 

「気にするな。それより、しっかり見張れよ。どっかの馬鹿がなにを仕出かすか分からないからな」

 

「は、はい! 見張りますよ! しっかり! 緊急時用装備の入ったリュックの中の発煙筒が見つかったらすぐに対応できるように!」

 

手に双眼鏡を持った真耶が声を張って意気込む。千冬はそんな真耶の姿を見て心が安らぐのを感じた。すると遠方の木々の間から白い煙が。

 

 

もくもくもくもく…………

 

 

「そら、発煙筒の煙だ。こういう時はどうするんだ?」

 

「はいっ! こちらは落ち着いて通信機に連絡を…」

 

「……………」

 

「……………」

 

「「…煙?」」

 

声を揃えた二人の数十キロ先、白い煙が立ち上った。

 

 

「ですから! 桐野くんと更識さんがいなくなったんです! 落ち着いてください山田先生! そうです! 忽然と消えたんです!」

 

瑛斗と簪が行方不明になったB班は川原で立ち往生となった。クリスティは通信機を使って真耶に状況を説明しているが完全に通信機の向こうの真耶は完全に取り乱していた。

 

「おかしいよー! 私たち三人で地図を見てたほんの数秒でいなくなるなんてー!」

 

「携帯も繋がらないしどうするの!? というか、どうなるの!?」

 

あわあわと慌てる班員たちに通信を終えたクリスティは声をあげた。

 

「二人とも落ち着く! 私たちが慌てたって二人は戻ってこないわ」

 

「で、でもぉ…」

 

「とりあえず織斑先生に通信の相手を代わってもらって状況説明したから、私たちはここで待機よ!」

 

「「は、はいっ!」」

 

テキパキとした指示に二人は敬礼して返事をする。

 

「もう…ここまでの展開はノーサンキューだって」

 

クリスティは川の流れを見て心を落ち着かせようとしたが、さして効果を成さなかった。

 

 

ピチョン…

 

「ん…」

 

頬に冷たいなにかが落ちてきた。

 

(な、なんだ? やけに暗いぞ)

 

目だけを動かしたがひたすら真っ暗でここがどこだか、なにがなんだかさっぱりわからない。

 

「…んぅ?」

 

身体にあまり感じたことのない重みを感じた。触ってみる。やーらかい感触がした。なんだろ? えらく柔らかいな。

 

「ひゃん!?」

 

…なんか悲鳴的な声的なのが聞こえた気がしたぞ? しかもなんか飛び跳ねるように動いた・・・?

 

「え…えいと………」

 

なんか呼ばれた気がした。…って、え!?

 

「瑛斗…そんな、触っちゃ……」

 

「その声、簪!?」

 

俺の上に覆いかぶさるようにしていたのは簪だった! 

 

「…うん」

 

最初は声だけが聞こえてたけど段々目が慣れてきて簪の姿が見え始める。簪が体を起こしたのを見てから俺も体を起こして問いかけた。

 

「ここどこだ!? 俺たち落ちてきたんだよな!?」

 

「多分…そう」

 

「怪我してないか?」

 

「…うん」

 

簪よ、なぜそんな突き放すような『うん』なんだ・・・

 

「大丈夫か? ほんとはどっか怪我してるんじゃないか?」

 

「怪我してない…でも、瑛斗は、謝らなきゃ、ダメ」

 

「な、なして?」

 

「……………」

 

すると簪は胸のあたりを腕で隠すようにした。

 

「…瑛斗……いま、触った」

 

「………え…マジで……?」

 

「……………」

 

いよいよ返事すらなくなった。

 

土下座です。『土の下に座る』と書いて土下座です。

 

多分そんな由来じゃないけど、とりあえず簪に土下座した。

 

「…もう、いい。許してあげる」

 

「さ、左様でございますか」

 

顔を上げると、もじもじと手を交差させる簪がいた。

 

「…い、言って、くれれ…ば…」

 

「うん?」

 

「な、なんでも、ないっ。それで…ここ、どこだと思う?」

 

そうだった。すっかり忘れていた。確か、蟹を簪に見せたら…

 

「そうだ、簪が蟹にビビったら穴が開いて落っこちたんだ」

 

「ビビってなんか、ないもん」

 

いかんいかん。また簪を怒らせるところだった。

 

「だ、大分目が慣れてきたからわかったけど、洞窟かな」

 

「どれくらいの深さ…落ちたのかな?」

 

二人で上を見上げるが、雫が音を立てて落ちてくるだけでいまいち高さは把握できない。

 

「わからねえな。けど問題は………気づいてるな?」

 

「うん」

 

まだ表情の変化は見れないが、多分簪も同じような表情だろう。

 

 

「「ISが展開できない」」

 

 

「やっぱり…瑛斗、も?」

 

「ああ。G-soulもセフィロトもさっきから展開しようとしても全然できない」

 

「私の、打鉄弐式も…ダメみたい」

 

「一体どういうことなんだ? まさか亡国機業が関わってんじゃないだろうな…」

 

以前、俺がスコールたちに捕まってセフィロトを起動させられた時にもG-soulが展開できなかったことがあった。それが関係してるとは思えないけど…

 

「にしても暗いな…あ、そうだ携帯!」

 

俺は上着のポケットを漁って携帯電話を取り出した。

 

「よっしゃ、壊れてない」

 

「なにに…使うの? ここ、圏外だよ」

 

確か電波は受信できていない。けど、

 

「別に誰かに連絡を取ろうってわけじゃないさ。こうして…」

 

俺は光を放つ携帯の画面を簪に見せた。

 

「懐中電灯代わりに使うんだ」

 

「そう…あ、瑛斗、アレ」

 

簪が俺たちが立っている向こう側を指差した。

 

「道が、続いてるよ」

 

「ホントだ。結構向こうまで」

 

反対側にも画面を向けると、数メートル先で行き止まりになっていた。

 

「どう、する?」

 

「ここでじっとしてても仕方ない。とりあえず行ってみよう」

 

「うん、わかった」

 

俺と簪は謎の洞窟を歩き出した。

 

「……………」

 

「……………」

 

俺たちが歩いている洞窟の幅は結構あった。二人で並んで歩いても充分余裕がある。明かりらしきものが無くて、携帯の明かりが無いと前が見えないのが難点だけど。

 

「そ、そう言えば、お前と見た映画で今の状況と似たようなシーンあったな。主人公とヒロインが洞窟に落っこちて探検するヤツ」

 

「そう、だね」

 

やだなぁ…この洞窟の中の独特な雰囲気と妙な湿気。簪と会話して紛らわそ。

 

「こんな感じで歩いてたら、後ろから敵が襲い掛かってくるのな」

 

「うん…」

 

「……………」

 

「……………」

 

あれ? 会話が終わっちゃったよ? できたらもうちょっと―――――

 

「きゃあっ!?」

 

「うわああああっ!? なに!? なになになになに!?」

 

いきなり簪が悲鳴をあげた! 簪より驚いて飛び上がってしまう俺! 『情けな…』とか言うな!

 

「す…水滴が、首に……」

 

「な、なんだぁ。もー、脅かさないでくださいよ簪さん」

 

「ご、ごめん…」

 

とりあえず落ち着きを取り戻してまた歩き出す。

 

「……………」

 

 

ギュ…

 

 

不意に簪が俺の腕に自分の腕を絡めてきた。

 

「ん? どした?」

 

「転ん、だり…はぐれちゃ、いけない、から……」

 

「おお、なるほど」

 

「うん…」

 

「でもいいのか? その…む、胸、当たってるぞ」

 

「……………」

 

「簪?」

 

それから数秒、簪は黙り込んだ。

 

「……簪?」

 

もう一度呼びかけると反応がきた。

 

「…いい、気にしない」

 

「そ、そか」

 

(さっきは結構怒ってたのに、この違いは一体…?)

 

そのまま簪と一緒に洞窟を進むと、大きな岩の壁が立ちはだかった。

 

「あんりゃ、行き止まりだ」

 

「ここで…終わり?」

 

「まいったな、出口らしい出口は見つけられてないぜ」

 

携帯電話でその周りを照らして回る。

 

「…あ、ちょっと、待って」

 

簪が俺の腕を引いて数歩歩いて壁際に立った。

 

「ここ…不自然に………」

 

簪が触れたのは壁から出た小さな石ころだ。

 

 

カチ

 

 

簪がその石ころを押すと、石ころは壁のなかに埋まった。

 

「お?」

 

 

ゴゴゴゴゴ…

 

 

すると目の前の壁が物々しい音を立てながら動いた。

 

「おぉ!?」

 

そして完全に動ききると、壁の向こう側が見えた。え、なにこれすごいんですけど!

 

「すげえ! すげえぞ簪! よくわかったな?」

 

「アニメで、見たから……もしかしたらって」

 

「お手柄だぜこんにゃろ!」

 

簪の頭を撫でると、簪は画面の光に照らされた頬を赤くした。

 

「…で」

 

「…うん」

 

いったん喜び終えて、壁の向こうに出た道に目を向ける。俺たちの目の前に開けたのは……

 

ずいぶんと近代的、いや、下手すると未来的な回廊だった。

 

「なんだこりゃ…」

 

「明かりも、ついてる」

 

後ろに広がる洞窟と前に広がる回廊のギャップに驚きつつ足を踏み入れると、カツン、カツン、と靴音が響いた。

 

「ツクヨミと遜色無いくらいだ…」

 

「こんな、感じだったの?」

 

「ああ。ちょっと違うけど、大体は同じ」

 

「そうなんだ…」

 

簪と一緒にこの異様にな空間を見ながら進む。

 

「あ! もしかしたらここならIS展開できるかも!」

 

ピカーンと俺の頭の豆電球が光った。

 

「やってみよう! 簪、ちょっと離れててな」

 

「え…もう……?」

 

「え?」

 

なぜか残念そうな顔になる簪。だがすぐに、なんでもない、と言って俺の後ろに下がった。

 

「よーし…来いっ! G-soul!」

 

「……………」

 

「………………」

 

 

シーン

 

 

「……………」

 

「……………」

 

「………ダメ、みたい」

 

「そんなぁ~…はぁ」

 

ガックリと肩を落とす。どうやら場所の様子が変わっても展開できないことに変わりはないみたいだ。

 

「仕方ない。もうちょっと奥まで――――――」

 

 

「あの…そこにいらっしゃるのはどちら様でしょうか?」

 

 

「「!?」」

 

後ろから声が聞こえた! 

 

「誰だっ!」

 

咄嗟に身構えて振り返ると、段ボールの載った手押し車があった。

 

「え…なにこれ」

 

「あ、こっちです」

 

段ボールの陰から白のワンピースを着た三つ編みの女の子が出てきた。パッと見はチヨリちゃんと同じくらいな幼い感じだ。

 

「女の…子?」

 

簪が首を捻ると女の子はホッと息を吐いた。

 

「よかった…男の人以外にもいたんですね」

 

「……………」

 

なんだか急過ぎていまいち状況が飲み込めないぞ?

 

「瑛斗…」

 

「そ、そうだな。とりあえず話だけでも聞いてみるか。なあ」

 

「はい?」

 

声をかけると女の子は可愛らしく首を傾げた。

 

「つかぬことを聞くけど、ここどこ?」

 

「……………」

 

すると女の子は表情を硬くした。なんだ? 俺まずいこと言ったかな?

 

「瑛斗、警戒…しちゃってる」

 

「え…あ、ああそうだな! まずは自己紹介だな! 俺は桐野瑛斗、こっちは更識簪。君は?」

 

務めて『危害は加えないよ』アピールをしながら名乗った。そしたら向こうも名乗り返してきてくれたよ。

 

「私は、『くーちゃん』と呼ばれています」

 

「くーちゃん? あだ名か?」

 

「いえ、おそらくそう言う名前だと……」

 

「「『おそらく』…?」」

 

簪と一緒に頭に『?』を浮かべる。でもこれじゃあ話が進まないからスルーしよう。

 

「じ、じゃあ、くー、ここがどこだか教えてくれないか?」

 

「…ここは、秘密基地、のようなものですね。私たちの」

 

「秘密基地? えらく立派だなぁ」

 

「結構、凝ってる人がいまして。あはは・・・」

 

「ふーん…じゃあ、もう一つお願いがあるんだけど、出口ってどこかな? 俺たち、間違って落っこちてきちゃったみたいでさ」

 

「そ、そうですか。ではこちらへ」

 

くーは手押し車をゴロゴロと押しながら歩き始めた。俺たちもそれについて歩く。

 

「他の友達はここにはいないのか?」

 

「今はここにいるのは私だけです。ちょっと、片付けを」

 

「そうなんだ」

 

しばらく進むと壁の前に着いた。

 

「ちょっと待っててくださいね」

 

くーは壁の横の装置に右手を置いた。すると壁はシュッと音を立てて開いた。

 

「お待たせしました、どうぞ」

 

くーは何事もなかったかのようにまた手押し車を押して進み始める。

 

「…最近の秘密基地、すごい……」

 

簪が目をキラキラさせて感嘆する。

 

「すんごく凝り性な人が友達なんだな」

 

「え、ええ。まあ」

 

くーに着いて歩き、十分ほど。俺たちは広い空間に出た。

 

「ここは?」

 

「一応の出口です。ここからなら外に出れますよ」

 

「やっと…出れる」

 

簪が安堵の表情を浮かべる。

 

「いやー悪いな。助かったよ。くー、ありがとう」

 

「いえ…こちらこそ、申し訳ありません」

 

「お前が謝ることないって。こっちこそわざとじゃないとは言え、勝手に秘密基地に入って悪かった」

 

「お気になさらず。本人には、私から言っておきます」

 

「しっかりした子だな。………それと、もう一つ、いいかな?」

 

「なんでしょう?」

 

 

「くー、お前…目が見えないのか?」

 

 

「……………」

 

「え、瑛斗? いきなり…」

 

「気になったんだよ。俺たちの後ろから出てきたとき、簪のことに気づいてなかった。そのあと、簪の声が聞こえてから初めてお前がいると理解してただろ?」

 

「あ…」

 

簪が合点がいった顔をすると、くーが口を開いた。

 

「目…身体のことはあまり触れられたくありません」

 

「あ、うん、だよな。ごめん」

 

バツが悪くなって俺はくーから顔を逸らす。

 

「…それと、私ももう一つ謝らなければいけないことが」

 

「え?」

 

 

「ISが展開できずに、ご迷惑をおかけしました」

 

 

「「…!?」」

 

俺たちの名前をニュースとかで聞いてたからISを持っているとはわかったんだろう。

 

けど、なんで、俺たちがISが展開できないって知ってるんだ!?

 

「原因を、知ってるのか?」

 

「知っていますよ。私が原因ですから」

 

「どういう…こと?」

 

くーは簪の問いに答えることなく、右手を前に突き出した。次の瞬間、くーの右腕からありえないものが出てきた。

 

 

銃口。六門の銃口がくーの細い右腕を包むように現れた。

 

 

「そんな…!?」

 

「一体どういうことだよ…」

 

驚く俺たちをよそに、くーは声をかけてきた。

 

「ISを展開してみてください。きっとできますよ」

 

言われるままG-soulに意識を集中させると、くーの言った通り展開できた。

 

「……………」

 

俺の横に立つ簪も打鉄弐式を展開していた。

 

「上へ」

 

くーは銃口を露出させた右手を上に向けた。

 

「このまま上に行けば、すぐに地表へ出れます」

 

目を凝らすと、上にわずかな光を確認できた。

 

「私がこの腕を元に戻せばまた展開できなくなります。早く行った方がよろしいですよ」

 

「いよいよ何者だ、お前は…」

 

「サイボーグ…?」

 

「サイボーグですか…ふふっ」

 

「なにがおかしい」

 

「私は、サイボーグよりも、遥かに強い自信がありますよ」

 

「……………」

 

俺と簪はくーと対峙している。いつでも攻撃を仕掛けられる間合いだ。

 

「…ここで戦うという選択肢は、少々愚かですよ」

 

「なに…?」

 

俺の心を読んだみたいにそんなことを言われた。

 

「私も勝手な戦闘をしては怒られてしまいます。ここはお引き取りを。無駄な戦闘は、お互い利益になりません」

 

くーがそう言った時、G-soulがなにかに反応した。そこには…

 

「…そうだな。確かに俺たちが戦う理由はない。行くぞ簪」

 

「え…うん。わかった」

 

「じゃあな、くー。友達によろしく」

 

俺と簪は上の光に向かって飛ぶ。

 

「……………」

 

振り返ると、くーはまだ俺たちにその閉ざされた目を向けていた。

 

それから地表に出た俺たちはすぐに発煙筒の煙を発見し、班員たちと合流。どこに行っていたかはなんとか誤魔化して無事宿泊所にゴールすることができた。

 

 

瑛「インフィニット・ストラトス~G-soul~ラジオ!」

 

一「略して!」

 

瑛&一「「ラジオISG!」」

 

瑛「読者のみなさん! こんばどやぁー!!」

 

一「こんばんはー!」

 

瑛「さて、俺と簪も無事地下から脱出できたから、今回は透けてませんよー、俺、透けてませんよー」

 

一「色々大変そうだったな」

 

瑛「んな他人事みたいに…マジで焦ったからな。今度から無闇に蟹を捕まえるのはやめよう」

 

一「はは…さあ、今日も質問が届いてるぞ! 張り切って行ってみよう!」

 

瑛「お、おお。えーカイザムさんからの質問! 俺と一夏への質問だ。二人はカブトムシとクワガタムシ、二人はどちら派ですか? だってさ」

 

一「おー、夏な話題だな」

 

瑛「ちなみに質問をくれたカイザムさんはクワガタ派だそうな」

 

一「俺はそうだな…やっぱりカブトムシ派かな」

 

瑛「ほう。そりゃまたどうして?」

 

一「いやぁ、カッコいいじゃん。カブトムシ。角とか」

 

瑛「えー? クワガタだろ。あの顎こそロマンだろ」

 

一「どっちかって言うと、カブトムシの方が強いだろ」

 

瑛「いんや。クワガタだね」

 

一「カブトムシ!」

 

瑛「クワガタだろ!」

 

瑛&一「「ぐぬぬぬ…!」」

 

瑛「…と、いうわけで。カブトムシとクワガタムシを用意しましたー!」

 

一「一体どこから…いや、やめよう。こんな質問は無意味だ」

 

瑛「とりあえず手っ取り早くこの二匹をバトルさせて、勝った方が至高な。負けた方は学食でなんか奢る」

 

一「いいぜ。来いっ!」

 

瑛「よっしゃ! クワガタの強さを思い知れ!」

 

一「……………」

 

瑛「……………」

 

ク「……………」(ワキャワキャワキャワキャ…)

 

カ「……………」(ワキャワキャワキャワキャ…)

 

瑛「なんか…地味だな」

 

一「考えてみたら読者のみんなには伝わらないじゃん」

 

瑛「そ、そうだ! この時間を利用して次の質問行ってみよう!」

 

一「なるほど。えっと、ロキさんからの質問! また俺たち宛てだ」

 

 

ウィーン…

 

 

瑛「ん? なんだ? このボタン。『押すな』って書いてあるぞ」

 

一「質問の内容は、押すなって書いてあるボタンがあったら、押しますか? っていうものだ」

 

瑛「そんなお前、そりゃ押すわけないだろ。常識的に考えて」

 

一「ちなみに、俺もこれを押すとなにが起こるかはさっぱり聞いてない」

 

瑛「大体、そんなボタンがあること自体―――――おお!? カブトムシとクワガタムシが激しいバトルを繰り広げている!?」

 

一「すげえ! ム○キングなんてメじゃねえぞ!」

 

瑛「カブトムシがクワガタを持ちあげて…投げた!」

 

瑛&一「「あ」」

 

 

ピューン…カチッ

 

 

瑛「クワガタが…ボタン、押しちった」

 

 

ダバァーッ!!

 

 

瑛&一「「おわあああっ!?」」

 

瑛「ゴホゴホッ! て、天井から大量な水が…」

 

一「こんな仕掛けだったとは…」

 

瑛「うぅっ…冷えた。今日はもうこれくらいで」

 

 

流れ始める本家ISのエンディング

 

 

瑛「今回は、とあるのお嬢様学校の生徒さんに歌ってもらったぞ」

 

一「あの、短髪の女の子か」

 

瑛「うん。なんでも電気を操れるとか」

 

一「え、なにそれ凄いな」

 

瑛「おや…後ろからもう一人」

 

一「なんか、目が怖いぞ…」

 

瑛「おっと、もう時間だ。それじゃあ!」

 

一「みなさん!」

 

瑛&一「「さようならー!」」

 

???「おねーさまー! どこに行ってらっしゃったんですのー!?」

 

???「わぁっ!? ちょ、黒子っ!!」(バリバリバリッ!!)

 

???「ああっ! 痺れますわっ!」

 

一「…なんか、こっちに飛びかかった子が吹っ飛んでくるぞ」

 

瑛「おまけに電気を帯びてる」

 

 

ピューン…カチッ

 

 

瑛&一&???「「「あ」」」

 

 

ダバァーッ! バリバリバリバリッ!

 

 

瑛斗&一&???「「「ぎゃああああああっ!!」」」

 

???「えっ? あ、あれ?」


 
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